2017年一年で17倍にまで価格上昇を果たしたビットコイン。アメリカ社会の中よりも日本をはじめとするアジア圏で人気が高まっているようです。2017年3月には日本政府が、ビットコインに対する初めての法規制案を閣議決定しいわばお墨付きが出たわけですが、このビットコイン、いったい何者なのか、人気高まるビットコイン投資に対してどういう姿勢をとるべきなのか、そのあたりをさぐってみます。
ところでビットコインってなに?
ビットコインは英語ではCryptocurrency、日本語では仮想通貨と呼ばれます。通貨ですから、ものやサービスに対して支払いツールとして使うことのできるお金ということです。でも仮想という言葉がついているので、お財布の中にはなくバーチャル世界でのお金ということになります。ビットコインの単位は、BTC(ビーティーシー) と表記されます。1円や1ドルのように、1BTC(1ビットコイン)と、数えることができます。
ビットコインいいますが、そういう現物のコインがあるわけではなく、インターネット上などの仮想空間で使います。たとえばオンラインゲームをするときに、そのゲームの世界の中だけで使うことができる「お金」があるように、ビットコインを受け付けてくれるお店や会社の仮想世界の中でものやサービスを買うことができるというわけです。
ビットコイン価値の上昇
2017年初頭には1BTC=$1,000あたりだった価格が、2017年11月には$10,000超を記録しました。価値が10倍になったわけです。
ビットコインという名前を聞いたことがなかった人のなかにもだんだんとその名前が浸透し、自分も利益にあずかりたいと投資を考えるひとも増えました。楽観者の中には今後もこの上昇傾向は続き、$40,000以上まで伸びるだろう・・という予測をする人もいます。一方で、これは本来価値とかい離したバブルの状態であり、いつか価格暴落を見るにちがいないとしている人もいます。
ビットコインってどう使うの?
そもそもビットコインの仮想通貨としての役割は、ものやサービスを買うためのお金としての機能です。とくに有用性が高いのは、国を超えての取引の場ででしょう。たとえばアメリカからヨーロッパにお金を送金したい場合、Western UnionやMoneyGramなどのサービスを使うとどうしても一定の時間と手数料がかかってしまいますが、ビットコインをすでに持っている人と支払いにビットコインを受け付ける人との間であれば、たとえ距離的な差があろうと、日常つかっている通貨が違おうと、瞬時のうちに送金が完了します。
たとえば韓国のBlulepanという会社では、アジア諸国から日本や韓国へ来て働いている移民労働者が、稼いだお金の自国への送金をビットコインで行えるサービスを提供しています。この手の国を超えた送金にビットコインが使われるのは、アジア圏で主に高い伸びを示しているようです。
アメリカではこのような使われ方はまだ少ないようです。考えられる理由は、アメリカの場合は、ドルが国際通貨として通用するので、ドルベースでの取引で問題ない場合が多く、また利用浸透の初期段階のビットコインより、すでに確立された金融システムのうえで取引するドル通貨のほうが信頼性が高いという判断によるところも大きいと推測されます。
またビットコインは、ランサムウェア(身代金要求型不正プログラム)にまつわる事件でも使われました。ランサムウェアというのはコンピュータソフトでであり、個人のPCを感染し、PC上のデータを勝手に暗号化することで利用不可能な状態にするもので、暗号化を解きたいなら身代金を払えと脅迫します。この身代金の支払いにもビットコインが使われます。ビットコインはひとつの中央機関が統括しているわけではなく、ネット上での公共的な共同管理で成り立っており、いったん支払った額の返金を強要したり、支払いを受けた人の身分を追跡したりが簡単ではないのが、このような利用にもつながっているわけです。
なぜ人はビットコインを買うのか?
Cambridge Center for Alternative Financeでビットコインを研究しているGarrick Hileman氏によると、「われわれが収集したデータによれば、(ビットコインの価格上昇は)投機が基本的な要因となっていると考える」としています(2017年5月)。同氏によれば、「ビットコインを買ったり売ったりするユーザーのほとんどが、ものを購入したり他の人に送金をしたりする目的ではなくて、投機的な立場からそうしている」と語っています。
ビットコインに投資する
もしあなたが、とくに今日明日ビットコインを使う必要があるわけではなく、「ビットコインでも買おうか」と思っているのなら、それは「投資=お金を増やすため」に考えていることになります。過去一年を見れば成績は二重丸。では今買い時なのか。これからも過去のような上昇が期待できるのか。上の専門家の表現にもあるように、ビットコインの購入が投機的なものである・・という現状に対して、自分はどのような姿勢をとればいいのか。このあたりのことを次回の記事で考察していきたいと思います。