リタイヤメントプランの活用(2)ーIRA

インデックス投資を理解する」シリーズと「インデックス投資をはじめる」シリーズで、何にどうやって投資すればいいのかを考えました。具体的に投資をはじめるとき、どのような口座を開ければいいのでしょうか。

老後のための投資ならば、リタイヤメント口座と呼ばれる税的に優遇措置のある口座が用意されています。税的に優遇があるわけですから、まずはこのような口座を優先的に使って投資を行うのがよいです。これらの口座は、まず職場提供とのもと個人で入れるものに分かれます。前回は、職場で入る代表的なプラン401(k)プランについて学びました。 read more

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Vanguard ターゲットデイトファンドの集団訴訟

2021年のバンガードのターゲットデイトファンドに関するキャピタルゲイン問題を覚えておられるでしょうか。課税口座でこのターゲットデイトファンドを持っておられた方なら、びっくりするようなキャピタルゲインを分配され、思いがけないキャピタルゲイン税をお支払いになったと思います。バンガードは私が日ごろから応援している会社であり、そのミューチュアルファンドはとても質が高いと考えているので、これは大変に残念な事件でした。 read more

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HSAを活用しよう!

今回はHigh Deductible Health Plan(High Deductibleプラン。HDHPと略される)とともに使われることの多いHSAについて取り上げます。

High Deductibleプランに入っているならHSAを考慮する

雇用主がHigh Deductibleプランを提供する場合は、ふつうHSAとペアで提供している場合が多いでしょう。言ってみればHSAはHigh Deductibleプランの魅力度をアップし、High Deductibleプランをプロモートするための「甘味料」的な意味合いがあります。さらには雇用主がベネフィットの一部としてHSAにいくらかお金を入れてくれることもあり、その場合は魅力がさらにアップします。 read more

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リタイヤメントプランの活用(4)ーRoth 401(k) とAfter-tax 401(k)

一般的に401(K)といえば、雇用主がベネフィットの一部として提供し、所得税控除で積み立てることのできるリタイヤメント積み立てプランです。しかしながら、これ以外にも違ったタイプの職場リタイヤメントプランがあります。Roth 401(k)や、After-tax 401(k)などです。違いは何なのか、どう使い分ければいいのかについて考えてみます。

いろんな401(k)積み立て

401(k)の積み立ての種類は4つあります。下の表の最初の三つは雇用者が自分で積み立てるもの、最後の雇用主マッチは、雇用者の積み立てに対し一定のルールで雇用主がマッチアップしてくれるものです。 read more

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リタイヤメントプランの活用(3)ー401(k)かIRAか

リタイヤメントのための長期投資には、ぜひ税優遇のあるプランを利用したいものです。それらには、大きく分けて職場で提供されるリタイヤメントプラン(401(k)が主流)個人で加入するプランであるIRAがあることを見てきました。たくさん積み立てる余裕のある人は、401(k)とIRAは併用しそれぞれ最大限まで積み立てるとよいでしょう。一方で、限られたお金しか積み立てられない場合、401(k)を優先すべきかそれともIRAを優先するかは考慮が必要となります。それぞれの長所を比較してみましょう。 read more

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SECURE 2.0 でリタイヤメント準備促進

SECURE 2.0という法律が2022年12月にできました。2019年にできたThe Setting Every Community Up for Retirement Enhancement (SECURE) Act をフォローアップし改定する形でつくられました。アメリカのすべてのコミュニティに置いてリタイヤメント資金づくりを促進し、よりSecure(たしかな)将来を目指そうという趣旨です。

さまざまな改定があり、多くの人に影響があります(ほとんどが良い影響のはず)。改定の主要点をまとめてみます。改定のルールには細かい条件などがあり、また改定の開始時期もルールによって様々です。以下は主要なポイントをまとめていますので、細かい正確な条件などは無視している部分もあります。あくまで簡単にまとめたポイントとしてとらえてください。 read more

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タックスロス・ハーベスティング 課税口座をお持ちなら・・・

今回はTax Loss Harvestingについて書いてみます。実は、この記事を書くかどうかは迷いました。なぜなら、このサイトでは長期パッシブ・インデックスファンド投資を推奨しており、ふつうこのタイプの投資法においては、ロスハーベストはあまり意味をなさないことが多いからです。ただ、株式もさらには債券もロスを出しているものが多い現状では、ある一定の条件を満たすのなら、ロスハーベストも考慮に足るケースもあります。広く一般にお勧めすることではありませんが、一応取り扱ってみようと思います。 read more

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課税口座(普通の投資口座)ではどんな投資法が有効なのか

401(k)やIRAなどの税優遇がある口座では、年々の利回りが非課税のまま運用がされ続けるという大きな特典があります。株式ファンドが配当金を出しても、債券ファンドが利子を出しても、さらには投資者がAファンドからBファンドにのりかえ、売却益(キャピタルゲイン)が出ても、一切税金がかからないまま運用が継続されます。一方で、課税口座(Taxable Account、Brokerage Account、Regular Accountと呼ばれる)ではそうはいきません。上記のような課税事象が起こったときには、その年に税金を払わねばなりません。この税金にできるだけうまく対処する投資法はどんなものがあるのでしょうか。今までもいくつか記事を書いてまいりましたが、今回、Vanguardのターゲットデイトファンドが大きなキャピタルゲインを出した事件をきっかけに、もう少し考えを拡張してみたいと思います。 read more

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Vanguardターゲットデイトファンドのキャピタルゲイン問題

Vanguard ターゲットデイトファンドは業界ナンバーワンのシェアを誇る人気ファンドですが、2021年に、通常と比べてあまりにも大きなキャピタルゲインを出したことで問題が浮上しています。このキャピタルゲイン、401(k)やIRAなどの税優遇のある口座で持っている限りにおいては問題になりませんが、課税口座(Taxable Account、Brokerage Accountと呼ばれる)で持っている場合は、当年のキャピタルゲインとしてタックスリターンで報告し、キャピタルゲイン税を支払う義務が発生します。そもそも、税金をあまり心配する必要のないインデックスファンドをベースにしたターゲットデイトファンドで、なぜ例年に比してあまりにも大きなキャピタルゲインが発生することになったのか、これを考えてみます。 read more

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贈与税と相続税について

アメリカでは人に贈与をしたとき、贈与税がかかる可能性があります。またご本人が亡くなると、ご本人の遺産に相続税がかかる可能性があります。これらはいつもいつも課税があるとは限りません。控除の額があるからです。また、これらはお互いに同じくくりで累積計算されます。今日は、贈与税と相続税をさらっとみてみます。

日本とアメリカは反対

人から人に贈与があったとき、贈与税がかかる可能性があるわけですが、納税や報告義務は日本では贈与を受けた人にあり、アメリカでは贈与をする人にあります。父から息子にお金をギフトした場合、日本では息子に納税・報告があり、アメリカでは父親にあります。これがまず一つのポイントです。 read more

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住む州でどのくらい違う? リタイヤ後の税金

リタイヤしてからも税金はなくなりません。お仕事をやめて勤労所得はなくなってもなんらかの所得がある限り、それに対して所得税を払うことになります。アメリカにはご存じのとおり、連邦税と州税があり、連邦税のほうはアメリカのどの州に住もうとも同じですが、州税については住む州ごとに課税のルールが異なります。税金上、住みやすい州と住みにくい州はどこか?・・今日はそのあたりをちょっと探ってみます。

まずは所得税・・

州の所得税は、州によって大きな開きがあります。所得税ゼロがあるかと思えば、最も高い所得税率は13.3%(California)まであります。

所得税ゼロの州:

• Alaska.
• Florida.
• Nevada.
• South Dakota.
• Texas.
• Washington.
• Wyoming.
• New Hampshire (投資収入には課税)
• Tennessee(投資収入には課税)

反対に、最も高い部類は:

  • • California: 1 to 13.3 percent.
    • Hawaii: 1.4 to 11 percent.
    • Oregon: 5 to 9.9 percent.
    • Minnesota: 5.35 to 9.85 percent.
    • Iowa: 0.36 to 8.98 percent.
    • New Jersey: 1.4 to 8.97 percent.
    • Vermont: 3.55 to 8.95 percent.
    • Washington, D.C.: 4 to 8.95 percent.

所得税はいくらくらい?

所得税のかかり方は、その所得の内容によって変わってきます。リタイヤ後の所得の主流は、ソーシャルセキュリティ年金、401(k)やTraditional IRAなどリタイヤメントプランからの引き出し額、雇用主が年金を提供している場合はその受給額となります。州によって、このソーシャルセキュリティ年金は非課税としたり、その他のカテゴリーの収入は部分課税などとするところもあります。

同じリタイヤメントプランでもRoth IRAなど課税後所得で積み立てたものは所得には数えられませんし、また保険会社から提供されるアニュイティなどをお持ちの場合には一部だけが所得となります。

ここでは、話を簡単にするために、ソーシャルセキュリティ年金、その他の年金、引き出し額が所得と数えられるリタイヤメントプランだけから収入を得るとします。トータル収入が、$60,000の場合、$100,000の場合、$150,000の場合で計算したそれぞれの州の所得税は以下の通り(年額)。

Floria、Washingtonは所得税ゼロの州ですから税なし。収入が$100,00までくらいなら、$1,000の州税で済む傾向があるようですが、なぜかColoradoだけ際立って所得税が高いです。何でも高いと言われるNew YorkやCaliforniaは所得が$100,000までくらいならば、かえってArizonaよりも安く、$150,000レベルまで行くと逆転します。

ご自分の州がここにない場合、Smart Asset  Calculatorで計算できます。

所得税以外にも・・・

州は、様々な形で税金を集めます。所得税はないに越したことはありませんが、所得税がない州は消費税(Sales Tax)や固定資産税(Property Tax)が高いということもあり得ますから、あくまで税金を総合的にとらえる必要があります。

あくまで先の6州に限ってまとめてみると課税される税金は州によってこのように違います。

Florida、Washingtonはソーシャルセキュリティ年金にも、その他の企業年金なども、また401(k)などのリタイヤメントプランからの引き出しもすべて非課税。所得税自体がありません。Washingtonは消費税(Sales Tax)が他の州よりも高いですが、両州とも平均固定資産税(Average Property Tax)は1%前後でそれほど高くなく、相続税・贈与税(Estate Tax)も課しません。よって、SmartAssetやKiplingerなどの評価でもTax Friendlyな評価を得ています。

一方で、ArizonaやCaliforniaは企業年金や401(K)引き出しに対しフルに課税されるうえ、消費税も高めです。ColoradoやNew Yorkは所得によって部分課税ですが、固定資産税が非常に高く、New Yorkに至っては州レベルでの相続・贈与税もかかります。

全米各州のTax Friendliness評価はこちらで見られます

老後どこの州が税金が少なく済むかという判断は、リタイヤメント後の所得の種類・パターンによっても、また家を持っていて固定資産税を払わねばならないのか、それともレンタルかにも、さらには何をどのくらい購入するかによって消費税の発生のしかたによっても変わってきます。一般的には総合的にFlorida、Nevada、Alaskaあたりが低税金で暮らせる州として名前があがります。

税金以外にも、物価や家の値段、医療へのアクセスや費用などもリタイヤメント後の暮らしやすさの指標として加わってくるかと思いますが、今回は税金に限ったお話でした。

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新しいW4フォームができました

2020年ももう半ばで若干遅ればせながらではありますが、本年から新しくなったW4フォームについてご報告します。給与からの所得税の源泉徴収を調整するためのW4フォームが2019年までのものから更新されました。トランプ税制改革(Tax Cuts and Jobs Act)の内容を反映させると同時に、複数の収入ソースがある場合や夫婦で収入がある場合など、より正確な源泉徴収を実現するようにリデザインされました。 read more

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コロナ経済対策 CARES ACTの概要

コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act―頭文字をとってCARES ACT)について、3月25日に上院を満場一致(賛成96票、反対0票)で通過、27日に下院でも発声投票で可決されました。COVID-19パンデミックによるアメリカ経済への被害を少しでも和らげるための総額$2トリリオンの救済パッケージです。このパッケージは中小企業やビジネスへの救済も含まれていますが、ここでは個人やご家庭に関する部分について概要をご紹介します。 read more

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日本人として日本に住んだ場合の老後の課税

アメリカで長らく働いてリタイヤメント資金も貯めました。その後、日本に帰り老後を送ることにしました。その場合には、Charles Schwabなど非居住者にフレンドリーな金融機関のサービスが心強い味方になるであろうことを、前回のブログで調べてみました。では、そのようなアメリカに残したリタイヤメント口座からお金を引き出して使うとき、日本ではどのように課税されるのか・・・。私は日本の税制についてはよく知らないので自信を持って書けませんが、いろいろ調べてみた結果をまとめてみます。皆さんの中でお知恵を拝借できる方、実際に経験済の方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントくださいますと幸いです。よってここに書いたことは絶対と受け取らず、参考とするに留めてくださいますように。

居住地で課税

まずここまでで何度も書いていますが、日本に帰国してもアメリカ市民権あるいはグリーンカードを維持していれば、全世界収入に対してタックスリターンを行いIRSに納税をする義務があります。外国税控除などのしくみがあるので、基本的には日米でダブル課税されることはありませんが、それでも両国にてタックスリターン・申告が必要になります(収入の額などによりその必要がない場合を除き)。

一方で、市民権、グリーンカードを放棄して日本に帰国したら、ソーシャルセキュリティなど公的年金をはじめ、民間のリタイヤメント口座からの引き出し額などは、居住地である日本のみで課税となります。アメリカ金融機関にはW8-BENというフォームを提出し、アメリカでの源泉徴収を免れることができます(注:できるはずですが、金融機関によっては、W8-BENを提出しても源泉徴収を免状をしてくれない機関もあるようです。たとえば、帰国者フレンドリーなCharles Schwabであっても、源泉徴収は免れず、タックスリターン時にリファンドを受ける申請をする必要があるという報告を受けています)

日本での課税法

日本では、アメリカから受け取る年金や引き出し額は、雑所得か一時所得かのどちらかに該当するようです。

  • 雑所得:給与所得、不動産所得、利子所得など、他の名前のついている所得のどれにも分類することのできない所得。
  • 一時所得:一時的に得た収入。臨時所得的なもの。

アメリカから受け取るリタイヤメント収入がどう課税されるかですが、私なりのリサーチの結果、こんな感じになるのではないかと思います。

ソーシャルセキュリティは公的年金として分類され、65歳以上と65歳未満、および、年金給付額の区分により、給付額の最高25%が公的年金等控除として差し引かれます。なお、市民権、永住権を放棄しても、放棄前受給資格のあったソーシャルセキュリティ年金は受け取れます。

401(k)やIRAなどからの受取額は、年金的に受け取るか、一時金として受け取るかにより課税のしかたが変わるようです。年金で受け取る場合、雑所得と分類され、自分で積み立てた元本は差し引いた額が課税対象となります。Employer Matchによる雇用主積み立て分は元本に含めることはできません。

微妙なのは、日本の確定拠出年金の受け取り方には、「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」の3種類があるようですが、アメリカの401(k)やIRAの場合は、年金と一時金以外に、その都度その都度必要に応じて引き出す方法も認められているので、これがどうなるかはよくわかりません。

アメリカのリタイヤメントプランのうち、401(k)やTraditional IRAなど所得税控除で積み立てたものからの出金に対しては、日本での課税は利点があると思います。というのは、もしも、これら口座からアメリカで引き出すなら、引き出す時に元本、利回りを合わせた全額が所得税の対象になります。ところが日本では、経費として投資元本(Employer Matchは含まず)を差し引けるようなので、つまり利回りの部分にしか所得税がかからないということになります。さらに、一時金で受け取った場合などは、なんとその半分しか所得税の対象にならない(ように私には理解できますが、違ったら教えてください!)となると、引き出し用によってはかなり節税が図れる可能性があるのかもしれません。

アメリカで長期で加入していた401(k)などなら、たとえば$800,000の一時引出額に対し、$400,000の投資元金というようなケースは十分に考えられ、そうすると利回り$400,000の半分の$200,000のみの所得税課税となれば、ちょっと夢のような話です。アメリカなら$800,000全額に所得税がかかります。もちろん受取金額が大きくなれば累進で税率も上がるので、トレードオフを計りながら金額とタイミング、年金と一時金受取を計画する必要があるかと思いますが、これは私のしゃしゃりでる場ではないのでコメントを控えます。ポイントは、アメリカの401(k)やTraditional IRAなら、日本で受け取ってアメリカより目減りする可能性はなさそうだとご理解くださればと思います。

実際、上については信頼のおける筋に確認をしたところ考え方としては正しいというお返事でした。ただ、これはあくまで日米の税法上の隙間的部分に存在する幸運であり、ある意味、Too-good-to-be-trueなことです。ですので、

節税対策として大手を振ってどんどん利用しよう!というよりは、大きな額が動くときには日本の税法に詳しい専門家に相談のうえ慎重にお進みください read more

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変化する金融市場(2) ~アメリカ市民権、永住権の放棄と離脱税

前回は、市民権、永住権を持っている場合の義務や規制について、FATCAと絡めながら見てみました。市民権、永住権を持っている限り、私たちは世界のどこに住んでも、全世界所得についてアメリカへの納税義務があり、FATCAという法律後は、世界に持つ金融資産についてアメリカへの報告義務ができ、さらには私たちが口座を持つ世界の金融機関も私たちの金融資産についてアメリカへの報告義務が生まれたことをまとめました。

市民権、グリーンカードの放棄急増

このような変化を背景に、US Person(市民権・グリーンカード保持者)の中に、それを放棄する人が増えています。以下は、市民権を放棄した件数の変遷です。2010年以降、大きく増えているのがわかります。

Source: tax-expatriation.com/

グリーンカード保持者がグリーカードを返上するケースについては同じようなグラフはありませんが、少なくとももうアメリカに住むつもりがないというのであれば、毎年タックスリターンをするのも、アメリカ滞在日数確保もだんだんと面倒になるでしょうから、返上は自然なシナリオだと思います。

ちなみに、グリーンカード返上のためには、Form I-407, Abandonment of Lawful Permanent Resident Status.を記入し、USCISに送付するという比較的簡単な手順で済むようです。今のところ手数料はありません。一方で、市民権を放棄するほうはもう少し大変で、アメリカ大使館・領事館に足を運び、何度かミーティングを行ってから書類にサインすることになるようで、こちらには高額の手数料があります。市民権の放棄件数が上がり始めたのち、2014年に手数料が  $450 からなんと $2,350に値上がりました。この額は、他の国の国籍放棄にかかる料金に比べて20倍というレベルでショッキングなレベルですが、なんというかアメリカはとにかくアメリカです。どう転んでもお金がかかるというか。。。

離脱税の対象者

市民権にせよ、グリーンカードにせよ、放棄をする場合には、Exit Tax(離脱税)という税金が課せられる可能性があります。

市民権を放棄する場合は、以下の対象となる条件が一つでも合致すれば離脱税の対象者(Covered Expatriateという)となります。

グリーンカードの場合は、放棄した年から遡って過去15年間の内8年上グリーンカードを保持した長期居住者が放棄した場合において、以下の対象となる条件が一つでも合致すれば離脱税の対象者(Covered Expatriateという)となります。

離脱税の対象者(Covered Expatriate)となる条件:どれか一つでも合致すれば対象(すべて2019年の数字)

  • 過去5年間の平均所得税額が$172,000(2021年)を超える離脱者(所得税額です。所得ではありません。大まかな目安で年収$500,000~$600,000レベルを超える方)
  • 放棄日時点での純資産額が $2ミリオン以上ある離脱者
  • 過去5年間の所得税申告の提出を証明できない離脱者
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    課税口座での投資、できるだけ税金がかからにようにするには?

    401(k)やIRAではないふつうに開く投資口座は、税優遇がありませんから、年々利回りが課税されます。そのような課税口座では、いったいどんな投資を持てばいいのでしょうか?何か税金面で有利な投資というものがあるのでしょうか?今日はそこらへんを探ってみます。

    課税口座を使う場合

    課税口座を使う理由はいくつかあると思います。

  • 税優遇のある口座にはすでに上限まで積み立てているが、それ以上にお金を積み立てたいという場合
  • 引き出し年齢制限(59.5歳まで引き出せない401(k)やTraditional IRA)や利用目的の制限(学資だけにしか使えない529)を回避し、いつでも自由に出せるお金として持っておきたい場合
  • 相続などでまとまったお金を受け取った場合
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    RMDを知る(2)

    401(k)やTraditional IRAには、70歳半になると(訂正:SECURE ACTにて開始時が生年によって72歳から75歳までの間に変更)Required Minimum Distribution(RMD)という引き出し必要額が定められています。RMDは引き出す必要がなかったとしても、引き出すことが義務付けられており、もしも義務付けられたRMDを引き出さないと手痛いペナルティがあります。複数の口座がある場合は、管理や計算も複雑になります。70歳半(2019年末SECURE ACTにて72歳に変更)になる前にRMDについて把握しておき、RMDの自動引き出しなど必要な手続きをしておくことが賢明です。2回に分けてお送りします。

    RMD額の推移

    RMDの額はある程度、毎年同じようなレベルの額を保つことができるように工夫されています。RMDを計算するためのDevisor=残存平均寿命は、前回の記事にあるテーブルをご覧いただくとお分かりになるように、だんだん小さくなっていきます。同時に、引き出す額と運用利回りにもよりますが、多くのケースではリタイヤメント資金の残高自体もだんだんと小さくなっていくことから、小さくなった資金残高を小さくなった残存平均寿命で割るということになり、典型的な例では毎年のRMDは大きく上下することはありません。下は、リタイヤメント時、$750,000の残高で、リタイヤメント以降の運用利回りが3%で推移した場合の、毎年のRMD額をグラフ化しています。$30,000程度から$40,000程度の間で収まっているのがわかります。

    RMDと聞くと、「引き出したくないのに、引き出さなくてはならず、課税されてしまう頭の痛いもの」というようなイメージがありますが、趣旨としては、「非課税で貯めてきたリタイヤメント資金を、平均寿命の期間にわたって、なるべくおしなべて毎年同じような額を引き出し続けさせる」ということを目的にしており、ある意味で理想的な引き出し方でもあります。実際、RMDをベースにリタイヤメント資金を引き出すと、枯渇を防ぎつつも毎年の引き出しをしっかり確保する効率的な引き出しが可能であるというようなリサーチ結果も出ています(リヤイヤメント資金を引き出す - RMDで考える)。反対に言えば、RMDより大きく超えて引き出しをすると枯渇の可能性も大きくなるともいえます。

    複数のRMD対象の口座がある場合

    RMDが必要となる口座が複数ある場合は、それぞれの口座でRMDを計算する必要があります。ただし、口座の種類によっては、別々に計算したRMDをまとめて一つの口座から引き出すことも可能です。

  • 複数のTraditional IRAがある場合は、各IRAについてRMDを計算し、そのRMD総額をひとつのIRA口座から引き出してもよい
  • 複数の403(B)口座がある場合は、各403(b)についてRMDを計算し、そのRMD総額をひとつの403(b)口座から引き出してもよい
  • これ以外の口座については、各口座のRMDを計算し、そのRMDをその口座から引き出す
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    Roth 401(k) とAfter-tax 401(k)

    一般的に401(K)といえば、雇用主がベネフィットの一部として提供し、所得税控除で積み立てることのできるリタイヤメント積み立てプランです。これ以外にもRoth 401(k)や、After-tax 401(k)というものが提供されている場合もあります。違いは何なのか、どう使い分ければいいのかについて考えてみます。

     

    いろんな401(k)積み立て

    401(k)の積み立ての種類は4つあります。下の表の最初の三つは雇用者が自分で積み立てるもの、最後の雇用主マッチは、雇用者の積み立てに対し一定のルールで雇用主がマッチアップしてくれるものです。

    401(k)プランは、雇用主によってその提供の度合いはまちまちです。会社によっては401(k)がまったくない場合もありますし、雇用主マッチもあったりなかったり、ある場合のその条件も会社によりまちまちです。ふつうの401(k)はあっても、Roth 401(k)やAfter-tax 401(k)がない場合は一般的で、かえって提供しているところはまれです。ただ、昨今、提供されている会社も増加傾向であるように感じています。

    なお、ふつうの401(K)は、場合によってはTraditional 401(k)とかPre-tax 401(k)などとも呼ばれることがありますので、追記しておきます。

     

    まずは401(k)かRoth 401(k)を決める

    いろいろなプランが提供されている場合のまず第一歩は、401(k)かRoth 401(k)を決めることです。この二つは、合わせて年間積み立て限度があります。組み合わせて限度額内で両方に積み立てることも可能ですが、あまりそのような使い方はしません。

    401(k)かRoth 401(k)かを決めるのは、Traditional IRAかRoth IRAかを決めるのと同じロジックを使います。現在税金を払ってしまってあとあと払わなくていいのをとるか、現在所得税控除を受けあとで払うほうをとるかの選択になります。現在、中~高レベルの所得があり所得税ブラケットが高く、将来の老後は税率が下がるだろうと想像できるなら、今控除を受けた方が有利で401(k)を使うことになります。反対に、現在は所得税ブラケットがそれほど高くないが、将来にはブラケットが上がると思われるならRoth 401(k)を選びさっさと税金をはらってしまって、老後は非課税で引き出しができるほうが有利です。多くの場合は、おそらく401(k)のほうに軍配が上がるかと思います。

    401(k)でも、Roth 401(k)でも、とにかくこの二つをまず限度の$19,000内で積み立て、もしそれでも余裕があるならば、After-tax 401(k)を考慮することになります。

     

    After-tax 401(k)

    法律では、401(k)、Roth 401(k)、After-tax 401(k)、雇用主マッチの401(k)積み立てのすべての積み立てトータルでの限度額が定まっており、2019年の場合は、50歳未満で$56,000です。たとえば、401(k)を最大限まで積み立て、$6,000の雇用主マッチを得た場合は、$56,000-$19,000-$6,000=$31,000までをAfter-tax 401(k)で積み立てられることになります。

    After-tax 401(k)はその名の通り、所得税を納めた後での積み立てになります。将来引き出すときには、元本は非課税で引き出せますが、ただ利回り分は課税されます。同じ課税後の積み立てでも、この点がRoth 401(k)と違う点です。この利回り分の課税を非課税にするために、下のようなロールオーバーをすることができます。

     

    ロールオーバー

    After-tax 401(k)に積み立てた資金をRoth バージョンにロールオーバーすることで、利回り分への課税も回避することが可能です。いろいろなパターンがあります;

    1. 雇用主のプランが許していれば、After-tax 401(k)に積み立てたものを、Roth 401(k)にロールオーバーする:  いつロールオーバーできるか、いくらをロールオーバーできるかなどの条件は雇用主によりまちまちです。ロールオーバー時の利回り部分に対しては所得税が発生しますが、ロールオーバー後は、利回りも非課税になります。ラッキーなことに積み立てて短期間でロールできれば、利回りが最小限で抑えられ、その後の課税は全く回避できます。

    2. 雇用主が許していれば、After-tax 401(k)に積み立てたものを、Roth IRAにロールオーバーする: ケース的には許されていることはまれですが、もしも許されていれば外部のRoth IRAにロールオーバーすることで、その後の利回りは非課税になります。

    もしもふつうの401(k)とAfter-tax 401(k)が混在している場合は、After-tax 401(k)だけのロールオーバーは許されていません。401(k)はTraditional IRAへ、After-tax 401(k)の元本部分はRoth IRAへ、After-tax 401(k)の利回り部分は課税前であるためTraditional IRAへ、それぞれロールオーバーします。

    3, 雇用主のほとんどが離職後には、上のロールオーバーを認めています。離職後に、上と同じ要領でロールオーバーをします。

    ポイントとしては、After-tax 401(k)は、引出時に元本部分は非課税で降ろせるものの、利回り部分が課税されるので、これを完全に非課税のRoth状態へと変換したほうがいいということです。1)の場合は、雇用主提供の401(k)のプランのなかでAfter-tax 401(k)からRoth 401(k)へと変換(In[-plan rolloverと呼ばれる]、2)の場合は離職前にAfter-tax 401(k)を外部のRoth IRAに変換(In-service rolloverと呼ばれる)、3)の場合は離職してからAfter-tax 401(k)を外部のRoth IRAに変換というパターンです。どれが可能かは、雇用主のプランの条件によります。401(k)プランの説明文書に明記されているはずですので、ご確認ください。

     

    Roth IRAかAfter-tax 401(k)か

    Roth IRAは、After-tax 401(k)と同じ、課税後のお金を積み立てるものという点では同じですが、Roth IRAは元本も利回りも非課税であるのに対し、After-tax 401(k)は元本は非課税ですが利回りは課税対象のまま残ります(これが、上のロールオーバーをする動機)。その意味ではRoth RIAを優先的に積み立てた方がよいでしょう。

    ただ、Roth RIAには収入限度が設定されており、Married filing jointlyの場合は、AGIが$193,000から積立限度の制限が始まり、$203,000で完全に積み立て不可となります。この層の方には、After-tax 401(k)が心強い味方です。また積立限度がなかったとしても、IRAは年間$6,000(2019、50歳以上は$7,000)までしか積み立てられませんので、これを超えて積み立てたい方はAfter-tax 401(k)に頼ることになります

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    教育費に対する税優遇 その2 – Lifetime Learning Credit

    前に、American Opportunity Creditをご紹介しました。これは以前からあったHope Creditにとって代わるタックス・クレジットで、$4,000の費用に対して最高$2,500までタックス・クレジットが得られるとあり、非常に利用価値の高いタックス・クレジットです。これとは別にもうひとつ、Lifetime Learning Creditという教育費のタックス・クレジットも存在します。今日はそれをご紹介します。American Opportunity Creditに比べると、ちょっと影が薄いかもしれませんが、Lifetime Learning Creditでないとダメというようなケースもありますから、知っておきたいと思います。

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    教育費で受ける税優遇 その1 - American Opportunity Credit

    高騰するカレッジ費用。529プランなどを利用して費用準備をし、ファイナンシャル・エイドをなるべくたくさんもらい、そしてなるべく早く卒業する・・・というのが、よく語られる費用対策ですが、もうひとつの知っておきたい費用対策があります。教育費のタックス・クレジットです。

    2009年のAmerican Recovery and Reinvestment Act の制定で、それまであったHope Creditというタックス・クレジットに代わって、このAmerican Opportunity Tax Creditができました。American Opportunity Tax Credit はHope Creditに比べ、対象となる収入層が広がり、

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    お引越し:住んでいた家を売るか貸すか

    引っ越しの理由はいろいろあるでしょう。同じ地域でもっと大きい家にアップグレードする、転職のため他の地域に移る、リタイヤメントが近づいたので小さな家にダウンサイズする・・などなど。そんなお引越しの際、それまで住んでいた自宅を売るのか、それともレントで貸し出すのか・・・。多くの人が直面する疑問かと思います。それぞれのケースで考慮点もまちまちかと思いますが、おおまかなガイドラインを今日は考えてみます。

     

    戻ってくる可能性があるか?

    お引越しがなんらかの理由でテンポラリーなものである可能性が高い場合、売らずに貸すという選択は大いに理に適うものでしょう。売って引っ越し、戻って買うというのでは各種手数料や手間が2度かかります。それならば、当面貸し出し、レント収入でモーゲージ返済などはカバーしておいて、必要になったら帰ってきてまだ自宅として住むのは当然の選択でしょう。

     

    新しい家の頭金は?

    引っ越し先では賃貸で・・というのならいいですが、新しい家を購入する場合にはダウンペイメントが必要です。家の価格の20%が目安となる頭金を貯蓄から捻出できるのであればよいですが、今の家を売らないと用意ができない場合も多いでしょう。不動産市場がホットなエリアでは頭金が少なくては、オファーを入れても勝ち取れないこともあります。また、不動産が高額なエリアでは、頭金が少ないと月々の返済額が大きくなり生活が回らないこともあります。そんな場合は、現在の家を売ってエクイティーを現金化し、それを頭金に回すというのが適切な判断でしょう。

     

    大家業に前向きか?

    戻ってくるつもりはなく、新しい家の頭金もクリアしている場合は、貸し出すというオプションも現実的になってきます。貸し出すということは大家になるということで、この仕事には案外向き不向きがありますから、自分の適性を確認しておくのが賢明です。下記の記事を参考にしてみてください。

    不動産投資シリーズ(1) - ちょっと試してみたい人に・・・

     

    キャッシュフローがプラスか?

    貸し出すことが金銭的に合理的がどうかを判断する指標は大きくふたつの柱があります。ひとつはレンタルインカム、もうひとつは値上がり益(キャピタルゲイン)です。

    レンタルインカム狙いなら、月々のキャッシュフローがプラスを生んでいなければなりません。まず、貸し出した場合どのくらいのレントが得られるのかを調べます。レントは毎月必ず入るとは限りません。テナントが見つからない確率もあります。空室率をある程度見込み、月のレントx12か月x80~90%(空室率を20%~10%とした場合)を実際の収入と予測するのがよいでしょう。

    ここからカバーする費用を見積もります。モーゲージ支払い額、保険、プロパティ税、修理費用、HOA費、管理会社をつかうならその費用、テナントを見つけるための費用などを支払います。差引残る額が月々のキャッシュフローになりますが、これがプラスであればあるほどレント物件としては優良ということになります。キャッシュフローが小さいか、極端な例ではマイナスであったとしても、ある程度大きな値上がり益が見込めるというのであれば、地道にレントし続け、モーゲージ返済が進むにつれてエクイティ(市場価格―モーゲージ残高)を蓄積していくというやりかたもありだとは思いますが、実際的にはキャッシュフローがマイナスだと苦しい場合も多いでしょう。

     

    値上がり益は?

    レンタルインカムだけでなく、値上がり益も不動産投資のおいしい部分です。今住んでいる家がこれから値が上がっていくと見込まれるなら、そのまま保持し続けるのはよい選択かもしれません。反対に値下がる可能性があるなら売ってしまったほうがよいことになります。今後不動産市場がどうなるかは、なかなか見極めが難しいところでしょうから、これはある程度手探りになります。

    値上がり益を見込むにあたってひとつ気に留めておきたいのが税金です。不動産は売却するときキャピタルゲイン税が発生することになりますが、売却前の過去5年の間、通算2年間自宅として住んでいた家の場合は、シングルの方で$250,000まで、夫婦で$500,000までキャピタルゲインを税控除できるという優遇があります。つまり、引っ越してから3年以内に売却した場合は、大きくキャピタルゲイン税を下げる、あるいはまったく回避することができるわけです。

    参考    家を売った時の税金

    たとえば以下のような場合を考えてみましょう。

    8年前に$400,000で購入した家から引っ越すことになった。現時点での市場価値は$600,000。当初$300,000で組んだモーゲージは、現時点での残高は$240,000で、利子は3.75%。貸し出した場合の予想レントは$2,500。さて売るか、それともレントに出すか。。。

    現時点でのキャピタルゲインは$200,000(話を簡単にするために、ふつうキャピタルゲイン計算にはいる改善費や諸経費は無視して考えます)。8年間住んできた家なので、今売ればこの$200,000は非課税で手にすることができます。反対にレントに出せば月々$2,500が入ってきて、ここから諸経費を差し引くとキャッシュフローはそこそこプラスです。今後もある程度の不動産価格の上昇は見込めるので、このまま投資物件として持っているのもよい選択だと思われる。。。

    こんな場合の損得計算をしてくれるカリュキュレータがあります。

    Should I Sell My House or Rent It

    このカリキュレータを使って計算してみましょう。ちなみに不動産価格の上昇もレント価格の上昇も年に4%だと見込んだ場合、キャピタルゲイン控除できる3年ぎりぎりまでレントしてその後売却すると。。。

    引越し時点で売ってしまった場合と、3年レントしてから売った場合とはほぼ同じ効果になります。引っ越し時点で売った場合も3年ぎりぎりで売った場合も、キャピタルゲインは非課税で手にでき、売却関係の諸経費(不動産ブローカー手数料など)がかかり、これはRentの赤線の最期の$380,000から$370,000強への$10,000分の下げに表れています。

    これを5年レントしてから売ったとすると。。。

    5年レントすると、もはやキャピタルゲイン税控除の恩恵が受けられず、値上がり益に対してキャピタルゲイン税を支払うことになります。5年目のRentの赤線の降下率が、上のケースの諸経費に加えキャピタルゲイン税が含まれ、合計$50,000程度の出費となります。この場合はさっさと売ってしまったほうがよかったということになります。

    ここまでは不動産価格の上昇を年間4%と見ていましたので、これを6%に上げると・・・

    この場合は、不動産価格の上昇が力強く最後にキャピタルゲイン税がフルに課税されるものの、それを払ってでも有り余るキャピタルゲインが出ているので、レントしたほうが若干得という結果になります。

    さらに10年持てば、キャピタルゲイン税を支払ってでも、より大きな得が出ます。

    ここでは一律4%なり6%なりの上昇を見込みましたが、もちろん不動産市場がどうなるかを正確には読むことはできないと思いますので、物価上昇がそれほど見込めない場合も、いつか大きく上がるまで持ち続ける覚悟も必要になります。そのような覚悟がない場合は、今のうちに税優遇で値上がり益だけを手にしてさっさと物件を手放すというのもよい選択かもしれません。あくまで個人的な判断ですが、すべての情報を考慮したうえで納得の上判断されるのがよいでしょう。

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    家を売った時の税金

    一般的に、株式やファンドや骨とう品やアートなどの資産を売った時、もしも値上がり益があったときにはキャピタルゲイン税を支払うことになります(IRAなどの税優遇措置のある口座内での取引など、この限りでない場合もあります)。不動産も資産ですので、特に投資目的で買ったわけでなくとも、長く住んだ家を売って値上がり益を手にしたら本来ならばキャピタルゲイン課税の対象になるわけなのですが、おそらく家を売ってキャピタルゲイン税を払った人はそれほど多くはないはずです。なぜなら、持ち家に関してはキャピタルゲイン税がかからないようになる大きな優遇措置があるからです。

     

    $250,000/$500,000の控除

    家を売ったことがある方ならご存じでしょうが、持ち家の場合は、売却前の5年間のうちで通算2年間、自宅(Primary Residence)として住んでいれば税優遇措置が受けられます。値上がり益(キャピタルゲイン)のうち、タックスリターンでSingle Filingの場合は$250,000まで、Married Filing Jointlyの場合は二人で$500,000までが控除できるという措置です。

    たとえば、ご夫婦で10年前に$500,000で購入し、現在価値$850,000の家から引っ越したとします。そのあとはとりあえずレントに出していましたが、3年以内に売却すれば、過去5年のうちの2年の居住条件をクリアしますので、キャピタルゲイン税は一切支払う必要がないということになります。この控除は2年ごとに利用できます。

    夫婦の場合、所有が連名でなくともどちらかひとりの名義でも大丈夫です。どちらかひとりが過去5年のうち2年間所有し、夫婦ふたりで5年のうち2年住んでいれば、二人分の$500,000まで控除になります。また、この所有の2年と居住の2年は同一の2年である必要はありません。

     

    部分的控除もありえる

    もしも通算2年間の居住条件を満たさない場合でも、どうしても引越さねばならないやむを得ない状況があった場合には特例があります。家を買ったらすぐに転勤になってしまい売らざるを得なかった、病気になってしまい病院や家族の近くに転居することになったなど、家を買う時点では予測することができなかった理由で売却の運びとなった場合には、2年の条件を満たさなくとも、居住した期間だけの部分控除が効く場合があります。

    シングルの方が$300,000で家を買ったのに、1年で転勤になって売ることになった。ところが、過去1年はすごい不動産ブームで売る時には$400,000になっていた…というような場合は、$250,000のキャピタルゲインx 実際住んだ1年÷本来の条件の2年の$125,000が控除できますので、このケースでは納める税金はゼロになります。

    また、ナーシングホーム(長期介護施設)に入ることになり家を売却するときは、さらに手厚い措置があり、5年のうち2年の居住条件が1年に下がります。長い間住み慣れた家に一人暮らしをしていた方が、介護が必要な状態になったのでナーシングホームに引っ越しましたが、いつか自宅に帰る可能性も残しておきたいと売らずに持ったままでいました。結局自宅に戻る可能性は低くなり家を売ることにしました。このようなケースでは、引っ越して4年以内に売却すれば、5年のうち1年の居住条件をクリアすることになり、$250,000フルに控除を受けられることになります。

     

    キャピタルゲインを正確に知る

    $300,000で買った家が$600,000になりました。キャピタルゲインは?と聞かれたら、$300,000と答えそうになりますが、実はそうでない場合がほとんどです。実際のキャピタルゲインは、

    キャピタルゲイン=家の売価 - 家の税金上のベースコスト(Tax Basis) - 諸経費

    で計算されます。

    家の税金上のベースコスト(Tax Basis)には、家の購入価格だけでなく、家を買うための諸経費、不動産ブローカー費用、法的費用なども含めることができます。また購入してから施したリノベーションなど、物件価格を上げる改善(Improvements)も含みます。購入価格$300,000と購入経費$20,000で購入し、その後$50,000かけてキッチンを新しく改装したという場合は、ベースコストは$370,000に上がります。増築、プール、屋根の張替え、バスタブの取り換えなどもこの改善タイプに含まれます。ベースコストを上げる改善については、レシートなどの情報を管理しておくのが賢明です

    一方で、修理(Repair)はベースコストには加えられません。ペンキの塗り替え、壁の穴の修理、壊れたアプライアンスの修理などがそれです。

    また、キャピタルゲインの計算で、ベースコストとともに差し引く諸経費には、売却時のクロージングコストや不動産ブローカー手数料、タイトル保険費、各種宣伝費、法的経費なども含まれます。

    ひとり$250,000、ふたりで$500,000のキャピタルゲイン控除があるので、リノベーションや諸経費をベースコストにく加えなくとも、キャピタルゲイン税が発生しない場合が多いかとは思いますが、いつ家を売るか、不動産市場がどうなるかはわかりませんから、念のため記録はとっておくのがよいでしょう。

     

    ホームオフィスで控除した減価償却費

    持ち家の中の一部をホームオフィスとして使い、その分の減価償却費をビジネス経費として計上し税控除をしているケースも多いかと思います。年々控除できる減価償却費は、年々の所得税を減らしうれしいものですが、家を売る時にはその減らされた減価償却分は、ベースコストから差し引かれると同時に、その分には税金が別途かかります(Recap(取り戻し)と呼ばれる。

    通常、減価償却は、物件価格から土地部分を引いた建物部分を27.5年かけて減価償却していく形がとられます。建物価格÷27.5xホームオフィスとして使っている面積割合で計算される分が毎年経費として控除できるわけですが(このほかスタンダード額を使う簡単控除もあります)、売る時には、この経費として控除された減価償却費の年々の総合計に25%のRecap税がかかります。

    キャピタルゲイン税は所得レベルによりますが最高でも20%ですので、それより高い25%がかかるのは痛いところです。ただ、そもそもこの税金がかかる分は、これまで年々所得税控除となっていたわけなので、早くおいしい思いをして、あとで支払い責任を果たすというしくみです。所得が多い人でも低い人でもRecapの税率は25%なので、所得の高い人ほど、毎年多く所得税を節税しRecapを25%で払えばよい・・という具合に特典が大きくなります。所得税がそれほど高くないの(25%以下)であれば、ホームオフィスとして家を使っていたとしても、あえて減価償却せずに置き、売った時にキャピタルゲインをゼロにして値上がり益をすべて手にするというのも考慮にたる選択かとも思います。ただ物件価格は必ず上がるとも限らず、もしも下がった場合には、値下がり損に対する優遇措置はありません。このような場合には、減価償却できるものはどんどんしておくという方法がよいことになります。

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    トランプ税改後の初タックスリターンとW4設定

    またまたやってきましたタックス・シーズン。今年も4月15日が締め切りです。Trump税制改革が施行された後の初めてのタックスリターンとなり、いろいろいつもと調子が違うところも多いかもしれません。政府のシャットダウンの影響もあるのか、すでに受け付けられたタックスリターン数は例年より少ないレベルということですが、みなさんはいかがでしょうか?

    すでに申請が終わった人の中での、2月中旬時点でのリファンド額平均は、昨年は$2,135であったがの今年は $1,949とのことです。税金が大きく減って喜んでいる人もいれば、ふれこみほど税金が下がらずがっかりする人、はたまた、例年より大きなリファンドを期待していたのに、逆に税金を追加で納めねばならず愕然とする人もいるようです。

    その中には、2018年頭に、雇用主が徴収すべき連邦税の源泉徴収率が、新税制の税率に即して変わったことが影響しているケースもあるようです。2018年初(遅くても2月)から、雇用主の源泉徴収が、新しい源泉徴収率に切り替わりました。ほとんどの人で、源泉徴収率が低くなりました(前年と給料が同じレベルであったと前提)。これにより現前徴収されている月々の連邦税は減ることになりました。

    タックスリターンを実際に申請してみて、年間を通して納めた源泉徴収額が、実際に払うべき税金と見合っていれば、リファンドもなし、追徴税もなしでトントンということになります。会社が自動的に計算する源泉徴収額は、誰にも一律一定(給料が同じであれば)ですが、もちろん個人的状況により、この額を調整したいこともありますね。源泉徴収の額を個人的に調整したければ、W4フォームを人事部に提出することで、会社が自動計算する源泉徴収額に対して額を多くしたり少なくしたりすることができます。

    トランプ税制改革の内容は、今までのやり方を大きく変える部分もあり、これまで年々$10,000のタックスリターンを得ていたカップルが、今年はもっと戻ってくるだろうと期待していたのに、リファンドはたったの$500だったというケースがでてきています。

    参考  トランプ税改革でどう変わる?

    トランプ税改革でうちの税金はどのくらい減る?

    トランプ税制でアメリカの持ち家神話が崩れるかも・・・

    このような状況の背景には、州税やプロパティ税が全額控除できなくなったとか、Exemptがなくなったというように税金自体が増える方向に変化したという場合もあるかもしれませんが、もうひとつは、これまでと同じW4の設定を使ってきたら、それが例年のようなタックスリファンドを生む結果にならなかったという場合も多いようです。前述のとおり2018年に変更になった源泉徴収率の低下で、源泉徴収額が自動的に減ったためです。

    トランプ税改で実際に納めるべき税金は減った(全体的には減税であった)のにもかかわらず、源泉徴収で納めていた額もそれ以上に減っていたため、結局リファンド額は昨年より減ったというような具合です。

    気の利く雇用主は2017年末から2018年初に、「新しい源泉徴収率に移行する影響で、結果として源泉徴収額が減ることもあります。個人的に必要ならば、W4の設定を変更し、適切な源泉徴収額に調整してください。」というような通知を発行したところもあると思いますが、なにしろトランプ税制はいろいろな側面をドラスティックに変更し、複数の要素が絡み合うので、いったい自分の源泉徴収が多いのか少ないのか、おそらく自信をもって2018年中に見極められたひとはごく少数でしょう。

    W4の変更

    * 2020年より新W4フォームになりました。

    今回の2018年タックスリターンを終えてみて、もしも追加で払う税金が発生してしまったというような場合は、源泉徴収の調整が必要です(源泉徴収は、雇用主がするものです。Self-employedでご自分でEstimated Taxを納めている方は、Estimated Tax額の調整になります)。

    そもそも、源泉徴収は、実際に納める年間の税金とほぼイコールになるように納めるのが教科書的な基本です。源泉徴収のほうが多ければ、無駄にIRSにお金を預けていることになり、そのお金には利子もつきませんし、月々他の用途や貯蓄・投資に使うこともできません。反対に、源泉徴収のほうが少なければ、タックスリターン時に納税する差額が発生し、負担となりかねません。

    ただ、実際はタックスリターン時に発生するリファンドを少し楽しみにしていたり、それをIRAへの積立やバーケーションなど特別費への割り当てなど、ある程度年間のバジェットの一部として期待しているような場合もありますね。ある意味でボーナス的な存在として受け止めている部分が多かれ少なかれあると思います。

    ご自分のニーズに応じ、W4を調整することになります。W4はこういうフォームです。

    雇用が始まった時には必ず記入しているはずですが、その後、個人的状況の変化に応じ必要があれば、都度W4を人事部に提出して源泉徴収を調整することができます。個人的状況とは、結婚、子どもの出生、もう一つ仕事が増えたなど、納める税金に影響があるようなライフイベントが起こった時です。それと、今回のように、税制自体が変化して、今までの源泉徴収のやり方が合わなくなったときなどです。

    最近は、人事・ベネフィットのシステムがオンライン化されている場合も多く、オンラインで下記のようなフォームに入力するだけで済む場合もあります。

    どちらにせよ、Number of Allowanceを設定するというのがメインの目的です。必要に応じオプショナルで、余分に源泉徴収されたい絶対額を入力します。Number of Allowanceは大きいほど源泉徴収額は少なく、反対にNumber of Allowanceが小さいほど源泉徴収額は大きくなります。絶対額を増やせばその額だけ確実に源泉徴収額が増えます。

    Number of Allowanceの大雑把な目安は以下の通りです。

    ただ、これでは個人的な状況は反映しきれないでしょうから、下記の2019年用の源泉徴収計算ツール(下記 https://apps.irs.gov/app/withholdingcalculator/)でご自分の現在の源泉徴収が適切かどうかを判断するとよいかと思います。給料明細などの詳細情報が必要ですが、精度の高い計算ができます。

    なお、2つの仕事を持っている場合、あるいは夫婦ふたりで働いている場合(かつ、Married Filing Jointlyでファイルする場合)など、複数のW4の記入が必要なケースが想定できますが、その場合はどれも同じように上の方法にならってAllowanceを設定すると、結果として源泉徴収が少なすぎる(Allowanceがダブルでカウントされ、源泉徴収がより少なくなるイメージ)ということが起こりえます。その場合は、より収入の多い仕事のW4で総合的に決めたAllowanceをクレームし、その他の仕事のW4では敢えて0か1など、Allowanceを少なく設定しておくことが無難です。

    W4情報を変更したら、その後の給与をもらったときに給与明細を確認し、源泉徴収額が以前とどのように変わったかを確認することも賢明かと思います。また、毎年、タックスリターンを申請したら、その年の源泉徴収が適切なレベルであったかを見直すとよいでしょう。

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    タックスソフト - 無料バージョンもあります!

    タックスリターンのためのソフトウエアについてご質問を受けることがあります。私はTurboTaxしか使ったことがないので、他のソフトとの比較などできません。また、TurboTaxも使いやすいところと、使い勝手が悪いところがあり、すごく満足しているというわけでもありません。ただ、あの手のソフトウエアは一度使うと、過去のの情報をオートインポートしてくれ便利ですし(他社のソフトからもインポートできるケースも多いですが)、特にどうしても他社のに変えたい特別な理由もないので、結果としてずっと使い続けることになってしまっているというだけのことです。今回は、一応、いくつかのサイトで調べてみてトップ3に入っているソフトウエアをご紹介します。

     

    まずはNerdwallet調べから。大御所Turbotaxが最高レビューです。

     

    次にPC Mag。こちらではH&R BlockとTurboTaxが拮抗しています。NerdwalletでもPC Magでも、Tax ACTは両社を少し後から追っている感じです。

    TurboTaxは最も長い歴史を持つタックスソフトで、25年間市場に存在しています。税金のしくみやシステムなど知らなくても、インタビュー形式の質問に答えていくことで、自然と必要な情報が収集され、タックス申請のフォームが最後に自動作成されるしくみを開発しました。ユーザーインターフェースは年々改良され、使い勝手のよさは定評を得ています。実際にIRSに提出されるフォームを一切知らないでも、Wizardベースで質問に回答してくだけでよいしくみです。かえってある程度タックスリターンの知識があって、「あ、あそこのフォームのここを変更したい」など少し外れたことをやろうとすると、あまり使い勝手がよくなかったりするかもしれません。何のことかよくわからない質問にはヘルプで説明を読むこともでき、最後には入力の不整合などエラーチェックもしてくれます。

    CDで購入してデスクトップでオフラインで使うバージョンと、オンラインで入力し、Intuit社(TurboTaxを売っている会社)のサーバーに情報をセーブするオンラインバージョンがあります。

    今年は、TurboTax Liveという名前の新サービスが始まりました。従来のタックスリターン機能に加えて、ビデオチャットでCPAやEA(Enrolled Agent)から税金の専門知識を教えてもらえる機能が不可されたプロダクトラインです。タックスリターンの作業中にわからないことがあれば、このリソースを利用し、専門家にタックスリターン中の画面をリアルタイムで共有し必要な説明を受けるということができるそうです。入力が全部終わったら、専門家ができあがったタックスリターンを確認してくれ、サインをしてくれます。なにかタックスリターンに不備があったり監査があった場合は、その後も必要に応じ専門家が助けてくれるというサービスのようです。

    H&R Blockも、TurboTaxに倣ってWizard的な画面で順に入力していく形式をとっています。CDバージョン、オンラインバージョンに加え、支店を訪れてやってもらうバージョンがあります。また、CDやオンラインで自分で入力し、支店に行って必要なヘルプを受けたり、最終的な確認をしてもらうTax Pro Reviewというサービスもあります。ここで支店を持つ強さが出ています(TurboTaxは支店なし)。

    TurboTaxを追う形で来たH&R Blockですが、本年はユーザーインターフェースのよさとユーザーを導く形式と、提供されているヘルプ情報の質に定評があり、H&R Block Deluxeが、TurboTaxを抑えてPC MagのEditor’s  Choiceを獲得しています。また、全体的にTurboTaxより値段も低めです。ユーザーインターフェースの違いは、好みもあるかもしれません。TurboTaxはフレンドリーな感じがあり、H&R Blookはビジネスライクな感じがありますが、どちらも使い勝手は拮抗するレベルのようです。

    Tax Actも内容的にはTurboTaxやH&R Blokの機能と質に匹敵するレベルといえるようです。PC Magによれば、すでにTax Actを使っているのならそのまま使うというオプションは何の問題もないが、もし初めてタックスソフトを選ぶのなら、H&R Blookをお勧めするとしています。

     

    フリーバージョンもあります!

    Adjusted Gorss Income(AGI)が$66,000以下である場合には、無料でタックスリターンをできる可能性があります。IRSがつくっているFree File Allianceというのがあって、タックスリターンの申請サービスを提供している十数の会社が参加しており、一定の条件を満たす申請者にはフリーで自社の申請システムを使わせています。これらの会社とシステムはIRSの課す一定条件をクリアした会社ですので、どれもある程度の安心感をもって使うことができます。

    IRS’s Free File Alliance

    このサービスはよく知られているとはいいがたく、IRSによると全米のタックスリターン申請者のうち約70%がフリーリターンの条件を満たしているものの、利用はそのレベルまで行っていないようです。自分がフリーリターンサービスを受ける資格があるかはこちらの Free File Alliance Lookup Tool を使って調べてみてください。

    州や収入など各条件を入れると、資格を満たしていれば、使えるフリーシステムを列挙して教えてくれます。TurboTaxやH&R Blokも参加していますので、ラッキーだとフリーで使えるかもしれませんよ。

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    2018年のタックスリターン: たぶんあなたもStandard Deductionかも

    あと2か月もすれば2018年ももう終わり。年が明けてしばらくすると、またタックスリターンシーズンがやってきます。2018年は、トランプ税制改革の影響を受ける年になります。いろいろな変更点はありますが、その目玉はStandard Deductionの大幅な引き上げです。この結果、今までItemized Deductionを選んでいた家庭でも、2018年からはStandard Deductionにスイッチするケースが大変多くなると予想されます。その効果は、タックスリターンが楽になり、時間が短縮されることです。

     

    Standard Deductionの大幅な引き上げ

    シングルリターンでは、これまで$6,500であったStandard Deductionが$12,000に、ジョイントリターンでは、$13,000だったのが$24,000に引き上げられます。Deductibleな費用の合計がStandard Deductionの額以上になる場合にのみ、Itemized Deductionを選ぶことが理に適うため、これを機にStandard Deductionに切り替える人が大きく増えると予想されます。Joint Committee on Taxationの予想では、88%のタックスリターンがStandard Deductionを選ぶことになるだろうとしています。

     

    Itemized できるものは減る

    Standard Deductionが大きく引き上げられる一方で、Itemized Deductionを選んだとき控除できる項目は減ります。

    これまで盗難・災害・事故による損失はある程度の条件を満たすと控除できていましたが、これが2018年以降は、Federal Disasterとして大統領により指定された災害による損失に対象が限られます。よって多くの“比較的日常的な”損失は控除できないこといなります。

    またEmployee(雇用者)としてかかった費用のうち、Employer(雇用主)にreimburse(費用の払戻)をしてもらえなかった費用については、一定の条件で控除ができていましたが、これもなくなります。たとえば、ツールや事務用品などの費用、ユニフォームや仕事関係の会費や購読費などです。また、タックスリターンの委託費用なども控除できなくなります。

    なお控除できなくなるのは、あくまでSchedule Aで個人として控除する項目であって、ビジネスとしてかかる費用は、これまで通りSchedule Cで控除することができます。

     

    結局Itemizeできるものは?

    結局、Schedule AでItemizeして控除できる主な項目は以下の4つになります。

    Medical Expense

    医療費は控除対象にはなりますが、なかなか控除はできにくい費用だといえます。2018年リターンではAdjusted Gross Income(AGI)の7.5%を超えた部分が、2019年リターンではAGIの10%を超えた部分だけが控除できます。

    AGIが$80,000なら、7.5%で$6,000、10%で$8,000ですから、控除可能な額があるためにはかなり高額な医療費がかかっている必要があります。

     

    Mortgage Interest

    2017年12月14日までに発行されているモーゲージローンについては、2018年以降のタックスリターンでも、引き続きこれまでどおり$1.000.000までのローンに対して利子が控除できます。

    2017年12月15日以降発行されたモーゲージローンについては、$750,000までのローンに対してのみ利子が控除できます。

    エクイティローンについては、ローンが家の増設・改築・改装のために使われた場合は利子が控除できます。

     

    Charitable Contribution

    これまで通り控除可能です。

     

    State and Local Taxes(SALT)

    州・ローカル所得税税/州の消費税、プロパティ税の控除は、これまでは全額が対象になりましたが、2018年以降は、合計控除額が$10,000までという限度が設定されます。カリフォルニアやニューヨークなど、州の所得税やプロパティ税が高額で、ゆうに$10,000を越してしまう州の納税者にとっては非常に限定的な控除となります。

    なお、ここでの$10,000の限度額はSchedule Aでの控除が対象で、ビジネス、レンタルプロパティ、ファーミングなどの関連の州・ローカル所得税税、プロパティ税は限度額の対象にはなりません。

    また、$10,000の限度額が設定されることを先どって、2018年のプロパティ税を2017年度に納め、2017年度のタックスリターンで控除をした方もいらっしゃるかと思います。その時点では、遡って後ほど$10,000の限度が適用される可能性もあるかもしれないと報道されていました。結局、2018年分のプロパティ税であっても2017年にAssess(査定)されており(額が決まって発表されており)、2017年に支払ったものに関しては、2017年のタックスリターンで控除可能であると発表されました。

     

    StandardなのかItemizeなのかを見極める

    まずこれまでStandard Deductionを選んでこられた家庭はよほどの経済的変化がない限り、今後もStandard Deductionを選ぶことになります。

    これまでItemized Deductionを選んでこられた家庭は、自分のItemized Deductionの項目を振り返り、合計額がシングルで$12,000、ジョイントで$24,000以上になるかを目算してみましょう。

     

    多くのご家庭の場合、Medical Expenseは控除ができない場合がほとんどです。

    Charitable Contributionは、年間を通してどのくらいかを考えます。ここでは、例として$1,000としておきましょう。

    Mortgage Interestは、たとえば$300,000のローン残高で、利子が4%だとすると、概算で$300,000x0.04=$12,000が利子になります。

    SALTは、最高額でも$10,000です。

    これらを合計すると、$1,000+$12,000+$10,000=$23,000となり、Standard Decurionの$24,000(ジョイントを想定)よりも少ないため、Itemizeの必要はなく、Standard Deductionを選べばよいことになります。

    トランプ税制でタックスリターンのしかたが新しくなり大変になるのではないかと心配されている方もいらっしゃるかもしれませんが、かえってシンプルになるケースのほうが多いと予想されます。Standard Deductionを選ぶのであれば、タックスリターンがかなり簡単になりますから、今まで人にお願いしていたという場合でも自分できるようになるケースもあるかと思います。

     

    最後にTax Foundationが、改革前と後での税金を試算してくれるサイトをつくっていますので、ご紹介します。

    https://taxfoundation.org/2018-tax-reform-calculator/

    すでにモデルケースがいくつか提示してありそれをクリックして内容を見ることもできますし、ご自分の数字を入力してカスタマイズした計算をすることもできます。Standard DeductionかItemized Deductionを選んで、数字がどう変わるかも見ることができます。

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    Estimated Tax - ホームビジネスやキャピタルゲイン 

    会社で雇用されて給料をもらっている人は、定期的に支払われる給料から自動的に支払うべき税金が差し引かれます。これをTax Withholdingといいます。Withholdするべき税金の額は、自己申告で調整がきき、これをするのがW4 フォームです。一方でSelf Employedで仕事をしている場合などは、このTax Withholdingのシステムがありませんから、自分で納めるべき税金を計算して、定期的に税金を納める必要があります。また、年の途中で株式を売って大きなキャピタルゲインを得たなど、通常のTax Withholdingがカバーしない所得があった場合にも、別途税金を納めないと、ペナルティの対象になる場合があります。

    タックスリターンは、通常、翌年の4月15日までに提出しますが、これは税金を4月15日までに払えばよいということではありません。その年の税金は、その年の間におしなべて恒常的に納める必要があります。給与所得者の場合は、毎月の給料からWithholdする形で一年を通して税金を納めています。Self Employedやキャピタルゲインの場合など、自動でWithholdされない場合は、自分でEstimated Taxとして計算し、IRSに税金を納めることになります。Estimated Taxは年4回に分けて納めることになっており、Due Dateは:

    1st 四半期 : April 15

    2nd 四半期: June 15

    3rd 四半期 : September 15

    4th 四半期: 翌年のJanuary 15

    となっています。

    Withholdの対象とならない所得の例

    給料のようにWithholdが自動的にされない所得、つまり、自分でEstimated Taxを支払う必要のある所得は以下のようなものがあります。

    • Self Employed、Small Businessからの所得
    • キャピタルゲイン
    • 配当金や利子
    • レンタルインカム
    • 慰謝料  など

    ペナルティ

    WithholdingかEstimated Taxか、どちらかの形であらかじめその年に納めるべき税金を十分に納めていないと、タックスリターンのときにあわてて全額納めたとしても、遅延した税金に対してペナルティがあります。これはUnderpayment Penalty(不十分納税のためのペナルティ)と呼ばれ、いくら足りていないかとどのくらいの期間未納であったかによって計算されます。

    ペナルティを避けるには

    多め多めに納税しておけばもちろんペナルティは避けられます。多めに納税しておけば、タックスリターン時、大きなリファンドがあってなんだか得した気にもなりますが、ただ、実はこれは金利ゼロでIRSにお金を預けているようなもので、あまりに大きな納税はもったいなくもあります。同時に、その年に納税すべき額というのは、誰にもあらかじめ正確にはわかるものではありません。というわけで、いくら納税しておけばいいのか・・は難しい問題ですが、IRSがこのガイドラインを守っておけば、ペナルティは課しませんとしている基準があります。

    それらは:

  • 追徴分が$1,000以下である
  • あるいは本年の所得税の90%か又は昨年の所得税の100%の額かのどちらか小さい額は、最低納めていた
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    IRA 限度額以上を積み立ててしまったらどうする? 

    リタイヤメント資金準備に使われるIRA口座は、年間の積み立て限度が50歳までなら$5,500、50歳以上なら$6,500(2018年)と決められています。また、積み立ての限度額や税控除が受けられる額は、職場でのリタイヤメント制度の有無、所得によっても変わってきます。もしも、限度を超えて積み立てをしてしまった場合、どうすればいいのでしょうか?

    IRAの積み立ての期限は、翌年のタックスリターンの期限(通常4月15日)です。たとえば2018年のIRA積み立ては、2019年の4月15日までにすることになります。一年のファイナンスを振り返り、余剰金があったのでタックスリターンを作成する時期に合わせIRAの積み立てを行うという方は、昨年一年の収入がいくらかという情報を手元に計画的に積み立てが行えますので、限度額を正確に守ることができます。一方で、2018年が明けてすぐに、2018年分のIRA積み立てを早々と済ます人もいらっしゃるでしょう。ところが、その後幸運にも2018年の収入がアップした、あるいは思いがけないボーナスが出たなど、最終的にIRA積み立ての限度額が適用されることになる場合もありえます。また、単に複数口座で間違えて積み立てをしてしまったとか、計算間違いで限度額を超えてしまう場合もあるでしょう。

    Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2018年限度額

    IRAは税優遇のあるリタイヤメント口座ですから、限度額を超えた利用については年間6%のペナルティが課せられます。この6%は、超えた積み立て分が何らかの形で修正されるまで、毎年課せられ続けます。ただ、修正の方法はありますから、心配することはありません。以下に修正の方法をまとめます。

     

    Roth IRAの場合

    Roth IRAでは、年収に応じていくらまで積み立てができるかの積み立て限度額が設定されています。

    限度額を超えて積み立てた場合は、以下の3つのどれかで調整を行います。

     

    1.タックスリターンを提出する前に、超過分を引き出す

    4月15日のタックスッリターンの期限日か、あるいExtension(延長)申請をした場合は、10月15日の期限日までに、超過している分を引き出します。また、引き出した元本に付随する利回り部分も引き出す必要があります。超過分とそれに付随する利回りの計算は、口座を維持している金融機関に問い合わせれば計算してくれます。

     

    2.タックスリターン提出後なら10月15日までに、超過分を引き出す

    知らずにタックスリターンは済ませてしまった場合でも、グレースピリオドが設定されていて10月15日までに超過分を引きだせば、ペナルティは免れます。引き出し額の計算は上と同じです。ただし、引き出した旨がタックスリターンに正しく反映されるよう、Amended(修正)リターンを提出する必要があります。会計士さんにお願いするか、TurboTaxなどのソフトをお使いなら、提出したリターンをもとにAmendedリターンを作成することができます。

     

    3.翌年の積み立て分に当てる

    超過分を引き出しせず、そのまま口座内に置いておき、翌年の積み立て分に当てることもできます。口座のある金融機関に、超過分を翌年に適用したい旨連絡して手続きします。これは引き出しなど面倒なことがなくて楽ではありますが、ただ当年においては口座の中に超過分が残りますので、当年は超過分に6%のペナルティがかかります(From 5329)。

    超過分がたいした額ではなく、6%を払ってもそれほど痛くない場合にはよいオプションかと思います。

     

    4.超過分をTraditional IRAに変更(Recharacterize)する

    Roth IRAで積み立ててしまったが、限度額を超過していた分は、Traditional IRAに積み立て直す=Recharacterizeすることができます。具体的には、超過分とそれに付随する利回り分をRoth IRAからTraditional IRAへトランスファーすることになります。このトランスファーはタックスリターンでForm 8606(Non Deductible IRA)報告する必要がありますが、報告後はこの超過分はTraditional IRAに積み立てたとみなされます。

     

    Traditional IRAの場合

    Traditional IRAの場合の積み立て限度額は、常に$5,500(50歳まで)/$6,500(50歳以上)(2018年)です(ただし、収入がこれより少なければそれが限度)。ただ、職場でリタイヤメント制度があるかと所得の大きさによって、いくらまでが所得税控除になるかが変わってきます。

    積み立て限度額と、所得税控除額とを混同しないように、別々に考える必要があります。

     

    まず積み立て限度額を超えて積み立ててしまった場合は、上記Roth IRAでの対処法の1から3がTraditional IRAにも当てはまります。

    1.タックスリターンを提出する前に、超過分を引き出す

    2.タックスリターン提出後なら10月15日までに、超過分を引き出す

    3.翌年の積み立て分に当てる

     

    Traditional IRAの場合は、積み立てが(Non Deductible IRAでない限り)所得税控除で行われているので、タックスリターンで引き出した分を所得に足し戻す作業なども必要です。会計士さんにご相談ください。

    なお、前述のとおり、$5,500/$6,500の限度額を超えていなくても、職場でリタイヤメント制度があるかと所得の大きさによって積立額の全額が所得税控除にはならない場合もあります。この場合は、限度額を超えているわけではないので、6%のペナルティを心配する必要はありませんが、ただどこまでが控除範囲で、どこからは控除範囲でないかを見極める必要があります。控除になる額だけ、タックスリターン時にForm 1040のLine 32 IRA Deduction(2017年ではLine 32ですが、年によってLine 番号は変更になることあり)で控除を受け、控除にならない積立額については、タックスリターン時にForm 8606(Non Deductible IRA) で報告します。

    Form 8606で、非控除で積み立てた額を報告をしておくと、将来Traditional IRAから引き出しをするとき、通常は所得税がかかるところ、報告分は(一度税金を払っているので)非課税で引き出すことができます。この記録維持は本人の責任です。

    なお、控除対象のTraditional IRAと非控除のTraditional IRA(Non Deductible IRAとも呼ばれる)は同じ一つの口座にまとめて入れることも可能です。Form8606で、積立額のどの部分がnondeductibleかは記録が残りますので、必要に応じdeductibleとnondeductible部分を認識することができます。将来的に、Non deductible積み立て額が大きくなっていくような場合は、ふたつの別々の口座にしておいたほうが管理が簡単になるかもしれません。金融機関に相談してみてください。

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    トランプ税改革でうちの税金はどのくらい減る?

    2018年度のタックスリターンから適用されるトランプ政権の税制改革法では、Tax Policy Centerの試算によると、おしなべてすべての所得レベルで減税効果があり、課税後所得は増えるということです。Lowest Quintile(所得レベルのボトム20%)では減税の結果0.3%の課税後所得の増加にとどまり、額にして$50。一方でTop Quintile(トップ20%)では課税後所得が2.2%の増加で、額にして$5,740。全体的に所得が多いほどパーセンテージでも絶対額でも減税効果が高いという傾向があります。ただこれは計算上の平均の話であり、個々のケースを見ればかなりのバリエーションがあることが予想されます。

     

    減るか増えるかの分かれ目

    バリエーションの中にはかえって増税になる世帯も隠れており、およそ4分の3の世帯では減税、残りは変化がないか増税という予想です。増税、変化なし、減税を分ける要因はさまざまなものがあり、単に所得の額だけではなく、その所得がどのように生まれたものなのか(労働収入かそれ以外か、あるいはW2での給与所得かビジネスオーナーとしての所得かなど)、現在Standard DeductionかItemized Deductionのどちらを選んでいるか、後者の場合はどのような控除項目を申請しているか、家族構成はどのようかなどが関わります。

    一般的に減税に不利な要因と、有利な要因を書きだすと以下のようになります。

    これまで貸家住まいでプロパティ税やモーゲージ利子控除もなく、州の所得税もないかあるいはあっても高くなく、Standard Deductionを選んでいた納税者は、今回の改定でStandard Deductionが2倍に拡大されたので、大きな減税が予想されます。Personal Exemptionが廃止されたのは、家族世帯には厳しい仕打ちですが、17歳以下の子どもが多いとたとえ所得がかなりあってもTax Creditを大きく利用できる可能性があります。また、何よりもSole proprietorships、Limited Liability Company、Partnershipの形態でビジネスを所有しそこから収入を得ている場合には、20%のDeductionが許されるようになるので非常に大きな減税効果があります。

     

    メトロエリアのプロフェッショナル職が危ない

    反対に、厳しい仕打ちを受けるのは、カリフォルニアやニューヨークなどの高所得税、高プロパティ税を課す州(以下でHigh Tax Stateと呼ぶ)に住む納税者で、所得が高く多額の所得税を払っている人や、高額の持ち家を持っており高額のプロパティ税を支払っている人です。今までは支払った州税(州所得税*とプロパティ税)は、連邦税の計算において全額控除することができましたが(Itemized Deductionを選ぶことで)、新制度ではこれに$10,000というかなり低い控除限度が設定されます。

    現在の全国平均データによると、世帯所得が$75,000から$100,000の家計では州税(下の表ではSALT= State and Local Taxと表示)の控除は$7,243であり、これは新制度での限度$10,000より低いので問題になりません(全額控除できる)。$100,000から$200,000の世帯では、州税控除は$11,099で、これは新制度限度を若干超えますが、喪失する控除は極小です。ところが所得が$200,000以上の世帯では、州税控除平均は$42,714であり、$10,000を超える部分は控除できなくなります。

    前述のとおり、ビジネスオーナーの場合は、所得の20%の控除できるようになりこれが大きな減税効果を生みますので、州税控除を失っても効果は中和される傾向があります。一方でW2雇用者の場合は、このような所得控除がなく、そのうえ州税控除を失うのでダメージが大きい可能性があります。イメージとしては、カリフォルニアやニューヨークなどの西海岸・東海岸の高州税都市で働く、プロフェッショナル職につく給与所得者で、世帯収入が数十万ドルの、富裕層ではあるがスーパー富裕層ではない持ち家所有者・・・このような層がダメージを受ける可能性が高いと想像されます。

    そのレベルを超えたスーパ富裕層では、控除額などはあまり関係がなく、一律に下げられた税率のせいで数万ドル以上の減税効果が期待されます。

     

    自分で計算してみよう!

    ご自分の家計にはどのような影響があるかを予想するためのツールをご紹介します。

    まずはNew York Timesのインタラクティブツールです。条件を入力すると、増税・減税のイメージ図分布をみることができます。

    https://www.nytimes.com/interactive/2017/12/17/upshot/tax-calculator.html

    上の図は単に分布のイメージだけになりますが、具体的に自分の家計の税金を計算してみたいという方にはこちらをご紹介します。

    まずは2017年の税金予想で、これは改定前の税制で計算される連邦税です(2018年4月18日までに申請する2017年のタックスリターンに適用)

    https://www.moneyhelpcenter.com/taxes/calculate/2017-federal-income-tax-calculator/#results

    次に改定後の税金予想で、これは2019年に申請する2018年のタックスリターンでの額です。

    https://www.calcxml.com/calculators/trump-tax-reform-calculator

     

    上の二つのカリキュレータを使って、下のいくつかのシナリオで改定前(2017年額)と改定後(2018年額)を計算してみました。Married, filing jointly、子どもふたりのケースを想定し、IRAや401(k)などへの積立控除は考慮していません。これまでStandard Deductionを使っていた家計、ビジネス収入がある家計では減税効果が大きく、High Tax Stateに住む持ち家を持つ高額所得者には減税効果が少ないことがわかります。ご自分のケースで計算してみてください。

     

    Married, filing jointly、子どもふたり

    改革前 改革後 変化のポイント
    連邦税額 実効税率(税額÷Gross Income 連邦税額 実効税率(税額÷Gross Income)
    $50,000、W2雇用者 $232 0.5% $0 0%

     

    Standard Deductionの増額のため控除額が増加。
    $100,000、W2雇用者、Low  Tax State、持ち家 $7,732 7.7% $4,739 4.7%
    $100,000、ビジネスオーナー、Low Tax State、持ち家 $7,732 7.7% $2,339 2.3% Standard Deductionの増額に加え、ビジネスインカムの20%控除設定のため大幅に節税。
    $150,000、W2雇用者、High Tax State、貸家 $21,752 14.5% $15,599 10.4% Standard Deductionの増額のため控除額が増加。
    $150,000、W2雇用者、High Tax State、持ち家 $19,178 12.8% $15,599 10.4% 改革前はItemized DeductionでState Taxをフルに控除。改革後は、増額されたStandard Deductionを利用。
    $200,000、W2雇用者、持ち家、High Tax State $27,428 13.7% $26,099 13.0% 改革前、全額控除されていたState Taxが$10,000までになり、大幅に控除額は減ったが、税率の低下でなんとか増額を免れる。
    $200,000、ビジネスオーナー、持ち家、Low Tax State $34,148 17.1% $17,139 8.6% Standard Deductionの増額に加え、ビジネスインカムの20%控除設定のため大幅に節税。
    $300,000、W2雇用者、持ち家、High Tax State $52,821 17.6% $48,149 16.0% 改革前、全額控除されていたState Taxが$10,000までになり、大幅に控除額は減ったが、税率の低下でなんとか増額を免れる。
    $300,000、ビジネスオーナー、貸家、High Tax State $59,421 19.8% $35,429 11.8% Standard Deductionの増額に加え、ビジネスインカムの20%控除設定のため大幅に節税。

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    トランプ税改革でどう変わる?

    昨年12月20日に、下院で賛成224、反対201(民主党で賛成はゼロ、共和党でも12議員が反対)で可決され(正しくは再可決)、次いで12月22日にトランプ大統領が署名をし、税制改革法が成立しました。富裕層ばかりが優遇される・・・という非難の声が大きい改革法ですが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。

     

    2018年の4月18日までに申請する2017年のタックスリターンまでは、改革前のシステムを使います。2019年に申請する2018年のタックスリターンから新制度が適用されます。ただ新制度も現時点では永久に効力があるものではなく、今回制定された個人税に関するほとんどの項目が2025年以降は無効となる予定です。一方でビジネス関連の改定は期限なしに有効です。改革前と改革後の変更点を以下にまとめます。

     

    個人所得税の税率

     

    改革前の所得ごとの税率は以下のとおりです。どの所得レベルでも適用される税率が引き下げられました。

    改革前

    Single Filers
    税率 課税所得
    10 percent Up to $9,325
    15 percent $9,326-$37,950
    25 percent $37,951-$91,900
    28 percent $91,901-$191,650
    33 percent $191,651-$416,700
    35 percent $416,701-$418,400
    39.6 percent Over $418,400

     

    Married, Filing Jointly
    税率 課税所得
    10 percent Up to $18,650
    15 percent $18,651-$75,900
    25 percent $75,901-$153,100
    28 percent $153,101-$233,350
    33 percent $233,351-$416,700
    35 percent $416,701-$470,700
    39.6 percent Over $470,700

     新制度

    Single Filers
    税率 課税所得
    10 percent Up to $9,525
    12 percent $9,526-$38,700
    22 percent $38,701-$82,500
    24 percent $82,501-$157,500
    32 percent $157,501-$200,000
    35 percent $200,001-$500,000
    37 percent Over $500,000

     

    Married, Filing Jointly
    税率 課税所得
    10 percent Up to $19,050
    12 percent $19,051-$77,400
    22 percent $77,401-$165,000
    24 percent $165,001-$315,000
    32 percent $315,001-$400,000
    35 percent $400,001-$600,000
    37 percent Over $600,000

     

    Alternative Minimum Tax (AMT)

    ある程度以上の所得者に対してはAMTの計算が義務付けられ、それがRegular Tax(上図の税率をもとに計算される)よりも多い場合には、AMTとRegular Taxの差額分を追加で税金として納めることになっています。

    改革後は、Exemptionの額が引き上げられ、またExceptionの減額が始まる(Phase outが始まる)収入レベルも引き上げられます。より高所得者であってもより多くのExemptionが利用できるようになります。

      Single filers Married, filing jointly
      Exemption Phase out begins at Exemption Phase out begins at
    改革前 $54,300 $120,700 $84,500 $160,900
    改革後 $70,300 $500,000 $109,400 $1 million

     

    Standard Deduction

    課税所得を計算する際に控除額を決める方法として、項目別にひとつずつ控除していく方法(Itemized Deduction)とあらかじめ定まった定額を一括控除する方法(Standard Deduction)がありますが、この後者のStandard Deductionの額も改定になり、次のように引き上げられます。

    持ち家があるわけではないのでプロパティ税やモーゲージ利子控除などを利用できるわけでもなく、医療費やその他のItemized Deductionも大した額ではない世帯では、より多くのStandard Deductionを利用できるようになります。

    Single filers Married, filing jointly
    改革前 $6,350 $12,700
    改革後 $12,000 $24,000

     

    Personal Exemption

    Personal Exemptionは基礎免除額であり、ひとりあたりのExemption額をTax Payer自身やDependentの人数分、所得から差し引けることになっていました。改革後はこの基礎控除が廃止されます。Standard Deductionが増える一方で、多くの世帯で家族の人数だけクレームできたこの控除が廃止になり利用できなくなります。

    Exemption
    改革前 $4,050 per person
    改革後 廃止

     

    Child Tax Credit

    17歳以下の子どもひとりにつき、得られるタックスクレジットの額が引き上げられるとともに、Phase outの開始所得が引き上げられ、より高所得者層でもこのタックスクレジットを利用できるようになります。Personal Exemptionは廃止されますが、子どもがいる家庭では、たとえかなりの高所得者であっても多くのCreditを利用できるようになります。また、低所得者の場合は、たとえ税金を払う義務がなくとも、子どもひとりにつき$1,400までは補助金をもらえる(Non-refundable)ことになります。

    Married, filing jointly
    Tax Credit Phase out starts at
    改革前 $1,000 per child $110,000
    改革後 $2,000 per child ($1,400 is refundable) $400,000

     

    State and Local Tax Deductions

    Itemized Deductionを選んだ場合の控除の一項目である州・ローカル所得税税、州の消費税、プロパティ税の控除が$10,000までの限度に変更になります。カリフォルニアやニューヨークなど、州の所得税やプロパティ税が高額で、ゆうに$10,000を越してしまう州の納税者にとっては非常に手痛い結果となります。

    控除額
    改革前 全額
    改革後 $10,000まで

    Mortgage Deductions

    Itemized Deductionを選んだ場合の控除の一項目であるモーゲージローンの利子控除は、これまでもモーゲージ額に限度が設定されていましたが、限度額が以下のように引き下げられます。ただしこれは新規モーゲージについてのみで、既存モーゲージはこれまでの限度額がそのまま適用されます。エクイティローンの利子控除は廃止されます。家の値段が比較的低い州では問題になる可能性が低いですが、上記同様カリフォルニアやニューヨークなど不動産価格が高く、モーゲージ額も高い州では、利子の控除が部分的にできなくなる可能性があります。ただ、$750,000以上のモーゲージが組める所得がある人が影響を受けるわけで、その意味では中級までの層への影響は少ないでしょう。エクイティローンの利子控除廃止は中級までの層も影響を受ける可能性があります。学費や家の改装などの中短期的お金の工面をエイクイティローンで行っている場合も、これまで利子の控除ができましたが、今後はできなくなります。

    当初エクイティローンの利子は控除不可と発表されましたが、「ローンが家の増設・改築・改装のために使われた場合は利子控除可能」となりました。

    モーゲージ額 エクイティローン額
    改革前 $1.1 million $100,000
    改革後 $750,000

    ただし既存ローンはup to $1.1 millionのまま

    廃止

    ローンが家の増設・改築・改装のために使われた場合は利子控除可能

     

    Medical Expense Deduction

    Itemized Deductionを選んだ場合の控除の一項目である医療費控除は、より控除が受けやすくなります。いずれにしても、AGIに対してかなり高い医療費がないかぎり控除はききませんので、それほど多くの家庭で関係があるとは思われません。

     

    医療費控除
    改革前 AGIの10%を超える部分
    改革後 AGIの7.5%を超える部分

     

     

    Limits on Itemized Deductions

    これまではItemized Deductionのトータル額に限度がありましたが、今後は廃止されます。ただ、State and Local Tax DeductionやMortgage Deductionの項目別の限度が設定されるので、Charitable DonationやInvestment Interest Expenseなどの控除額が多額でない限り、限度廃止はそれほど意味のある変化ではないでしょう。反対に、Charitable DonationやInvestment Interest Expenseなどが高額になる高所得者では節税になるでしょう。

    Married, filing jointly
    改革前 収入が$313,800を超えると控除のPhase out開始
    改革後 Phase outは廃止、全額控除

     

    Estate Tax

    相続においては、$5.49ミリオン以上の資産への課税が$11.2ミリオン以上で課税に引き上げられます。富裕層が非課税で相続できる額が増えました。

    課税
    改革前 $5.49 million以上のエステート
    改革後 $11.2 million以上のエステート

     

    Corporate Taxes

    これまでのCorporate Tax(法人税)の最高税率は35%でしたが、これが21%に引き下げられます。同時にCorporate AMTは廃止されます。節税により企業に残ったキャッシュは、雇用の増加を引き起こし、経済成長につながるというのがトランプ政権の見通しです。

     

    Pass-Through Business Taxes

    Sole proprietorships、Limited Liability Company、Partnershipなどのビジネス形態は、法人税を支払う代わりに、オーナーが得たプロフィットをオーナーの個人所得とともに所得税として納めることになっています。改革後は、このプロフィットに一律20%の控除が適用されます(Married, filing jointlyで収入$315,000以上でPhase outあり)。

     

    まとめると・・

  • 全体的に個人に対する節税より、ビジネスに対しての節税効果の方が大きい。ビジネスに対しての節税は期限なし、個人に対しての節税は2025年以降は無効。
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    1040を理解する(2)

    タックスリターンの申請書である1040について理解するためのシリーズ2回目です。前回はIncomeからAbove-the-line Deductionを引いてAdjusted Gross Income(AGI)が計算されるステップと、なぜAGIは大切な数字なのかについてみてきました。ここまでが1040の1ページ目ですが、今回は2ページ目に入り、AGIからBelow-the-line Deductionを差し引いて税金を計算していく部分についてみてみましょう。

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    1040を理解する(1)

    AGIってよく聞くけど、いったい何なの?なぜAGIってそんなに大事なの?AGIは課税対象収入と同じですか?税控除は大きく分けて2種類あるそうだけど?タックスクレジットでなんでしょう?つまるところ、どうやって税金は計算されるの?  このような疑問をお持ちになったことはおありですか? 自分でタックスリターンをする人も、人にお願いしてやってもらう人も、タックスリターンの申請書である1040フォ-ムのしくみにして理解しておくことは大事だと思います。タックスリターン情報は、私たちの家計の経済活動の一年を通しての縮図とも言えます。1040がどのように構成されているのか、1040をどのように理解したらよいのかを見ていきます。

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    トランプ大統領で家計はどうなる?

    選挙が終わるなり、反トランプのデモが行われる今回の大統領選。政治の経験がない大統領のもと、このアメリカはどうなっていくのか不安になる人がいるのも当然のことでしょう。主人が勤める州立大学では、“今回の選挙の結果で大きなストレスを感じている学生がたくさんいるので、もし宿題などの期限延長願いが出された場合は、柔軟に対応するように”と教務部から通達メールが流れたそうです。マクロ経済がどうなっていくかは想像の範囲を超えていますが、とりあえず今日は、トランプ案が家計に与える影響を、とくに税金部分に的をしぼって、まとめてみます。

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    自分のタックスリターンを他人が盗んだ?

    今年のことです。春先に、主人の同僚が2015年度のタックスリターンをファイルしようとしました。すると、「あなたのタックスリターンはすでに終わっていますから、受け付けることはできません」というエラーメッセージが届いたそうです。知らないうちに誰かが自分のタックスリターンをファイルしており、リファンドマネーもすでに支払われていたそうです。結局、詐欺ということがわかり、その旨の手続きをしたそうですが、リファンドを受けるまでには不必要に長い時間がかかることになりました。

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    自分のW2を知る

    タックスリターンはお済でしょうか?もしあなたが雇用者(employee)であるなら、タックスリターンに欠かせない書類がW2 Formと呼ばれるものです。毎年1月になると雇用主から発行されるこのW2。よくご覧になったことはありますか?もし、CPAやTax preparerにタックスリターンをお願いしているなら、会社から受け取ったW2はそのままCPAへ渡しておしまいという方もいらっしゃるでしょう。最近では、Turbo Taxなどのソフトを使えば、W2の情報をオンラインでダウンロードしてそのまま入力ということも可能です。じっくりW2を前に置いて眺めるという機会は、少なくなっているかもしれません。しかしながら、自分の収入、自分の税金の情報がまとめられているW2、本来なら無関心ではいられませんね。今日は、そのW2をじっくりながめてみることにしましょう。

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    収入の何%を税金として払っていますか?

    前回は、タックスブラケットについて見てみました。今回は、タックスブラケットとは違う概念でEffective Tax Rate(実効税率)というものについて考えて見ます。自分のタックスブラケットを知っておくことは、税金や収入の概算をしたり、プラニング上のアクションのタイミニグを測るのに、有為に使えるということを書きました。では、この実効税率というのは、何の意味があるのでしょうか?

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    あなたのタックスブラケット、知っていますか?

    「あなたのタックスブラケットは?」と聞かれたらすぐ答えられますか? 「タックスブラケットってどういう意味があるのでしょう?」と聞かれたらどうですか? 自分のタックスブラケットを知っておくことと、タックブラケットを知っているとどのようなよいことがあるのかについて今日は考えてみたいと思います

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    税金のお勉強 - タックスクレジット

    今年の(というか、2014年分の)タックスリターンの申請期日はもう過ぎました。なぜ今頃タックスの話?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当分タックスリターンのことを考えなくてもよい今の時期だから敢えて、ちょとタックスの勉強をしてみましょう。自分でタックスリターンをする人はもちろんのこと、プロにお願いしてリターンを申請している人でも、自分のタックスはどのように決まるのか、節税の方法にはどんなものがあるのかについて、日ごろからある程度知っておくことは大切です。今日は、タックスクレジットの話にしようと思います。

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    FBAR(Foreign bank and Financial Accounts)の申請

    「FBAR(Foreign bank and Financial Accounts)の申請をずっとしていなかったのですが・・・」というご質問をよくいただきます。FBARとはアメリカ財務省(Department of Treasury)に対し、アメリカ国外の金融機関にある口座情報を届けるもので、これらの口座の残高の合計が$10,000以上である人は毎年6月30日までに届出をする必要があります。届出を怠った場合のペナルティが高額であるため、申請をしていなかったことに大きな不安を抱える方も少なくありません。ずっと申請していなかったので、いきなり申請をはじめたら、過去の分はどうなるのか?過去の申請がなされていないことがバレて、ペナルティが発生することになるのか・・など、心配が残ります。

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    Health Savings Account(HSA)を利用しなきゃ損!?

    High Deductible Health Plan(以下High Deductibleプランとする)と呼ばれる健康保険をお持ちの方も多いでしょう。2015年の指標では、Deductibleが個人で$1,300以上、ファミリーでで$2,600以上であり、かつOut-of-pocket Maximumが個人で$6,450以上、ファミリーで$12,900以上であるものがHigh Deductibleプランと定義されます。High Deductibleプランは、病気をあまりしなければ保険料金が大きく節約できることと、Health Savings Account(HSA)を利用することで長期的な貯蓄投資効果も得られることから、最近では人気が高まり急速にシェアを伸ばしています。High Deductibleプランには賛否両論があり、あまり病気をしない分には非常にお得である一方で、いったん病気になると大きな医療費を抱える可能性もあるという危険性もありますが、この課題については次回にして、今回はHigh Deductibleプランとともに注目を集めているHSAについて取り上げます。

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    年末を前にするべき税対策リスト

    2014年も年末が近づきました。2014年のタックスリターンは2015年の4月15日が締め切りですが、節税など税金上の対策は多くの場合、2014年度末が期限です。年末を迎えるにあたって、税金上チェックしておきたい事項はなんでしょうか。

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    日本で受け取るソーシャルセキュリティ と アメリカで受け取る日本の年金

    「現在、アメリカに住んでいます。昨年から日本の厚生年金をもらいはじめました。税金はどうなりますか。」 「アメリカに長く住んでいましたが、このたび日本に帰国します。アメリカの401(k)を日本でもらいますが、税金はどうなりますか。」 というご質問を受けることがしばしばです。日本とアメリカ間での税金の問題は、両国間で結ばれた日米租税条約に加え、アメリカの税法と日本の税法が関わってきます。Smart & Responsibleは、あくまでアメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニングに焦点を当てており、日本の税法に精通していません。よって詳しいご説明をする資格はありませんが、今回はよくご質問を受ける基本的な部分のみを解説させていただきます。

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    ぜったい避けたい ソーシャル・セキュリティ6つのミス

    リタイヤメントというと401(k)だのIRAだのに議論が行きがちで、「ソーシャル・セキュリティ年金をどう戦略的に活用するか」なんて記事はあまり目にもしませんが、しかしながら、このソーシャル・セキュリティ、ばかにしてはなりません。あまりよく知らないまま老後に突入し「もらえる分だけもらえばいいや」なんて態度だと、何千ドル、いや何万ドルもの損になることもあります。そこで、今回は「こんなミスは避けたい」という点を6つリストアップしてみました。

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    タックス・リターン - プロに頼むとリファンドがたくさんくる?

    毎年、専門家に数百ドル払ってタックス・リターンをお願いしている人も、ソフトウエアを買ってきて自分でやっている人も、「$50のソフトウエアと数百ドルの専門家・・・リファンドの額も違うのかしら」とたまには思ったりしませんか?プロに頼むにしても、必要な書類を整理したり情報をファイル化したりの手間は一緒。実は、情報さえ整っていれば、あとは、それをソフトウエアに入力すればいいだけのことで、情報の入力にプロはいらない・・という議論もあります。いやいや、だたの入力ではない、いかにリファンドを多くするか貴重なアドバイスがもらえるのだ・・という議論もあります。今日は、そのあたりのお話です。

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    タックス・リターン – 私にも自分でできますか?

    そろそろタックス・リターンのシーズンですね。みなさんはご自分でタックス・リターンをしますか?それとも誰かに頼んでいますか?「タックス・リターンを人にお願いするとき、どのくらいの値段なら妥当なんでしょう」、「自分でもいったいできるものなのでしょうか?」、「専門家にお願いしたほうが、より節税ができるのでしょうか?」というような質問を受ける機会があり、考えてみようと思います。

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    これから、私たちの税金はどうなるの? 

    The American Taxpayer Relief Act of 2012という法案が2013年1月1日に(やっと!)可決され、それまで騒がれていたFiscal Cliff (財政の崖) 懸念は一応の解決を見ました。年末年始も返上で長~いミーティングに耐えてくれた議会の皆さんには脱帽しますが、でも、なんか釈然としない感が残りますね。そのThe American Taxpayer Relief Act、名前にTaxpayerとReliefという言葉が入っていますから、さぞかし税負担が少なくなるかと期待しますが、実はそうではありません。ほとんどの人の場合に、税負担は増えます。ではなぜReliefという言葉があるのかって?それは、この法案が可決されなければ、

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    年末のマネー作戦!その1 – 税金対策ともろもろの13項目

    サンクスギビングが終わり、街はすっかりクリスマス色。ついこの前、新しいスクール・イヤーが始まったかと思っていたら、もう師走ですよ!師走が終われば、2013年。1月、2月、3月もまたたく間に過ぎたら、4月はタックス・リターンの締め切りですね!鬼に笑われるといけないので、来年のことはさておき、何はともあれ2012年が終わるまえに、何かやっておけることはないのか!ファイナンシャル・プランイング年末バージョンで~す。12項目のうち今回は1から7までのご紹介。

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    Traditional IRAをRoth IRAにコンバートする?

    Roth IRA コンバージョンということばをお聞きになったことがあるでしょうか?アメリカでのリタイヤメント準備についての記事を読んでいると、このRoth IRA コンバージョンはここ数年よく目にするちょっとしたハヤリ用語です。これは、手持ちのTraditional IRAをRoth IRAにコンバートする(Traditional IRAから資金を引き出してRoth IRAに入れ替える)ことを意味します。

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    Roth IRAとTraditional IRA どちらを選ぶ?

    Roth IRAとTraditional IRA、どちらがベターか・・・という質問をよく耳にしますが、それはまさにケース・バイ・ケース。どちらがベターかという前に、収入がなかったり逆に多すぎたりしてはそもそも利用できない場合もあります。では、どちらも利用できるというのであれば、どうやって選べばいいのでしょうね。まずは、比較表から・・・

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    IRAのキホン – IRAって何?

    IRAはIndividual Retirement Arrangements(あるいはAccounts)の略で、リタイヤメントのための積み立てプランのことです。401(k)と並んで、リタイヤメント準備のためによく使われるツールです。IRAの主な利点は、投資の利回りにかかる税金が、老後に資金を引き出すまで遅延される(tax deferred)ということです。反対に、IRAの欠点は、59歳半になる前に資金を引き出した場合や、

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    タックス・リターンをどうするか(4) -人に頼んでも、無くならないあなたの責任

    「タックス・リターン、やっぱり私は人に頼もう」と思うのも無理はありません。面倒ですものね。でも、人に頼んでも自分のタックス・リターンに対しての最終的な責任は自分にあるのです。全4回シリーズでお届けしてきました「タックス・リターンをどうするか」の今回は最終回。1回目は、自分でするといいところ、人に頼むといいところを考えてみました。2回目は自分でするか、人に頼むかをどう選ぶかとその心構えについて考えました。3回目は自分でやってみよう思うけど

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    タックス・リターンをどうするか(3) - 自分でするのは思っているほどコワくない

    タックス・リターン、自分でやってみようかな~・・・ ちょっとコワいかな~・・・なんて思ったりしませんか。この「タックス・リターンをどうするか」は全4回シリーズでお届けしています。1回目は、自分でするといいところ、人に頼むといいところを考えてみました。2回目は自分でするか、人に頼むかをどう選ぶか、またどの選択肢を選ぶにせよ気に留めたいポイントについて考えました。第3回目の今回は、自分でやってみたいけど、ちょっとコワイと思っている人のために

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    タックス・リターンをどうするか(2) - 自分でしても、人に頼んでも・・・

    シリーズ1回目では、自分でするといいところ、人に頼むといいところを考えてみました。人に頼むのは簡単でラクではありますが、自分ですると自分のファイナンシャル・ライフの概要がつかめるという利点があること、このような概要をつかんでいると将来のファイナンシャル決断のさまざまな局面で役立つという利点があることをご紹介しました。シリーズ2回目の今回は、では具体的にはどうするか。自分でやるのか人に頼むのか、どのような考えで臨めばいいのか

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    タックス・リターンをどうするか(1) - 自分でする?人に頼む?

    みなさん、タックス・リターンはお済みでしょうか?自分でしますか?人に頼みますか?2010年のIRSの発表によると、個人納税者のうち約67パーセントがe-fileを利用し、e-fileをした人のうち35%以上が自分でタックス・リターン書類を作成したとのこと。家のパソコンで自分で作成しe-file・・・というパターンは増加傾向にあるようで、その分、プロ頼むという人は少しずつ減っているそうです。オンライン・バンキングや

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    税金を払う代わりにお金がもらえる - Earned Income Tax Credit

    年収5万ドル弱、子ども3人の家族なら、最高で$6,000弱、フェデラル政府からお金がもらえるかもしれません。これはEarned Income Tax Creditというもので、所得が限られた世帯を援助するために設けられた制度です。ただし、このEarned Income Tax Credit、申請手続き(タックス・リターンで)をしなければもらえません。資格があるのにそれを知らずに申請しない家庭がたくさんあるのです。支払うべき税金がないからといって、タックス・リターンをすることを思いつかない場合もあるようです。

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    インカム・タックスの格差 - どうしてこうなるの?

    アメリカはもちろんプログレッシブ・タックス(累進課税)・・・ってことは、お金持ちほど、税率が高くなるんだよね~と思いきや、そうでもないわけでして。稼いだお金にかかる税金にも、う~むとうなりたくなるような格差が潜んでいるようです。「プロパティ・タックスの格差 - どうしてこうなるの?」に続いて、今回はインカム・タックスの格差を調べました。

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    プロパティ・タックスの格差 - どうしてこうなるの?

    最近よく見かけるのが「inequality」という言葉。直訳すれば、「不均衡」とか「不平等」とかになるのだけど、日本的にいえば「格差」というところでしょうか。スーパーリッチはどんどんリッチになり、ミドルクラスの生活は苦しくなるばかり。。。今日取り上げる「格差」は住宅にかかるプロパティー・タックス(固定資産税)の「格差」です。大きくて豪華な家に住んでいるほうが、小さくてフツウの家に住んでいるよりタックスが高いはずだって?いえいえ、そうは問屋が卸さないのがここアメリカ合衆国のカリフォルニア州。。。

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