Last Updated on 2023年2月6日 by admin
ファイナンシャルプラニングを行う時に欠かせない情報のひとつが、マンスリーキャッシュフローです。日本語の家計簿とほぼ同じような意味合いで使われます。形態はいろいろあるかもしれませんが、家計簿もマンスリーキャッシュフローもお金の収支を記録するという意味で同じものです。
家計簿なくても大丈夫です!
みなさん、家計簿はつけていらっしゃるでしょうか?几帳面な方なら、Yesと答える方も多いでしょうね。あるいはテクノロジーに強いかたなら、スマホのAPPで対応しているという方もいらっしゃるでしょう。Mintなどのサイトで一括管理しているという人もいるかもしれません。
ちなみに私はそのどれでもありません。家計簿もつけていないし、APPも使っていません。でも大体のマンスリーキャッシュフローは把握しています。年に1回、その年の平均マンスリーキャッシュフローを作ってその年のお金の出入りが前の年と比べてどうだったかを把握します。今回は、私のようなタイプでふだんから記録をとっていない方のために、マンスリーキャッシュフローのつくりかたを一緒に学んでみましょう!
マンスリーキャッシュフローはこんなもの
下が、Smart & Responsibleのサービスをお使いいただくときに、ご記入いただくマンスリーキャッシュフローです。上が収入の欄、下が支出の欄です。以下で一つずつ情報を見つけていきながら、最終的にこのマンスリーキャッシュフローを完成させます。
以下に、記入することのできるマンスリーキャッシュフローのフォームがあります。よろしかったらダウンロードいただき、ご自分のマンスリーキャッシュフローを作ってみてください。
最もかんたんなマンスリーキャッシュフローからつくる
まず「一年間」を特定する
まず用意するものは、銀行口座の一年分の口座明細です。いつから初めていつで終わっても問題ありません。きりの良いとこから始めてください。最初の日と最後の日を特定して正確な一年を見極めます。1/1から12/31まででもいいですし、年の途中であっても問題なく、たとえば5/15~翌年の5/14でもいいです。給料日を区切りとし、給料の入金日から13か月後の給料の入金日の前日までの一年間を見るなどのやり方が簡単かもしれません(場合によっては13か月分の明細が必要になるかもしれませんが)。
複数の口座があれば、全部用意してください。ただし、投資口座とかセービング口座のように、生活費の出し入れのない口座は不要です。給料を振り込む口座、チェックを書くと引き出される口座、クレジットカードの請求額が引き落とされる口座についてのみ必要です。オンライン明細でもなんとかなるかもしれませんが、マークしたり書き込んだりができるようペーパーで手元にあったほうがよいでしょう。
給料の入金口座を柱に考える
まず給料などの収入がどこに入金されるかの確認から始めるとよいと思います。給与振り込みの口座です。多くの場合は、この口座が中心になり、お金が出ていく(支出される)ことになります。場合によっては、共働きで夫婦で異なる口座を使っていたり、おひとりでも給与振り込みをを複数の口座に分割している方もいらっしゃるでしょう。その場合は、すべての口座について流れを把握することになりますが、ここでは話を簡単にするため、給料振り込みは一つのチェッキング口座とします。
まず即席の年間収支チェックをしよう!
いきなりマンスリーキャッシュフローを作成するまえに、まず年間収支成績をチェックしてみましょう。
これは、一年間の間で、お金の収支がトータルで黒字だった(収入が多い)のか、赤字だった(支出が多い)のかを簡単にチェックするものです。
一年で残高がどれだけ増えたか減ったか
たとえば、毎月1日に給料が入るのなら、たとえば2021年9/1~2022年8/31までの期間を考え、その最初と最後の残高を比べます。
たとえば、
2021年 9/1日の残高が $21,221
2022年 8/31の残高が $24,356
だったとしましょう。
その意味するところは、あなたのこの期間の収入は支出に比べて3,135だけ大きかった、つまり$3,135だけの黒字であったということになります。そしてその分、銀行口座の残高が増えたわけです。下の式が成り立ちます。
これだけでまず、家計チェックの第一歩ができます。これが家計に入ってきたお金と出て行ったお金のバランスの手っ取り早い把握です。収入は支出より多く、黒字であるのは安心ですが、ただこの数字だけ見て一概に良し悪しを決めることはできません。いくつか考慮すべきことがあります。以下のそれを見ていきます。
特別な収入や支出の影響をとりのぞく
家計の収支のバランスとは、月々入ってくるお金と出ていくお金のバランスですが、それ以外の特別で不定期な収支があった場合には、その影響を取り除いてやらないと、本当の月々の収支バランスを見ることができません。
たとえば、家を買ったので頭金を出した、家の大きな修理があったので大きな特別支出があったというような場合は、銀行口座から大きな普通でない支出があったわけです。それは普段の出ていくお金とは種類が別なものですから、その影響は除く必要があります。
反対に、特別な収入があった場合も同様です。親から生前贈与を受けたとか、持ち株を売ったのでまとまったお金が入ったというような場合は、その影響を除く必要があります。
この場合は、$24,356-$21,221-$10,000+$15,000=$8,135という数字が、普通の(特別の影響を除いた)年間収支になります。とにもかくにもここまでの作業で、月々の収支が1年分で$8,135の黒字であったということがわかったことは大きな一歩です。
年間の収入を調べてみよう!
では次にもう一歩進んでみます。一年分の銀行明細がありますから、一年間の収入だけを拾ってみましょう。マンスリーで給料をもらっている人なら12回、隔週の人ならば26回くらい入金があるかもしれませんね。それを全部書き出しておいて足し合わせてみましょう。もしもそれが、$60,000だったとします。上の式にこの情報を入れてみます。
この式が成り立つためには、??の年間の支出合計が、$60,000-$8,135=$51,865であることが計算でわかります。
どうでしょう!これだけで年間ベースの収支表ができました!世界で一番シンプルな年間収支表です。
これをマンスリーに置き換えてみると・・・
さてここまでで、年間収支表(アニュアルキャッシュフロー)ができたので、これを月ベースに置き換えてマンスリーキャッシュフローに変換してみます。
できました!これが一番簡単なマンスリーキャッシュフロー、いわば即席家計簿です!
重要な情報がわかりました。それは、年間を通しておしなべた場合、月々平均すれば$678の余剰で生活できているということです。
さてここまで見てくると、いったい支出の内容はどんなふうなのか?もっと詳しく見てみたくなりませんか?もしも余剰でなくて赤字があったらなおのことですね。このためにはちょっと探偵気取りになって、支出の記録が残っているものをたどっていくことになります。 つづく