About Me - 短いバージョン
自分の家庭のCFO(?)として家計を切り盛りするうち、ビジネス・スクールでファイナンス専攻だったこともあり案外得意なことがわかりました。つきつめるうち。CPA/PFS(Personal Financial Specialist)の資格に行き着きました。Smart&Responsibleを2011年に開始し、アメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニングについて日本語で分かりやすく情報提供し、また家計のあらゆる分野を包括的に考えるプラニング・サービスを行ってきました。商品を売らない、お客様の立場に立った、中立的なプラニングが目指すものでした。そんなSmart&Responsibleも、このたび、セミ・リタイヤに入りました。
セミ・リタイヤに入ったため、これまでのプロフェショナル団体メンバーショップやライセンスの更新を辞めました。またカリフォルニアとテキサスで登録していたRIA(Registered Investment Adviser)も辞めました。現在は、ファイナンシャル・プラニングの経験のある一個人として、お受けできる範囲でお手伝いさせていただいています。お手伝いの内容は、お客様の立場に立った、中立的なプラニングで、その意味では今も変わりはありません。
About Me – 長いバージョン
Financial Plannerになったわけ・・・
東京のIT関連業界でマーケティング戦略やアナリストの仕事をしていましたが、2000年の夫の転職を期にバージニア州シャーロッツビルという街に引っ越しました。共稼ぎ生活から、2歳の子どもの子育てと家事全般を担当する専業主婦生活へと一転。最初の何年かは夫は多忙を極め、家にかかわることは何もする余裕がなく、私がすべてを請け負いました。外で輝く(ように私には見えた)夫と、家の中でくすんでいる(ように思えた)自分を比べて、ため息をつくこともありました。
しばらくたってから、腹をくくりました。私は外で仕事はしていないからこそ、せめて夫が稼いでくれるお金を無駄にすることなくきちんと使い、自分たちの分にあった管理・運用をして将来への備えをしていこうと。また、アメリカでは自分の権利と義務をきちんと理解し、自分の生活は自分で守るという姿勢がとても大切なことを身をもって知り、家族の暮らしをを守るためにいろいろと勉強もしました。
そうしてみると、案外それまで仕事で使ってきたリサーチや分析の能力が、妻として母として主婦として生活を支えていくのに役立つことがわかりました。家の売買、モーゲージやエクイティー・ローン、クレジット・ヒストリーの維持、家の改築にメンテナンス、税金対策とタックス・リターン、年金計画、学資運用、車・家の保険、医療・生命・所得保障保険、医療セカンド・オピニオン取得と吟味、車の事故と保険会社とのやりとり、コントラクターともめて調停、東海岸から西海岸への大きな引越し、遺書やエステート・プランの作成などなど・・・生活のあらゆることを人任せにせず、ひとつひとつ情報を集め、それを夫にプレゼンして夫婦で話し合い、迷いながらもふたりで納得のできる決断をしてきました。
その間、子育ての脇でちょこちょこと時間を見つけては勉強し続け、独学でまずはCPAの資格を取り、その延長でCPAの中の専門分野の資格PFS(Personal Financial Specialist)という資格をとりました。
Smart&Responsibleの誕生
せっかく資格もとったから、何かしようか・・という思いで、2011年にSmart&Responsibleをはじめました。専門家の立場からではなく、一家のCFO(?)である主婦の立場から、パーソナル・ファイナンスにかかわる様々な情報共有と相互学習を提唱していけたらという思いがありました。東京からバージニアに引っ越したばかりのころ、全く日本と異なるシステムに戸惑いながら、しかもそれを英語で学ばねばならず、日本語で気軽に聞ける人もいなかったあの苦労が、根底にある動機です。日本語でわかりやすい情報を提供するというのが主目標でした。
最初は自信もなくこわごわ始めたブログ・サイトでしたが、おかげさまでそれなりに読んでくださる方も起こされました。振り返れば起業して今まで、一度として広告を使うことはありませんでした。お客様が私を見つけてくださり、ブログ記事を読んでくださり、学んでくださり、そのうえでさらなるサービスを求めてコンタクトをしてきてくださいました。コンタクトをいただく方はみな、熱心で、さらに学ぶ心をもっておられ、コミュニケーションは充実し、楽しいものでした。
そんなお客様の口からよく聞く言葉が「あ~、ほんとうにすっきりしました!」というものです。こんがらかっていて暗闇にあったものに、光があたり、進む道が見えるようになったということなのかな~と感じます。それはお手伝いする側も同時に学ぶ、大変に感謝なプロセスでした。
投資に関しては、Vanguard創始者のJohn Bogleの考え方に大いに共感し、特別な才能や知識がなくとも、ふつうの人の将来を支え得るインデックス投資に価値を認めています。Smart&Responsibleでは、一貫して低手数料のほったらかし長期投資をお勧めしてきました。それを伝えた著書「最高の家計」をダイヤモンド社から出版したり、Schooというオンライン学校で「最高の家計 - 5時間集中プログラム」という講義もやったり、Finaseeというオンライン・マガジンに記事を書いていたこともありました。
仕事をしていないときの私
家族は私のことを、「Bible Nerd(聖書オタク)」と呼びます。聖書がないと生活が成り立ちません。2009年に洗礼を受けクリスチャンになりましたが、その後、「イエス・キリストはユダヤ人、12弟子もみんなユダヤ人だった」という事実に打たれ、それからはヘブル的観点から聖書を紐解くことが多くなりました。2021年には、イスラエルのアシュドテという街で5週間ボランティア生活をし、聖書を読む様々な民族、宗教バックグラウンドの人々に出会い、深い思いを受け取りました。
土曜日はBeit David Messianic Fellowshipで、キリストを信じるユダヤ人とともに安息日礼拝をしています。日曜日はGardena Valley Baptist Churchで、クリスチャンの日曜礼拝をしています。また、南加キリスト教教会連合と南カリフォルニア・クリスチャン・リトリート(SCCR)でも仕えています。それから、First Fruits of ZionのTorah Clubというヘブル的聖書の学びの日本語化に参与し、日本語での学びのグループ・ファシリテーターをしています。もともとユダヤ教として始まったものが、キリスト教と呼ばれるようになり、まるで全く別の宗教のようになっていましました。この二つがいつか美しく和解することに思いを馳せて、こんなブログもやっています。
次のフェーズへと
だんだんと、上の「仕事をしていないときの私」の比率が大きくなってきて、とくにFirst Fruits of Zionの日本語化に費やす時間が増えました。素晴らしい人々との出会い、ともに働くよろこびがある仕事です。ボランティアですが、お金ではない大きなものを得ている気がします。
それなりの年齢になり、今後は「プラナーとしての私」はだんだんと卒業し、既存のお客様だけ必要に応じてフォローアップさせてもらいながら、セミリタイヤ生活をしようかなと思うようになりました。Smart&Responsibleのブログは更新をストップし、またプラニング・サービスのお問い合わせのページも削除しました。これでだんだんと忘れ去られ、なんとなくフェードアウトしていけばいいかな・・・などと思っていました。
ところが、それでも覚えていてくださって連絡をくださる方が絶えませんでした。お問い合わせページが削除されているのに、どこからか聞きつけて連絡をくださる方もおられました。「どうか、細々とでも続けてください」と励ましてくださる方もおられました。時給チャージでの、商品を売らない、できる限り中立的立場に立つプラナーが、それなりに需要があるということなのでしょう。
そんなこんなで、まだ私にファイナンシャルプラナーとしての存在意義が残っていて、コンタクトしてくださる方がおられる限り、細々とでもできるだけのことをしていこうと思うに至りました。
Junko Iwasaki
略歴
愛知県出身。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。NTT入社。パデュー大学経営科学修士ファイナンス専攻。その後、アライド・テレシス、ガートナー・グループで働く。2000年にバージニア州シャーロッツビルに移住。2009年にカリフォルニア州トーランスに移る。。2011年からSmart&Responsibleで、在米日本人のパーソナル・ファイナンスをお手伝いする。著書にダイヤモンド社から「最高の家計」。
イリノイ州公認会計士サーティフィケート#92837とCPA/PFS(パーソナル・ファイナンシャル・スペシャリスト)#3345を2023年まで維持/現在は脱退。