大学生の健康保険:Student Health Insurance

息子が9月からカレッジに行きますが、さっそく大学から最初の請求書が届きました。Tuition、Fees、Room & Boardに加えて一行さらりと請求されていたのが、Student Health Insuranceの保険料、$1,050(1クォーター=3か月強)でした。我が家の場合、主人がUniversity of California(UCLA)に勤めていてUCの健康保険があるのですが、息子がカリフォルニア内の大学に行った場合は、現在の健康保険をそのまま息子にも継続しようとあらかじめ計画していました。息子も結局University of Californiaに行くことになり(違う学校でUC Santa Barbara)、「健康保険は、じゃそのままで・・」と思っていましたが、大学から送られてきたStudent Healthcareの冊子をみながら、ちょっと考えさせられました。

 

オンキャンパスの気安さ

UCSBのStudent Healthcare Insuranceに入れば、キャンパス内のStudent Healthcare Centerを使えます。予防注射や定期健診は無料。プライマリーケアー医に加えある程度の専門医(Alcohol& Drug Counselor, Dermatologist, Dietitian, Gynecologist, Orthopedist, Physical Therapist, Psychiatristなど)がいて、こちらも無料で受診できます。なんといってもStudent Health Centerのよいのは、キャンパス内にあること。具合が悪い時、寮に住んでいて車のない学生にとっては、キャンパスから出ないで受診できるのはとても便利です。

ちなみに、主人のUCLAの健康保険(UCLAの保険というか、UC全体で提供している保険なので、もちろんUCSBに勤務している人も使っている保険です)で、UCSBのStudent Health Centerが無料で使えないのか問い合わせてみましたが、答えはバツ。同じUCだけど、Faculty HealthとStudent Heathとはまるで別モノというわけなのでしょう。主人の健康保険ではサンタバーバラにもネットワーク医が相当数存在するのですが、ただ、もちろんどの医者もキャンパスの外になります。我が家の息子の場合、とりあえず一年目はオンキャンパスの寮に住み、移動はもっぱら自転車というわけで、具合の悪い時キャンパスの外の医者に行くのが大変かな?とも思い、ちょっとばかり迷いました。

 

比べてみる。。。

学生が利用しそうなある程度の医療サービスや専門医への受診は、Student Heath Centerか、あるいはオフキャンパスの半径50マイル以内(といっても、キャンパスの向こう側は海だけど・・)の受診なら、リフェラルなしでOK+無料なので、かなり便利です。もしちょっとした病気をして入院したり、検査など受ける場合、Co-insuranceが20%。年間Deductibleは$400とまあ低め。そのうえ、DentalとVisionもついていて、カバレッジとしては悪くありません。年間$3,000超の保険料ですが、これで全部済んでしまい、だいたいのサービスがキャンパスで受けられるなら、入ったほうがいいかな?という考えも。。

一方で、我が家の現在の健康保険は、オフキャンパスの医師に行かねばならない、HMOなのでプライマリー医を通さねばならない(ただし、最近は、たとえば目の症状だの、足の症状だのとはっきり最初から専門医に行ったほうがいいという場合は、電話でリフェラルが出してもらえることも多い)という面倒があるものの、プライマリー医を通して受ける治療はすべてCopay$20。入院や検査も小さなCopayを払えばあとはCo-insuranceなし。Deductibleはなし。今まで使ってきてかなり満足度は高い保険です。

 

そして結局。。。

ちょっと考えたものの、結局、主人の健康保険で息子もそのまま継続カバーすることに決めました。Student Health Centerを使えないという不便はあるものの、キャンパスからちょっと出れば医師ネットワークには十分アクセスできること、もし入院や検査などがかさんだ場合のカバレッジは現在の保険のほうがずっとよいこと、そしてなによりも息子をそのまま継続カバーすれば、年間$3,000強の保険料がまるまる節約できることが決定的な理由でした。

UCSBの場合、Access Planというプランがあって、年に$465払うと、Student Health Centerのある程度のサービスが使えるようになる(ある程度のサービスは無料で、そのほかは有料)プログラムがあります。ただ、これは保険の代わりではなくて、保険をすでに持っているけれど、たとえばオフキャンパスのプライマリー医に行く代わりにキャンパス内で済ませたいなどの理由で、Student Health Centerが使いたい場合に追加で入るものです。吟味してみましたが、ま、これはいらないだろうということでやめました。

キャンパスの外に医師に会いに行くのは面倒かもしれませんが、なんとなればUberなどを使ってもいいし、友達で車のある人に頼めるかもしれません。いずれにせよキャンパスから数マイル内に医師ネットワークがあることが確認できたので、必要なときはなんとかなるでしょう。また、Dental とVisionは現在の主人の職場経由の保険でそのままカバーし、休みの時に帰ってきたときに、必要な検診を受ければ済む話だと判断しました。もし、緊急のことがあって学期中に治療が必要となっても、3時間も走れば家に帰ってこられる距離だというのも、そう決めた一要素でした。

 

 

。。。というのが我が家のストーリーでしたが、いかにStudent Health Insuranceをどう考えるかの指針をまとめてみます。

オバマケア(Affordable Care Act)の施行により、現在、大学生が健康保険を考えるとき複数の選択肢があります。

 

親の健康保険にとどまる

ほとんどのグループ健康保険ではDependent Coverageとして子どもの追加加入ができるようになっており、その場合、子どもは26歳になるまで、親の健康保険に追加加入できます。保険によりますが、Dependentとして子どもを何人加えても保険料は同じという場合も多いので、子どもが二人以上いる場合、すでに一人は入っているのなら、もう一人加えてもコストは変わりません。また、多くの場合、大学の提供するStudent Health Insuranceは学生のニーズに焦点を合わせて作ってあることが多く、全体的なカバレッジを考えたときには、親の雇用主を通しての保険のほうがずっとよいという可能性は高いといえます。

もしもDependent Coverageが提供されていない場合には、残念ながらこのオプションは考慮できません。

また、Dependent Coverageがあったとしても、もし子どもが州外のカレッジに行く場合、ネットワーク医へのアクセスがないか、あるいは難しいということがあるかもしれません。この場合、保険には入っているもの、実際は「使えない」ことを意味したり、使おうとするとネットワーク外ということで高額請求につながったりします。この点はよくチェックしておく必要があります。

なお、場合によっては、親の保険を変更して、州外のネットワーク医にアクセスできるようにする選択肢がある場合もあるかもしれません。たとえば、主人の雇用主であるUniversity of Californiaは何種類かの健康保険を選択肢として提供しています。そのうちの現在加入しているHMOポリシーはカリフォルニア州だけにしかネットワーク医がありませんが、PPOポリシーで州外にもネットワーク医がある保険も提供されています。よって、息子が州外の大学に行ったら、家族でこのPPOポリシーに乗り換えて、息子を継続カバーしようと計画していました。よって、親の加入可能な保険の選択肢を把握しておくことも重要です。

多くの大学では、Student Health Insuranceへの加入がデフォルトとなっており、こちらからStudent Health InsuranceのWaive手続きをしない限り、自動的にStudent Health Insuranceへ加入手続きがされ、請求もほかの費用と一緒に自動送付されてきます。よって、親の保険を使うのであれば、Waive手続きをしてStudent Health Insuranceをはずしてもらう必要があります。

 

大学のStudent Health Insuranceに加入

すべての大学というわけではないようですが、多くの大学が、学生対象の健康保険プランを提供しています。大学自体が保険を管理提供している場合もあれば、第三者の保険会社と組んで提供をしている場合もあるようです。健康保険料は、他の大学の費用(Tuition、Room&Boardなど)と同じくくりに扱われ、ファイナンシャルエイドの適用対象となります。これは、Financial Aidマネーや、Student Loanを使って保険に加入することができることを意味します。

Student Health Insuranceは通常、学生にニーズに焦点を当てて作られているので、オンキャンパスで医療が受けられるという便利さがある一方で、より包括的な健康保険に比べるとカバレッジが限定的という可能性もあります。親の雇用主経由のグループ保険、Health Insurance Exchangeを通して加入する個人保険のほうが、値段の割にカバレッジがよいということもあるかもしれません。加入を考えている場合には、オーバービュー的な情報だけ見るのではなく、Fine Printまでしっかり読んで吟味する必要があります。

 

Health Insurance Exchangeで購入する

Health Insurance ExchangeあるいはMarketplaceと呼ばれる州の保険購入サイトで保険に入ることもできます。各個人の事情にももよりますが、場合によっては、Exchange/Marketplaceで購入すると、Tax Creditが受けられ、よりよいカバレッジがより安く受けられることもあります。

 

Medicaid

状況によっては、学生がMedicaidに申請することができる場合もあります。オバマケア施行後、65歳以下で収入がFederal Poverty Levelの133%以下であれば、Medicaidに加入できるようになりました(26の州で)。もし加入許可されれば、保険料はゼロ、医療費も最低限になります。ただ、Medicaidをアクセプトする医師にかかる必要があります。

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