50歳から考えるマネー・タイムライン

50歳、100の半分、半世紀。。。自分が子どものころは、50歳といえばもうだんだんと人生終わりに近づいた人々みたく思ってていましたが(失礼!)、自分がその年に近づいてみると、いやこれからが本当の自分に戻っていくフェーズだなんて思ったりします。周りにも自分らしい色をつくって、自分らしい人生を描いている素敵な人たちがたくさんいます。仕事にも家庭にも趣味にも生活にも一生懸命だったフェーズから、リタイヤメント後の第二のフェーズへと、たおやかに力強く船出するために、今日は、リタイヤメントのタイムラインをまとめてみました。

 

リタイヤメント15年前

もちろんもっと前からでもOKですが、少なくともリタイヤメントまで15年程度の範囲内に突入してきたら、少し時間をとって自分のリタイヤメント生活を想像してしましょう。どんなライフスタイルを選ぶか、アメリカにいるのか、日本に帰るのかも大きな決断ですね。どのくらいの生活費がかかりそうかを少し具体的に洗い出し、現在のリタイヤメント準備はだいたいその路線を進んでいるのか、それとも多少の方向転換が必要なのか、あるいはちょっと実現が難しそうなので代替プランが必要なのかを見てみましょう。

企業にお勤めで雇用主のリタイヤメントプランに参加されている方は、雇用主が何らかのリタイヤメント・セミナーやコンサルティング・サービスを無料で提供している場合も多いです。あるいは大手の金融機関(Fidelity、Vanguardなど)をお使いでしたら、無料分析ツールが使えます。あるいはファイナンシャルプラナーに相談するのもよいでしょう。周りにあるリソースを駆使してみて、思い描いている目標と現状とをつき合わせてみる・・これが第一歩です。

また、モーゲージローンなどは払いきるのか、住んでいる家は売って住み替えるのかなど、(詳しくはわからなくとも)ある程度の考えをまとめておくのも必要です。

 

50歳 :遅れがあればキャッチアップ!

401(k)、IRAなどへの積み立て限度額は、50歳を過ぎる年から、それまでの限度額に上乗せして積み立てられるようになります(Catch-up contributionという)。限度額も上乗せ額も年々見直されますが、2015年の場合は、401(k) の通常限度額(年)が $18,000のところ、50歳以上では$6,000上乗せで $24,000に 、Roth/Traditional IRAは通常限度額が$5,500のところ、$1,000上乗せで$6,500になります。401(k)とIRAを同じ年に積み立てることは可能ですが、Roth IRAとTraditional IRAの両方に積み立てることはできません。401(k)には年収制限がありませんが、IRAは積み立て可能額、税控除額に年収制限(年収が高すぎると限定、あるいは不可に)があります。

リタイヤメント準備がまずまずという結果ならよし、そうではなく少しばかり加速が必要となれば、バケーションや外食など削れる生活費を見直し、リタイヤメント準備を急ぎます。

 

55歳 :アーリーリタイヤメント組みならば・・・

十分なリタイヤメント準備が済んでおり、アーリーリタイヤメントを楽しむという一部のラッキーな方にはうれしいことですが、401(k)などの雇用者提供リタイヤメントプランは、リタイヤした人が55歳になった時点から引き出しが許されます。通常は59歳半になる前に引き出しをすると10%のペナルティがかかりますが、すでにリタイヤしている場合に限り、55歳から10%ペナルティがなくなります。

 

59歳半 :引き出し可能

401(k)、Traditional IRAなどのプランから10%のペナルティなしにリタイヤメント資金を引き出すことができるようになります(Roth IRAは元本はいつでも非課税・ペナルティなしで引き出し可です)。ただし引き出した金額は所得税がかかります。ペナルティがなくなるものの、この時点での引き出しは、アーリーリタイヤメントが可能なリタイヤメント資金準備万端な方でない限り、極力避けることをお勧めします。あともう少しがんばって元本を手付かずのまま増やし続けてからリタイヤするほうが、現実的な場合が多いでしょう。

 

60歳 :Survivor(遺族)なら・・・

10年以上結婚していた配偶者が亡くなっているSurvivor(遺族)は、その後結婚していないことを条件に、亡くなった配偶者のSocial SecurityからSurvivor benefit(遺族年金)を受け取ることができます。年金額は、SurvivorのFull Retirement Age(生まれ年により66歳~67歳)に達するまで待ってから受給し始めるのがスタンダード(基本額)ですが、60歳から繰り上げ受給することが可能です。ただし、この場合最大で基本額の28.5%だけ、受取額が減額されます。また、一定限度を超えた労働収入がありながら、Survivor’s benefitももらっていると、年金額が減額されます。いつまで働くか、いつから年金をもらうかについて考察が必要です。

 

62歳 : ソーシャルセキュリティ年金受給可能

年金額はFull Retirement Ageまで待つとスタンダードな額(基本額)がもらえますが、62歳から繰り上げ受給が可能です。ただし、受給額はスタンダード額の25%減額され、一生涯75%分となります。夫婦ふたりで働いてきたのでふたりともにソーシャルセキュリティがもらえる場合は、ひとりが後年まで受給を先送りし、一人が繰り上げ受給するなどのコーディネートをすることで、二人合わせた受給額が最大化できるということもあります。一定限度を超えた労働収入がありながら受給すると、年金額が減額されます。夫婦間をどうコーディネートするか、いつまで働くか、いつから年金をもらうかについて考察が必要です。

 

リタイヤメント5年前 :キャッシュリザーブづくり

この時点ではリタイヤしたら、月々の生活費はどのくらいか、ソーシャルセキュリティや企業年金などの固定収入はいくらくらい見込めるか、それを超えて必要になる生活費はどのリタイヤメント資金から工面するかについて目処がたっているべきです。また、市場状況が悪いとき(株価が下がっているときなど)には元本に手をつけないほうがいいケースも必ずあるので、ある程度のキャッシュリザーブを用意し、いつでも現金化ができる状態にしておきます。キャッシュリザーブはライフスタイルにもよりますが、1年から2年分の生活費をカバーするぐらいを用意します。

 

65歳 :Medicare加入

Medicareに加入できるようになります。すでに何らかのソーシャルセキュリティ年金をもらっていれば、65歳になる前に通知がくるはずです。そうでない人は、Part AとPart Bへの加入は自動的ではないので、受給申請をすることが必要です。ただし、まだ働いていて雇用者の保険がある方はこの限りではありません。

10年以上働いていれば、Part Aの保険料はすでに払い込み終わっているので、Part Aは実質上無料で申請できることになります。Part Bの保険料は月々$104.90(2015年)です。Part AとPart Bの両方を持っていればPart C(Medicare Advantage)、Part D(Drug)、Medigapを、Part AだけならPart D(Drug)を必要に応じオプショナルで加入することができます。

65歳になって受給資格がはじめてできる時点では、65歳になる月とその前後3ヶ月、合計7ヶ月間に申請ができます(Initial Enrollment Periodと呼ぶ)。Medigapについては、65歳になりPart Bに加入してから6ヶ月の間に申請できます。受給資格があったのに申請が遅れた場合、ペナルティを支払う必要がありますので気をつけましょう。

もし65歳前にリタイヤをする場合で、雇用主のリタイヤメント者用の健康保険やあるいはCOBRAを持たずにリタイヤする場合は、州の提供するHealth Insurance Marketplaceなどで保険を購入することが必要です。Medicareに加入するまでの間の健康保険については、あらかじめどのようにするか計画しておくことが懸命です。

 

66歳~67歳 :Full Retirement Age

生まれた年によりますが、ソーシャルセキュリティのFull Retirement Ageは、現在の多くの勤労者の方にとっては、66歳から67歳となっています。堂々と受給を開始するもよし、もう少し受給を伸ばして受給額を増額するもよし。また、ご夫婦で働いてきた場合は、お一人のFull retirement Ageでいったん受給申請し、すぐに受給を中止する(File and Suspend)という方法をとることで、もう片方の配偶者がこの方のソーシャルセキュリティをベースにしたSpousal benefitを受給開始するという(Restricted Application)が可能になります。(法改正あり。詳しくはこちら。)またFull Retirement Ageに達する前に、働きながら年金を受給していると受給額が減額されることがありますが、いったんFull Retirement Ageになるとどれだけ働いても受給額は減額されません。この意味でFull Retirement Ageをあらかじめ意識してプラニングしておくことが必要です。

 

70歳 :年金最大化

ソーシャルセキュリティのRetirement benefitは受給を遅らせれば遅らせただけ受給額が増額されますが、増額は70歳で止まります。これ以上受給を遅らせる理由はありません。すぐに受給申請しましょう。

 

70歳半 :Required Minimum Distributionはじまる

401(k)やTraditional IRAなどは、70歳半になると、そこからお金を引き出す必要がなかったとしても、最低限の引き出し額(Required Minimum Distribution :RMD)を引き出すことが義務付けられます。これは、リタイヤメント資金準備目的がゆえに税優遇のあるプログラムでお金を貯めながら、実はあまりリタイヤメントに使わず、税優遇を受けたまま次世代へ相続するなどの使われ方を防ぐ意味があります。

70歳半を超えた後にくる4月までに最初のRMDを引き出すことが必要です。RMDは年齢と残高によって毎年計算されます。この残高は401(k)やTraditional IRAなどの総額(Roth IRAはRMD不要で、これに含まれず)が使われ、RMDを具体的にどの口座から引き出すかについては自由があります。これを怠ると高額のペナルティがありますので気をつけます。RMDは、リタイヤメント後の生活費工面にあらかじめ組み込んで計画しておく必要があります。

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