ハイスクールのシニアのお子さんを持つお友達が、カレッジのアプリケーションを提出するので、すったもんだしていていたのが数ヶ月前。アメリカの大学の受験はエッセイがあり、しかもそれぞれの大学でテーマが違ったりすると、数週間のうちにひどくたくさんのレポートがDueになるのと同じわけで、本当に大変そうでした。いつか我が家もそういう時が来るんだなあと思いつつ、祈りをこめて見守っていました。さて、もう2月、そろそろ合格通知が届いているそうです。
合格すると、今度はファイナンシャル・エイドにトピックが移っていくのでしょうね。どこの大学にアプリケーションを出すかという話と、いかにファイナンシャル・エイドを最大化するかという話は、本当は深くつながっているわけですが、今回は後半の部分に焦点をあててリサーチしてみました。ここでの前提は、大学からオファーされるファイナンシャル・エイド・パッケージは、そのままアクセプトしないことということです。Fixされたものと思い込まないで、あれこれ手を尽くしてみると、よりよいエイド・パッケージが得られる可能性があるということです。では、どうするのでしょう。こんなポイントがあるようですよ。。。
最終決断はできるだけ延ばす
希望の大学から合格通知がきて、そこそこのファイナンシャル・エイドも提示されたとなれば、はやくアクセプトしてすべてを終わらせてしまいたい。。。という欲求にかられるのも自然かもしれません。しかし経験者の知恵は、そうしないようにと示しています。早い段階でひとつの大学に決定してしまう学生は、すべての大学からのオファーを待って決断をする学生より、手にしたファイナンシャル・エイドの額が少ないというリサーチもあります。可能な限り、決断は延ばすのがミソですね。そして、ファイナンシャル・エイド・パッケージの内容をよく比較吟味するとともに、一年目だけでなくそれ以降の見通しはどうなりそうかまで考えをめぐらし、より多くのエイドがもらえる可能性を探るということも成功の秘訣のようです。
カレッジ同士を競合させる
ファイナンシャル・エイドのオファーがたくさんあればあるほど、希望の大学のエイド・パッケージがさらによいものになる可能性が高くなるそうです。大学も「ビジネス」です。カレッジ・ランキングなどでよい評価がされてランキングが上がれば、出願者数も増え、よりよい学生が来るようになり、合格者テストスコアなどの指標も上がり、卒業生が成功すればよいPRになり、さらにランキングがあがり.。。。というのが大学の狙っているところ。というわけで、企業がよい大学生を奪い合うように、大学もよい高校生を奪い合っているわけです。
大学によっては具体的に競合校を定めていて、「○○大学のファイナンシャル・エイド・パッケージにはマッチアップします」とは表向きは詠わないにしても、実はそんなポリシーがあったりもするそうです。ラッキーにも競合しそうな複数校からオファーが来ているのであれば、希望校に対して、「○○大学からもオファーをもらっていますが、おたくの大学が第一志望で心から入学したいと思っていますので、どうかもう少し経済的負担を考慮していただければと思います・・・」などというノリでお手紙を書いてみるのがよいようです。
Reassessment(再評価)をお願いする
FAFSA (Free Application for Federal Student Aid)を申請するとき入力する情報は、前年度のものです。2013-2014年の学年に対してのエイドを申請するのであれば、2012年の財務情報を入力するわけです。結果的に、オファーされるファイナンシャル・エイド・パッケージは、2012年の情報がそのまま2013-2014年にもあてはまるということを前提に算出されているわけです。しかしながら、不可抗力で家計の状況が大きく変化することはあり得ます。その場合は、Reassessmentをリクエストすることです。
家計を支えていた人が亡くなった、離婚した、仕事を失った、労働時間が短縮になったなどの場合や、事故や病気で大きな医療費がかかった場合、エイドの算出に考慮された資産の価値が激減した場合など、その状況をファイナンシャル・エイド・オフィスに説明し、Reassessmentをしてもらいます。
FAFSAに入れられない特別な事情を訴える
FAFSAはそれぞれの家庭の財務状況についての情報をとりまとめて、その家庭がどのくらい学費を捻出する力があるかを分析するものですが、このような分析システムはどうしても平均的で標準的なケースにフォーカスされています。しかしながら、家庭の特殊な状況にあっては、FAFSAで考慮されるべき事柄であるにもかかわらず考慮されていないものもありえるということです。
たとえば、扶養家族ではないが金銭的にサポートが必要な親戚がいる場合などがその例です。そういう場合は、その記録を文書に整理し説明を行うことで、学費捻出の力を下方修正してもらうことが可能かもしれません。このような特殊な場合に対応できるよう、ファイナンシャル・エイド・オフィスはProfessional Judgment(職務上の判断)を行使できる権限が与えられていることがしばしばです。
「ネゴシエーション」は禁句
「ファイナンシャル・エイドをネゴする」とつい口にしたくなるような表現ですが、この「ネゴ」という言葉は非常に嫌がれることが多いそうです。だから、禁句。大学に合格するまでだって大変な道のりだったのに、今度はどうやって大学に通う費用を捻出するかという問題は、親にとっても子にとっても大きなフラストレーションになりかねません。せっかく合格した第一志望の学校だけれど、お金が工面できなければ入学できないとくれば、天下分け目の戦いです。
しかしながら、ファイナンシャル・エイド・オフィサーを「敵視」するのは状況をひどくするだけでよくはしないというのが経験者の談。ファイナンシャル・エイド・オフィサーは「戦わなければならない敵」ではなくて、「一緒に問題解決するパートナー」ととらえることが秘訣のようです。ファイナンシャル・エイド・オフィサーの多くは、「若者が教育を受ける機会を得られるよう助けたい」という理想を持っているのです。「助けてもらう」という態度で臨むのがよいでしょう。
ただし、「ネゴ」はだめなのと同じくらい単なる「情状酌量・泣き落とし作戦」もだめです。ファイナンシャル・エイド・オフィサーのゴールは、「限られたファイナンシャル・エイドのプールを使って、できるだけよい学生を、できるだけ多く確保すること」です。つまるところは、大学の利益ために働いているのです。うまく「助けてもらう」コツは、ファイナンシャル・エイド・オフィサーが仕事をしやすいようできる限りの情報を提供することです。なぜ自分は魅力的な学生か、どのような資質を持っているかというアピールとともに、どのくらいの経済的な支援が欲しいか、それはなぜ必要かという具体的な説明を用意することです。「大学のためにこの学生をとることはプラスで、しかしながらこの学生は財務的なニーズがある」と証明できれば、ファイナンシャル・エイド・オフィサーの仕事もずいぶんと楽になるはずです。
少し前より、拝読させていただいています。
大学に関する情報、本当に参考になります。ありがとうございます!
長男は今、ジュニア。
楽しみながら準備を進めたいです。
実際には、なかなかそうはいきませんが^^
Mikaさん、コメントありがとうございます。うちの長男も来年ソフモアで、だんだんと考える時期になりました。ブログ書くのは簡単だけど、自分の息子のこととなると・・・ちょっと恐ろしいです。でもそう、楽しみながら準備をすすめる! その心意気でいきたいです!
初めまして。昨日偶然こちらのサイトに出会ってから、非常に興味深くいろいろな情報を参考にさせていただいています。出身も同じ愛知県ですし(笑)勝手に親しみを感じています。
ところで、わが家のひとり息子はまさに「合格通知がきてからの…」の段階でして、これから学費等がいくら必要かなど夫婦で相談し始めたところです。ところで、大学側からのスカラシップですが、ACTやSATのスコアが重要ですね(最低”○○ポイント”が条件となっています)。そのあたりもまた情報交換できたらいいなと思います。
コメントありがとうございます。おっつ、愛知県なんですね。もう合格通知が来たのですね。我が家の息子は、まだこれから・・というところです。大学のスカラシップにはいろいろなタイプがあるので、テストスコアが効くものもあれば、その他の経歴や特技などで決まるものもあるようです。。
はじめまして。FAFSAとCSS/PROFILEと格闘する日々、こちらのサイトにたどり着きました。どうしてもわからないことがあり解決できないものですから教えていただけないかと思いまして、コメントに書かせていただきました。W2というのは日本でいう源泉徴収だとりかいしているのですが、もしW2の提出を求められた場合、日本居住でW2はないので提出できないとしてよいのでしょうか?
日本居住でW2がないということは、International StudentとしてApplyされるということでしょうか。Financial Aidでどのような書類と手続きが必要かは、各大学のWebサイトなどでそれぞれ確認されるのがよいのではと思います。たとえば、Princeton Universityのサイトでは下記のような情報があります。。
3. Parents’ 2012 Income Tax Return and W-2 Statements
Your parents are required to submit a signed copy of pages 1 and 2 of their 20XX US federal income
tax return, along with copies of their W-2 statements, by May 1, 20XX. (中略)
If you are an international student, you must provide similar documentation of your parents’
income. A copy of your country’s income tax return or an employer’s wage statement should be sent
to the Financial Aid Office by the May 1 deadline.
こんにちは こちらを発見させていただき感謝感謝で拝見させていただいております。ありがとうございます。無知の世界をこんなわかりやすく説明していただきほんとありがとうございます。愛知出身とお聞きし こちらは三重県です!
現在コロラド在住で 娘が州外のカリフォルニア州の大学希望で、今ごろになって金銭的な現実のきびしさがわかってきたようです。せっかくがんばってきたんだから希望校に入れてやりたいと願ってますが in state と out of stateの差は大きいです。先日 USSB(偶然にも息子さんの大学でしょうか?)からも合格をいただいたのですが どうやって 4年間の学費を工面するのだろうか?と必死になってこちら様のサイトを拝見しております。しばらくお世話になります。ありがとうございます。
コメントいただきありがとうございいます。娘さんががんばってきて進路が決まりつつあることおめでとうございます。コロラドですと、カリフォルニアとはWestern Interstate Commissionという大学連合でOut-of-state tuitionのディスカウントがある可能性もありますが、University of Californiaはあまり参加していません(Mercedだけ)。苦しいところですね。。。あちこちの奨学金で小金かもしれないけど、ただでもらえるお金を集めるのが一番確実かもしれません。https://wuesavingsfinder.wiche.edu/search-results.php