ファイナンシャルエイドのベースイヤーが変わります

2016年10月をもって、ファイナンシャルエイド申請、FAFSAでカウントされる所得のベースイヤーが変更になります。現在(2016年からカレッジ入学になる)ハイスクール・シニアのFAFSA申請はもう終わっていますが、ここまでは前年度の所得がベースイヤーとして使用されてきました。毎年の申請で、前年度のタックスリターン上での所得がカウントされてきたわけです。これが、現在(2017年からカレッジ入学となる)ハイスクール・ジュニア以降は、前年度の代わりに2年前のタックスリターンの情報をベースイヤーとして使うことになります。この変更はもちろん現在のハイスクール・ジュニアだけではなく、ハイスクール・シニア以上、現在カレッジに入っている学生の来年以降のFAFSA申請にももちろん影響し、来年以降はみな2年前の情報を使うことになります。

 

2016年にカレッジに入る学生は、これまでのルールにのっとり、本年度は、2015年のタックスリターン情報を使ってFAFSA申請します。また、来年度も、今度は新しいルールにのっとり、2年前のタックスリターン情報を使うので、2015年のリターン情報を再度(2年連続で)使うことになります。2017年入学生は2015年のリターン情報を、2018年入学生は2016年を使うことになります。

 

ファイナンシャルエイドの申請プログラムには、州立大学に主に使われるFAFSAと、私立大学に主に使われているCSS/Profileがありますが、今回の改定は前者のFAFSAに対する変更です。CSS/Profileは今のところ、ベースイヤーの変更を発表していませんが、専門家の中にはFAFSAに追随するのではないかという見方もでてきます。

 

今までの問題点

 

現在、FAFSA申請は前年度の所得をベースにしていますが、これにはいくつかの不具合点がありました。FAFSAはファイナンシャルエイドを受けたいのであれば、毎年申請し続ける必要がありますが、その中でもカレッジの一年目にどのくらいのファインシャルエイドがもらえるのかという情報は、どの大学に入学を決めるかという決断とも大きく関係するため非常に大事なものです。FAFSAの申請は1月に始まり3月までとなっていますが、エイドをもらえるチャンスを上げるとともに、それぞれの大学からいくらもらえるかという情報も早くもらうためには、1月になったらなるべく早くFAFSAを申請することが勧められています。ところが、この時点では、まだ通常4月15日期限のタックスリターンは終わっていないことが多く、結果としてFAFSA申請は前年ファイルしたタックスリターン(つまり2年前の所得税情報)を使い仮申請をしておいて、当年のタックスリターン(つまり前年の所得税情報)が終わったところで、再度FAFSAのサイトに行き情報を更新するということが行われていました。これは、申請をする学生や保護者にとっても、また申請を処理する学校側にとっても無駄の多いプロセスを生んでいました。

 

前述のとおり、当年の情報に基づく最終的なファイナンシャルエイドパッケージの決定がどうしても遅くなり、大学選びに決定的なこの情報がタイムリーに来ないということにもなると当時に、Early DecisionやEarly Actionを選ぶ学生は年内の12月あたりに合格通知を手にすることもありますが、エイドパッケージは決定しないまま決断を迫られることもありました。

 

 

申請が正確で簡単になります

 

これからは、2年前のすでにタックスリターンが終わっている所得情報を使うことで、早く正確に申請ができるようになります。また、最近導入されたIRSから自動でタックスリターン情報をFAFSAにトランスファーする機能をフルに利用することができます。現在もこの機能は使えますが、ただトランスファーはタックスリターン申請が終わってからE-fileの場合で1~2週間、書類申請で6~8週間以降にならないと使えません。よって、前年度の所得情報をベースにしていた今までのモデルでは、この機能は仮申請情報をタックスリターン後アップデイトする時点でしか使えませんでした。

 

今後は、本申請時に、すでに1年前に終わっているタックスリターン情報を使うことになるので、最初から自動トランスファーが利用でき、自分で情報を見つけて入力するという必要がなくなります。ほとんどすべてのFAFSA申請者が、自分の自動入力すればよくなるので、これまで申請が難しいと感じていた人にも敷居が低くなるでしょう。また、申請に必要な所要時間は現在平均で1時間くらいということですが、これもかなり短縮できることになります。申請を外部に委託していた人も、これから自分でやれると考えるようになる可能性も高いでしょう。

 

現在、連邦政府のPell Grant(返さなくてもいいニードベースのファイナンシャルエイド)を実際はもらえる資格があるのに、FAFSAに申請しないのでエイドを逃している学生は80万人(!)と見積もられていますが、今後FAFSAがより簡単に申請できるようになるため、このような層にもPell Grantがリーチすることに役立つとみられています。

 

プラニングと特別ケース

 

入学前の2年前の所得情報が使われることになるので、もしも所得操作やプラニングをする予定がある場合には、今までよりも1年早いハイスクールのソフモアの1月からの時点で始める必要があります。なお、これはあくまで所得についてです。資産は、FAFSA申請時の資産情報を入力します。

 

2年前のタックスリターン情報を使うことによって、所得を受け取る時点とファイナンシャルエイドをもらう時点までの間に2年の期間ができることになります。よって、これまでより、所得が激減した、レイオフされた、大病をしたなど、家庭のファイナンスの状態を大きく変える出来事が生じる可能性が高くなります。そのような場合には迷わず、大学に対しその旨通知し、FAFSAの申請時から状態が大きく変わったこと、ファイナンシャルニーズが増えたことを説明し、Professional Judgementをリクエストしましょう。

 

現在2017年にカレッジに入る予定の現在のハイスクール・ジュニアを持つ家庭で、今まで通り2016年度がベースイヤーになるため、2015年の所得は無関係であるという理解で、2015年にあるいは避けられたかもしれない所得を得てしまったというようなケースもあるかもしれません。たとえば、キャピタルゲインの大きい投資を売ってしまったなどのような場合です。これに関してはSecretary of Educationか各大学に対し、2015年の所得が普段に比べて特に高い家庭については、このことでファイナンシャルエイド受給資格に悪影響がでないように配慮するように、というアドバイスが出されたそうですが、具体的にどのようにそれが行われるのかの詳細はわかっていません。

 

 

 

 

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4 comments

  1. 主人の駐在に伴い秋に日本の高校からボストン近郊の高校へ転校した現在10年生の子どもがいます。高校がオーガナイズしてくれたスカラシップの話を主人が聞きに言ったのですが、もう準備しなくてはいけないようなことを言われたようで、正直慌てました。このブログがあって本当に助かりました。どちらの国の大学に行くかさえも決まってませんが、昔の日本のように子ども任せというわけにもいかなそうなので、徐々に勉強していきたいと思います。
    ありがとうございます。

    1. 10年生の今のうちからこうやってご夫婦で勉強されているとのこと、すばらしいですね。少しでもお役に立てれば光栄です。応援しております。

  2. いつも大変有益な情報ありがとうございます。
    一点質問させていただきたいのですが、
    いまいち全体像が把握できておらず、的外れな質問でしたら申し訳ありません。

    うちはジュニアなのでClass of 2018となり、
    今回のタックスリターンを採用、ということになると思いますが、
    子供のアセットに関してはどのような取り扱いになるのでしょうか。
    子供にアセットがあると子供のEFCが高くなるとのことで
    移動させる方法を考えていたのですが、
    これからでは遅いのでしょうか。
    実際、Calculatorを使ってみると
    親のEFCは少ないものの、子供のものは高くなっています。。。

    1. FAFSAでは、収入と資産(アセット)との入力が必要ですが、収入関連情報についてはタックスリターン情報を使い、2018年入学であれば、2016年のタックスリターン情報を使いますが、資産については申請する時点で持っている資産について入力することになります。収入は一定期間かけて稼ぐものですが、資産は一時点で何を所有しているかの情報となります。なのでお子さんにアセットがあるのであれば、今のうちに移動できるものなら移動して、FAFSA申請時点でお子さんのアセットでなくなっていれば問題はありません。

      1. なるほど。少しまだ考える時間があるとわかり
        大変安心いたしました。
        どうもありがとうございました!

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