コロナウイルス モーゲージ救援

コロナウイルスの影響で家計に打撃を受けた場合、まず家計の中でも大きな支払い義務であるモーゲージやレントが問題になっています。連邦および多くの州政府は、救済措置を発表しており、また同時に多くのモーゲージ関連会社に対して救援措置の実施を促しています。

まずはじめに

救済措置について知る前に、まずは自分の家計の状況を把握することが必要です。

生活維持のために必要な固定費を洗い出しましょう。モーゲージ・レント、ユーティリティ、保険費や税金、食費あたりが固定費に入ってくると思います。多くの州でStay-at-homeが実施されており、不幸中の幸いともいいますか、外食・余興、チャイルドケア・課外活動費など、支出したくても支出できない状態ですから、これらは大幅に削減できるはずです。スポーツジムや習い事などもオンラインやバーチャルで継続されるケースも多いですが、資金繰りが難しいのなら一時休止にするのがよいでしょう。衣料費・美容費なども削減が可能はなずです。

費用を整理したあと、どうしても支出が必要な固定費のトータルを算出し、手元にある現金(エマージェンシーファンド)で何カ月間耐えることができるかを把握します。コロナウイルス・パンデミックがどのくらい継続するか、また失われた・減額された労働収入がどのくらいの期間のあと戻るかについては誰も正確に知ることができませんから、何カ月以上カバーできれば安心できるかについては判断が難しい部分があります。これが、数か月以内しかカバーできそうにない場合は、おそらく固定費のなかでも大きな部分を占めるモーゲージについて対策をとることが賢明かと思います。

支払いをすることができない・あるいは一部しか支払えないことがわかった場合には、モーゲージ・サービス会社に直ちに連絡をします。ローンの種類によって、受けられる措置に種類があります。以下の手順で確認をしていきます。以下は、Consumer Financial Protection Bureauのページを参考にしています。

 STEP1:モーゲージ・サービス会社を確認する

モーゲージ・サービス会社とは、あなたが毎月モーゲージ返済をしている支払先です。月々送られてくるモーゲージのステイトメントに会社の情報があります。ステイトメントが見当たらなければ、モーゲージ支払いが引き落とされている銀行口座のステイトメントに会社名があるはずです。モーゲージ・サービス会社は、返済を受け取り・管理をしている会社であり、必ずしもあなたが最初にモーゲージを借り入れた金融機関ではないことも多いので気をつけます。

STEP2:モーゲージがどのタイプであり、どんな救援策があるかの全容を把握する

この3月に制定されたコロナ経済対策 CARES ACT下での保護を得るためには、あなたのモーゲージが連邦政府に保証されたものである必要があります。連邦政府の保証とは、以下の団体によって保証されているかを意味します。もしよくわからない場合は、モーゲージ・サービス会社に問い合わせれば教えてくれますが、電話がなかなかつながらないかもしれません。

List of federal agencies and entities

STEP 3:どのような救援策が受けられるかを知る

連邦政府の保証があるローンの場合には、Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES)ACTにより、フォークロージャに対する最低60日間の猶予と、180日間のForbearance (救援措置)が受けられます。さらに180日間の延長をリクエストすることが可能。手数料やペナルティはなし。この措置の対象となった返済遅延額への利子の発生なし。

連邦政府の保証に加え、かつFannie Mae がFreddie Mac.の保証がある場合には、上記のフォークロージャ―猶予と救援措置に加えて、遅延手数料の免除、クレジットスコア会社へのネガティブ・レポ―ティングの免除、フォークロジャー及びその他法的手続きの一時休止が確保されます。

Fannie Mae がFreddie Mac.の保証があるかどうかは、以下で確認できます。

連邦政府の保証はないモーゲージの場合でも、各州によって上に挙げたのと似たような措置が取られている可能性が高いです。州の名前と、“Mortgage Relief”、”Mortgage Forbearance”などのキーワードでサーチしてみてください。

STEP 4: 直接モーゲージ・サービス会社に問い合わせる

ある程度どんなForbearanceがあるかの全容を把握したうえで、直接モーゲージ・サービス会社に問い合わせ・リクエストをします。

Forbearanceは、支払い義務を免除するものではなく、休止されたモーゲージ支払いや減額された支払いは、将来的に支払う必要があります。

ローンの種類によって、Forbearanceにはさまざまなタイプがあります。提供されているオプションはどのようなものか、条件を比較して最適と思われるものを選ぶ必要があります。Forbearanceの例としては、一定期間支払い義務が休止あるいは減額され、その間の支払いは期間後に一括返済するよう要求されるもの、あるいは一定期間の間に分割して返済(もともとの月々の返済額に上乗せするかたちで返済)するもの、あるいはモーゲージ期間の延長という形で返済をするものなどなどがあります。どのようなオプションが提供されていて、ご自分の家計にとってはどれがベストかを吟味する必要があります。収入がいつ戻るか不明な場合には、一括返済などの条件は避ける方がよく、モーゲージ期間の延長や○○日後再度Forbearanceについて考慮されるような形のほうが安全かと思います。休止された額、あるいは減額された額は、返済まで利子がかかるかどうか、クレジットヒストリーへのネガティブな影響があるのかないかも確認する必要があります。

電話はかなり混雑していてなかなかつながらないことが多いでしょうから、まずはWebページでできるだけの情報を確認するのが賢明だと思います。ローン・サービス会社のWebページをチェックすると、COVID-19対策の情報ページが設けられていることも多いでしょう。会社によっては、ForbearanceのRequest Formが用意されており、オンライン、E-mail、Faxなどで提出ができるようになっているところもあります。Forbearanceの選択肢・内容についてもあらかじめ詳しく説明がある場合もあります。

申請にあたっては、以下のような情報が必要になることが多いので、同時に用意をしておくとよいです。

  • 解雇された場合は、Layoff letterやUnemployment benefitを受けていることの証明
  • 収入が減った場合は、前月と今月のPaystubで減収したことがわかるもの
  • ビジネスの経営難の場合は、銀行の口座ステートメントでビジネス収入が減ったことがわかるもの
  • その他数字で証明が難しいものについては、なぜ返済が困難になったかの理由説明とできる限りそれをバックアップする書類

STEP5 文書で確認

Forbearanceの内容についてきちんと理解します。いつかは返済が必要なものですから、とりあえずしのげればよい・・という気持ちでなく、条件を確認することが必要です。あとあと問題にならないように、詳細についての文書を受け取り保管します。

STEP 6 Forbearanceを受けてから

STEP5のForbearance文書とともに、その後Forbearanceの期間中に受け取る文書も一か所にきちんと保管します。

  • その後のForbearance期間に受け取るすべてのモーゲージ関連の文書をきちんと管理しておく
  • そのような文書は面倒でも都度都度きちんと読み、何が起こっているかは確認しておく
  • クレジットスコアやリポートを確認しつつ、影響がでていないかをチェックする
  • 収入が確保できるようになったら、モーゲージ・サービス会社に連絡をして返済を再開する
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