夫婦の中で、家族の中で、みんなが同じようにファイナンシャル情報を管理しているということは、ふつうなかなかないことかと思います。夫婦のうちどちらか得意なほうが、一手に家計管理は請け負っているということもよくあるでしょう。こんな場合、もし管理を請け負っていた人が大きな事故にあったり、大病をしたり、ひいては亡くなってしまったりしてもはや管理ができなくなったとき、残された家族は大変に困ることになります。お金が口座にあるのに使えない、だいたいどこに何があるかわからない・・なんてことも起こりえます。そんなことにならないためにどんな準備をしておいたらいいのか、今日はそんなところを考えてみます。
カテゴリー: エステートプラニング
贈与税と相続税について
アメリカでは人に贈与をしたとき、贈与税がかかる可能性があります。またご本人が亡くなると、ご本人の遺産に相続税がかかる可能性があります。これらはいつもいつも課税があるとは限りません。控除の額があるからです。また、これらはお互いに同じくくりで累積計算されます。今日は、贈与税と相続税をさらっとみてみます。
日本とアメリカは反対
人から人に贈与があったとき、贈与税がかかる可能性があるわけですが、納税や報告義務は日本では贈与を受けた人にあり、アメリカでは贈与をする人にあります。父から息子にお金をギフトした場合、日本では息子に納税・報告があり、アメリカでは父親にあります。これがまず一つのポイントです。
住む州でどのくらい違う? リタイヤ後の税金
まずは所得税・・
州の所得税は、州によって大きな開きがあります。所得税ゼロがあるかと思えば、最も高い所得税率は13.3%(California)まであります。
所得税ゼロの州:
• Alaska.
• Florida.
• Nevada.
• South Dakota.
• Texas.
• Washington.
• Wyoming.
• New Hampshire (投資収入には課税)
• Tennessee(投資収入には課税)
反対に、最も高い部類は:
- • California: 1 to 13.3 percent.
• Hawaii: 1.4 to 11 percent.
• Oregon: 5 to 9.9 percent.
• Minnesota: 5.35 to 9.85 percent.
• Iowa: 0.36 to 8.98 percent.
• New Jersey: 1.4 to 8.97 percent.
• Vermont: 3.55 to 8.95 percent.
• Washington, D.C.: 4 to 8.95 percent.
所得税はいくらくらい?
所得税のかかり方は、その所得の内容によって変わってきます。リタイヤ後の所得の主流は、ソーシャルセキュリティ年金、401(k)やTraditional IRAなどリタイヤメントプランからの引き出し額、雇用主が年金を提供している場合はその受給額となります。州によって、このソーシャルセキュリティ年金は非課税としたり、その他のカテゴリーの収入は部分課税などとするところもあります。
同じリタイヤメントプランでもRoth IRAなど課税後所得で積み立てたものは所得には数えられませんし、また保険会社から提供されるアニュイティなどをお持ちの場合には一部だけが所得となります。
ここでは、話を簡単にするために、ソーシャルセキュリティ年金、その他の年金、引き出し額が所得と数えられるリタイヤメントプランだけから収入を得るとします。トータル収入が、$60,000の場合、$100,000の場合、$150,000の場合で計算したそれぞれの州の所得税は以下の通り(年額)。
Floria、Washingtonは所得税ゼロの州ですから税なし。収入が$100,00までくらいなら、$1,000の州税で済む傾向があるようですが、なぜかColoradoだけ際立って所得税が高いです。何でも高いと言われるNew YorkやCaliforniaは所得が$100,000までくらいならば、かえってArizonaよりも安く、$150,000レベルまで行くと逆転します。
ご自分の州がここにない場合、Smart Asset Calculatorで計算できます。
所得税以外にも・・・
州は、様々な形で税金を集めます。所得税はないに越したことはありませんが、所得税がない州は消費税(Sales Tax)や固定資産税(Property Tax)が高いということもあり得ますから、あくまで税金を総合的にとらえる必要があります。
あくまで先の6州に限ってまとめてみると課税される税金は州によってこのように違います。
Florida、Washingtonはソーシャルセキュリティ年金にも、その他の企業年金なども、また401(k)などのリタイヤメントプランからの引き出しもすべて非課税。所得税自体がありません。Washingtonは消費税(Sales Tax)が他の州よりも高いですが、両州とも平均固定資産税(Average Property Tax)は1%前後でそれほど高くなく、相続税・贈与税(Estate Tax)も課しません。よって、SmartAssetやKiplingerなどの評価でもTax Friendlyな評価を得ています。
一方で、ArizonaやCaliforniaは企業年金や401(K)引き出しに対しフルに課税されるうえ、消費税も高めです。ColoradoやNew Yorkは所得によって部分課税ですが、固定資産税が非常に高く、New Yorkに至っては州レベルでの相続・贈与税もかかります。
全米各州のTax Friendliness評価はこちらで見られます。
老後どこの州が税金が少なく済むかという判断は、リタイヤメント後の所得の種類・パターンによっても、また家を持っていて固定資産税を払わねばならないのか、それともレンタルかにも、さらには何をどのくらい購入するかによって消費税の発生のしかたによっても変わってきます。一般的には総合的にFlorida、Nevada、Alaskaあたりが低税金で暮らせる州として名前があがります。
税金以外にも、物価や家の値段、医療へのアクセスや費用などもリタイヤメント後の暮らしやすさの指標として加わってくるかと思いますが、今回は税金に限ったお話でした。
リタイヤメント資金の賢い引き出し方(1) - 相続と複数口座
今、リタイヤメント資金をがんばって貯めている方もいらっしゃるでしょう。また、長年、一生懸命働いて、もう少ししたらリタイヤしたいと準備段階に移ろうとしている方もいらっしゃるでしょう。大事に大事に貯めたリタヤメント資金ですから、大事に使いなるべく長持ちさせたいですね。自分がいつまで生きるかわからないけれど、それまで資金が尽きないできちんとあることが大切である一方で、せっかくのリタイヤメントの時期、楽しいこともたくさんして大切な人との思い出もつくって有意義に暮らすために十分な生活費も確保したいものです。今まで、アメリカのファイナンシャルプラニング業界では、リタイヤメント資金を貯めるというトピックに関してはたくさんの情報がありました。ここ何年かで、401(K)など確定拠出プランでの自己責任時代に生きてきたベビーブーマーがリタイヤメントに入りつつあり、リタイヤメント資金の引き出し方、使い方ということにも焦点が当たるようになってきました。今回は、貯める方ではなくて使う方、ここに焦点を当てたいと思います。
ベーシック・エステートプラニング(2)
シリーズ第一回目「エステートプラニングとは? 相続を考える」では、エステートプラニングは、お金持ちだけがすればいいものではなく、また遺書だけで終わりというものでもないということを書きました。遺産税(日本でいう相続税)がかかることを心配する必要のある人はそれほど多くないとしても、プロベートという問題についてはみな考えておく必要があることも書きました。シリーズ第二回目「エステートプラニングを怠ると?」では、エステートプラニングをきちんしておけば避け得たであろう問題についてみてみました。三回目では、誰もが必要なエステートプラニング、いったいどこからはじめればよいか、どんなことがカバーされるべきなのかを考えました。第四回目の今回は、その続きです。
ベーシック・エステートプラニング(1)
シリーズ第一回目「エステートプラニングとは? 相続を考える」では、エステートプラニングは、お金持ちだけがすればいいものではなく、また遺書だけで終わりというものでもないということを書きました。遺産税(日本でいう相続税)がかかることを心配する必要のある人はそれほど多くないとしても、プロベートという問題についてはみな考えておく必要があることも書きました。シリーズ第二回目「エステートプラニングを怠ると?」では、エステートプラニングをきちんしておけば避け得たであろう問題についてみてみました。今回と次回では二回に分けて、誰もが必要なエステートプラニング、いったいどこからはじめればよいか、どんなことがカバーされるべきなのかを見ていきます。
エステートプラニングを怠ると?
シリーズ第一回目「エステートプラニングとは? 相続を考える」では、エステートプラニングは、お金持ちだけがすればいいものではなく、また遺書だけで終わりというものでもないということを書きました。遺産税(日本でいう相続税)がかかることを心配する必要のある人はそれほど多くないとしても、プロベートという問題についてはみな考えておく必要があることも書きました。では、エステートプラニングをちゃんとしていないと、どういうような問題が起こるのでしょうか?ケーススタディーで見てみましょう。
エステートプラニングとは? 相続を考える
今回のシリーズでは人生の最後のフェーズである、相続という問題や死の前段階のための計画について考えます。英語ではエステートプラニングという言葉で呼ばれますが、お聞きになったことはあるでしょうか?エステートプラニングはファイナンシャルプラニングの中の重要な一部です。しっかり生きて、美しく死ぬ・・・とでも申しましょうか、自分の最後と残された者のための思慮があってこそ、完全なファイナンシャルプラニングとなるわけですね。

