セキュアド・クレジット・カード　-　クレジット・ヒストリをつくるためのカード

経験がないと仕事がなかなか得られないように、クレジット・ヒストリがないとクレジット・カードはつくれません。でも、仕事をしないと経験がたまらないように、クレジット・カードがないとクレジット・ヒストリもできません。さて、どうするか。そこで役に立つのが、セキュアド(secured)クレジット・カードです。

セキュアド・クレジット・カードって何？

“セキュアド(secured)”とは「安全な」という意味です。セキュアド・クレジット・カードとは、安全なクレジット・カード、つまりデフォルト(回収不能に陥ることのない)クレジット・カードという意味です。このカードを作るときには、カード口座に、現金のデポジットを一定額以上入れておくことを要求されます。このデポジットは「抵当」の役割をし、もしクレジット・カードの支払いが滞った場合は、この「抵当」から必要額が回収されるというしくみです。

$500のデポジットを入れれば、$500までを限度にクレジット利用可能という具合です。デポジットはだいたい$300から＄500のことが多いようです。デポジットの額を増やして、クレジット利用限度額を増やすこともできますが、支払い成績が優良だと、デポジット額はそのままで、銀行側がクレジット限度額を増額してくれることもあります。

デビット・カードとの違いは、これはれっきとしたクレジット・カードだということです。デビット・カードでは、利用のとき直接チェッキング口座にあるお金が引き出されて使われますが、セキュアド・クレジット・カードの場合は、デポジットが直接使われるわけではなく、あくまでクレジット・カードのように支払額はバランスとしてたまっていき、25日なりのグレース・ピリオドの後に一括で請求されるというしくみです。

セキュアド・クレジット・カードの利点

セキュアド・クレジット・カードの利点は、なんといってもクレジット・ヒストリがない、またはクレジット・スコアが悪い場合でもつくることができることです。デポジットは要りますが、あくまでクレジット・カードですので、責任ある消費と支払いを続けていればクレジット・ヒストリをつくることができます。アメリカに来たばかりの人、これから社会人になる若い人や、破産や離婚などのライフイベントのためクレジット・スコアが落ち込んでしまった人には、利用価値の高いカードです。

きちんとした利用を続けていた場合、平均で一年くらいでクレジット・ヒストリができ、通常のクレジット・カードを申請することができるようです。

注意したいところ

セキュアド・クレジット・カードはクレジット・ヒストリを築くはずですが、必ずしもそうでない場合もあるようです。発行会社に確認したいことは、1)　Equifax、TransUnion、Experianの三つのクレジット・レポート会社すべてに、支払い状況をレポートするかということと、2)　レポートするなら、セキュアド・クレジット・カードとしてレポートするか、あるいは単にクレジット・カードとしてレポートするかです。クレジット・ヒストリをつくるという意味では、三社すべてにレポートすること、そして敢えて「セキュアド」とは銘打たないレポーティングのほうが望ましいようです。セキュアド・クレジット・カードをつくって、きちんと責任のある使い方をしていると、数ヶ月もするとふつうのクレジット・カードのダイレクト・メールが送られてくるようで、それがなかなか来ないというのは、レポーティングがされていない危険性があるということのようです。

また、発行会社によって、「よい」セキュアド・クレジット・カードから、「ひどい」カードまで様々なので、必ず条件を確認することです。Annual fee(年会費)はほぼ必ず課せられますが、その額はまちまちなので確認しましょう。Application fee(申請費)やその他の手数料が課せられないカードを選ぶとよいでしょう。

セキュアド・クレジット・カードの賢い使い方

セキュアド・クレジット・カードは、あくまで通常のクレジット・カードを獲得するまでの、トレーニング/準備ツールです。賢く使うためにまず心がけねばならないことは、責任ある利用と支払いをすることです。責任ある利用とは、月々、全額払いことができる分しか買い物はしないこと。クレジット・スコアを上げるという意味では、クレジット限度額の半分に消費を抑え、毎月払いきることが有効です。クレジット利用率（利用額÷クレジット限度額）は低いほうが、スコアに有利に働くからです。一年これを確実に続けて、一年後にはもっと有利なクレジット・カードにアップグレードするというのが、賢い使い方です。