学費を貯める-529プランを賢く選ぶ(2)

Last Updated on 2019年1月31日 by admin

どう529プランを選びカレッジ資金準備を始めればよいのか・・というところに焦点を当て、2回に分けてお届けしています。今回は2回目。この529プラン活用策はStep 0からStep 6までの7段階にまとめていきますが、1回目はStep 0からStep 2までの基礎3段階をカバーしました。2回目の今回は、Step 3からStep 6までの実行段階をカバーします。Step 3は、自州の529プランだけではなくアメリカ50州のすべての529プランに選択対象を広げる方を対象にしています。

2019年改定版がこちらにあります:学費を貯める-529プランを賢く選ぶ(2) 2019年改定版

 

Step 3:どの州の529プランを選択するか

自州だけでなくどこの州の529プランを選択してもよい・・・と言われても、かえって困惑してしてしまうという方も多いでしょう。なんてったてアメリカ50州、全部の529プランなど吟味していられません。そんな場合は、こちらのランキング表を参考にされるとよいでしょう。

529 5cap ranking

この表はsavingforcollege.comが各州の529プランに対する評価をまとめたもので、投資パフォーマンス、手数料などのコスト、投資プランの特徴、プログラムの信頼性などの指標を使い総合点を5Cap満点で表示しています。左の列がその州の州民にとっての評価、右側の列がその州以外に住んでいる人にとっての評価です。前記の州税の優遇措置やその他州民対象のサービスがあると、州民評価がよくなっています。advisor-soldと書いてあるのは、ファイナンシャル・アドバイザーを通して買うプランです。表記がないのはdirect-sodといって自分で直接積み立てるプランです。savingforcollege.comでは、advisor-soldとdirect-soldとはそれぞれ異なる評価基準で評価していますので、advisor-soldは他のadvisor-soldとの比較、direct-soldは他のdirect-soldとの比較には適していますが、advisor-soldとdirect-soldを混合して比較するのはふさわしくありませんので注意ください。この表では、4cap以上、できれ5capのプログラムを選ぶと安心かと思います。

このadvisor-soldとdirect-soldについて少々加筆いたします。州によっては、このどちらかしか提供していなかったり、このどちらも提供していたりします。advisor-soldを選んだ場合、529プランの選択と運用にあたってさまざまコンサルテーションやアドバイスが受けられる一方で、それに対しての料金をなんらかの形でアドバイザーに支払う必要があります。この料金はsales loadとして積み立ての一定パーセントを徴収されたり、あるいは上記で書いた手数料(Fee & Expense)の一部として徴収される(結果としてこれらの買い方をする529プランは、手数料の高い場合が多く、最低でも1.00%弱、高いと1.80%ほど)ことで、529プランを利用する限り継続的に支払うことになります。コンサルテーションやアドバイスを継続的に必要とし、それらに満足している場合は払う価値があるかもしれませんが、たった一度アドバイスを受けて継続的に料金を支払うのは腑に落ちないと思われる場合は、direct-soldのほうがよいでしょう。

もうひとつ、529プランのランキング表をご紹介します。こちらはMorning Star社が発行しているものです。各州のプランをGold、Silver、Bronze、Neutral、Negativeの5ランクに分けています。

529 morningstar ranking

このランキング表では、上記にあるGoldかSilver(上図はGold とSilverだけの抜粋です)に入っているものを選びたいところです。SilverにAdvisor-soldが2プラン入っていますが、これもAdvisor-soldがどうしても必要な場合に、Advisor-soldのプランの中から選ぶとすれば、これらの2プランが適切であるという捕らえ方がよいでしょう。無駄な手数料をかけなくない場合は、Direct-soldをお勧めします。

Advisor-soldを選び継続的に手数料を払うことはしたくないが、かといって完全に自分でプランを選択するのも難しいという場合には、選択時だけの有料コンサルテーションを利用することをお勧めします。Smart & Responsibleでは、時間チャージでdirect-soldプランの選択のご相談を承らせていただいています。ご利用ください。

 

Step 4:529プランを決めたら、その中の投資プランを決める

この時点で、どの州のどの529プランに投資をするか決まりました。次は、その529プランの中で提供されているいくつかの投資プランのうち最適なものを選ぶ作業が必要となります。これは、401kやIRAなどの中の投資プランを選択するのと同じ作業です。実際にその州の529プランのWebサイトに行き、どのような投資プランが提供されているか詳しく見てみることをお勧めします。529プランの名称がわかっている場合は、その名称でgoogle検索するのが一番簡単です。

名称がわからない場合は、こちらのサイトから該当の州を選択するとその州の529プランリストが出てきますので、Plan Detailというボタンを選び詳細情報ページにいきます。Investment Optionというところに選択できる投資プランのリストがあります。あるいは、ContactというところからそれぞれのWebページにいき詳しい情報を確認します。

投資プランの選択では、提供されている株式ファンドや債券ファンドをうまく組み合わせてポートフォリオを自分で組み立てるのもいいですが、そういう面倒はちょっと・・・という方には、多くの529プランで提供されているAge-basedファンドがお勧めです。こちらは、お子さんの現在の年齢によって、すでに株式や債券がうまい具合で組み合わされており、お子さんが小さいうちはハイリスク・ハイリターンの株式比率が高く、お子さんが大きくなりカレッジに行く年が近づくにつれ、ローリスク・ローリターンの債券比率が高まっていくという自動ポートフォリオです。リタイヤメント口座のTarget-dateファンドをご存知の方でしたら、概念が似ているのでお分かりになるかと思います。

Age-basedファンドはお子さんの年齢を選択すれば自動的に決まるものもあれば、年齢を選択したうえでさらに、actively-managedファンドか、passively-managedファンドかを選択できる場合があります。前者はマネージャーがアクティブに高リターンの期待できる投資媒体を選んで運用するもので、手数料は高め(平均0.85%)です。一方、後者はいったんふさわしい投資媒体を選んだら基本的にずっと持ち続けるもので、手数料は低め(平均0.41%)です。多くの過去のリサーチでactively-managedは高手数料に見合うだけの高成績を、長期間にわたって恒常的に収めることができないという結果がでており、Smart & Responsibleでもこの立場に賛成です。よって、passively-managedファンドを選ぶことをお勧めしています。

 

Step 5: 529プランを開き投資を開始する

どの州のどの529プランで、どのような投資選択にするかを決めれば、あとは口座を開いて入金をするだけです。オンラインで銀行口座を開いたり、投資口座を開いたりしたことがある方なら、同じような感覚で529口座を開くことができます。オンラインで口座開設は敷居が高いという方は、Enrollment Kit(口座開設キット)を郵送で取り寄せて、必要フォームに記入し当初入金する額のチェックとともに郵送で口座を開設します。もちろん、必要にあわせ、月々の自動積み立てなども設定することができます。

口座開設に必要な情報は、親(Account owner)、子ども(Beneficiary)、必要によりAccount ownerである親が亡くなったときの口座継承者(Successor account owner)の、氏名、生年月日、ソーシャル・セキュリティ番号あるいはタックスID番号などです。

 

Step 6:定期チェック

お子さんが小さいうちは数年に一度、カレッジ入学年齢に近くなるにつれ一年に一度くらいは、529プランの運用が必要にあっているかをレビューするのがよいでしょう。

必要に応じ投資プランの変更は、現在のところ1年に2回まですることができます(将来的に4回になる可能性あり)。高利回り狙いでどんどん投資プランを変更することはお勧めしません。そのような動きは返って、投資の整合性を崩しかねないからです。プランの運営会社が変わってパフォーマンスが落ちたり、カレッジ入学が近づいた(すでに入学した)のでより安全な路線に変更したい場合や、他に低手数料のよりより529プランができた場合などに、変更をかけるのがよいでしょう。

 

529の選択と積み立て開始のガイドラインをまとめましたが、いかがでしたでしょう。なるべく多くの方がよりより529プランの選択をできるよう、必要な情報をまとめたつもりですが、もしも529プラン選択や投資プラン選択で確認したいことがおありだったり、ちょっとしたヘルプが必要ということであれば、Smart & Responsibleのプラニングサービスをご利用ください。時間チャージで承ります。

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4 comments

  1. 初歩的な質問ですみません。他州の529アカウントから引出しする際の手数料が心配なのですが、地元銀行に振り込みする形で引き落としするのでしょうか?ユタ州の529に興味があります。

      1. 他州のプランで不便を感じる心配は無さそうですね。ありがとうございます。

        1. 他州のプランだと、州の所得税控除がないなど、州民特有のベネフィットが受けられないことがありますが、使い勝手上は不便はないかと思います。

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