家を購入したりリファイナンスしたことがある人ならご覧になったことがあるでしょう、Good Faith Estimate (GFE)。GFEはモーゲージローンの利子、ポイント、手数料などの条件をリストアップした文書です。数年前まではローン条件が列記してあるものの、消費者にはなかなか理解しづらいものであり、ローンごとに手数料の表記の仕方もまちまちで、残念ながらGFEが、消費者のニーズにあったローン選択を助けるものとは言いがたい状態でした。
2010年にこのGFEが改良されました。まだ問題は残るものの、以前のGFEに比べると格段に消費者フレンドリーになりました。家の購入というと、欲しい家を見つけたり、オファーを入れたりというところに焦点があたりがちで、Pre-approvalレターをもらうくらいはしても、モーゲージに関するそれ以上のことは家が見つかってから・・・となりがちです。しかしながら、家の購入やリファイナンスを考えるのなら、あらかじめ消費者としてローン選びをどう進めればいいのか、賢い選択のしかたはどうなのかということについて知っておくのが賢明です。オファーがアクセプトされてから・・・というのはどうしてもバタバタしがちなもの。その段階に行く前に、モーゲージローンの見つけ方や比較の仕方について頭に入れておくのがよいでしょう。そこで今日は、GFEを研究してみます。
GFEとは?
GFEはモーゲージローンのアプリケーション(申請書)を作成して申し込みをしてから3日以内に、銀行やローン会社、ブローカーからもらいます。裏返すと、モーゲージローンを金融機関やブローカーに申し込むと、金融機関やブローカーは3日以内にGFEを申請者に提出しなければならないことになっています。GFEは「ローン会社から来るなんだかよく分からない書類」くらいにしか理解されていないことも多々ありますが、本来のGFEの目的は、いろいろなモーゲージローンの間での比較を簡単にし、消費者がもっとも条件のよいものを選択することを助けることです。
GFEの冒頭にはこう記されています。
Shopping for your loan: Only you can shop for the best loan for you. Compare this GFE with other loan offers, so you can find the best loan. Use the shopping chart on page 3 to compare all the offers you receive.
(ご自分のローンを比較検討して選ぶ: あなたにとってベストなローンを選ぶことは、あなたご自身にしかできないことです。このGFEを他のローンのGFEとの比較にお使いください。3ページ目にある比較チャートを利用しローン間の比較検討にお役立てください。)
GFEの使い方
ひとつのローン会社/ブローカーにだけローン申請をし、GFEをひとつしかもらわないのは、車を買うとき近くのディーラー一社にだけ行ってそこで車を買うのを同じです。GFEがひとつでは、いったいそのローンが自分たちにとってよいものなのかそうでもないのか判断のしようがありません。GFEはいくつかもらって比較するのが本来の使い方です。
しかしながら、GFEはローンのアプリケーション(申請書)をしてはじめてもらえるものなので、買いたい家と買値が決まってからでないと入手できないものです。リファイナンスの場合はもうすでに家とローン額は決まっているわけですので、すぐに数社からGFEを集めることが可能ですが、新しく家を購入する場合はあくまで家を見つけてからになります。
購入の場合の理想は、家を探し始めた段階でいくつかの金融機関あるいはブローカーにコンタクトしたり話を聞いたりして、最終的に数社の金融機関/ブローカーに手持ちの札を絞っておき、家が見つかりオファーがアクセプトされた段階でその数社すべてにアプリケーション(申請書)を出してGFEをすばやく集めるという方法がいいかと思います。オファーがアクセプトされてから「どこの会社にしようか」というのでは、会社を選んでいる時間が限られます。反対に、「どこにしていいか分からないから、不動産エージェントに紹介されたところでいいや」ということにもなりかねません。
多くの場合、家を探し始める段階で何らかの金融機関かブローカーからPre-approvalレターを発行してもらうのがふつうですが、GFEをもらったり最終的にローンを組むのがこのPre-approvalレターの発行会社である必要はまったくありません。前述のように、あらかじめ何社かとコンタクトし、Pre-approvalレターを出してくれるところを数社抱えておくことも得策かもしれません。オファーの仕方にもよりますが、最近では、「$xxx,xxxまでpre-approved」という固定額のレターではなくて、オファーを入れる額に合わせて毎回Pre-approvalレターを作成してくれるとこも多くなりました。オファーする際オファー額より大きい上限(pre-approvedの額)を相手側に見せてしまうと交渉で不利になることもあるという考え方です。オファー額ぴったりでpre-approvalを出してもらうほうが手の内を明かさず懸命であるという考え方です(ただし、マルチプル・オファーなどの場合は、ぎりぎりの額ではなくpre-approvedの額にある程度余裕があるほうがいいかもしれませんので、あくまでケース・バイ・ケースでの利用が必要です)。
我が家のお願いしていた会社は、担当者にメールで$xxx,xxxの額でpre-approvalレターを作って」とオファーのたびに連絡すると、ものの数時間でぴったりの額の入ったpre-approvalレターが送られてきました。それを繰り返すうち、信頼関係ができてきたように思います。何度かやりとりする機会をもつと、どこの会社がレスポンスが早く的確かを判断することができ、最終的に使う金融機関/ブローカーを選ぶ判断材料にもなります。
GFEをもらうのに必要なもの
GFEをもらう、つまりローンのアプリケーション(申請書)を作成するのに必要な情報は下記のとおりです。
- 申請者の名前
- ソーシャル・セキュリティー番号
- 税前所得額
- 購入する家の住所
- 購入する家の想定価値
- ローン額
ローンを発行する金融機関は、申請者のクレジット審査をします。よって、ローン・アプリケーション(申請)をするとクレジット審査料の数十ドルの費用が発生しますが、申請しただけで最終的にはローンを得なければ、かかる費用はそのクレジット審査料だけです。また、多くの会社にローン申請しクレジット審査が重なるとクレジットスコアに悪影響がでると心配する人もいますが、短期間のうちにまとまっていくつかのクレジット審査がある場合は「ひとつの審査」としてカウントされるため、その心配はありません。
次回は、実際にもらったGFEの読み方を見ていきます。