ファイナンシャルエイドを「プラン」する

大学に入学するまでは529プランなど活用しながらできる限りの資金準備をし、大学に入るときから卒業するまでは、もらえるファイナンシャルエイドを最大化するとともに無理なスチューデントローンを抱え込まないでよいようプラニングが必要です。卒業に何年かかるか、実際にエイドがいくらもらえるかなど不確定要素も残りますが、それでもできる限りの心積もりをして、卒業時に残るローンは、返済が無理なくできる範囲のものであるようにしたいものです。今回は、ファイナンシャルエイドのアワードレターをもらってから、できること、知っておきたいことについてまとめてみます。

 

プロフェッショナルジャッジメント

FAFSAを申請してから家計の状況が大きく変化した、あるいはFAFSAには入力しないがぜひ考慮してもらいたい財政上の問題があるような場合には、大学側にそれを知らせてファイナンシャルエイドのアワードを再考慮してもらうことが可能です。この再度の考慮をプロフェッショナルジャッジメントと呼びます。1年目でも、その後卒業するまでの間でも、いつでも特別な状況が生まれればリクエストしてみる価値があります。たとえば急な病気や怪我で大きな医療費がかかった、失業してしまったなどの場合です。あるいは高校までの弟妹の私立の学費が負担になっているというような場合でも考慮してもらえることもあります。家の土台に亀裂が入り、土台工事に多大なコストがかかったことをアピールし、エイドを増やしてもらったという例もあります。リクエストはなるべく具体的に状況を説明することと、できる限りかかっているコストや特別な状況などを文書で裏づけできるようにすることが大切なようです。

 

 

大学を競わせる?

ファイナンシャル・エイドのオファーがたくさんあればあるほど、希望の大学のエイド・パッケージがさらによいものになる可能性が高くなるそうです。大学も「ビジネス」です。企業がよい大学生を奪い合うように、大学もよい高校生を奪い合っているわけです。ラッキーにも競合しそうな複数校からオファーが来ているのであれば、希望校に対して、「○○大学からもオファーをもらっていますが、おたくの大学が第一志望で心から入学したいと思っていますので、どうかもう少し経済的負担を考慮していただければと思います・・・」などという手紙を書いて見るのもよいでしょう。また、同じようなランクの同じようなネットコストの大学で、エイドのオファーに大きな差がある場合は、ひとつの大学が考慮している財政上の点を、もうひとつの大学では考慮していないというサインかもしれません。思い当たるふしがあればそれを説明するとともに、見落としがないがもう一度考慮してもらうということも必要かもしれません。

 

学外のスカラシップ

学外のスカラシップでも学内のスカラシップでももらえることに越したことがないと思いますが、ひとつ気をつけたいのは学外のスカラシップをもらうと、その額の分ファインシャルニーズが減ったとみなし、ファイナンシャルエイド(多くの場合グラントや学内スカラシップ)を減らす大学もあるようなので注意が必要のようです。大学それぞれで学外のスカラシップをどう扱うかのポリシーがあるようですので、それをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。この点にオーバーリアクトして、学外のスカラシップはアプライしないほうがいいなどという向きもあるようですが、一概にそう決めるのではなく、大学のポリシーを確認して臨機応変に決めるとよいでしょう。

 

4年分を見通す

アワードレターに表示されている内容はフレッシュマンの1年目だけについてのアワード内容であり、2年目以降については何の保証もありません。FAFSAやCSS/Profileのファイナンシャルエイド申請は毎年するもので、アワード内容も毎年決定されるものです。「フロントローディング(前倒し提供)」といって、意図的に1年目のアワードを多くし、2年目以降順次アワード額を減らしていく大学もあります。ですので、1年目のアワード内容が卒業まで続くものと単純に考えると後々やりくりに困ったり、予想より大きなチューデントローンを抱えることになる可能性があります。大学がフロントローディングをしているかどうかは、直接大学に尋ねるか、あるいはすでにスカラシップももらっている学生に尋ねるとよいでしょう。あるいは、CollegeNavigator.comで調べることもできます。大学名をタイプしタブの中からFinancial Aid Informationを選びます。もし”beginning undergraduates” のエイド額が”all undergraduates” のエイド額に比べて相当大きい場合、フロントローディグを疑います。

grant_freshman_all

上の例のこの大学では、beginningの学生へのグラント/スカラシップと、allの学生へのグラント/スカラシップとの間に$5,000ほどの差があります。allはbeginningの学生も含めた平均ですので、実際2年目以降もらえるフリーマネーの額は平均で$5,000以上減るということを意味しています。

 

毎年キープする難しさ

またスカラシップは毎年資格をキープすることが難しいケースもあります。スカラシップによって、毎年受給されるための資格が設定されており、たとえばGPAなど一定以上でないと資格が満たないなどの規定があります。州立と私立でもポリシーは異なるようですが、支給額については年々変更する権利は学校側に託されている場合が多く、たとえ当初うたわれていたGPAなどの規定を満たしても予想に反して支給額が変更されて驚くようなケースもあるようです。アワードレターを手にしたら、そこにあるスカラシップを年々キープするためには学生側はどうすればいいか、年々同じような額が出る確率はどのくらいかなどあらかじめ問い合わせることが懸命なようです。

 

 

何人か一度に大学に行くケースでは

2人同時に大学生になると授業料も倍になって大変・・・と思いがちですが、実は家族の中で複数人が大学に同時に通うことは、ファイナンシャルエイドを受ける面からいうと喜ぶべきことです。自己負担できるとみなされる額=Expected Family Contribution(EFC)は家族の財務状況によって一定ですが、2人大学生がいるとこのEFCを2分することができ、ひとりあたりのEFCは半分になります。これにともない、受けられるファイナンシャルエイドは増えるはずです。たとえば一人目が大学3年目に、二人目が1年生になる予定であれば、一人目が受けるエイドは最初の2年に比べ3年目、4年目には増えることになります。であれば、1年目、2年目はある程度大きなローンを組んでもなんとかなる可能性も出てきます。このあたりも見越して、複数のお子さんの大学教育を総合的にプランするとよいでしょう。

 

ワークスタディー

オンキャンパスで仕事をすることで学費を稼ぐワークスタディは、「働く」ということを経験できるとともに、自分の学費を稼ぐことでより勉学に真剣になれるという効果も生むかもしれません。オンキャンパスでの仕事なので、オフキャンパスでの仕事のように車の確保など交通手段を気にする必要もありません。大学が近くのビジネスに給料の一部を助成し、学生の雇用を後押ししているような場合もあります。しかしながら、ワークスタディープログラムは、学生が仕事探しをし、アプライして仕事を得ることをしないでは話がはじまりません。ファイナンシャルエイドでオファーされた額はあくまで目安であって、必ずもらえるものではなく、仕事をしないことには得られるものではないことを理解しておく必要があります。また、時給はほぼ最低賃金レベルであることが多く、もしかしたら自分でパートタイムの仕事を見つけるほうがよい場合もあるかもしれません。また、勉強がおろそかになっては元も子もないので、実際どれだけ働けるかということも考慮する必要もあるでしょう。ワークスタディのアワード額はあくまで目安として見、保証されたものとみなさないほうが安全です。

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2 responses to “ファイナンシャルエイドを「プラン」する”

  1. 1人目の子供が9月に大学に行きます。年子なので2人目が来年進学です。一般的に複数の子供が大学にいるとEFTが下がるのは、計算上わかるのですが、EFTが下がったからといってすでに入学している生徒(1人目)に、大学がGrantを追加してくれる可能性は少ないと思うのです。。。ということは、ローンできる金額が増える。Federalのローンは上限があるので、Plus Loanが増える(か、Work Studyが追加される。)というパターンが、多いのではないかと思うんです。もちろん、生徒の成績や私立大学、州立大学かにもよるでしょうが、どうでしょうか?

    529の貯金を使い果たした後、Roth IRAのお金を使うと、親のIncomeが増えてEFCがあがってしまうので、Rothに手を付けるのは最後の年と思っていました。各個人の財政事情にもよるので、一般的な回答はむずかしいとは思いますが、上記のように、EFCが上下しても、変わってくるのがPlus Loanの金額のみでで、Grantなどの追加がないのならば、Roth IRAを使うのも悪くないのかな?と思い始めました。Plus Loanの金利やInitiation Feeも高いですし、それなら、PenaltyもTaxもないRoth IRAを使った方が逆に有利に思うのですが。もちろん、FederalのLoanにDisqualifyしない範囲でのIRAの引き出しにしておく必要はあるかと思いますが。。。

    お知恵を拝借できると嬉しいです。

    • 私は具体的なケースを複数見ていないので経験ではモノが言えませんが、ただ、EFCは両方の学生に対して下がり、本人の給与や財産がほぼ同じなら、EFCは全く同じ数字になるはずです(以前の半分というわけにはいかないかもしれませんが、かなり低い額)。ファイナンシャルエイド申請は一年ごとの作業なので、下のお子さんが入学した時点で上のお子さんに対してもまた新たに考慮がされるはずです。そして、それは一人目の学生に対してのファイナンシャルエイドの額を上げるはずで、その内容は、EFCの低さ・高さにもよりますが、ある程度以下ならPellグランド、大学のグラントも増えるはずです。もちろん、州立、私立でも違いますが、きっと私立のほうがその確率が増えやすいでしょうね。
      なお、ファイナンシャルエイドのベースイヤーが来年のファイナンシャル申請も2015年となりますので、今年Rothを引き出すかどうかという問題は来年ではなく、さ来年の申請にかかわってくることになります。詳しくはこちら

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