思いがけず$20,000のボーナスが入りました。さて、どうします? 欲しかったものがあったからちょうどいい・・と、さっそくショッピングに走りますか? 定期預金に入れたり子どもの学費のために投資しますか? $20,000も急にもらってもどうしていいかわからずとりあえずチェッキング口座に入れて、ついつい1年くらいそのままになってしまいますか? それとも、これで当面月々の収支を心配しないでいられると大きな安心感を感じるでしょうか? お金に対する感じ方やお金との付き合い方というのは本当にひとぞれぞれです。お金を無駄にせず、でもお金にとらわれすぎず、お金をありがたく使いつつ、お金をエンジョイする・・それを実現するには、どうやら自分のマネーパーソナリティを知るということが大切らしいです。
マネーパーソナリティはいろいろな分類の仕方があるようですが、以下は4タイプに分けるやり方。あなたはどのタイプでしょう。。
Saver
Saverは貯めるのが好きな人。使うより貯めるほうが心地よく感じるタイプです。パーソナルファイナンスの現状についてはよく把握しており、バジェットをきちんとつくりそれを守るのが得意なタイプです。銀行口座や投資口座にいくら入っているかもよく把握しています。浪費はせずよくお金を管理しますが、その分、ちょっと豪華なバケーションや上質のスーツなどお金をまとめて使うことが苦手です。お金を使うと、たとえそれが浪費でなくとも罪悪感を感じることもあります。お金のことに楽観的ではなく、将来のことを憂慮する傾向があり、リスクに対しては保守的な立場をとりがちです。ミューチュアルファンドや株式などより、元本保証のセービング口座を好みます。
Spender
お金を使うことで満足を得るタイプ。何か欲しいものがあったとき、自分はこれを手に入れて当然、手に入れる資格があると正当化するタイプです。自分の持っている物で自分の価値を計る傾向があり、それを手に入れることで将来的に財政がどうなるかということより、それを手に入れ今所有することに重きをおきます。将来に楽しみをとっておくタイプではなく、即時的な満足を必要とします。ケチではなく、人にも気前がよく、食事をごちそうしたりプレゼントをしたりします。物を購入し所有することが好きですが、反面、何を買うことが現時点で一番大切か、今この購入より大切な支払いはないかなど、お金を使う優先順位を決めることは不得意です。長期的な計画や蓄えは後回しになりがちで、負債を抱える可能性も高いタイプです。
Avoider
お金のことを考えるのが不得意、あるいは嫌いなタイプです。お金を大切にしないわけではないけれど、お金のことに首をつっこむのが面倒で後回し後回しにしがちです。無頓着で銀行にいくら入っているか知らなかったり、ついつい請求書の支払いが遅れがちになることもあります。お金の価値がわからないわけではないが、お金の管理は複雑で大変なことだと考え、できれば避けて通りたいと考えます。お金の細かいことに気を配らないので、支払いが送れて遅延料金を払っていたり、高い手数料を払っていたりしても気がつきません。なんとかなっているうちはお金にかかわることは深入りしないで生活します。結果的に長期的な計画ややりくりはおろそかになりがちです。
Worrier
お金のあるなしにかかわらず、お金のこと全般に関して慎重で石橋をたたいて渡るタイプです。慎重派なのでパーソナルファイナンス上で大損をしたり大きな問題を抱えるような間違いは起こしませんが、銀行残高や投資のパフォーマンスなど日々考えることが多く、常に心配しがちです。401kやIRAなど限度額いっぱいに掛けていても、それでも十分ではないかもしれないと考えます。お金があることと=セキュリティと考えますが、これだけあったら十分という限度が不明瞭で、いくらあってもまだ足りないと考えがちです。また、何か不慮のことが起こって急にお金が足りなくなることがあるかもしれないと心配をする傾向もあります。お金を大切にする一方で、どこまで貯めても安心できないのでお金を使って楽しむということが難しいタイプです。たとえお金はあってもお金のことで安らげないという悲しさもあります。
タイプ別お金との付き合い方
さてさて、あなたはどのタイプですか?もしかしたら白黒明白でなくて、ふたつのタイプが混じったようなケースもあるかもしれませんね。一般的に、SaverとWorrierは重なっている場合があり、SpenderはAvoiderと重なっている場合があるようです。いずれにせよ、自分のお金に対する考え方とか感じ方というのを知るのがまず第一歩。そこから、お金との適切なつきあいかたがわかってきます。
一般的ににSaverはお金の管理がしっかりしているタイプでパーソナルファイナンスでも二重丸がつく場合が多いかもしれませんが、ただお金を十分に楽しめないというか、お金の思い切った使い方ができないという欠点もあります。管理は大切ですが、反面「使うときは使う」というような思い切りも大切。ちょっとした無駄遣いで楽しむというような場面を生活の中にとりこむのもいいかもしれません。また、投資などでも計算されたリスクであれば敢えてとるという姿勢も必要です。お金を貯め込むことや、元本保証にばかり気をとられて、投資リスクをまるでとらないことはもっとも損で無駄なことかもしれないという思考の転換が必要かもしれません。
一方その対極にあるSpenderは、お金の管理を積極的に学ばねばなりません。しかしながら、Spenderの傾向が強い人に、いきなりバジェットを作ってそれを守りなさいなどといってもうまくいきません。物を買うことやお金を使うことで得る即時の満足をなぜ自分は必要としているのか考えてみるとよいでしょう。何か自分の生活や人生で満たされないもの、消費や浪費で補おうとしていていないか見直します。また、即時で得る今の満足が、どのくらい継続するか、1ヵ月後、1年後にもその満足が継続し、後々ずっと買ってよかったと思えるものを今買おうとしているのか、それともその満足はすぐ消えてしまうものなのか冷静に考えてみます。少しでもそうでないと判断できるなら、敢えて買わないようにする練習も試みます。「買わない自分」に価値を見出し、物と自分との間に距離を置く練習も有用です。また、即時満足の代わりに、お金を貯めることによってその満足を将来にとっておく楽しみを考えます。
Avoiderの場合は、少しずつお金のことに対する精神的バリアを小さくしていくことが必要です。いきなりリタイヤメント準備などというような大きな課題に取り組もうとせず、まずは小さなところからはじめます。パーソナルファイナンスのビギナー講座のようなものを受けたりするのもよいでしょう。チェッキング口座の把握からはじめ、月初と月末で口座残高はどう変化するか把握するというのもいい練習です。残高の変化はなぜ起こるのか、だんだんと興味がでてきたらしめたもの。手数料やペナルティなどにも目がいくようになるかもしれません。ファイナンシャルプラナーの助けを得て、少しずつ生活上の財務状況を把握していくというのもいいかもしれません。小さいところから始めて少しずつ守備範囲を広げていきます。
その対極にいるのがWorrierです。銀行残高や投資パフォーマンスを毎日チェックしているというような人なら、まずはそれをやめる練習から始めるといいかもしれません。チェックしたからといって結果を変えることは自分にはできないことを知りましょう。また、投資などの場合は毎日チェックして売り買いをすればするほど、実はかえって損をしがちであるという事実(不安に駆られての売り買いは往々にして一番悪い時の売り買いになりがちなうえ、売買手数料も重なります)を知るのもよいでしょう。また、お金は生きていくために必要なものだが、お金のために生きているのではないことを考えます。お金で楽しんでこそ人生、貯め込んで財を蓄えても死ぬときには一銭も持っていけません。いくら貯めたから安心という基準もありません。少なくてもなんとかなることもあるし、多くてもどうにもならないこともたくさんあります。自分の心配を手放して、安心することを学びたいものです。
夫婦は両極端??
自分のタイプを知るだけでなく、ご夫婦の場合はお互いのタイプを知ることも有効のようです。マネーカウンセリングを長くやってきた専門家の話では、そもそもカップルというのは自分とタイプが反対の人を選ぶ傾向があるそうで、SpenderはSaverをAvoiderはWorrierをパートナーにするという場合が多いそうです。また、もしそもそも反対のタイプでなかったカップルでも二人で生活を続けると、自ずと両極端のタイプに変化していくという傾向もあるようです。はじめは中間のタイプだった二人が、時が経つにつれひとりはSpenderにひとりはSaverになるという具合に。。。お互いを見て欠けている部分を補ないバランスをとろうという力が働くということでしょうか。厳しく言えば、相手のいやなところを非難している間に自分がその反対の傾向を強めていくともいえます。
夫婦はお金のことでなくてもお互いに批判的な目で見がちなところがありませんか?とくにお金のことに関しては、意見が食い違うと大きないさかいにもなりがちです。でも、考えようによっては両極端の人間が二人いるというのは、オートバランスの機能が働いているということとも言えます。お互いを非難するのではなく、自分にないものを相手は補っていてくれるのだとか、少々耳には痛いが相手がいるから自分には歯止めがかかっているのだとポジティブに考えるのがよいでしょう。どのタイプがよくてどのタイプが悪いというのではなくて、それぞれのタイプが長所も短所もあることを考え、異なるタイプがともに生活するのはかえって短所を長所で補うことができるという気持ちを持って暮らすとよいのではないかと思います。