ソーシャル・セキュリティー - 配偶者として受けられるBenefitsを知る

あなたが一度も働いたことがなく、自分でソーシャル・セキュリティー・タックスを払ったことがなくても、ソーシャル・セキュリティーからBenefitsを受けることはできるのでしょうか。答えはYESです。離婚していても、前の夫や妻の収入に基づいてなんらかのBenefitsは受けられるでしょうか。これも条件を満たせばYESです。今回は、配偶者として受けられるソーシャル・セキュリティーBenefitsに焦点を当ててまとめます。

ソーシャル・セキュリティーには3つの柱があることをソーシャル・セキュリティーの手はじめ(1) でご紹介しました。3つの柱とは、1) Retirement Benefits 、 2) Disability Benefits、 3) Survivors Benefits です。このうち、配偶者として受けられるBenefitsが定められているのは、1) Retirement Benefits と3) Survivors Benefitsです。それぞれ詳しく見てみましょう。

 

配偶者のRetirement Benefits (Spousal Benefits)

Retirement Benefitsについては、ソーシャル・セキュリティーの手はじめ(2) - Retirement Benefit に書きました。ここでは、勤労者の配偶者が受けられるRetirement Benefitsに焦点を当てます。

勤労者が納めるソーシャル・セキュリティー・タックスは、勤労者本人のRetirement Benefitsだけでなく、その配偶者のRetirement Benefits (Spousal Benefitsと呼ばれます)の受給にもつながります。勤労者本人だけでなく、勤労者本人と10年以上婚姻関係にあった配偶者も、62歳から年金を受け取る資格ができます。離婚した配偶者も、10年以上の婚姻関係があり再婚していなければ、年金を受ける資格が維持されます。

 

基本ルール

  • 62歳から受給することができる。
  • Full Retirement Age以降(Full Retirement Ageは、生まれた年により65歳から67歳の間。一覧表はこちら。)、Spousal Benefitsの受給を開始すると、勤労者本人の満額(勤労者本人がFull Retirement Ageで支給される額)の50%がもらえる。
  • 勤労者本人がFull Retirement Ageより前に自分のRetirement Benefitの受給を開始すると、勤労者本人のRetirement Benefitだけでなく、配偶者の受けるSpousal Benefitsも減額することになる。詳しくはこちら
  • 配偶者がFull Retirement Ageより前にSpousal Benefits受給を開始すると、早く受給しはじめた月数の1ヶ月につき約0.7%分、減額される(36ヶ月を超える月数については、1ヶ月につき約0.42%分)。
  • 勤労者本人がFull Retirement Ageを超えて支給を遅らせるとBenefitsが増額される(70歳までを期限として、1年につき8%(1943年以降生まれの場合))が、これによってSpousal Benefitsの額は増えない。Spousal Benefitsの最高額は、勤労者本人がFull Retirement Ageで支給される額の50%。
  • 同様に、配偶者自身がFull Retirement Age を超えてSpousal Benefitsの支給を遅らせても、Benefitsの増額はない。上記と同様、Spousal Benefitsの最高額は、勤労者本人がFull Retirement Ageで支給される額の50%。
  • 勤労者本人がRetirement Benefitsの申請をするまで、配偶者のSpousal Benefitsの申請をすることはできない。ただし、配偶者がSpousal Benefitsを申請する目的で、勤労者本人がRetirement Benefitsを申請しその後すぐに受給をsuspend(一時停止)することができる。こうすることで、配偶者はSpousal Benefitsの受給を開始できると同時に、勤労者本人のRetirement Benefitsは増額させ続ける(最高70歳まで待つことでBenefitsは最大に)ことができる。

夫婦ともに働いていた場合

  • 配偶者も働いていた場合は、配偶者は自分の所得に基づいてRetirement Benefits を申請することもできるし、あるいは配偶者としてSpousal Benefits を申請することもできる。
  • 上記のような場合は、ダブルでBenefitsを受けることはできず、ふたつの選択のうちどちらか一方の受給となる。
  • Full Retirement Ageより前に受給を申請すると、配偶者自身のRetirement BenefitsかSpousal Benefitsのうち高額のほうを自動的に支給される。
  • Full Retirement Age 以降に受給を開始すると、配偶者自身のRetirement BenefitsかSpousal Benefitsかのうち、どちらを受給するか自分で選択することができる。たとえば、Full Retirement Age に達した後なら、Spousal Benefitsの受給をまず選択し、自分自身のRetirement Benefitsは70歳まで受給を遅らせ、70歳になった時点で最大まで増額した自分のRetirement Benefitsに乗り換えることができる。
  • 同様に、Full Retirement Age に達した後なら、配偶者自身のRetirement Benefitsの受給をまず選択し、その後Spousal Benefitsに乗り換えることもできる(Spousal Benefitsのほうが多い場合)。

 

Survivor’s Benefits

Survivors Benefitsについては、 ソーシャル・セキュリティーの手はじめ(4) - Survivors Benefits に書きましたが、以下に配偶者が受けられる(子どもや扶養されていた親が受けられるものではなく)Benefitsに焦点をあててまとめました。

 

基本ルール

  • 勤労者本人がすでに死亡している場合、残された配偶者は60歳からSurvivor’s Benefitsを受けることができる。
  • ただし、Full Retirement Age以降に受給を開始すると、Survivor’s Benefitsは最大になる。
  • Full Retirement Ageより前に受給を開始すると、Benefitsは減額される。たとえば、60歳で受給開始すると、Full Retirement Age まで待った場合にくらべてSurvivor’s Benefits は71.5%に減額される。詳しくはこちら
  • 勤労者本人がFull Retirement Ageを超えて存命し、勤労者本人のRetirement Benefitsの支給を遅らせると、勤労者本人のRetirement Benefitsが増額されるだけでなく、勤労者本人の死亡後、配偶者が受けるSurvivor’s Benefitsも増額される。この場合、配偶者が受けるSurvivor’s Benefits は勤労者本人が支給されていたRetirement Benefitsと同額である。
  • 配偶者がFull Retirement Age を超えてSurvivor’s Benefits の受給を遅らしても、Benefitsが増額されることはない。
  • 別に、死亡一時金$255が支給される。

夫婦ともに働いていた場合

  • Survivor’s Benefitsの受給を開始し、その後62歳以降、自分のRetirement Benefitsに乗り換えることができる(自分のRetirement Benefits のほうが多い場合)。
  • 62歳以降自分のRetirement Benefitsの受給を開始し、その後Survivor’s Benefitsに乗り換えることができる(Survivor’s Benefitsのほうが多い場合)。

 

上記からお分かりいただけると思いますが、夫婦単位になるとルールが複雑になり、夫婦ともに働いていた場合は、夫と妻のそれぞれの勤労者本人としてのRetirement Benefitsがふたつと、それぞれが配偶者の立場で受けられる Spousal Benefitsがふたつ、そして最終的にはどちらかが先立ったときの残された方が受けるSurvivors Benefitsという5つのBenefitsの選択肢があることになります。自分たちのニーズに合わせて、受給の開始時期や受給するBenefitsの選択をうまくコーディネートすることが必要です。

基本的には受給の開始はFull Retirement Ageまで待つこと、さらに可能であればRetirement Benefitsは70歳まで待つことが、月々の支給額を増額するポイントですが、ただ持病があり寿命が平均より短いと推測されるような場合には、多少低い月額でも支給を急いだほうがベターかもしれません。また、夫婦の場合にはさらに細かいプラニングをすることで、夫婦ふたりでの生涯受給額をできるだけ増やすことも可能です。これについてはまた今度。

 

以上、このブログ作成時点での法律にのっとり、概要をなるべくわかりやすくまとめました。それぞれの個別ケースで適用はもっと複雑になることはもちろんありますから、詳しくはソーシャル・セキュリティーのサイトで確認ください。

 

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4 comments

  1. cachaca says:

    詳しい情報をありがとうございます。何年か前、日本のアメリカ大使館で60歳になったら配偶者ももらえるといわれたと、ある人から聞いたことがあります。今ではそれが62歳に上がったんでしょうね。

    1つ質問です。勤労者本人がFullまで待ったとします。その場合の以下の部分です。
    「配偶者がFull Retirement Ageより前にSpousal Benefitsの受給を開始すると、早く受給しはじめた月数の1ヶ月につき約0.7%分、減額される(36ヶ月を超える月数については、1ヶ月につき約0.42%分)」

    配偶者のFullが66歳4ヶ月なのに62歳で受給開始すると、52ヶ月早くなります。
    0.42% x52 =21.84
    50% x 21.84 =10.92 減額ということで
    50 x 10.92% = 5.46%
    50 – 5.46 = 44.54%  勤労者本人の44.54%もらえるということでしょうか?

    算数がよくできないので(^^;; 全然違っていたら、直して頂けますか?

    • admin says:

      あら、楽しそうなセミリタイヤ・ライフですね!うらやまし~。。
      ご質問の件、0.7%/月x36ヶ月+0.42%/月x(52-36ヶ月)=31.92% となります。もともと本人の50%だったのが、31.92%さらに減らされるということで、残るは50%x(1-0.3192)=34.04%となり勤労者本人の34.04%もらえるということだと思いますけども・・・。http://www.ssa.gov/retire2/retirechart.htmにはこう記述あり。
      If you start receiving spouse’s benefits at age 62, your monthly benefit amount is reduced to about 32.5 percent of the amount your spouse would receive if his or her benefits started at full retirement age. (The reduction is about 67.5 percent.) The reduction for starting benefits as a spouse at age. これは、Fullが67歳の場合ですが、これが66歳と4ヶ月だと34.04%となるのでしょうね。でも、本当のところは、ソーシャル・セキュリティーに確認してくださいませ。

  2. cachaca says:

    早速お返事をありがとうございます。すぐ下にちゃんとリンクがあり、そこに書いてありましたね。ウッカリでした。ごめんなさい。

    私のつれあいはFullまで待ちましたが(ウチは年の差夫婦)、つれあいの友人たちはみんな受給年齢になったらすぐもらい始めました。「待ってる間に死んだらもらい損ねるじゃないか。それに月額は減るけど、75歳以上まで生きたら受給総額は早くもらったほうが多くなるんだ」とか言って。ほんとかな?
    逆に日本に住んでるアメリカ人の知り合いは70歳まで待ちました。現在すでに80歳でまだまだ元気。こればかりは分からないですね。

    • admin says:

      そう、早く死ぬ予定なら早くもらったほうがいいけど、長く生きるつもりなら待ったほうがいいでしょうね。ファイナンシャル・プラニングなどといって、いろいろ計画を練りますが、自分がいつ死ぬかというかなり決定的なことは計画ができないのです。

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