マネー管理のミステイク その4

パーソナルファイナンスでありがちな問題点をまとめた「マネー管理のミステイク」シリーズを、4回に分けてお届けします。今、収支がキリキリでうまくお金が回っていないという場合もあれば、今はなんとかなっているが将来これでいいのか不安ということもあるでしょう。また、お金はないことはないが、管理はこのままでいいのか疑問がある方もあるでしょう。マネー管理はなんとかできていると思っているが、いったい見落としている点はないのかという心配もあるかもしれません。全24項目のチェックポイントを4回に分けてお届けします。

複雑にしすぎること

Simple is best..とはよくいったもの。ことファイナンスに関係することは、必要なことをきちんとカバーしながらも、できる限りシンプルであることがよいと思います。複雑すぎて理解しがたい商品は避けることです。

パーソナルファイナンスのエリアでは、情報の不均衡が存在します。保険や投資商品を売る金融機関はファイナンスの専門家、一方それを買う側の消費者はファイナンスのことをよく知らない方も多いもの。複雑すぎてよくわからない商品は、よくわからないままにしておいたほうが金融機関に都合がよいから、そうなっているものも少なくありません。複雑でなくとも、目的を十分果たす商品はあるはずです。

また、投資と死亡保障を組み合わせた終身保険などのように、ふたつ以上の目的を合体させた複合商品の代わりに、投資なら投資だけ、死亡保障なら死亡保障だけの別々のシンプルな商品を選んだほうがよいということも多いです。さらに、投資の多様化を狙って投資ファンドをあまりにも増やしポートフォリオが複雑になりすぎることもよくありません。パーソナルファイナンスで果たすべき目的を洗い出し、その目的を「ちょうど」果たすようなシンプルなプランを持ち、実行すること、これがミソです。

クレジットを味方につけないこと

アメリカに住む限り、クレジットスコアやクレジットレポートを気にせず暮らすことはかなり難しいでしょう。私たち自身が望むと望まないとにかかわらず、自動的にクレジット情報は集められ自動的にクレジットスコアが振られます。クレジットカードは持ちたくない、ローンは一切組みたくないという考え方は、尊敬すべきひとつの生き方ですが、アメリカは、クレジットカードやローンを持ち、責任ある使い方をしている人が得をするシステムになっています。

家や車を買うときだけでなく、それが仕事を見つけたり、アパートを借りたりというときにまで影響することになるので、クレジットを完全に無視して生きることは少しばかり大変な選択ともいえます。クレジットをきちんと維持していないと、ローンが降りない、高い利子の負債を抱え続けるなど悪循環スパイラルにはまってしまう可能性もあります。

クレジットカードも千差万別で、条件のよいクレジットカードには、Purchase Protection、Price Guarantee、Travel Insuranceなどのさまざまな特典があると同時に、年に千ドル単位のキャッシュバックやポイントリワードも可能であるケースもあります。自分のクレジットをきちんと構築・維持し、生活の味方につけるようにすることが賢いでしょう。

自分の医療保険をよく理解していないこと

PPO、POS、HMOなどの別はもちろんのこと、ネットワーク医の確認のしかた、CopayやDeductible、Out of Pocket Maximum、High Deductibleプランの場合はHSAの運用の仕方、Emergencyや旅行中の医療サービスの受け方など、基本的なことは抑えておきたいものです。アメリカでは、さまざまな保険会社があるうえ、それぞの保険会社の中でもさまざまなプランがあるので、あなたの友人も、病院の受付も、お医者さんも、誰もあなたの保険の詳細はきちんとわかっていない可能性があります。人に言われることを鵜呑みにせず、自分で確認する姿勢が、おどろくほどの高額請求があとから来たり、効くはずの保険が効かなかったなどということを防ぎます。

保険会社のWebページで自分のアカウントをつくり保険のベネフィットをきちんと理解しておくこと、あるいはExplanation of Your Planとか、Summary of Benefitsとか、Member Handbookなどという名称で呼ばれているベネフィットを説明した冊子を入手し(Webからダウンロードできるようになっていることが多いです)、基本事項を押さえておきましょう。それと同時に、無料で受けられる定期健診や婦人科検診などをきちんと受け、健康を維持しておくことも、後々の無駄な医療費を防ぎ、リタイヤ後の健康な生活をエンジョイできる準備に大切です。

手数料や自動で引かれる料金に気をつけないこと

英語でいうところのFee、日本語でいうところの手数料はクセモノです。銀行口座やクレジットカードの手数料、携帯電話やケーブルの手数料、ミューチュアルファンドや保険商品の手数料など、自分が払っているのか払っていないのか、払っているのならどのくらい払っているか把握していますか?

手数料はメインの物品・サービスの購入決心がされたあとに明らかにされることが多く、手数料が判明する時点では顧客は囲い込まれている場合が多いもの。また、手数料という名前であれば、あとからどんどんいくつも追加料金を付け足せるうえ、手数料は付け足し部分なので、ひとつひとつはよくよく吟味されないという特徴もあります。手数料は「隠されて」いる場合もあり、払っていることを「知らない」場合もあります(Fine printには必ず書かれていますが、読まないことが多いです)。

納得の上、「これは払うに値する/いたしかたない手数料」と納得していればOK、「いったい何の手数に対する料金なのか」がはっきりしないものは不要の可能性の高い手数料です。月々、年々かかる手数料はほおって置けば大きな無駄遣いにもなりかねません。月々の口座ステイトメントなどを定期的にきちんと確認して、不明な手数料は吟味するのがよいでしょう。

バランスを欠いていること

パーソナルファイナンシャルプラニングで大切なことはバランスです。全体的な整合性がとれていることがもっとも大切なことです。リタイヤメント準備は万全だがリスクマネージメント(保険)が抜けている、生命保険は十分以上あるのに所得保障保険がまったくない、収入は高いのにクレジットスコアが低い、アニュイティに多額を投資しており自由に引き出せるリタイヤメント口座がない、不動産ばかり持っているがすぐ現金化できる資産が少ない、子どもの学費ばかり優先して自分たちのリタイヤメント準備がおろそかになっているなどなど・・。

パーソナルファイナンスでは、ひとつひとつの要素を他の要素と切り離して個別に捉えることは部分最適でしかなく、全体的には最適から程遠いというような状態につながりかねません。それぞれのご家庭の状況に合わせて、全体的にバランスのとれた最適な解を見つけることが大切です。これゆえSmart & Responsibleでは、たとえ小さなご質問であっても、バランスシート(資産・負債の対照表)とマンスリーキャッシュフロー(月々の支出表)をご提出いただき、全体像をとらえたうえでのコンサルテーションをお勧めしています。

 

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