スチューデント・ローン - どのくらい借りてもOKなの?

なるべく学生ローンなしでやりたいが、でもやっぱり借りないとムリ?・・アメリカの大学は高いですからね。では、実際どのくらいなら借りてもOKなんでしょうか?このくらいならOKという線が見えていますか?いくばくかの学生ローンを抱えて卒業するのは、むしろ好ましいことでしょう。きちんと働いて返さねばならないという責任感も生まれますし、ちゃんと返済することでクレジット・ヒストリーもできていきます。しかし、大きすぎる借金は新社会人の生活にはこのうえない負担です。人生をネガティブ・ナンバーからはじめるということは、なかなか大変なことでもあります。

では、ちょっと計算してみましょう。こちらのStudent Loan Calculatorを使います。たとえば、$25,000の利子6.8%でローンを組んで10年かかって返済する場合を見てみます。月々の返済額は$287.70ですね。さて、この額を多いと見るか少ないとみるか、それが問題です。

卒業後の給料が多い人もいれば、少ない人もいるでしょうし、節約家なので少々返済額が多くてもOKという人もいれば、いくらあっても足りないという人もいます。卒業後の大学ごと初任給についてはxxxxで調べてみましたが、全米平均の初任給は$42,569(2012年 National Association of Colleges and Employers調べ)でした。この$42,569という数字を使って、卒業したての新社会人の月々の支出を試算してしましょう。

年収$42,569で、月にすると$3,547。あとは想像力で、きっと新社会人の月のバジェットはこんな感じかなと組んでみました。黄色ハイライトが、学生ローンが$50,000、$25,000、$11,500の場合の月々の返済額です。利子は6.8%、10年返済です。赤字の部分が変化するところで、黒字はどれも同じです。

人によっては月々の月給の10%~20%あたりがローン返済の目安といいますが、それだと案外きついのではないでしょうか。上の表で$50,000のローンだと、月々の返済額は税前月給の16.20%、$25,000だと同様に8.09%ですが、バジェットの内訳を見てみるとかなり余裕がないことがわかります。住む場所によっては家賃$800では足りない場合もあるでしょうし、旅行などちょっとお金のかかることがあればすぐ赤字になってしまいます。401(k)やその他の貯蓄などもなかなかできません。

コンサバな専門家は、ローン返済額は税引き後の月給の5%以内にとどめることを推奨していますが、わたしも賛成です。それが、一番右のコラム。5%だと$133の返済額となりますが、ここから逆算するとそれはだいだい$11,500のローンとなります。これなら、若干貯蓄に回せるお金もあるし、月々$200ほど旅行やその他エンターテイメントにも回せます。

こう考えると、卒業生の平均負債額$26,244は、非常に大きい額であると思います。もちろんもっと給与が多ければもっと楽になりますし、フェデラルの条件のよいローンであれば、もっと利子が低かったり返済がフレキシブルだったりします。学生ローンを組む際には、返済条件をよく吟味するとともに、返済しはじめてからの生活のこともよく考えて組まねばなりません。

 

社会人一年生は、仕事に慣れ、バジェットに慣れ、クレジットをつくり始め、少し余裕があれば将来のために貯蓄を始める大事な第一歩のときです。そのときに、多すぎる借金で負担が多すぎたり、返済を怠ってしまってクレジットに悪影響がでたりすれば、社会人の第一歩が非常に困難なものになりがちです。きちんと大学教育を受けさせるのと同じくらい、社会人第一歩をスムーズに始めさせてやることは、親の願うところでしょう。大学の費用だからいくら借りてもいいというのではなくて、計画的に借りることで、責任ある社会人生活を応援したいものです。

Print Friendly, PDF & Email

6 comments

  1. 夫のローンはたしか$23Kくらいで、20年だったのですが、9%の金利だったので、大変でした。早く払い切ろうと、週に1,2日仕事のあとに洋服屋でアルバイトし(employee discountで服も安く買える!)、それをあてて早めに返し終えました。
    私はひどいですよ。日本の育英会ですが400万円超え。。。金利はゼロでやはり20年くらいなのですが、主婦になってしまいましたからね。しかも日本の銀行から引き落としです。
    私のブログの広告クリックのお金はそこに回っていると思ってください。笑

    1. うちの主人も育英会もらってました。大学・大学院ともらっていたので、案外の額でした。日本の大学で働いていたので、一部は返済しなくていいことになったみたいです。でもその後アメリカに転職してしまったので、結局残高が残りました。つい最近まで支払っていました。でも金利はゼロってすごいですよね。頭が下がります。

  2. 今学期は始まっていますが、銀行への学生ローンを申請を考えています。$15,000 ローンが、固定で、利子10.99%といわれました。変動だと、8.49%からで、CAPは18%です。
    あまりにも高い利子で震えてきました。あわててFEDERALのローン$ 5,200を申し込こみました(こちらは4.52%の利子です)。 銀行から$10,000のローンを申し込もうと思いますが、固定か変動かとで迷っています。どうやって決めたらいいのでしょうか。アドバイスをいただけますでしょうか。宜しくお願いいたします。

    1. これから学んで独り立ちしていく若者が、こんな高い利子でないと学費を借りられないとは憤りを感じますね。ローンはいろいろ種類がありますから、どうぞできるだけ条件のよいものから選んでいってください。そういう意味で多くの選択肢を比較する必要が出てくると思います。学費ローンの種類と決め方にある程度のことが書いてあります。変動は、今後、卒業後、仕事を始めてから・・の過程で必ず利子が上がっていきと思われます(今は歴史上まれな低金利なので)、そういう意味で支払いがいくらになるか分からないという危険性があります。固定のほうがその意味では安全ですが、変動でかなり低いレートが確保でき、しかもたとえばかなり早い時期に返済できる目処がたっているというのなら、敢えて変動にすることもいいかもしれません。Good Luckです。

  3. 早々に返信をありがとうございます。2社に聞いてみたところ、ほとんど同じ利子率でした。私自身のクレジットヒストリーはそれほど悪くないので、ローンを組むことの厳しさを感じています。私の大学費用は親に出してもらったので、同じ事を出来ない自分が情けないです。でも何をしてでも、少しずつでも助けることはしたいと思っています。返済の目処はないので、おっしゃられるように、固定で借りようと思っています。どうもありがとうございます。

    1. 親のありがたみが身に沁みますね、私もです。でも、最近の大学費用はあまりに高いので、それが問題ともいえますね。注いだ愛情は、お子さんがまた私たちの歳になったときに心に沁みるのでしょう。。。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください