我が家のキッチンリモデルの巻

8月末に新しい家に引越し、それから屋根の葺き替え、Solatube(スカイライトの簡易版)を入れ(本当に明るくなります!)、庭の木を選定し(ジャングルのようだった!)、ランドリールームをつくり、キッチンに手を入れ、やっと11月末にすべてのリモデルが終わりました。一番最後まで引きずったのがキッチンのリモデル。家の中心であるキッチンのリモデルは、家族の生活に直接関係するため、なかなかストレスフルではありました。今日はその考察。。

この家を買うときオープンなキッチンが気に入りました。我が家の趣向は、ベットルームは小さく、コモンエリアは大きくというもので、コモンエリアの中心で家族や友人が集うキッチンは大きくゆったりしたものであることと、リビングやダイニングなどのエリアにオープンな感じでつながっていることというのが願いでした。そういう意味ではかなり合格点の家だったので購入に踏み切りました。

 

ちょっときれいにしたいキッチン

ただ、古い家の多いこのあたり。この家ももれなく1964年生まれ。冷蔵庫やオーブン、ディッシュウォッシャー、クックトップなどのアプライアンスは新しく換えてありましたが、キッチンキャビネットはオリジナルのまま。キャビネットドアは塗ってあるものがところどころ禿げていて、中はきれいに掃除はしてあるものの、ちょっとカビくさい。ちょっとこのままでは使いたくないと思い、いろいろ調べておりました。

キッチンのレイアウト自体には不満がなかったので、キャビネットだけの取替えを考えましたが、取替えだと大掛かりになるのでなんかもっと簡単な方法はないかと調べていたら、Refaceという方法があるのを知りました。Refaceというのは、キャビネット自体はそのままに、ドアや引き出しのフェース(前面)だけを取り替えるというものです。ドアや引き出し以外のキャビネットの表面には、マッチする素材の薄いもの(シールのようなかんじです)を貼ります。取替えの1/3くらいのコストで可能という話だったので、さっそく見積もりをとることに。とりあえず名の知れたSearsとHome Depot、それに独立系業者2社にコンタクトしました。結果は、Searsの$20,000弱が最も高く、あとは$10,000強という結果。

Refaceはあくまで外側だけの張替えなので、キャビネットの中はどうなるのかと聞くと、中はふつうは新しくペンキを塗るとのこと。引き出しについていえば、フェースだけでなく新しい引き出しボックスに交換することは可能ということでした。換気扇フードが非常に古いものだったので、これを取り外し、新しい換気扇に取り替えて欲しいというと、それは別にやってくれと言われました。その他にも大きくはないが、そこここを少し直して欲しいところがあっても、それはRefaceとは別に・・といわれました。Refaceは特殊なスキルがいるので、Refaceの専門業者・専門部門になるらしく、Reface以外のことはあまりやりたがらないのだと感じました。

Reface素材のサンプルを見ながら、どれにしよう、これにしよう・・・などと話しているとき、主人がぽろっつと言いました。

「このキャビネットはとても古いが、Solid Wood(100%木材)を使った質は悪くないものだから、塗ってしまったらどうかな・・・」

ふ~ん、なるほど。昔、アメリカ人の隣人に言われたことを思い出しました。

「家まわりにある数十年前のものは、壊れるまで使い続けなさい。古いものの方がちゃんとつくられていていいものだから、むやみに新しいモデルに取り替えない方がいいよ。」

たしかに、Refaceのドアでこれだ!とピンとくるものがあまりない。ラミネートみたいなのは掃除もしやすくてキレイだけどどうも含蓄がない・・・。ということで、いきなり路線変更、キャビネットを塗るというプロジェクトに進路が変わりました。そのときすでにランドリーの工事をしてもらっているコントラクターがあり、信頼できる人たちだったので、キッチンもお願いすることにしました。

 

キッチン・リモデルの3つのオプション

3つのオプションをご参考までにまとめておきます。

フル・リモデル

  • レイアウトなどを好きなように変えられる。
  • カスタマイズの多いリモデル向き。
  • もっとも高い
  • リモデル期間も長い

キャビネットのRefaceing(リフェース)

  • レイアウトには不満がない場合に、キャビネットだけを新しいルックスにする
  • キャビネットを取りはずす必要がないので、大掛かりにならない
  • 廃材も出ないのでグリーンなオプション
  • ケース・バイ・ケースだが、リモデルの1/3くらいのコスト
  • リモデル期間も数日から1週間くらい
  • Refacingは特殊な技術が必要なので、専門業者に頼むこと
  • Refacingの専門業者は、他の工事(ふつうのコントラクターがしてくれるような)はやってくれない場合が多い

キャビネットの塗りなおし

  • レイアウトには不満がない場合に、キャビネットだけを塗りなおす
  • ステイン塗料(木目)でも、不透明なペイント(白など)でも、幅広い仕上げが可能
  • キャビネットを取りはずす必要がないので、大掛かりにならない
  • 廃材も出ないのでグリーンなオプション
  • ケース・バイ・ケースだが、Refacingの1/2くらいのコスト
  • リモデル期間も数日から1週間くらい
  • Refacingほどではないが、キャビネットは塗ればいいというものではなく、適切なプロセスが必要なので、経験のある業者を選ぶこと

結局お願いした会社はジェネラル・コントラクターだったので、塗り替えだけでなく、他のもろもろのことも一緒にお願いしました。そういう意味では、Refacing業者よりもフレキシブルで便利でした。BeforeとAfterはこんな感じ。ちなみに、Before写真は、家の購入のときの不動産リスティング写真です。

Before 1
Before 1
After 1

 

Before 2
After 2
After 2

やってもらったことは、

  • キャビネットの中と外の塗り替え
  • キッチン・アイランドの上のキャビネットを取り除き、新しい換気扇(購入)をインストール
  • キッチン・アイランドの上に3つのペンダント・ライト(購入)をインストール
  • 天井のふたつのライト〔購入〕を新しいライトに換える
  • キャビネットの上にモールディングをつける
  • キッチンカウンターのエンド(写真右)に古いライティング・デスクがあったのを取り除き、新しい引き出しキャビネットと電子レンジ用の棚をつくる
  • 壁にいくつか簡易棚(購入。写真一番左と右)をつける
  • テーブル上のランプ(前の家から持ってきたもの)と取り替える
  • 壁の塗り替え

見積もりにないのに、サービスでやってくれたこと(アイランドにモールディングでアクセントをつけたり、冷蔵庫とキャビネットの間の隙間を木材でうめて、キャビネットと同じ色でぬってくれたり、ドアのヒンジを外から見えないインサイド・ヒンジに換えてくれたり、引き出しのレールをソフト・クロージャーのものに換えてくれたり・・・)も案外ありました。

コストはというと・・・

  • 換気扇                              $1,000
  • ペンダントライト                       $250
  • 天井のライト(IKEAで安い!)      $80
  • 電子レンジ                         $150
  • 棚(Pottery BarnとIKEA)     $250
  • コントラクター費用               $3,000

で、合計で$4,730でした。

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モールディングを加え、アンティークホワイトに塗りなおし、ステインでアクセントをつけたキャビネット。

コントラクター費用がなにせ安かった!最初、キャビネットの塗り替えだけで$1,600と言われ、ほかの仕事も含めて再見積もりをお願いしたら$3,000。

 

演歌で耐えた一ヶ月

しかしながら、これには裏話もありまして。彼らはジャマイカ人でして、仕事のしかたがとってもレゲエ調でした。その前のランドリー工事のときもいろいろあって時間がかかり気味だったけど、ただいろいろな問題を一緒に解決するにあたり人間としては信頼できる人であるという確信があったので、キッチン工事もお願いしたのだけど、キッチンはもっと時間がかかりました。見積もりでは2週間のところ、結局1ヶ月。

仕事に対する姿勢もレゲエなかんじで、一生懸命汗をながして仕事をしたら、ちょっとお茶。さっさと仕事を終えてはやく退散したい・・・というような向きは一向にないのでした。そして、仕事のやり方もかなり楽観的。とりあえずやってみて、だめならやりなおす・・・という姿勢。“Every little thing’s gonna be all right..”と聞こえてきそうな空気。ペンキ塗りの前のサンディングや、引き出しの調整など、かなり何度もダメ出しをした私。ダメ出しをしてまたやり直すのかと思うと、考えただけで疲れる私を横目に、彼らはそれをまったく苦にする様子もなく、またレゲエ調でやり直す。

たぶんビジネスの採算とかも考えてないのかな。さっさと適当に仕事を仕上げようという向きがなく、私たちの要求をなるべく叶えようと一生懸命やってくれるのです。そういう姿をみて、主人も私もいつものアメリカ風考え方を捨て、彼らの一生懸命に感謝し、「なるべく早く終わってよ」といいながらも耐えました。レゲエの彼らを、演歌で耐える私たち・・・みたいな構図でした(!)。

終わったときは、握手を交わしてお別れしました。$3,000じゃあ割に合っていないだろうなと思い、チップも上乗せしたけど、それでもきっと相場よりはかなり安いでしょう。

ということで、キャビネットを塗るだけなら1週間以下で終わるはずのところ1ヶ月かかったわけで忍耐のプロジェクトでしたが、のどモト過ぎれば熱さを忘れるで、キッチンはきれいになったし、ま、いいか~ということになっています。

いやあ、どんなプロジェクトでも、やっぱり家のお直しは大変ですね~。

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6 comments

  1. さすが!
    費用も抑えて、ここまで素敵に変えるとは!

    換気扇のところが大きいですね。奥の方まで全体が1部屋に見えて、すごく広くて使い勝手が良さそうなキッチンに見えます。
    うちもキャビネット取り換えずに、ひたすら洗うという作業と、ノブとヒンジの交換で乗り切りました。

    ほんと、家具やキャビネットは昔の方が品質いいですよね。
    今後は、家具もアンティークやビンテージに交換していこうかと思っています。

    1. 奥のほうが新しくつくったランドリー(古いキャビネットがたくさんあったのを一部壊してウォッシャーとドライヤーとシンクを入れました)で、これはこれで、やはりジャマイカン軍団にやってもらったので、苦労話があります。。。(でも安かったけど)。

  2. ジャマイカ人、レゲエ調、思い出します。引越し屋さんを頼んだときに来た二人がレゲエ調。トラックを運びやすい所にとめるのに、30分ぐらい掛りそこから荷物の運び出しと思いきや、休憩。。。
    時間でチャージされたので、結構耐え難いものがありました。しかし、仕事(?)になると一生懸命っていうのが伝わってきて、結局最後はありがとうの感謝に変わっていました。
    それ以来、そういう仕事はメキシコ人と決めています。

    1. ほほ、憎めないのですけどね。いろいろな人がいるのだなあと本当に思います。向こうからみれば、私もその一人なんだけど・・・

  3. いいですね~。ちょっとラスティックな感じのカントリースタイルのキャビネット。ステインでアクセントをつけるテクニックなんて、さすが!! しかも、すべてのリモデルが終わったなんて、こちらもさすが!! というか私たちがのんびりしすぎなのかあ?

    私たちの場合も、今の家のキッチン(キャビネットも電気オーブンも1974年のオリジナル)をオープンハウスで見たときからリモデルすることは考えていました。ただ、アプローチがちょっと違っていて、主人が作ったキッチンアイランドをベースにしてそれにマッチしたキャビネットとキッチンカウンターにするという方向で、あとはなるべく似た色、スタイル、材質を見つけるというアプローチでした。初めてのリモデルということもあり、地元の独立系のコントラクターをよく知らなかったので、LowesかHomeDepotを考えていました。

    もちろん名の知れた分LowesやHomeDepotは独立系よりは高いだろうなあと察してはいましたが、何か問題があった時にいい加減な対応はしないだろうと保険代も含めた選択でした。その他、デザイン、スケジューリング、いろいろな業者とのコーディネイトなど、すべてHomeDepotの担当者がその都度、チェックくれたので、最初に予定されたスケジュール通りプロジェクトが進んでいきました。作業中、思わぬハプニングも何度か起こりましたが、それもすべてこちらが納得いくような対応をしてくれたので、満足しています。例えば、カウンタートップのインストールが終わった後にステンレス・シンクがちょっとへこんでいるのが見つかったのですが、HomeDepot側で無料でシンクお取替え。しかも、そのシンク、最初に選んだ時からタダ。他社も含めていろいろ探して結局HomeDepotで買うことにした旨を伝えたら担当者がI’ll take care of this!! 主人はすぐにピンと来たらしいのですが、私はモノがデリバリされたのに、請求されないので不思議に思って確認したところ、そういう意味でした。その他にも、DishWasherも他社とのPrice Matchingをしてくれたので、結局、HomeDepotで購入。別のプロジェクトで必要で買った電気ノコギリもなぜかタダ。しかも、インストールも、これとこれとこれはは自分たちでやるので其の分差し引いてと、私たちからすれば、フレキシブルに対応してくれました。カウンタートップでは、理由はよくわからなかったのだけれど、千ドルほどのRefund。

    次はバスルーム・リモデル。でも、いまだにどんなスタイルにしたいのか決まっていないので、アイディアを模索中です。今度は、独立系のコントラクターにもコンタクトしてみようかなあと考えていますが、たくさんいる独立系のコントラクターからどのようにして数社に絞ったのか教えてください。

    1. とへえ、Home Depotすごいですね。確かにちょっと高めだけど、保険代という意味では大いに意味があると思います。リモデルって絶対なにかうまくいきませんからね。そのときの対応は独立系ではかなり差がでるでしょうね。あと大きな問題が起こったとき、賠償できるだけの資金力というか体力がないコントラクターは多いと思います。結局みんな中小企業なので。だからキッチンやバスなどの大掛かりなリモデルは大手を使ったほうが安全ですよね~。。大手を使いつつ、部材の値段などはちゃんとウォッチして値引きしてもらったりだたにしてもらったりとは、一番いいやり方かもしれません。さすが。。賞賛! うちは、Redbeacon.com(Home Depotがやっている顧客とコントラクターのマッチアップ・サイト)とAngie’s listを使って独立系コントラクターを見つけました。Good Luck!

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