自動車保険のリファンドとこれから

4月はじめにAllstate と American Familyの2社が、コロナウイルスの影響によるStay-at-Homeの実施により保険金払い出しの軽減があったため、その分を保険契約者に払い戻すとは発表しました。

自動車保険会社はさまざまなデータを使って、事故の発生確率や補償額の大きさなどを統計的に割り出し、契約者の払う保険料の額を計算します。利用するデータのうちのひとつ、Miles Driven(走行距離)は直接事故の発生確率に影響しますが、Stay-at-HomeによりこのMiles Drivenは大きく減少しました。モバイルデータ分析を専門とするArity社は、3月半ばから4月22日までの間に、全米でのMiles Drivenの数値は50%減少したとしています。

いち早くリファンドを決定したAllstate と American Familyに続き、他社もリファンドを発表しています。各社で、リファンドを受けるための条件やその大きさが違います。いつの時点で契約者でなけれならないかという条件について、何月何日とピンポイントで指定している会社もあれば、ある程度の期間を指定している会社もあります。また、リファンドの大きさは、一定期間の保険料の〇%としている会社もあれば、契約者一律車一台につき$50ドルなどようのうに固定額にしている会社もあります。さらに、リファンドの方法は、自動的に口座にクレジットされる場合や、小切手発行される場合、あるいはこれから支払うリニューアル時のディスカウントとして反映される場合などがあります。

ただ、ひとつ共通しているのは、リファンドを受けるために、契約者側から申請したり、何らかのアクションを起こす必要は決してないということです。この機会を悪用して、保険会社を偽って個人情報を要求するなどの詐欺活動が心配されているというFCCの警告がありますので、どうぞ反応されませんように。

各社のリファンド額を簡単にまとめたもの(Forbes社しらべ)が以下です。詳しくはご自分の保険会社のWebページなどご参照ください。

  • American Family Insurance: $50
  • Amica: 20% credit for April and May
  • Allstate: 15% for April and May
  • Auto-Owners Insurance: 15% refund for April and May
  • Chubb: 35% reduction for April and May, upon renewal
  • The Cincinnati Insurance Cos.: 15% credit for April and May
  • Erie Insurance: Varies by individual and state
  • Farmers: 25% for April
  • Farm Bureau Insurance of Tennessee: Special payments will equal 24.75% of two months premium
  • Germania Insurance: $25 payment March and April.
  • GoAuto Insurance: 15% premium reductions for April and May for Louisiana and Nevada policyholders
  • Geico: 15% on the entire six-month policy upon renewal
  • The Hanover: 15% refund for April and May
  • The Hartford: 15% credit for April and May
  • Liberty Mutual: 15% on two months’ of premiums
  • Main Street America: $50 per eligible vehicle
  • Nationwide: $50
  • NJM Insurance: 15% on the equivalent of three months of premium
  • NYCM Insurance: 15% credit for April and May
  • Plymouth Rock Assurance: 25% credit on liability and personal injury protection coverages
  • Progressive: 20% for April and May
  • Safety Insurance: 15% credit for April and May
  • Selective Insurance: 15% credit for April and May
  • Shelter Insurance: Approximately 30% refund for April and May
  • State Farm: Average of 25% of premium owed between March 20 and May 31, 2020
  • Travelers: 15% for April and May
  • Union Mutual of Vermont: 15% credit
  • USAA: 20% on two months’ of premium
  • Westfield: 15% credit for April, May and June

J.D. Powerは、コロナの影響で、契約者の保険会社比較がさかんになるだろうとしています。雇用や家計状況の変化で保険料の見直しが必要となるケースも多く、保険のキャンセル、補償範囲の見直し、競合他社からの見積もり比較などが今後増えるだろうと予想されます。

Stay-at-HomeでいったんMiles Drivenが下がったものの、ロックダウンが解禁されればまた元と同じレベルの通勤・通学になるという人もいるでしょうし、一方でzoomミーティングなどの導入でリモートで対応可能なことも増え、今後は以前ほどは運転をしない生活をキープしたいという人も増えるかもしれません。

2008年の金融恐慌のときには、それまで支払っていてもあまり注目されなかったミューチュアルファンドの手数料にフォーカスが当たり、その後ローコストインデックスファンドへの資金流出が続き、全体的に手数料の劇的な低下がありました。同じように、今回の経済打撃では、ふつうに支払っていた家計の中の費用(とくに定期的に発生する保険料やユーティリティ、会員費など)の見直しが進むのではないかと思います。

自動車保険の場合、こんなコスト削減法があるようですのでご紹介します。

Pay-Per-Mile Insurance

実際のMiles Driven(走行距離)によって、保険料が決まる保険です。例としては、こんな具合に保険料が計算されます:

月々の保険料=固定保険料$29/月+$0.06x前月の実際の走行マイル

月々の保険料=固定保険料$1.50/日x日数+$0.06x前月の実際の走行マイル

リモートワークが増える、子どもが大きくなってお迎え・習い事などの運転が減るなど、ライフスタイルの変化があった場合には考慮にたるかもしれません。Miles Drivenデータは、保険会社の提供するデバイスを車に搭載したり、スマホAPPなどを利用することで集められます。

以下の会社などがPay-Per-Mileを提供しています。州により、提供状況は異なります。

Pay-as-You-Drive Insurance

Miles Drivenだけでなく運転の総合的なパターンについて詳しい情報を提供することで、一定の基準でSafe Driverだと認識されれば、通常よりも保険料が削減できる可能性があるというプログラムです。運転する曜日、時間帯、スピード、加速減速のパターン、ブレーキ利用のパターンなど運転の習慣についてのデータが吟味され、通常の10%~30%程度の減額が見込めます。このプログラムにサインアップすれば即刻5~10%の保険料削減を提供するところ、一定の運転パターンで“安全”とみなされればディスカウントが提供されるところ、あるいはかえって”危険“と判断されてふつうより保険料が上がる可能性のあるところなど、ハンドリングは保険会社によって異なります。上のPer-per-Mileと同様に、データは保険会社の提供するデバイスを車に搭載したり、スマホAPPなどを利用して集められます。

下の会社などがPay-as-You-Driveを提供しています。州により、提供状況は異なります。

ご自分の運転パターンでどのくらい保険料が下がる可能性があるかを判断できるツールがあります。こちら。 これで可能性大ならば、Pay-as-You-Drive の保険を探してみる価値があるでしょう。

Low-Mileage Discount

Per-per-Mile やPay-as-You-Driveモデルは、保険会社の専用デバイスやスマホAPPによる走行距離、運転パターンの情報提供が必要になります。これはある意味、個人情報を保険会社にシェアするということで反感のある方もいらっしゃるでしょう。

それに比べ、Low-Mileage-Discountはもう少しアナログで、3か月とか半年など一定期間ごとにオドメーターの数値を報告し(Webの自分の口座内で入力するなど)、保険会社が走行距離を割り出し、一定以下なら次の保険料にディスカウントを反映させるというものです(保険会社によってやり方に差はあり)。年間7,500マイル以下で最もコスト減となります。USAA、State Farmなどが比較的大きなディスカウントを提供しています

保険は州ごとにルールが異なり、また日々サービスも更新されます。私は保険の専門家ではにので、以上の情報はあくまでご参考まで。

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