$10,000上乗せしても・・・ ぜんぜん家が買えません!

ここ数年、家を買おうと(そんなにシンケンではないけど)やんわりとハウス・ハンティングしてきた我が家。3年前に東海岸からカリフォルニアに引越し、あまりに不動産マーケットが違う(古い・狭い・高い)のにショックを受け、なかなか買う気にすらならなかったのですが、レントも高いわけで・・・いろいろ試算してみると、やはり我が家の場合はとりあえず購入したほうがよさそう・・・という結論に達してきたのがここ1年くらい。

私はRedfinがお気に入りで、この地域の売り家の情報はだいたい把握しているのですが、なにはともあれここのところ、売り家がない!という問題が顕著です。ロー・インベントリーというやつですよ。全米の多くの場所でそうでしょう。

下は、このエリアのインベントリーを示したグラフです。2011年半ばは70、80軒出ていた売り家が今は十数件。これに買い手が殺到するんですからたまったものじゃありません。

アメリカ 不動産 ハウジング

先週末、ちょうど都合のよい家が売りに出たので、見に行ってきました。3年半ハウス・ハンティングしていきて、「この家だ!」と家族全員で意見が一致した家は今までなかったのですが、今回はなんと全員一致!主人に言わせると「非のうちどころがない」そう。その家は、自分たちがそこに住む場面が想像できる家とでも申しましょうか、ボロボロじゃないけど豪華すぎず、でしゃばり過ぎないけどちょっと個性的な・・・つまりは魅力的な家だったのです。

 

力を入れたはずのオファー

そこで、すぐにオファー・パッケージをつくりました。モーゲージ・ブローカーは以前からやりとりしていて、e-mail一本で、すぐに「カスタマイズされたpre-approvalレター」を作ってくれるようになっています。カスタマイズされたというのは、オファーの額に合わせてぴったりの額が入っているレターということです。たとえば、$285,000のオファーをするのに、$300,000という数字がpre-approvalに入っていると、相手に「$300,000までならネゴ可能ですよ」という情報を与えることになるので、このようにオファー一件ごとに数字を変えるのがいいそうです。まあ、後で考えると、こういう小細工はまるで意味をなさなかったようですけども。

Redfinはすべてオンライン・システムでのやりとりですので、pre-approval、クレジット・スコア、ダウンペイメントの証明をオンラインですぐに送り、Redfinが作成したオファー・レターに主人はオフィスで、私は自宅でオンライン署名しました。そのうえ、マルチプル・オファーが入ることは十分分かっていましたので、少しでも考慮してもらえるようにと、パーソナル・レターもつけました。その家がとても気に入ったこと、自分たちの家族のことなどを書きました。

家というのものは、思い出が詰まっていたり思い入れが強いものなので、単に数字の取引だけでなく、そうやってパーソナルな要素を入れるといいんだそうで。場合によっては、オファー額が少々低くても、パーソナルなコネクションができるとアクセプトしてもらえることもあるそうです。考えてみれば、私たちも家を売るとき、やはり「気持ちよく大切に住んでくれそうな人に売りたい」と思ったのを覚えているので、心をこめて書きました、このレター。

私たちはダウンペイメントも大きいほうですし、クレジットもいいですし、レターも心をこめたし、きっと考慮してもらえるだろうと思っていました。しかも、オファー額は、あちらのリスト価格に$10,000上乗せしました。もしマルチプル・オファーが入っても、せめてカウンター・オファーは来るだろうと、そういう心積もりでした。

 

ところがですよ!

ぜんぜんダメでした。どうやら考慮さえしてもらえなかったようです。カウンターもなし。当初は、「今週末のオープン・ハウスを待ち、翌日月曜にすべてのオファーを考慮する」ということだったのですが、いえいえ、今週末どころか、いきなり今日(まだ火曜日)、すでにペンディング・ステイタスになりました。どうやら、$30,000くらい上乗せしてオファーした人がいたようです。しかも、もしかしたらキャッシュ・オファーだったのかもしれません。バック・アップ・オファー(もしローンが下りなかった場合の)なども受け付けなかったようですから。

主人はがっくり。子どももがっくり。私もがっくり・・だけど、ま、とらわれないことにします。

だけど、参ります。この家はつまりはあの上のグラフの現在の十数件の売り家のうちの一軒ということですが、こうやってどの家にもオファーが殺到するのかと思うとぞっとします。このエリアでの一軒あたりの平均オファー数は、7.4だそうです。一方で、売りに出ているのは十数軒の割りに、フォークロージャーで銀行に抵当で戻ったものが九軒あるという事実もあります。そういうのはなかなか市場に出てこなかったりするわけで・・・フォークロージャー関連の問題あり物件はまだまだあるのに、売り家はなく、値段は上昇中・・・いやあ、なんとも変なマーケットです。お天気雨みたいなかんじ?

2012年の問題は、「ハウジング価格は、いつ底をうつか」だったわけですが、今の問題は、「売り家のインベントリーは、いつ底をうつか」に変わったそうです。いやあ、売りに出る家がなければ、買えないですからね。参りました。。。

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19 comments

  1. うわ~残念!

    ここと同じですね~。
    家賃は高く、家は小さく古く、レントも高く。
    まともな市のインベントリーは異常に低いのに、オファーがたくさんあるんですよね。隣の市なんか、学校とかはイマイチなのに、中国人が多いので、キャッシュバイヤーがガンガンいると不動産屋に聞きました。バッグに札束入れてくるような人もいるとか。
    実際、もうbidding war状態始まっているようです。

    我が家、買ったものの、実はぜんぜん気に入りません。
    でも他はもっとお化け屋敷みたかったからなあ。

    うちはちょい化け屋敷くらいなので、当時はまともに見えてしまった。笑
    タイミングは悪くなかったのでしょうけれどねえ。なんか微妙な心境ですよ。

    うちの近所はなんと1軒も売りにでていません。出るとすぐpendingになります。

    ちょっと今考えていることなのですが、もし家の価格上がったら、売って賃貸に戻ろうかなと。狭いアパートでも。
    自分たちは身軽な方が気楽なんじゃないかな~なんて。

    そして、今の家の代わりに同等の価格で、安いところに2,3軒、賃貸物件を保有すると。
    そして、レイオフされたら、速攻安いところに移り住む!w

    1. このあたりにもたくさんいます!中国人のキャッシュ・バイヤー!太刀打ちのしようがありません。え~、Cheeさん、せっかく買ってあんなステキなリモデルしたのに~!でも、今売りに出したら、すぐ売れますね。だけど不動産手数料でちょっととられちゃうけど。Redfin悪くないかも。。でも、悪く言う人もたくさんいます。そうか、家を売って賃貸ビジネス、いいかも。やっぱ、身軽が一番かもね。人間ものを持ち始めると縛られますよ(と、言いながら買う家を探している私はナニモノ!)。矛盾がいっぱいで、人生何がよいのか迷いつつ一歩一歩ですね~。。

  2. 残念でしたね・・・。市場に出ている物件数はすくないですよね。これって、銀行がわざと仕掛けていると思いますよ。銀行もフォークロージャーになった家だからと、安く売る気はさらさらないと思います。ローインベントリーにしておくことで、物件を高く買ってもらえますからね。また、普通に家を売ろうとしている人たちも、そういった今のマーケットの状況を少なからず把握しているでしょうし、少しでも高く売りたいと思います。なので、カウンターオファーになった場合は、Asking priceの$10,000上くらいではなかなか難しいかもです。$20,000くらいは最初から覚悟しておいたほうがいいかもですよ。「Highest in best」と、売り手からお返事が戻ってくるのが今当たり前かもですよ。うちは、昨年年末に購入しました。そのときの売り手は、ものすごく強気でしたね・・・。今は、家の中、庭と修理などに追われていますが・・・。キャッシュバイヤーはたくさんいますね~。売り手もわざと「cash buyer only」と条件をつけてきたりしますからね・・本当にやりづらいですよね。

    1. turtleさん、そうですか昨年購入されたんですね。なんか、うちはもう気が萎えてきてます。何人ものひとと競合するなんて、考えただけで弱気です。やっぱ、当分レンタル生活かなあ(いきなり、弱気な私です・・)

  3. もしエージェントとの契約などで問題が生じなければ、私のブログのリンクのYukoさんに、何か方法が聞いてみるといいかもしれません。彼女はLAの不動産に精通していますし、フリップにも詳しいので、普通にMLSに載っている以外の情報があるかもしれません。
    私は投資の相談中なのですが、いつも親身になって、わかりやすく教えてくれますよ~!

    1. Cheeさん、ありがとうございます。そうですね、エージェントとの契約が問題ないか確認してみます。

  4. 今回のオファーはadminさんのご家族全員が気に入っていただけに、残念でしたね。。。知り合いが昨年末に不動産売却したのですが、やはりオファーしたのは中国人のキャッシュバイヤーでかなり値切られたみたいですが、それでもキャッシュの魅力には勝てなかったみたいです。でも約1Mのキャッシュを出せる人っどんな人って思ってしまいます。。。

    1. ほんとうに。。。不動産屋さんから聞いた話ですけど、$1ミリオン以上の家を2件、自分たちと息子夫婦にポンポンと買った(もちろんキャッシュで)中国人バイヤーがいたそうで・・・。そういう人たちとは「住む世界が違う」気がするのですが、でもそういう人たちと同じエリアに住まねばならないわけで、かなり苦しいです。

      1. 家の購入って、毎日の生活の場になるから、家族で気に入ることって大事ですよね。すべてにおいて納得のいく物件に出会うのは難しいですが、あまり妥協しすぎたり、あわてて購入すると返って後になって「こうしとけばよかった・・・」などと後悔する可能性もあると思います。うちの場合は、すごく時間をかけていろいろ物件をみました。それでも、気に入る物件はそんなにありませんでした。昨年購入した我が家は、1度ペンディングになり、しばらくしてマーケットに戻り、そしてすぐに2度目ペンディングにまたなり、そしてまたしばらくしてマーケットに戻ってきたのです。エージェントの方に聞いたら、1回目はローンが通らなかった、2回目は、クロージングまでに時間がかかりすぎるため、とか、、、。しかし、私達はこの物件に対して、1回目も2回目もオファーを出しているのです。しかも、asking priceよりはるかに高く・・・。それでもだめだったのです。そりゃーへこみました・・・。なので、adminさんの気持ちすごくわかります。3回目のオファーが受け入れられたのでラッキーでしたが、このとき、私達の不動産エイジェントがすごく相手のエイジェントに対して強気に動いてくれました。それで何とか購入することができたのです。良い不動産エイジェントを見つけることは大切だな~と思います。それにしても、中国人すごいですね・・・・私とはまったく住む世界が違います・・・・・。

        1. へえ、turtleさん、すごい話ですね。マーケットに戻るのはよくあることと聞きますが、2度も戻り、合計3回オファーしたなんて。。でも、待った甲斐がありましたね。きっととても気に入られたお家だったのでしょう。結婚と一緒で、家探しもめぐり合わせなのかもしれませんね。うちは、前の家が、家を探し始めて3日目ですぐ見つかって1回目のオファーですんなり通り・・・という買い方だったので、試練を知らないのです。でも、いいエージェントさんがいてよかったですね。やっぱRedfinじゃだめかな~。私たちは二人のエージェントさんとやってみたのですが、どうもしっくりこなかったのです。。。。まいったな~。ずっと借家暮らしでしょうか。。。

  5. 我が家も一度マーケットに戻って来た家を購入しました。主人からあまり執着しない様に言われていましたが、私はセラー側のエージェントにもとても気に入っている物件である事をメールしていたので他からのオファーが受理されたと聞いた時にはガッカリしましたが、そのオファーのローンが通らなくてもう一度マーケットに戻って来た時には買う気満々でオファーしました。
    オーナーも最初のオファーが上手く行かなかったので少し弱気になったのか、クロージングまで時間がかかりましたが辛抱強く待ってくれて助かりました。その間セラー側のエージェントからプレッシャーもかけられましたが、私達のエージェントはお嬢様でそんなの気にしなくて良いからと私もビビる位のほほ〜んとしていました。使えないエージェントだと思っていたけど、今から考えれば彼女だから上手く行ったのかもと思います。一度マーケットに戻って来た物件の方が案外すんなり上手く行くのかもしれませんね。

    1. そうですか~。。でも、よかったですね、Cranberryさんもturtleさんも気に入った家が買えて。。。たしかにこのあたりでも、案外すぐpendingになるものの、30日たっても45日たってもなかなかsoldに変わらないものもあります。キャッシュ・オファーだとものの1週間くらいでしょうか、クローズするまでに。大きな差ですね。私も本当に気に入った家でしたが、執着しないことにしています。一生懸命やっているとなかなか手に入らないものが、与えられるときにはすんなりと与えられることもありますし。Cranberryさんのエージェントさんはそんな悟りがあったのかも;P

  6. 初めまして!年末南カリフォルニアに引っ越してきて、2月から不動産探しを始めたら、余りの売り手市場で驚いている者です。こちらのブログで同じ経験記事を読んで思わずコメントさせて頂きました。 私のエリアでは、物件1に対し9のオッファーがあるそうです。この2週間、オッファー3つ(いずれもasking priceより上乗せして)出し、1つ目はキャッシュバイヤーにもっていかれ、2つ目は15K上乗せしたのに負けました。 3つ目はもう既に15k上乗せしていますが、bidding war中です。1ヶ月前に出ていた同じような物件が、コンドでも1万ドル以上値上がっており、毎週のように物件のasking priceが値上げされており、やや疲れて来ました。 みんな、どうしてこんな高い不動産をポンポン購入できるのか?いつも不思議でなりません。お互いいい物件購入できるといいですね。

    1. quaillさん、そうですかぁ~。みんな同じですね!私も、同感です。この世にお金持ちはいますが、こんなにたくさんはいないはず(笑)・・と思うけど、南カリフォルニアにはいるのでしょうか。でもどうみてもエリアの平均年収と比べると不釣合いな不動産価格とbidding warです!やっぱこのあたりは、まだまだ異常・・と思います。このあたりにしか住んでいない人はわからないと思うけど、ぜったい異常ですよね!

  7. 本当は、2009年、若しくは昨年の内に家を買いたかったのにのほほんとした旦那が今年まで延ばしてしまったためにとんでもない状態になっている、シリコンバレー辺りに住むものです。毎週一つオファー出してますが勝てません…asking price + 100k しかも、contingencyほとんど取り除いても勝てません… 時々、open houseしている間に、オファーが入って「すいません、たった今アクセプトしました。さようなら」なんてあります。オープンハウス前に売れちゃうなんてザラですねえ… リアルター、ロールスロイス、テスラー最新車とか凄い車乗ってます。

    1. ひえ~、MCさん、それはこのあたり(LAサウスベイ)よりもすごいですね。それじゃあ、全盛期の再到来って感じですか・・・contingency取り除くのも、このあたりでもはやっていますけど、1950年とかに建った家のInspection Contingencyを取り除く気には私はなれなくて、やっぱり、もう買えなくていいやとあきらめモードです。。

  8. はじめてコメントします。 このサイトはアメリカ在住の自分には大変役に立つ情報がいっぱいで、とても重宝しています。ありがとうございます。

    さて、この回に出ていたHouse Inventoryのグラフ、これはどこのサイトで見れるのでしょうか?私の探している付近のデータも見たいなあ、と。 教えていただければありがたいです

    1. べにさん、コメントいただいておりましたのに、お返事が遅れまして申し訳ありません。コメントをいただいていた旨の通知がうまく届いておりませんでした。
      このグラフはRedfin.comにあります。zipで検索することができます。各物件の下のほうにそのエリアのインベントリや値段の変遷情報が出ています。

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