マネー管理のミステイク その2

パーソナルファイナンスでありがちな問題点をまとめた「マネー管理のミステイク」シリーズを、4回に分けてお届けします。今、収支がキリキリでうまくお金が回っていないという場合もあれば、今はなんとかなっているが将来これでいいのか不安ということもあるでしょう。また、お金はないことはないが、管理はこのままでいいのか疑問がある方もあるでしょう。マネー管理はなんとかできていると思っているが、いったい見落としている点はないのかという心配もあるかもしれません。全24項目のチェックポイントを4回に分けてお届けします。

クレジットカードを月々支払いきらないこと

クレジットカードの残高を繰越した場合につくカード利子は、数ある借金の中でももっともばかばかしく高いものといってもよいでしょう。クレジットカード負債は、そういう意味でもっとも避けるべき負債です。カード負債は長く持っていれば持っているほど、恐るべきスピードで増えます(負の複利です)。そのうち払っても払っても追いつかないというサイクルに達し、他のカードで今のカードの負債をカバーするという悪循環に入っていきます。

そもそもクレジットカードで家を買う人はいませんね。クレジットカードで購入するものは日常の生活必需品から中程度の嗜好品です。つまり長期的に負債を組んで支払うべき買い物ではありません。カード残高があるということは、日々の収入より多い生活・嗜好品の消費をしているということです。これは、負債の問題というよりは、月々のバジェットの問題です。月々支払いきらないような消費はしないことが基本です。

人と比べること

自分のライフスタイルの基準を確立せず、人と比較することは失敗と不幸への第一歩です。友達が大きな家を買ったからとか、同僚がファンシーな車に乗っているからとかというところに基準を当てると、自分の基準を見誤るかもしれません。また、親が裕福な生活をしている場合、子どもが生活の基準を自分の育った環境に当ててしまうのもうまくいかないかもしれません。自分の給料で生活をし始めたら、それまで住んでいた家とはずいぶん見劣りするところからはじめねばならないでしょう。車だって親の車に比べればボロ車かもしれません。

自分らしくない金銭的生活をしていると、ないものねだりが加速しいつまでも「これでよい」という状態には達しませんが、自分らしい生活をしていれば、たとえないものが多くとも「今の自分にはこれでよい」という安心ができてきます。長期的にしっかりとやっていけば、将来はだんだんと余裕のある生活になるという希望もあるでしょう。現在の自分のファイナンスの状態では、どのくらいのライフスタイルが自分自身にとって適当なのかを腑に落として生活することが成功としあわせへの第一歩です。

長期投資計画をもたないこと

投資計画のない投資は、目的地がわからない航海にたとえられます。なんとなく行きたいところはあるような感じがするので、その方向に航海に出ても、途中予期せぬ嵐があったり、思うように波が運んでくれないと、とんでもないところに行き着くか、あるいはその前に座礁することになりかねません。

どんなに小さくはじめる投資でも、よく考えてつくられた投資のポリシーステイトメントを持っておくことです。ポリシーステイトメントというと大げさですが、要は、投資の目的(リタイヤメント、学費、その他の資金準備など)、年齢や投資期間、リスク許容度を踏まえて、最適なアセットアロケーションを見つけそれを文書化したもので、たとえばこんなかんじ:「現在35歳で、32年後の67歳でリタイヤしたあとのリタイヤメント資金として、30年以上の投資期間を念頭に、毎月$500ずつを、コストの安いインデックスファンドを中心に投資する。職場の401(k)で提供されているターゲットデイトファンドを利用することで、当初のアセットアロケーションは株ファンド85%、債権ファンド15%、その後徐々に株比率が下がり債権比率が上がるよう自動的に調整される。5年から10年ごとに、アロケーションの調整やリスク・リターンの成績をチェックし、もし目的とのずれがあれば再調整するが、それまでの間は、基本的に投資変更などは行わない。」これを持っておくと、定期的に正しい路線で投資計画が進んでいるかをチェックする場合の基準になるとともに、市場が荒れたときもうろたえず耐えることができる土台となります。

「将来への投資だから」を正当化に使う

たとえば大学の費用。自分が行く大学でも、子どもが行く大学でも、「教育は将来への投資。多少大きなローンを組んででも後で元がとれるはずだから大丈夫」という考え方は危険です。たとえば家。「不動産は長期的には下がることはない。土地は決してなくならない。多少無理をしても買う意味がある」という考え方もしかり。

どちらも度を越えると、将来見込める見返りを過大評価して、現在の借金を必要以上に正当化てしまい、道を見失うことになります。将来得られるであろう給料の大きさやローン支払いに当てられる額を現実的な路線で吟味しないで学生ローンを組むと、今大きな問題になっているように、ローンのデフォルト、膨れ上がる利子、どこもまでも消えることのないローン残高、傷ついたクレジットスコア、車や家が購入できないなどの問題へと発展します。楽観的過ぎる家の購入とモーゲージ設定は、サブプライム問題があからさまにしたように、減らないどころか増えるモーゲージ残高、家の値段が落ちたときのネガティブエクイティ、フォークロジャーへと発展します。「将来への投資だから」で何でも片付けないことです。

結婚式のために借金をすること

こちらは「一生の一回のことだから」を正当化に使うローンです。結婚式に限らず(一生に何度もするならなお注意!)、子どものSweet Sixteenとかプロムとか卒業式とか。。たしかに思い出に残るものにしたいという思いはあって当然ですが、ただ、お金をかけないと思い出に残るものにできないかというとそんなことはないかもしれません。

けちけちしすぎるのもよくないでしょうが、ただ、結婚式というこれからの新生活を始めるセレモニーのために、新生活を始めてから支払い続けなければならない負債をつくるというのは、賢い選択ではありません。むしろ、これを機会に、夫婦でマネー感について話し合い、歩調を合わせるというほうがよっぽど有意義な結婚式となるでしょう。表面的なセレモニーより「実」をとることです。

自分で納得して決めないこと

お金のことを学んだり考えたりするのが得意な人もいれば、そうでない人もいるでしょう。人間だれでも向き不向きがあります。ただ、お金のことはどうもめんどくさい・・という方でも、人に言われるままを鵜呑みにしてお任せにするというのはよくありません。あなたのお金のことを、あなた自身ほど真剣に考えられる人はいないはずだと思いませんか。

保険にしても、投資にしても、あなた自身がよくわかっていないのに、あなた自身のニーズをよ~く理解して、あなたの利を最大にするために商品やプログラムを見つけてくれるエージェントはいないはずです。ニーズやライフスタイルは人それぞれですから、Aさんに最適なものがあなたに最適とも限りません。人の進められるままにしていると、ニーズに合っていなかった、手数料が知らない間にたくさんとられていた、期待していたとおりの結果にはならなかったということになりかねません。自分で調べたり分析したりするのが不得意であるなら、誰かに調べてもらったり分析してもらったりしてもよいですが、その内容はできるだけ理解して、自分で納得したうえで決めるということは心がけるべきです。

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