どのチャリティにドネートする?

アメリカでも日本でも、いや世界中で、自然が猛威をふるい大規模な災害のニュースを目にすることが多くなりました。ニュースで被害の状況を見て心から同情したつもりでいても、物理的に遠く離れたところのこと、結局30分後には普段の生活にかまけて被害に遭った方のことを忘れてしまっている自分の身勝手さを思います。すぐに現地に行って手伝うことはできなくとも、せめて少し募金でもすることができたら・・・という思いもあります。同じように感じる方も多いのではないでしょうか。そんなとき、みなさんならどこの団体にドネートしますか?Non-profitと銘打たれる非営利団体ならば、どこでも受け取ったお金を善意で使ってくれるはず・・と思いきや、実はそうでもないこともあるようです。自分がドネートするお金を、なるべく無駄なく、ドネートするその主旨をきちんと実現してくれる団体、これをいかに見つけるか・・という、今日はそんなお話です。

お店やサービス会社から物やサービスを購入するときは、なるべく安くなるべく質の良いものを提供してくれるビジネスを一生懸命選びますね。Smart & Responsibleなお金の使い方です。それと同じように、非営利団体にドネートするときも、Smart & Responsibleにドネートすることが大切なようです。なぜなら、ビジネスや会社にもいろいろあるように、非営利団体にもいろいろあるからです。ドネートしたお金を本来の目的ではないもの使ってしまうような、無駄遣いをする非営利団体はなるべく避けたいですね。

Forbes誌がForbes list of the 100 largest U.S. charitiesというランキング付けを行なっています。私たちがタックスリターンをする義務があるように、非営利団体もForm 990という申請書でIRSに対して運営状況を報告する必要がありますが、Forbes誌はこのようなパブリックになっている情報を集めて、運営の成績付けをしています。

成績付けの3つの柱は以下の通り:

CHARITABLE COMMITMENT :発生する費用の全体のうち、そのチャリティーが歌っている主要目的を果たすために発生した費用の割合。たとえばこの数字が80%なら、80%は主要目的のために使われるが、20%は他の費用に掛けられたということ。どのくらいの本来のチャリティ目的に金銭的にコミットしているかの指標です。

FUNDRAISING EFFICIENCY : ドネートされたお金のうち、ファンドレイジングのためにかかった費用を差し引いて残ったお金の比率。この数字が91%なら、$100ドネートされたうち、$9はファンどレージング費用に掛かり、残り$91が実際の実入りということ。ファンドレイジングの効率性の指標です。

DONOR DEPENDENCY :団体の運営継続が、年々ドネートされるお金にどのくらい 依存しているかの比率。この数字が90%なら、本年度の運営には90%が使われ、残り10%は来年以降の持ち越すことができている状態。これは高いほどいいかというとそうでもなく、真剣にチャリティ活動を行っているのでカツカツという団体もあるし、お金があるのに本来目的に使う額を上げず将来にため込んでいるという団体もあります。

100団体のうちトップ5は以下のとおり。

一位のMatthew 25: Ministriesは聞いたこともなかったので、ちょっと調べてみました。団体の目的は下記のとおり:

The work of Matthew 25: Ministries helps the poorest of the poor and disaster victims throughout the United States and around the world.

自然災害の被害者のためにもきっとお金が使われますね。

 

チャリティをチェックする3つのWebsite

Forbesは大きな非営利団体100社のみを報告していますが、サイズの大小に関わらず、チャリティの運営成績をチェックできるサイトがあります。

たとえば上のMatthew 25: Ministriesを、Charity Navigatorで調べてみると・・

レイティグは4つ星

トータル費用のうち99%以上がチャリティの主旨に使われ、AdministrationやFundraisingにかかっている費用はそれぞれ0.2%。ドネートしたお金のほとんどが本来の目的に使われているのが分かります。

ちなみに、CEOやその他Executiveの報酬も載っています。日本人の感覚からすると、非営利団体なのに、$200,000以上の報酬?・・とびっくりするかもしれませんが、非営利団体を運営するもの労力と才能が要りますからね。。

ちなみに、あまりよくない団体の例も見てみましょう。

 

たとえば、こちら。その名のとおりがん研究のための非営利団体です。こちらは1スター。

中身を見てみると、全体の費用の38%弱しか、本来のがん研究目的へお金が回っていません。なんと50%弱はFundraising費用という残念な成績。$100ドネートしても、そのうち$50弱はダイレクトメールやテレマーケターの費用になるということです。Administrationにも15%がかかっていますので、オーバーヘッドの多い運営であるのがわかります。

こんな運営状態なのに、トップ陣は$380,000強の報酬を得ています。これを見ると、たとえ団体の歌っている主目的には賛成できたとして、お金はドネートしたくないな・・と思ってしまいます。

上でご紹介した3つのサイトはどこも、From 990のようなパブリック情報を使って評価をしています。評価の指標の作り方がそれぞれ違うので評価結果も異なりますが、せっかく一生懸命働いたお金をドネートするなら、これらの評価がよい団体に寄付したいと思います。よかったら参考にしてみてくださいね。

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