サーバ移行 と oDesk体験

先週末から今週木曜にかけて、このブログのホスティング・サービスを変更した関係で、一部の記事にアクセスできない事態が発生しました。ご迷惑をおかけした方、どうもごめんなさい。

実は以前に使っていたホスティング・サービスがどうもスピードが遅く、そのうえたまに不安定になることがあったので、この際新しいホスティング・サービスに変更した次第です。

このブログはWordPressのプラットフォームを利用して書いているのですが、Web開発はもとよりHTMLさえも良く知らない私でも、Wordpressのユーザー・フレンドリーさのゆえに、見よう見真似でなんとか形になりました。Wordpressは無料ですが、サードパーティーがいろいろなテーマやプラグインをつくっていて、これもまた無料で使えます。わからないことがあれば、サポート情報も充実しています。

そんなこんなで、今まであんまり苦労なくやってきたもので、ホスティングの変更も自分でできるだろうとタカをくくり、オンラインでハウツーを即席で読み込み、おずおずと始めたわけなのですが・・・3時間後、「やっぱり、私にはムリそう。。」とあきらめました。さてどうするか。

 

oDeskに初トライ

気軽にヘルプを頼めそうな友達も思いつかないし、craiglistで「Wordpress expert wanted!」などと広告を出すことも考えたけど、ちゃんとした人かスクリーンしたり、値段をネゴするのもちょっと面倒。思いついたのはoDesk。オンラインで人を雇ったり、雇われたりできるグローバル人材サイトです。

以前からちょっと興味のあったoDesk。実は、雇う側としてではなく雇われる側として登録しようと思っていました。フリーランスのリサーチャー、ライター、日本語翻訳などなど、なんか自分にも小銭稼ぎができないかなと思いまして。雇われたい人は、個人の基本情報に加え、学歴、職歴、経験や、oDeskの提供しているスキルテストなどの結果を登録しておきます。一方、雇う側は「これこれ、こういう仕事のためにこのような人を求めます」というJobポストを登録します。雇われたい人は、Jobポストを見て、Jobにアプライします。雇う側はアプリケーションの中から条件にあった人をhireし、コミュニケーションから支払いにいたるまでoDeskを通してすべてオンラインで行われます。

思い立ったは吉日、すぐに登録してみました(今回は、雇う側として)。数分で済みました。今回はWordpressのホスティングの移行をしてくれる人が必要なので、それに似たJobポストをサーチしてみたら、数件でてきました。どんなふうにJob descriptionを書いたらいいか、報酬はいくらくらいかなどを研究。このような仕事は、だいたい3時間ぐらいで終わりそうと検討がつきました。時給も10ドルぐらいが相場らしい。見よう見まねでJob descriptionも書いてみました。何でもはじめてのものはコワいもの。「大丈夫かなぁ」と不安もよりぎましたが、うまくいかなくても最低コストは数十ドル。ホスティングの移行が失敗して何かがおかしくなっても、バックアップはきちんととってあるし、ここは思い切ってやってみるしかない!将来的にもきっとoDeskには頼ることになるだろうと判断し、思い切ってclick!めでたく私のJobポストがアップされました。

1時間くらい他の事をやっていて、oDeskに戻ってみたら、すでに23件のアプリケーションがずら~っつ!予想通り、ほとんどがインド、パキスタン、バングラデシュからのもの。oDeskでの職歴時間の長さと雇用側のレビューのよさでソートすると、一番になったのはアメリカの人でした。資格の面ではばっちりですが、ちょっと今回の私の仕事にはオーバースペック。時給も30ドル弱でちょっとオーバーバジェット。二番目にでてきた人は、インドの人。資格はばっちり。今回の私の仕事に似たものもいくつもこなしており適任のよう。850時間以上oDeskで働いた経験があり、レビューは満点。

さっそくメッセージを送ってみることに。「今回の仕事は、何時間くらいで終わると思いますか?」と「サーバーへのログイン情報をお渡しすることになりますが、あなたが信頼できる方であると安心させてください。」 すぐに返事が戻ってきて、返答もいい感じであったのでさっそくお願いすることに。 “I hired you.”(たった数十ドルの仕事なのにエラそう!)と伝え、仕事をやってもらうのに必要な情報を送信。「コミュニケーションはskypeがgtalkで・・」とのことなので、さっそくgtalkをセットアップ。Googleチャットは使ったことがあったけど、gtalkなんて知らなかったのですが、ま、似たようなもんなのですね。どうやら、Gメールの中に入らなくっても使えるチャットという位置づけなのでしょうか。こうやってskypeとかgtalkで世界中の人と仕事ができるんですね。

その後、あちらのインターネット・サービスが途中でdisconnect(?!)されたりなんだりで、結局2日待ったけど、通算3.5時間、39ドルで無事仕事が終わりました。お支払いは、oDeskを通してクレジットカードで。私は一時間あたり$11.11をoDeskにお支払いし、oDeskは先方に$10.00お支払いするというしくみ。oDeskの手数料は10%です。

oDeskは、Work Diaryという仕組みをつくっていて、ワーカーのPCのスクリーン・ショットを10分ごとにセーブし、その時どのような仕事していたかのログを記録します。ワーカーのことを考えるとちょっと気の毒のような気もしますが、時間給で雇った雇い主としてはウソの時給申告がないことを確認できる便利なしくみです。今どこまで仕事が進んでいるのかも簡単に確認できます。

・・・とここまでは案外好調だったのですが、その後新しくブログ記事を書いてUPしたら、データベース・エラーになってしまいました。すぐに先方に連絡するも、アメリカとインドの時差があるうえ、先方のインターネット接続が問題のようで、問題解決が難航。しかたなく、もうひとり違うひとを同じくoDeskで探し、問題が解決されました。

 

oDeskもElanceも急成長

oDeskも競合相手のElanceも毎年売り上げを倍増する勢いで成長しているようです。Google, Microsoft, Dell, Cisco, HP and AOLなどの大手企業もoDeskやElanceを通して人を雇っているそうです。実際、私のような極小の仕事から、フルタイム・ベースの大きな仕事までさまざまな大きさの仕事があります。プロジェクト・ベースで必要な人材を各地から集め、適切にコミュニケーションをとりながらチームをマネージし、プロジェクトを進めていけるようなしくみも提供されているようです。この2社のほか、似たように会社にはGuru、vWorker、Freelancerなどがあります。

オンラインで人材を募ることの大きな魅力はコストでしょう。カリフォルニアで質のいいプログラマーを雇うとなれば、時給$80から$120にもなるところ、オンラインでアウトソースすれば国内プログラマーなら$30から$40、インド、フィリピン、ロシアなどなら$10から$15とのこと。

現在このようなサイトでの仕事の主流はプログラミングやコーディング関係のようで、oDeskによるとPHPプログラマ、Wordpress開発者、SEOコンサルタントといったところが第一人気なのだそうです。その他テクニカル以外のところでは、デザイナー、ライター、ビジネス・コンサルタントなどの仕事も多くあるそうです。

 

思ったこと

こういう形態の人材サイトが発展していくと、雇われる側と雇う側の区別がはっきりしなくなり、雇う側が雇われることもあれば、雇われる側が雇うこともある、つまり多対多のネットワーク状態になっていくのかななんて思います。ネットワークの中で、自分のできない仕事はアウトソースし、自分が生みだすことができる付加価値はきちんとつけて、次のステップへと仕事を送るというイメージ。プロジェクトによってメンバーは自由に組み変わるという環境。

アメリカには多くの個人企業家、スモール・ビジネスが存在しますが、必要に応じアウトソースし、アウトソースされ、ネットワークの中で共存していくというような環境になっていくのではないでしょうか。こういう環境ではきっと自分が生み出すことができる付加価値をはっきりさせておかないと、すぐ飲み込まれてしまうのでしょうね。仕事にもよるでしょうが、世界中のしかも自分より単価の安い労働力と競わなくてはならないとなれば、中途半端な価値しか生み出さないとすぐお払い箱になりそうで。私の子どもたちはこんな世の中で仕事をすることになるのだなあと思うと、自分が就職活動をしたときとは環境がまるで違っているような気がしていろいろ考えさせられます。

それから、こんな環境ではプロジェクト・マネージメント能力がとても大切になるのかなとも感じました。「自分のできない仕事はアウトソース」と簡単にいっても、自分が全然把握していない仕事はうまくアウトソースはできません。今回の私がその例。自分自身よく把握しきれていなかったので、本来なら問題が起こるまえにチェックがかけられたはずのところ、それができなかったと反省しています。

自分ですべてをすることはできなくても、なされるべきタスクはある程度は把握でき、要所要所できちんと仕事が進んでいるかチェックすることが必要になるということですね。何人ものスペシャリストを雇ってプロジェクトを進めていくのなら、もっと複雑なマネジメントになります。oDeskやElanceは単なる人材発見のプラットフォームですから、そこで適切な人材を見つけること、自分の成し遂げたいタスクを明確にコミュニケートすること、タスクがきちんと成されているか確認することは、雇う側の責任です。私みたいに3時間、4時間の仕事なら比較的シンプルですが、もう少し大きな仕事となれば、発注するこちらもそれなりに勉強し準備が必要になりますね。

ちなみに、このoDesk、ビジネスでなければ人を雇えないわけではなく、個人でも登録OK。レポートの校正をしてもらいたい、住所録データベースをつくりたいのでデータ入力してもらいたいなんて仕事もアウトソースできちゃいます。すぐに見つけて、すぐに発注・・・使いようによってはとっても便利なサイトです。

ということで、ホスティング・サービスの移行というイベントを通して、将来の労働環境を垣間見たような、そんな体験でした。。。

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