ファイナンシャルエイド、もらえないと思うから申請しません?

大学のファイナンシャルエイド、もらえるならもらいたいけど、収入がある程度多いのでもらえるかわからない・・・同じくらいの収入の家庭がエイドはもらえないと言っていたので、うちも無理だと思う・・・FAFSAにせよCSS/Profileにせよ入力に手間がかかる・・・ファイナンシャルエイドを申請すると合否に不利になると聞いた・・・などの理由で、ファイナンシャルエイドは申請しないという家庭もおありでしょう。実際、「それでも、申請したほうがいいですか?」という質問はよくお受けします。申請するかどうかは最終的にはそれぞれの決断によるところですが、今回は、「それでも、申請したほうがいい」理由について考えて見ます。

 

主観で判断しないこと・・

「ファイナンシャルエイドはきっともらえるだろう」、「ファイナンシャルエイドはきっともらえないだろう」というのはかなり主観的な判断であることが多いです。収入はそれほど高くない家庭でも、きちんと計画し節約しながら暮らしているので、生活は豊かだと感じており「我が家はファイナンシャルニーズがあるとはみなされないだろう」と感じている家庭もある一方で、収入はかなり高いのに贅沢な暮らしをしており、いつも現金のやりくりはぎりぎりという状態なため、「きっとファイナンシャルニーズがあるとみなされるだろう」と感じている家庭もあるかもしれません。Troy Oninkという人が毎年、収入ごとのファイナンシャルエイドの資格可能性を計算していますが、彼の計算だと「どう転んでも決してファイナンシャルエイドの資格はない」家庭(大学生の子どもは一人の場合を想定)は、収入が$425,000以上(2015年の場合)だとしています。収入がこれ以下であるのなら、場合によってはファイナンシャルエイドがもらえる可能性があるということですから、決め付けないで申請してみる価値があります。

 

いろんな条件で変わる

また、FAFSAで計算されたEFCがかなり高く(ファイナンシャルニーズが低く)とも、行く大学の学費+寮費+食費のトータル費用が高いのなら、エイドがもらえる可能性は十分あります。たとえば、EFCが$50,000の家庭では、おそらく州立大学であればほとんどエイドがもらえる可能性はなくなりますが、年間カレッジ費用が$65,000の私立大学ならエイドの資格ができる可能性は大です。さらに、ファイナンシャルニーズがあるとみなされるかどうかは、同時にカレッジに通っているお子さんの人数にも大きく左右されます。たとえば、前述の$425,000の収入の場合でも、もし同時にカレッジに3人通っている子どもがいれば、かなり大きなファイナンシャルエイドがもらえる可能性ができます。

 

連邦政府提供のスチューデントローンを利用するために

Stafford Unsubsidized Loanは連邦政府提供のスチューデントローンで、多くの場合プライベートの金融機関が提供するローンよりも条件がよいものです。さらに好条件のStafford Subsidized Loanはファイナンシャルニーズが存在しないと利用できないのに対し、このStafford Unsubsidized Loanはファイナンシャルニーズが存在しなくても利用することができます。ただし、利用にはFAFSAを申請していることが条件になります。本来は連邦政府のスチューデントローンが利用できるのに、それを知らずに条件の悪いプライベートローンを組んでいるケースもあるようです。プライベートのスチューデントローンとの区別や差をよく理解していなかったり、宣伝が活発なためよく目にするプライベートローンしか吟味せず連邦ローンのことを知らなかったり、あるいは連邦ローンはファインナンシャルニーズがなければ借りられないので無理だろうと早合点していたりするためです。

ローンを組む必要があるかどうか、あるいはどのローンが自分たちに合っているかは、実際に行く大学を決定する時点まで考慮することも少ないでしょう。その段階にたどり着いたとき、FAFSAの申請をしていないと、みすみす連邦ローンのオプションを逃すことにもなるかもしれませんから、FAFSAは入学の前の冬時点で申請しておくのが安全でしょう。

 

もしも学年途中で経済状態が変わったときのために

学年途中で両親が失業したとか病気や怪我で一時的に収入が減ったというようなことになった場合、もしFAFSA申請がしてあれば、経済状態が変更になったことをベースに再考をリクエストできる可能性があります。FAFSAの申請がされていなければ、ベースになる情報ファイルが存在せず、経済状態の変更をもとにエイドをもらうことは難しくなるようです。

 

メリットスカラシップに考慮されるために

大学によっては、ファイナンシャルニーズとは無関係のメリットスカラシップに考慮されるために、FAFSAやCSS/Profileの申請を条件づけているところがあります。FAFSAやCSS/Profileはファイナンシャルニーズがある場合にのみものと決め付けていると、メリットエイドまでも逃すことにもなりかねません。

ということで、FAFSAは絶対もらえない・絶対必要ないという堅い確信がある場合を除いては、申請してみることをお勧めします。とくに一年目は、申請するのがよいでしょう。大学によって、どのような種類のエイドがあり、どの程度のエイドがもらえそうか、自分たちのローンのニーズはどの程度かが、一年目をやってみるとだんだんとつかめてくるはずです。その意味で、もらえなさそうでも、一年目は申請してみて様子を見てみるというのは得策です。その上で、「やっぱり、うちはFAFSAは必要ない」と判断するほうが、最初から決め付けるより安全です。

Print Friendly, PDF & Email

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください