リモデルの予算編成 – いくらかけるべきか?

Corianのカウンタートップにするか、それともハイエンドのグラナイトにする?Kenmoreのディッシュ・ウォッシャーにするか、それともBoschのにする?リモデルをするとなると、あれやこれやと取捨選択をすることになります。同じプロジェクトでも、お金をかけないで済ませる方法を探ることもできるし、お金をかければどこまでもかけられるという事実もあります。まずは自分たちにとってベストなリモデルのレベルを決め、長期的に後悔のない予算作りが大切ですね。

 

リモデルをどういう規模でするのか、いくらかけるべきか・・どうやって決めていくのでしょう。

 

エンジョイ or インベスト?

リモデルには二つの効用があります。ひとつは、不便だったものが便利に、使い勝手が悪かったものが快適に、美しくなかったものが目で楽しめるようになるということです。つまり、住んでいる自分たちが、これからその家に住み続けるにあたって、リモデルの結果をエンジョイできるという効用です。もうひとつは、便利に、快適に、目で楽しめるようになったものが、家の価値を上げるということです。つまり、これから住む人に魅力的な価値を作り出し、家にインベストしたお金(買ったときの価格とリモデルのコスト)に対して、より多くのリターン(家の売値)を得られるようにするという効用です。

リモデルを考えるとき、そのどちらに重点をおくかをある程度クリアにしてから進めるとよいでしょう。我が家の例ですと、以前の家を売るとき、多くの手直しをしました。屋根はそろそろ新しくしないとと思いつつも、特に問題がなかったのでそのままにしていましたが、家を売るときには新しいほうが売れるだろうと、屋根のシングルをリプレイスしました。ドライブウェイの砂利も、かなり長年放っておいたのですが、見栄えが悪いので新しく砂利を入れました。またドライブウェイ沿いに20本の植樹をしました。実はNeighborがかなりmessyな人で(悪い人ではなかったのだけど)、家を見に来た人のコメントに「家は気に入ったが、Neighborの庭のガラクタが気になる」というのが多く、(当時、マーケットもhotでなかったので、しかたなく)植樹してスクリーンをつくりました。全部終わった後、「あ~、これを3年前にしておけばよかったぁ」と思ったものです。美しいドライブウェイに新品の屋根。この我が家のケースはエンジョイ要素はゼロで、インベスト100%でした。

反対にその5年前にやったキッチン・リモデルはどうだったかといいますと・・・ダイニング・ルームとキッチンが一体になり広くて明るい空間ができ、使い勝手もよくなり気に入っていました。人が集まるたびに、そのスペースは活用され、5年間のうちに十分エンジョイしました。ところが、売るとなったとき、ひとつ問題がありました。カウンタートップの色でした。私はかなりこだわって、自分の持っている調度品とかの色とのコーディネートを考え、オレンジがかったものにして、自分ではとても気に入っていました。ところが、引っ越す段になっていったん調度品をすべて運び出して「素」の空間になってみたら、そのオレンジが目立ち、家を見に来た人には非常に不評。無難にグラナイトかそれに似たシンプルな色がよかったようです。これは、エンジョイ100%で、インベストがゼロでした。

この中庸をうまく考えるのがいいのでしょうね。自分たちの家ですから、やはり自分の好きなようにしたい、でもいつか売るなら売るときのこともある程度は考えておくというようにということです。

 

Neighborhoodで浮きすぎない・・・

エンジョイとインベストのバランスを考えつつ、では具体的にどのくらいお金をかけるかを決めるわけですが、もしインベストの要素を少しでも考えるならば、「やりすぎない」ことはキーポイントになります。まずは、自分のNeighborhoodを見てみます。

売ったときのリターンという投資効果を考えるなら、一番いいのはNeighborhoodで一番安い家を買うことだといわれています。家の価値は、その家自体の価値と、その家があるNeighborhoodの価値が合わさったものですから、一番安い家は、Neighborhoodの他の高い家の価値に引き上げてもらえるからです。そして、それは裏返すなら、Neighborhoodで一番高い家にはならないほうがいいということです。一番高い家は、自分の家の価値が、Neighborhoodの他の安い家の価値に引き下げられることになります。

その意味で、リモデルをしすぎて、Neighborhoodで一番高い家にはならないことが、インベストという観点からは重要です(ただし、エンジョイ要素だけで割り切るなら、どこまでお金をかけてもいいわけですが)。Neighborhoodにプールがある家がほとんどないなら、自然石を使ったリゾートプールは「やりすぎ」となります。どうしてもそれが欲しいなら、インベストという観点からすると、プールのある家に「住み替え」のほうが理にかなっているかもしれません。

 

増築の算数

この理論の流れで行くと、ベットルームやリビングルームを増築する場合、リモデルの1スクエア・フットあたりのコストが、そのNeighborhoodの1スクエア・フットあたりの平均価格を上回らない程度というのがひとつの目安になるかもしれません。そのエリアでは2000スクエア・フィートの家が$500,000くらいだとすれば、1スクエア・フットあたり$250くらいまでならリモデルにかかっても「やりすぎ」ではないという目安です。屋根裏に400スクエア・フィートのベットルームを作るのに、$100,000以内でできるなら計算の上では一応OKということです。

 

家に対して「やりすぎ」ない

また、Neighborhoodと比べるだけでなく、リモデルの内容とその家自体を比較してバランスがとれていることも大切ですね。初めて家を持つ人向けのスターター・ホームに、ゴージャスなジャクージは「やりすぎ」かもしれません。あくまで、エンジョイに徹するのならいいのですよ。ただ、売るときには、つぎ込んだだけのコストはおそらく回収できないということです。ひとつの目安は、リモデルに、家の価格の20%以上はかけないことというのがあります。ただ、これは目安にすぎません。300,000の家なら、$60,000以上はかけてはいけないかというと、目的によってはOKかもしれませんし、$1,000,000の家に$200,000なら払うべきかというと、ちょっと多すぎるのかもしれません。あくまでケース・バイ・ケースで考えます。

 

リモデルよりメンテナンス

そしてリモデルの超基本的なルールは、 しなければならないメンテナンス優先の後、考えるということ。修理や定期メンテナンスを差し置いて、リモデルにお金をかけるのはよくありませんね。また、リモデルにお金をかける場合も、インベストとしての効果が高い(かけたコストのうち、家を売る際価値が上がったため回収できるパーセントが高い)のは、ハイエンドのメジャーなリモデルよりは、メンテナンスの少し延長のような「古いものを新しく取り替える」マイナー・リモデルであるというデータもあります。外壁にひびがあるのならキッチン・カウンターより先に修理する、雨漏りがするならバスルームの改装より先に直すということですね。まずはやらねばならないことをやって、そのうえでその上を狙うという姿勢が大切ということでしょうか。

 

それでは・・Happy Remodeling!

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6 comments

  1. そうですね! 私達も購入した家のキッチンは間取りはいいのですが、
    少し気になる個所がありまして。
    冷蔵庫などのApplianceの色が全部真っ黒。 少し重たい感じです。私はステンレスも好きだったし、カウンタートップの色も少し黒っぽいので色を変えたいなと。
    それは入居してから余裕があったらの話ですが。
    どうせなら住んでいるうちに早めに代えて、自分たちも恩恵をうけたいなと思いますが。
    なかなかこちらの業者は約束時間に来てくれなかったり、人によっては
    工事が滞ってしまう事もあるとかで、躊躇してしまいます!
    あとは万人受けするものを選ぶのが無難なんでしょうね。

    私はもうすぐクロージングなのですが
    他州からの引っ越しのためにニューヨーク州にいれませんので
    私はクロージングに参加できそうもありません。
    夫婦合同の名義の家なのですが。

    弁護士さんにPower of Attorneyを用意してもらう予定ですが
    これは委任状と思っていいのですよね。

    タイトル、Title of Deedなどに妻の名前ものるほうが
    いいのか、経験がないだけに考えてしまいます。

    よく家を売っている方の契約書には奥さんの名前も入っているのが
    多いですね。

    クロージングが無事終わるまで、なかなか落ち着かない毎日です!

    1. おっつ、もうすぐなんですね!クロージング。。。分かります、こちらのコントラクターはきちんとした人もいますが、きちんとしていないと底なしだったりしますよね。我が家ももめて調停までいったことがあります。Power of Attorneyは委任状です。自分に代わって決断したりサインしたりするpowerを与えるのですね。我が家はVAの家を売るときは、クロージングはすべて郵送でやりました。ふたりそろってカリフォルニアにいたので。州によって法律も違うのでしょうね。Titleに名前がなければ、自分の所有物でないということになるので、夫婦で買うのなら連名にするのがふつうなのでしょうね。下手な話、Titleに名前がなければプロパティ・タックスを払う責任はない、でもTitleに名前がなければ自分のものではない家に一緒に住まわせてもらっている・・ということになるわけで、そういうことはないと思いますが離婚とかご主人に何かあった場合の相続とか考えると、夫婦で買うなら連名がいいかもしれませんね。反対に、ご主人のたくわえだけで家を買ったので、家はご主人だけの名義に・・というケースも知っていますが・・・

  2. なるほど、リモデルするにあたって、そういう目安があったんですね。参考になります。

    そんなことも考えずに、自分たちが希望するキッチンにするためのコストが、家を買った後、銀行に残っているお金のうちの、ある許容範囲内であったという単純な理由から、さっさと決めてしまったけど、もっと慎重にすべきだったのかもしれません。以前の家が、比較的新しめの家だったので、リモデルの必要性も感じず住んでいたので、リモデルの相場とかも調べたことがありませんでしたが、一度だけ、キッチン・リモデルをした友達に影響をうけて、2階のマスター・バスルームにジャクージを入れようかと考えたことがありました。いつの間にか、そのプランはうやむやになってましたが。今、考えれば、「やりすぎ」になっていたと思うし、その家はレンタルにしたので、あまりお金をかけなくてよかったと思います。

    でも、今度の家は、古いということもあって、リモデルするのにあまり躊躇せずにできるところが、よいところでもあり、悪いところかもしれません。キッチンは、とりあえず、キャビネットやアプライアンスのインストレーションが終わって機能するようにはなったけど、Windows TreatmentやBacksplashなど、まだまだやることたくさんあります。毎日使いながら、あれやこれやと考えている状態で、時間がかかるけど、このプロセスも楽し~い。バスルームもリモデル予定なのだけれど、資金が溜まるのを待ちながら、今は、構想段階中。ジャクージも入れたいけど、日本のお風呂みたいなのもいいなあ~って感じ。でも、インベストを考えると、日本のお風呂スタイルは、もちろん、ダメですよねえ。。。この調子だと、今年どころか数年かかりそう。

    1. 楽しそうでいいな~。それ、リモデルが全部終わっちゃったらきっと寂しいもんですよ。あれや、これやと頭をひねってやっている最中が一番楽しいのかも。。いいですね~。そのうちおじゃまします~。

  3. 引越ししてほぼ4ヶ月経つのに二部屋はまだダンボール箱だらけで、Outdoorは全く手をつける余裕がなくて、先日は鹿の親子が裏庭にうろうろしててもぴったりなほど自然のまま状態なんですけど、近くに来ることがあれば寄ってください。:)

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