里帰り航空券を買う- 株価のように変わるチケットの値段

我が家は毎年夏に、家族そろって日本に一時帰国することにしています。年を重ねてきた両親のためにも、また日本人でありながら日本に住んだことがない子どものためにも、まとまった出費は覚悟で毎年続けてきた慣習です。しかしながら、家族4人ですからね、やっぱり少しでも安いチケットを探したいのです。けれども、子どものサマープログラムや主人の仕事などとのからみで日程の調整が大変で、早く予約せねばと思いつつ、いつも4月か5月になってバタバタと買うのです。今年は、某日系の旅行会社で7月半ば以降のLAX発が$700台で宣伝されており、さっそく電話をしてみたら、もうすっかりその値段は有効ではなく、今は$1,300代といわれ唖然としているところです。

アメリカ国内便を探すときは、いつもKayak.comを使っているのですが、LAX-NRTでちなみにどんな値段が出てくるかサーチしてみました。結果はこのとおり。

先ほど問い合わせをした某日系旅行会社の答えと同じく、シンガポール・エアが$1,374で一番安く、あとは$1,500以上という数字。

このKayak.comは、探している路線の航空券の過去90日のプライス・ヒストリが見られます(下図の上半分)。また、出発の日にちによって値段が変わる場合は、その予測も教えてくれます(下図の下半分)。こんな感じ・・・

上の図だと、3/27から1ヶ月のうちで、チケットを購入する日によって、最低は$800ぐらいから最高は$1,300くらいまで、なんと$500もの開きがあることがわかります。そ、それって、すごい差ですよね。しかも、だんだん値段が高くなっていくというわけではなくて、2,3日のうちに急激に上がったり、下がったり・・・まるで株価のようです。

同じくkayakには、過去にkayakで購入した人がいくら払ったかというデータを見ることができます。こんなかんじ・・・。

一番下の人なんて、たったの51分前に、$871+で購入しているのに、現在は同じシンガポール・エアが$1,374(最初の図にあるとおり!)ですよ。51分の差が$500の差!

このクレージーな値動きの背景には、エラライン会社が使っているYieldマネージメントのコンピュータ・アルゴリズムがあるそうです。Yieldマネージメントとは、手持ちのインベントリ(航空券の在庫、つまり飛行機の席)を、最適なタイミングで最適な価格で販売することにより売り上げを最高にすることを目的にしています。つまり最終的には、空席ゼロで、なるべくチケットの値段を高く売るのが目標。高すぎては売れ残るが、安すぎては総売り上げが低くなる、そこをいかにバンランスよく売りすすめるかということなんでしょう。

わたしがはじめてアメリカに来たころ(ウン十年前)は、飛行機の席はいつもガラガラで、真ん中のアイランドの席を3つか4つひとりじめにして、横になって寝られた(今ほど、シートベルト規制もうるさくなく・・・)のですが、今となっては夢の夢。エアラインも経営が厳しく、空席などつくると、Yieldマネージャーは厳しくお叱りをうけるようです。

このYiledマネージメントのアルゴリズムには、フライトの時期、在庫、他社の値段などの基本情報に加え、消費者心理のような要素も考慮されるという話もありますが、いずれにせよとっても複雑な計算をして、最適な販売戦略を提案するそうで、それを見てYiledマネージャーが最終的な判断を下すのだそうです。それで、エアライン会社の総売り上げは最適化されるのでしょうが、消費者はたまったもんじゃないですね。なんてったって、一日二日で何百ドルも上がったり下がったり・・・

ちなみにアメリカ国内便なんかだと、www.bing.com/travel/ などで、「今後の値段予測」みたいなものがチェックできます。下の赤い矢印は、「これからこの路線は値が下がるので、しばし購入を待つこと!」という意味です。国際線も限られたルートにはこの予測が出ているのですが、私の探していえるLAX-NRTはまだなし。

アメリカ国内便の値動きについては、過去データを分析した結果「火曜日に買うのが一番安い」ということらしいです。専門家によると、販売状況によって15%から25%値引きされた値段が月曜の夜に決められ、火曜日には競合各社が追随して値が全体的に下がるのだそうです。水曜日にもその傾向が続き、場合によっては水曜にさらに値が下がることもあるそうですが、週末には値がまた上がる傾向があるそうです。

ところが、国際線は全く別の話ということで、その値動きはまだミステリーということらしいです・・・

(ここで一晩たって、今は翌日朝)

朝起きて、値段を見たら、ANA/Unitedで行きはサンフランシスコ乗換え、帰りはホノルル乗換え(7時間待ち)で$1,016が一番安値。数分後に$1,003に下がる・・・そのまた数分後、今度は羽田直行便で$960が登場。これにしようかとクリックしてDelta.comに行き着くと、「この便の値段は変わりました。新しい値段は$980です」とのこと。この状況だと$20なんて気にしている場合じゃない・・$1,000を切って、しかも乗り換えなしの羽田便・・・でも、まだ下がるかも・・・と思いつつ躊躇していると、横から主人が、「買え、買え!こんな値段はもうないぞ!」 そういわれると、そうかも・・・と思いつつ、結局買いましたけど、なんか、これ、いやだなあ、こういうの。株のデイ・トレードじゃあるまいし。。

DeltaにはBest Fare Guaranteeというプログラムがあって、値段が下がった場合リファンドしてくれたりするのだけど、詳細を読むと、チケットを購入したその日のうちに 値が下がった場合で、しかもフライト、日付、搭乗者の人数、席の種類とクラスまでばっちり一緒でないとダメ。それって、ほとんどありえない!・・・と思い つつも、30分に1回くらい(この記事を書きながらも)値段チェックをしている私です。ちなみに、Yapta.comでは、買った後のそのチケットの値動き を自動的にトラックしてくれて、値が下がったときにはアラートしてくれます。

いやはや、航空券を買うのも(買う前も買った後も!)疲れる時代になりました・・・

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8 comments

  1. ほんと、むかしは横になれたけど、今は空席見かけないですよね。私はいつも日系のI社を利用していますが、ネットで検索したほうが安く手に入るのでしょうか。でも、ほんとデイトレードみたいで、イライラしそうですね。私も両親が年老いてきたことを思うと、もっと頻繁に帰りたいですが、仕事のことや航空料金を考えると頭が痛いですね。

    1. うわ~い!横になれた時代をご存知なんですね。。。私も例年は日系代理店を利用していました。ネットより日系代理店のほうが安かったですよね、だいたい。。。でも、今年は、日系2社問い合わせて、そんなに差を感じなかったのと、$980という数字を見て、となりで主人が「買い時!」コールをするので、delta.comで買っ(てしまっ)た次第です。。。今のところ、$980から下がっていませんが、明日当たり下がったらあったまくるだろうな~。。。

  2. 1か月ほど前に日本行の航空券を買いました。なんとなく今日値段を調べてみたら、なんと500ドル以上値下がりしおていました。こんなのあり~??って感じです。
    でももう仕方ないですね。今度から気をつけたいと思います。でも、どうやって気をつければいいのだろう??といった感じです。飛行機のチケット購入で、こんなにどうしてストレスを感じなければならないのでしょう~!昔のほうが簡単で、安くて、機内でのサービスも良かったです。と思うのは私だけでしょうか。がっくり~。

    1. ひどいですよね。それって!500ドルは、半端じゃないですもん。これじゃあ、宝くじ状態ですよね。安く買えればラッキーだけど、はずれたらご愁傷様~というような。消費者運動でも始めましょうか!

  3. 国際便でも火曜が安いのかもしれません。ウチが買ったのも水曜日が安かったですが、kayakよりExpediaのほうが安かったです。

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