ソーシャル・セキュリティー・タックスは働いている人なら誰もが納めている税金ですね。若くて元気なうちは、「とられるばかりで何の益になるのか」と厄介者扱いしそうな税金ですが、万が一のときには案外心強い助けとなったりします。自分にはどのような保障を受ける資格があるのか、ある程度は把握しておきたいものです。ソーシャル・セキュリティーというと年金のことを思い浮かべる人が多いのですが、その他にも、あなたが障害を負って働けなくなったときの保障、あなたが死亡した場合の残された家族への保障などもも制定されています。
徴収のされかた
雇用者のソーシャル・セキュリティー・タックスは、FICA(Federal Insurance Contributions Act)に基づき、給料から天引きで徴収されています。FICAに基づき支払われるタックスは、ペイロール・タックスとも呼ばれ総収入に対するパーセンテージとして徴収されます。FICAタックスは、2つの要素に分けられます。ひとつは今回の話題のソーシャル・セキュリティー(12.4%)で、もうひとつはメディケア(2.9%)です。雇用主と雇用者が半分ずつ負担しますので、ソーシャル・セキュリティーについてはそれぞれが6.2%、メディケアについてはそれぞれが1.45%の負担となります。
2011年は、雇用者のソーシャル・セキュリティー・タックスが一時的に4.2%に引き下げられました。2011年の税率については新たな発表がない限り、2010年までの6.2%に戻ることになっています。2012年のソーシャル・セキュリティーの課税対象収入の限度額は$110,100で、これを超えた収入は課税の対象になりません。メディケアに関しては、限度額の設定がなく、すべての収入が課税対象になります。
自営の場合は、FICAの代わりにSECA( Self-Employment Contributions Act)に基づき納税の義務があり、ソーシャル・セキュリティー・タックスは12.2%(2011年は10.4%)、メディケア・タックスは2.9%です。
保障の内容
1.Retirement Benefits (年金)
ソーシャル・セキュリティーの対象となる労働に、ある一定以上の年数携わることによって、62歳から年金を受け取る資格が与えられます。ある一定以上の年数とは、通常は10年です。
年金を受け取る最低年齢は62歳ですが、Full Retirement Age(生まれた年により決まり、65歳から67歳の間)まで受給を伸ばすことにより、受け取る年金の金額を増し加えることができます。別の言い方をすると、Full Retirement Age以前に受給を開始すると、本来もらえるはずである額より少ない年金になってしまうということです。
また、Full Retirement Ageを超えてさらに受給開始を遅らす(最高70歳まで)と、遅らした年数に応じてさらに受給額が増やされます。この減額、増額は、永久的(死ぬまで)なものですので、受給開始時期は慎重に決めたいものです。
2.Disability Benefits(障害者となった場合の保障)
年金受給を開始する前に、肉体的・精神的な問題により”disabled“となった場合、この保障を得ることができる可能性があります。一定の期間、ソーシャル・セキュリティーの対象となる労働に携わっている必要がありあすが、年齢が低いほど条件が緩やかになっています。たとえば、24歳以下ですと最低で1年半働いていれば受給資格を得られる場合もあります。
ソーシャル・セキュリティーの“disabled”の定義はかなり限定的で厳しいものになっています。今までに携わっていた仕事をすることができず、肉体的・精神的な疾患のため他の仕事にも適応することができず、そのような状態が一年以上続くか死に至らしめると予期される場合というのが条件です。いったん保障を受ける資格を得ると、働けるようになるまでこの保障を受け続けることができます。もしも障害を負って働けなくなった場合は、すぐにこの保障の申請をしましょう。審査には数ヶ月以上かかり、また特別な診断テストを受けなければならないこともあるからです。
3.Survivors Benefits(残された家族への保障)
ソーシャル・セキュリティーの保障の対象となっていた人が亡くなった場合、残された配偶者と子どもに対しこの保障が与えられます。ソーシャル・セキュリティーの一部として、このような保障があることを知らない人も多いようですが、学齢期の子どもやそのような子どもを養育している配偶者に対して保障が定められており、働き盛りの片親をなくした家族にとっては心強い制度です。こちらも、Disability Benefitsと同様、死亡した人の年齢が低いほど、受給資格を満たすための条件が緩やかになっています。受給できるかわからない場合は、むやみにあきらめず申請してみることがたいせつです。
いったいいくらもらえるの?
では、自分にこのような保障を受ける資格があるのか、あるいはいくらくらいの保障が受けられるかを知るにはどうしたらいいでしょうか。
すこし前までは、ソーシャル・セキュリティーの3つのどれかの保障資格を満たしている個人のところには、”Your Social Security Statement” というタイトルの4ページの明細書が郵送されてきていました。この明細書で、年毎の自分の収入履歴や、現時点での資格の有無、受給予想額を確認することができたのですが、なにせ予算難の昨今、残念ながらこの明細書の送付は中止となってしまいました。
ということで、現在はこの確認はオンラインですることができます。
Enter your date of birthには、あなたの生年月日を、 Enter in the current year には今年の年収を、 Future retirement date optionにはリタイヤする予想年月日(年金受給開始の予定日)を入れます。また、下のほうのトグルボタンでは today’s dollars を選びます(これを選ぶと、将来受け取る年金が、現在のドルでいくらか表示されます。 inflated (future) dollarsを選ぶと、将来受け取る年金が、将来のドル(今から将来までの年々のインフレーションを考慮にいれたドル)で表示されますが、特別な目的に使うのでない限り、こちらの表示はお勧めしません)。
Submit Requestを押すと、Benefitの予想額が計算されます。上段がRetirement Benefit、下段がDisabilityとSurvivor’s Benefitです。ただし、上段にSee the earnings we usedというボタンがありますね。これを押して、表示される収入履歴が、ご自分の実際の収入履歴に近いかどうか確認してください。
このカリュキュレータは、入力された「今年の年収」に基づいて、過去の収入履歴を遡って「推測」します。「推測」された収入履歴が実際の収入履歴に近い場合は、上記のBenefitの予想額も比較的正確ですが、そうでない場合は、Benefitの予想額がかなり現実からかけ離れたものになります。
アメリカでの就業期間が短い人、収入のアップダウンが激しい人などは特に予想と外れがちです。正確に予想額を知りたい場合は、実際のご自分の収入履歴を入力することが必要です。
このカリュキュレータでいつもいつもBenefitを確認したりする必要はまるでありませんが、ソーシャル・セキュリティーで受けられる自分の保障内容をある程度は把握しておきたいときや、ファイナンシャル・プラニングの一部としてご自分のリタイヤメント・プランをするとき、生命保険や障害・収入保障保険などの掛け金を算出するときなどには、覚えておくと便利なツールです。
以上、このブログ作成時点での法律にのっとり、概要をなるべくわかりやすくまとめました。それぞれの個別ケースで適用はもっと複雑になることはもちろんありますから、詳しくはソーシャル・セキュリティーのサイトhttp://www.ssa.gov/で確認ください。
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