負債とか借金とかいうと、ふつうはあまりよくないイメージがありますね。日本人は、アメリカ人一般に比べると比較的負債を持ちたくない、できる限り借金はしないという考え方の人が多いように思います。しかしながら現代の私たちは一切借金をしないで暮らせるかというと、ほとんどの人はそうではありません。つまるところ、クレジットカードを使って生活していれば、たとえ月々全額を返済していたとしても、かなり短期間ではありますが借金をしていることになります。お金を全く借りないで生きることは不可能とも言ってもいいでしょう。
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返済能力から考えるスチューデントローン
2016年のスチューデントローンの全米合計負債額は$1.3トリリオン、負債者の数は4千4百万人。2016年卒業生の平均ローン残高は$37,172でした。できれば負債なしで卒業したい大学ですが、なかなかそうはいかないのも現状でしょう。また、学生自身がローンを負うのは、その後社会人としてしっかり働くモチベーションにもつながるので、ある程度の負債ならよいのではないかという考えもあります。今日は、学生がローンを負って卒業するのだとしたら、どの程度までなら大丈夫かというあたりを探ってみたいと思います。
ホームエクイティ・ローンとHELOCを知る
“Tapping into equity”という表現を聞いたことがおありでしょうか?これは、持ち家の中のエクイティ部分、つまり家の市場価格からモーゲージ・ローン部分を差し引いたもの、にアクセスして、お金を借りる・・ということを意味しています。要は、持ち家のエクイティ部分を担保に借りるローンのことです。以前の不動産市場のバブル時には、この”Tapping into equity“を歌ったダイレクトメールをよく見かけたものです。”今、お考えのキッチンリノベーションを実現しましょう!“とか、”クルージングボートや、キャンピングカー!ずっと欲しかったものを手に入れましょう!“とかひいては”夢の世界一周旅行をしましょう!“などのぴかぴかしたキャッチとともに、広告がたくさん舞い込んできたものです。
人のいいなりにならない家の買い方
「いくらの家なら買えるか」。。。家を買おうとする人なら一番最初に考える質問ですね。実際、“How much house can I afford?”とgoogle searchしてみると、このトピックで書かれた記事はわんさか出てきます。すぐ使えるCalculatorも用意されていて、必要な数字を打ち込んでenterを押すと、「はい、あなたは○○ドルまでの家が買えます」と答えを出してくれます。でも、待って。。このようなアドバイスを鵜呑みにして、購入する家の値段を決めるのには危険があります。
401(k)マネーでモーゲージを返済する? – ちょっと待って..
が・・というご質問を受けることがあります。そうしたほうがいいか、そうしないほうがいいかは、細かい状況をお聞きして計算をしてみないとはっきりしないことですが、ただ多くの場合はしないほうがいい方に軍配が上がります。老後は負債なしで生活したいというのは誰もの願いでしょう。自分の家がローンゼロ、100%自分のものになるという心理的な安堵感もあります。年金を使ってまでもローン返済はしたくないというのも分かります。借金というものに対してそもそもネガティブなイメージのある日本人にとっては、リタイヤメントを機にモーゲージを一度に返済してしまいたいと考えるのは自然のことにように思えます。今日はこの点について考えて見ます。
モーゲージ - 無理に15年ローンにしないのが賢明なわけ
15年ローンが魅力的なわけ
15年ローンの大きな魅力は、30年ローンに比べて支払う利子の総額を大きく削減できることです。下は$400,000を、15年固定金利と30年固定金利で借りた場合に支払う利子の合計です。
15年固定では利子合計が$88,607なのに対し、30年固定では$236,619と2.6倍もの利子を払うことになります。その差額は約$150,000で、この額がリタイヤメントや学資に充てられたら・・とも思うでしょう。こう比較すると30年ローンを組むのはいかにも損な感じがして、「この金利の安いうちに早く借りておいたほうがいいですよ」といわれれば、月$1,000の余分な返済額がなんとか負担できるなら15年ローンにしようと思うのが人情というもの。
ちょっと待って
この月$1,000が今も今後15年間も恒常的にある程度の余裕をもって出すことができるのであれば、もちろん15年ローンにしたほうがよいでしょう。しかしながら、$1,000を出すことで将来のリタイヤメントの準備が少々おそろかになるとか、今後子どもを大学にやらねばならないのでその間は学資も心配だとか、余裕がある月もあるかもしれないがない月もあるかもしれないなどという状況があるのなら、無理に15年ローンにしないほうがいいことも多いのです。
とくに注意したいのは15年ローンを組んだがゆえにリタイヤメントの準備が後回しになることです。リタイヤメント準備できちんと積み立てをしていけば、リスク中庸の投資ポートフォリオでも6%~8%程度の利回りは見込めるでしょう。それなのに2.750%の利子で借りたいがために無理して15年ローンで返済額を増やしたので、リタイヤメント準備に回すお金がなくなったというのは愚作です。その反対に、3.375%(30年ローンの金利)で借りておいて、浮いた$1,000をリタイヤメントに回し6%~8%の利回りで増やしたほうが賢いやり方です。
でも30年ローンにしてあんなに大きな利子総額を払うのには抵抗がある・・という方もいらっしゃるでしょう。そういう場合のもうひとつのオプションがあります。そのオプションを見る前に、今一歩、なぜ15年ローンと30年ローンで、支払い利子の総額がこれほどまでに大きく違うのかについて考察します。
なぜ利子総額がこんなに違うのか
15年ローンと30年ローンの金利の差には、理由がふたつあります。ひとつは15年ローンのほうが金利が低いことですが、もうひとつは15年ローンのほうが借り入れ期間が短いということです。そして、このふたつのうちどちらが、利子総額により大きな影響を与えるかというと実は借り入れ期間のほうです。実際の例で見てみましょう。
たとえば30年固定ローンは実は3.375%ですが、もし15年固定ローンと同じ金利である2.750%で借りられたとしたら、利子総額はどのくらい減るかという計算をしてみると、これは$187,867となり、金利が15年ローンと同じ低いレベルに下がったことで節約できる利子額は$48,752でした。
では、30年固定ローンの金利はもともとの3.375%の高いレベルのまま、ただ、30年ではなくて15年間で返済してしまうとするとどうなるでしょう。利子総額は$110,307となり、利子はまったく一緒でも、払い込む利子額を$126,312も節約することができます。
つまり、15年ローンと30年ローンの利子総額の大きな差の第一原因となっているのは、借り入れ期間の長さであり、その次に利子の大きさによることがわかります。借り入れ期間を短くすることができれば、たとえ利子が30年ローンのレベルのままでも、大きく払い込む利子総額を減らすことができるわけです。
そこでハイブリッド策
そこで出てくるのがハイブリッド策です。これについては以前にもご紹介しましたが、30年固定ローンで借りて、余裕があるときにはどんどん元金を上乗せで返済してしまい、実際は30年よりずっと短い借り入れ期間で済ませるという方法です。たとえば、先ほどのように$400,000借りた場合で、敢えて30年固定ローンで借り入れておいて、月々$1,000の追加返済(この$1,000は当初の15年ローンと30年ローンの返済額の差とほぼ同じ額です)をしたとします。そうすると、利子総額は$114,948に下がり15年数ヶ月で返済できます。
オリジナルの30年固定($1,000上乗せ返済なし。真ん中のコラム)と比べると大きく利子が削減できただけでなく、15年固定(一番左のコラム)と比べても税控除前でその差はたったの$26,341です。また、ローンの利子はタックスリターンで税控除(Itemized Deductionを選んだ場合)できますので、たとえばタックスブラケットが28%の方の場合ですと、控除後の実質の差は$18,996という額になります。数千万の差が数万ドルの差に変化しました。
もちろん、コンスタントに月々$1,000が余裕で払えるのなら、最初から15年ローンにすればいいのですが、15年間の間、$1,000の捻出がちょっと苦しい、ちょっと学費に回したい、車を買うのに回したいというニーズがあるとすると状況は違います。30年ローンにしておけば、一時的にこの$1,000の追加返済をやめることができます。あくまで追加返済ですので、するもしないも個人の自由です。これに対し15年ローンの場合は、決められた額、つまり30年ローンよりも約$1,000多い額を必ず返済せねばなりません。しなければデフォルトになります。
税控除後の数万ドルの差は、このフレキシビリティのコストと考えれば十分正当化できるレベルではないでしょうか。このようにファイナンシャルプラニングは、ひとつひとつの要素を単独で見るのではなく、全体的で長期的な見方をして進めていくことがとても大切です。
リタイヤメント資金を長持ちさせる・・・
ファイナンシャルプラニングをする場合、現在デフォルトで使われる平均寿命予想値は95歳です。寿命の延びとともに、リタイヤする年齢も少しずつ上がってきてはいるものの、限られた労働期間で長いリタイヤ期間をサポートするという傾向が進んでいくと予想されます。一般的な傾向として、私たちはリタイヤメントについて、その資金準備期間に注目を当てがちです。しかしながら、本当は貯めるだけ貯めてリタイヤしたらそれでよし・・というものではなくて、実はその後の資金を「使う」フェーズでのプラニングが非常に、非常に、非常に大切です。前回の記事では、比較シンプルに運用してよい貯める期間に対し、リタイヤメント後の使う期間は細やかなプラニングが必要になることを書きました。俗に言われる「引き出し率=4%なら安全」というような短的なルールではなく、さまざまな個人的な状況を鑑みながら、さらに年々の市場の動向を押さえつつ投資ポートフォリオから引き出し+維持運用していくことが大切であることも書きました。今回は、ではそれをどう実行していくかを考えます。
学費ローンの種類と決め方
今年、ハイスクールを卒業された方々は、これからカレッジ入学への準備が本格化しましたね。ファイナンシャル・エイドの選択・決定や、必要経費の把握や支払いはお進みでしょうか? 今回は、とくにファイナンシャル・エイドの中のローンの選択や利方法についてまとめてみることにしました。この記事では、Undergraduateで利用できる連邦政府のローンに焦点をあてています。この中のいくつかはGraduateにも利用可能なものもありますが、あくまでUndergraduateでの利用を念頭に置いています。
リバースモーゲージ - リタイヤメントと金策
リバースモーゲージという言葉をお聞きになったことがありますか?リバースモーゲージとは、自宅のエクイティ(市場価格からモーゲージローンの負債を引いた額)を元に、月々お金を借りるしくみです。つまり、自宅を担保にお金を借りるローンです。これは62歳以上の方を対象にしたプログラムですが、通常借りたお金は死亡したときまで返す必要がないので、存命中は支払いを気にしないで借り続けられるというものです。
スチューデント・ローン - どのくらい借りてもOKなの?
なるべく学生ローンなしでやりたいが、でもやっぱり借りないとムリ?・・アメリカの大学は高いですからね。では、実際どのくらいなら借りてもOKなんでしょうか?このくらいならOKという線が見えていますか?いくばくかの学生ローンを抱えて卒業するのは、むしろ好ましいことでしょう。きちんと働いて返さねばならないという責任感も生まれますし、ちゃんと返済することでクレジット・ヒストリーもできていきます。しかし、大きすぎる借金は新社会人の生活にはこのうえない負担です。
大学に行ってモトがとれるか - 大学っていい投資?
アメリカって何でも調べればデータがあるもので、大学ごとのROIデータを見つけました。
ちょっと説明が必要ですね。下に、項目ごとの意味を書きます。
学生ローンにみる アイビー・リーグとサブプライム大学の差
高いカレッジ費用。なんとなれば学生ローンを借りればOK・・・でしょうか?学生ローンはここ数年ですごい勢いで増えています。アメリカ世帯のうち学生ローンを抱えているのは2010年には19%になりました(2007年では15%。Pew Research調べ)。2011年卒業の学生のうち、学生ローンのある人の平均負債は$26,244だそうです(US News調べ)。カレッジは将来への投資ですから、少しくらい借りても後で元が取れればOKですが、どれくらい借りなければならさそうか?どうやったらなるべくローンは組まないでいられるか? ある程度イメージをつかんでおいたほうがいいでしょうね。。
使えるサイト – Credit Sesamiでクレジット・スコアをモニター
健全なクレジット・スコアをつくり維持していくことはとても大切なことですね。クレジット・スコアがよければ、モーゲージを組むにも車のローンを組むにも、より有利な条件を得ることができます。クレジット・スコアを時折チェックすることで、パーソナル・ファイナンスの状態を把握するのは、血圧を測ったり、コレステロール値を測ったりすることで、自分の健康を維持していくのと似ているかもしれません。でも、クレジット・スコアって簡単にはすぐに見られませんね。見ることができないわけではありませんが
タダでクレジット・スコアをゲットする-MyFICO Score
クレジット・スコアにはいろいろありますが、もっとも知名度の高いのはFICOスコアでしょう。自分のFICOスコアをチェックしたかったらどうしましょう??www.annualcreditreport.com では、無料でクレジット・レポートをチェックすることができますが、クレジット・スコアは無料で確認することはできません。また、擬似クレジット・スコア(本当のFICOスコアではないが近似値を)を無料でモニターできるようなサイトがあることもご紹介しました。
吐き気がしそうな手数料!- 闘う消費者
最近は何にでも「手数料」がかかります。この「手数料」って、くせものですよね。ほおっておくと、あっちではなんちゃら手数料・・こっちではかんちゃら手数料で、どんどん支払額が雪ダルマ・・というような印象を持っているのは私だけでしょうか。。私にとって「手数料」という名のものは、まさに「要注意人物!」なのです。
モーゲージ - 15年ローンと30年ローンどっちを選ぶ?
「もうリタイヤも視野に入る年齢だし、金利も安いから、思い切って15年ローンを組みたい」、「借金はできるだけ早く返したいから、がんばって15年ローンで払いきりたい」など、15年ローンを選ぶ人も多いでしょう。歴史的な低金利の今、15年ローンだとさらに金利がお得になります。15年と30年との差は0.5%ほどでしょうか。ローン期間に支払う金利の額を比べてみると、随分と差があります。なんとか払えるならば15年で払いきってしまおうと考えるのも
アメリカ金融危機と人間の哀しさ(2)
前回(1)は、サブプライム・ローン、Mortgage Backed Securities、そしてCredit Default Swapとで、どんどんお金儲けとリスク・テイキングが進行していった過程をまとめてみました。できあがった一大システムは、不動産価格が上がり続ける限りは、システムの中の誰もがハッピーでありえるしくみだったようです。ローンの借り手も、ローン会社も、ウォール・ストリートの投資銀行も保険会社も、そして投資者も、つりあがる不動産価格の
アメリカ金融危機と人間の哀しさ(1)
CBSのFull coverage: 60 Minutes on the financial crisisというオンライン番組 を見ました。2008年から2012年までに放送されたファイナンシャル・クライシスに関連した6話をシリーズにしてまとめたものです。サブプライム・ローン、Credit Default Swap、ウォール・ストリートのリスクに対する盲目、クライシスの責任追及というような内容で、力のはいったレポーティングです。6話いっきに見たあと、いろいろと考えさせられました
アメリカの大学 – ファイナンシャル・エイド研究
「たとえ年収が$250,000であったとしても、ファイナンシャル・エイドは、必ず必ず必ず申請すること」とは、カレッジ対策をよく知るFrederick Ruggの言葉。「貯蓄も収入も十分な家庭であっても、ツボをおさえていさえすれば、劇的に学費を削減する方法を見つけられる」とは裏を知り尽くしたLynn O’Shaughnessyの言葉。十分にお金があってもなくても、とにかくaskしなければ与えられることはない国、アメリカ。高騰し続けるカレッジ費用…。子どもは大学を出たが、



