Travel Insurance 買いますか?

病気になったとか、親類に不幸があったとか、楽しみにしていた旅行をあきらめなければならない理由はいろいろです。そのようなパーソナルな理由に加えて、最近では猛暑、猛寒、ハリケーン、台風、津波、地震などの自然災害も旅行のキャンセルや修正の原因となっています。テロによる被害もあちこちで聞くようになり、そのせいでの旅程変更もありうるでしょう。こんなトレンドの中、旅行保険を買う人が多くなり、旅行保険のコストもまた上昇傾向だということです。本来、旅行保険などの単発保険はファイナンシャルプラニングではあまり取り扱わないトピックですが、必要によっては利用価値が高い保険かと思いとりあげてみます。

旅行保険の内容は、保険ポリシーによってかなりバリエーションがあるようですが、最も広範囲の条件をカバーする複合型旅行保険であると、旅行の総費用の5~7%に上るというデータがあります。家族旅行で$10,000の旅行だとすると、$500~$700ですからバカにならない値段です。なんでもかんでも買うのではなくて、自分に必要なカバレッジを選択的に買っていくということが賢いようです。

まずは旅行保険と一言でいうけれど、どんな要素がカバーされるのかを見てみます。

医療費

旅先で病気になった場合の診察料や入院費をカバーします。世界中のどこに行っても、アメリカほど医療費がバカ高い国は少ないと思うので、そういう意味では少し気が楽ですが、でもやはり医療保険は保険の基本です。海外だけでなく、アメリカ国内であっても、ローカルの病院ネットワークの外に出ると通常の医療保険が使えないということもよくあります(保険によります)ので、国内旅行でも必要により旅行保険を購入した方がいい場合もあります。小さいお子さんを連れて、あるいはお年を召した方との旅には、医療費をカバーをきちんとしておきたいものです。

旅行保険による医療費補償には、Primary(第一保険)として、すべての医療費をカバーしてくれるものと、Secondary(第二保険)として、まず第一に使われる通常の医療保険でカバーされないCopayやDeductibleをカバーするというものがあります。

通常の医療保険と同様、旅行保険の医療保険も、Pre-existing Condition(既往症)についての規定があります。何をもって既往症とするかは、保険会社によってバリエーションがありますので、既往症がある場合は、よく確認しての購入が必要です。

ふつう、旅行保険のLook Back期間というのが設定してあり、その期間の間に医療サービスを受けていると既往症と判断されたりします。その期間は90日から1年までポリシーによりまちまちです。

既往症をカバーするポリシーもありますが、旅行の予約(飛行機やホテルやオプショナルツアーなど、何度かに分かれて予約する場合には、一番最初の予約)をしたときから、(たとえばですが)15日以内でなければ旅行保険を買えないなどのように、購入タイミニグに制限をかけているものふつうです。

携行品保険

スーツケースが無くなった、カバンが盗まれたなどの場合に、失ったものの代替を購入するためのお金を支払ってくれるベネフィットです。何が無くなったか、いくらだったか(場合によってはレシートが必要なことも)の明細表を出してはじめて補償がおりる保険もあれば、明細なしですばやく補償をだすポリシーもあります。また、物が無くなっただけではなく、スーツケースが遅れて現地について、服やトイレタリーを買わねばならなかったなどのケースをカバーするものもあります。

Trip Cancellation

同行者が病気になった、家族・親戚が病気になった、不幸があった、Jury Dutyに呼ばれた・・などやんごとなき理由で、出発前に旅行をあきらめねばならなかった場合に旅行費用を補償してくれます。カバーされるべきキャンセル理由は、保険ポリシーに明記してあります。明記されたもの以外の理由でのキャンセルはカバーされません。

最近では格安航空券だと、キャンセル不可であったり、変更はできても料金がチケット一枚につき$400とかいうこともよくありますね。お子さんが病気になり、家族4人分のチケットを変更せざるを得ないとなれば多額の出費ですが、$125でTrip Cancellationをカバーする旅行保険を買っておけば、キャンセルをすることができると考えると、案外利用価値があるかもしれません。

Trip Interruption

無事旅行には出発したが、やんごとなき理由で旅行を途中でやめなくてはならなくなった場合の無駄になった費用をカバーします。多くのポリシーでは、途中で旅行をやめって帰途に就く場合の飛行機代を(変更が効いたが、ラストミニットで飛行機代が高いなどという場合には、その差額)をカバーします。

また、飛行機がキャンセルされたためにホテルに一泊せねばならなくなったとか、キャンセルのため、その後のツアーなどに間に合わなくなったなどの場合も、補償するポリシーもあります。詳細はよく確認する必要があります。最近では飛行機が大幅に遅れるということも案外ありますね。このために、飛行機である場所まで行ってから乗るはずだったクルーズに乗り遅れたというようなケースも発生しています。このような場合、航空会社もクルーズ会社も対応をしてくれないことがほとんどです。クルーズなどは旅行代金も大きいでしょうから、旅行保険は大きな味方です。

 

購入のポイント

不要なカバレッジは買わない : 自分がどういう補償が必要なのか洗い出すことと同時に、そのうちで他の方法で補償がおりるものはどれかを理解するのも必要です。たとえば生命保険やクレジットカードなどで補償されるベネフィットがあるならば、その部分は重複してカバーしない保険を選びコストを削減するのが肝要です。

“cancel for any reason” (CFAR)カバレッジというのがあり、これは最も広範囲の理由をカバーし、たとえば「気が変わったから」などの理由でキャンセルしても補償が下りるというポリシーです。オンラインの保険購入サイトではこのようなプランが真っ先に表示される傾向もありますが、だた、多くをカバーするぶん大変割高です。理由は何であってもカバーする反面で、補償額は旅行費用の75%というように補償が限定的になっていることもあります。最も賢い旅行保険の買い方は、むだな条件や補償は買わず、自分の必要なものだけを最小限カバーするものを買うことです。

Fine Printsをよく読む : 各ポリシーで似たような要素をカバーしているように見えても、条件が大きく異なることもあります。面倒でも、何がカバーされて何がカバーされないかはよく理解することが必要です。たとえば、テロが発生した地域や国への旅行をキャンセルするときの補償を買う場合も、よく読むと、テロが発生したその市あるいは直近近隣地区への旅行である必要があったり、テロ発生から30日以内でなければならないなど、実用的には限定的すぎるケースもあるようです。自分の条件にあっているかをよく確認して買います。

比較する : オンラインで飛行機チケットを買ったり、ホテルの部屋を予約したときにオファーされる旅行保険は、予約時にセットで購入するので得かと思うと、実はそうではないことが多いものです。とりあえずすくには買わず、オンラインで他にどんな保険がいくらかの情報を集め比較するのが得策です。まれに予約をしたトラベルエージェンシーやオンラインサイトが超お得な保険を売っているということもあるようなので、情報収集の後、再度そちらもチェックしてみるという方法がよいようです。

旅行先の状況を考えあわせ、その国の医療事情はどのようか、医療費は高いか、テロの可能性は高いか、自然災害はどうかなど確率的なものを想像する必要があります。また、ホテルや現地ツアーなどは、直前いつまでキャンセルが効くかを確認し、できるだけキャンセルができるものを選ぶことで、旅行保険でカバーするべき旅行代金が大きく下げられ、ひいては保険料削減につながります。

飛行機で現地まで行って、そこからクルーズや現地ツアーパッケージに参加するなど複数の旅程がある旅ですと、飛行機のキャンセルやディレイによる後続の旅程への影響が大なので、Trip DelayやInterruptionのカバレッジが必要です。一方で、現地に行ってホテルに滞在するというような滞在型なら、たとえ到着が一日遅れても大きな影響はありません。どんなときにどんなダメージが発生するかをよく考えてみる必要があります。

自動車保険などと同様、Deductibleが設定できるものに関しては、自分で負担できる程度の額を設定することで、保険料は大きく下がることもあります。Web検索で初めに出てくるポリシーは必ずしもコスト安のものではないことが多いので、そこから自分に不要なカバレッジをそいでいきつつ、複数ポリシーを比較しつつという作業を繰り返すと、きっとぴったりの旅行保険が見つかるように思います。下記がある程度評価の高い旅行保険購入サイトです。

G1G.com 

Insuremytrip.com

Quotewright.com 

Squaremouth.com

TravelInsurance.com 

TripInsurance.com

 

 

 

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11 comments

  1. 夫が旅先で食中毒に二回なって、二回とも救急車ではこばれてます。一回は日本で、自費でも二万以下でしたが、二回目はアメリカで、二万ドル弱でした〜

    最近は、州外のバケーションは旅行保険入るようにしてます。

  2. こんにちは。
    いつも有益な情報有難うございます。
    2年前にアメリカに移住してきたばかりなため、いつも
    参考にさせて頂いています。
    さて、今回一つアドバイス頂きたくコメントしました。
    フィッシングの被害にあってしまったようです。
    credi karmaに登録しているのですが、credit karmaから1つのパスワードを
    含む情報漏洩があったというメールがきてそこからサインインしてしまったのです。
    あとからグーグル検索、本ホームページからログインすると警告は出ていなかったので
    フィッシングと気づきました。
    パニックになって、まずcredit karmaのパスワードを変えるべきだったのに
    銀行などのパスワードを変更するのに必死になり、credit karmaのパスワードを変更したのは
    数時間後でした。
    とにかく覚えている限りのそのパスワードを使っているサイト、および類似するパスワードを
    使用しているサイトのパスワードは変更しました。
    名前、住所、クレジットカード、credit karmaにはもちろん私のクレジットヒストリーが表示
    されています。又同一ではないが、似たパスワードを使っていたサイトには夫の名前、住所、メールアドレス、勤務先情報も含まれていました。
    やはり少なくともcredit alertは申し込んだほうが良いでしょうか。
    フリーズまでするべきでしょうか。
    先週の水曜日のことで、今のところ特に不正利用はありません。
    credit karmaはログインしても、もちろん私のSSNは表示されませんが一番初めに登録するときに
    下4桁を入力しています。
    credit karmaはクレジットスコアの他3社へのデータアクセスがあるようですが、ログインしたあと
    に閲覧できる情報だけでなくデータアクセスまで出来てしまうのでしょうか。
    credit karmaの持っている情報については、このように書いていました。
    お忙しいところ恐縮なのですが、本当に藁をもすがる思いで相談させて頂きました。
    アドバイスしていただけると本当に助かります。
    どうぞよろしくお願い致します。

    1. 当面、クレジットヒストリやスコアにアクセスする必要(家を買うとか)がないのなら、Freezeしてしまっていいのではないでしょうか?必要があれば、Unfreezeすることはできますし。州によってはお金がかかる場合があるかもしれません。

      1. お忙しい中ご返信本当に有難うございます。感謝致します。また、コメントが反映されなかったので、メッセージまで送ってしまい重複し失礼しました。フリーズまでした方が良いのですね。
        家を買う予定はありませんが、自動車保険を近々変更する予定です。 又、一年後には賃貸ですが引越しの予定もあります。
        なのでまずクレジットアラートを申し込み、保険の変更後フリーズ
        という流れでしょうか。
        そして引越しの時期にフリーズ解除。
        フリーズをした方が良いのは頭では理解しましたが、今回のような件が初めてでssnを入力するのがトラウマになってしまい3社にフリーズを入れることで又ssn等重要な個人情報を入力すると際に2次被害に遭うのではないかと恐怖で前に進めないでいます。3社にアカウントを作ることにもなりますし、自宅のwifiが途切れたりすることがあるので、、
        又、epuifaxの情報漏洩を思うとわざわざそのequifaxに情報提供することを躊躇する気持ちもあります。
        それでもやはり、フリーズした方が安全ですよね、、
        大変混乱していて、支離滅裂な文章ですみません。

        1. メールでもお返事差し上げようと思いましたら、メールアドレスがわからず、そのままになっていました。
          わかります、被害に遭ったばかりなのに、また個人情報を入れないと対処ができないという不安。。ただ、やはりほっておくのも大変不安ですね。私たちの好むと好まないとにかかわらず、個人情報はどんどん収集され、ファイルはつくられています。なので、フリーズはした方がいいと思ます。また、フリーズ解除は、何日から何日まで・・というように日にち指定出来たり、案外フレキシブルに対応できると思うので(私もすべての州のすべてのケースは把握していませんが)、とりあえずフリーズしてしまうのも悪くはないかもしれません。

  3. お忙しい中、見ず知らずの私にアドバイス有難うございます。
    本当に助かりました。
    再度アドバイス頂き、やはりフリーズすることにしました。夏には日本への一時帰国もあり、安心して帰国したいので。
    やるべきことが定まったので、気持ちも少し落ち着いてきました。
    又クレジットアラート、クレジットフリーズの記事拝見し大変参考になりました。なかなか日本語で説明されているサイトはないので助かりました。夫も日本人なので余計に、、
    引き続き、口座、カード明細のチェックは続けようと思います。
    追加で質問なのですが、クレジットフリーズは運転免許の更新やworking permit取得、また就職活動の際にもフリーズを解除しないといけないのでしょうか。調べてみたのですが、情報が見つかりませんでした。もしご存知でしたら教えて頂けると嬉しいです。
    少なくとも子供が大学入学まではアメリカにいる予定なので、家計把握ができたらファイナンシャルプランニングを受けることも考えています。またその際にはご連絡させて頂きます!
    助けて頂き、有難うございました。

    1. 運転免許の更新やworking permit取得、また就職活動の際にもフリーズを解除しないといけないか・・ですが、必要かどうかは私にもよく分かりませんが、もし必要な場合は、クレジットスコアを見る旨の但し書きがあったりするので、その都度解除すればokと思います。勝手に向こうがクレジットヒストリにアクセスしようとして、フリーズしていた場合は、解除するようにリクエストがくるので、すぐに解除すればいいだけだと思います。最近はフリーズしている人が増えたので、業者や組織もフリーズの場合の対処には慣れてきていると感じています。

  4. なるほど、そうなんですね!
    有難うございます。
    アドバイス頂いて、昨日フリーズしようとしたら出来ず、アラートも出来ずで
    (情報を入力するとマッチしないので、書類を送ってくださいという案内が出ました)
    なぜだろうと思っていたのですが、6か月前に引っ越しをして住所が変わってから
    免許証の住所を変更していないことに気づきました。
    おそらくそれがエラーの原因かと思い、dmvのネットで住所を変更したところです。
    選挙権のなんたらかんたらと出てきて、住所変更もうまく出来たのかちょっとわからないのですが
    数日後また確認してみます。
    アラートすら今つけることができないのでヤキモキしますが、カードや口座残高に変わりはないか
    チェックを怠らないようにします。
    有難うございました!

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