コロナのロックダウン生活も何週目でしょうか。私はカリフォルニアに住んでいるので、まだStay-at-Homeの状態です。すでに24の州がReopen(経済活動の再開)をしました。3州が近々Reopenするそうです。23州とワシントンDCが依然としてClosed状態です。さて、今後進む経済再開とともに、株式市場はどんなふうに回復していくのか‥多くの人が気になることかと思います。Vanguard、Fidelity、Charles Schwabが発表している予想レポートを読んでみましたので、それの概略をまとめみました。ご参考までに。
<概略>
- 今回のリセッションは、経済自体に原因があるのではなく、パンデミックによる経済活動の停止に原因があるという点で他のリセッションと種類が異なる。パンデミックをコントロールするシステムが確立され、経済活動が再開されれば、リセッションはすばやく解消されると予想される。
- 株式市場は、当初の急落(S&P500を例にすれば54%下落)の後、政府の金融政策(国債などの債券買い戻し)や財政政策(CARES ACTなどによる現金提供での家計援助)などの施策に対し素早く反応した(S&Pを例にすれば27%値戻し)。現在小康状態のホールド期にあり、新しい状況データ待ちの状態、今後の状況を見据えようとしている状態のように見受けられる。
- リセッション後の市場回復のかたちには、V型(素早く落ちて素早く上がる)やU型(落ちた後、一定の停滞期を経て回復していく)などがあるが、今回はそれを混同させたような形になるのではないか。
- パンデミックに対応する新薬やワクチンの開発によりコロナウイルスがコントロールできる状態になること、そして経済が再開されることが、経済回復のまず第一の要件であり、次に外食、旅行、エンターテイメントなど消費活動への消費者側の心的バリアがとりのぞかれ、消費者デマンドが戻ることが次の段階の要件である。
- 株式市場回復は、V型とU型を合体させたSwoosh型が予想される。素早く落ちた後、ゆるやかに回復し(第一段階回復期)、その後さらにゆっくりと回復してく(第二段階回復期)。第一段階は経済再開による回復期、第二段階目はだんだんと消費活動が以前のレベルまで戻る回復期である。
- 新薬、ワクチン、感染のトラッキングなどウイルスをコントロールするシステムがいつ確率されるか、経済再開がどのような手順とスピードでなされるか、消費側の消費活動がどのぐらいのスピードで戻るかによって、回復のたどる形は変わってくる。現在は正確に予想するデータがない。
- 国によっても、地域によっても、また業種によっても、回復のスピードはまちまちと予想されるが、労働市場がパンデミック前と同じレベルに戻るためには2023年くらいまでかかるのではないか。おそらくFederal Reserveの低金利施策もそのあたりまで続くのではないか。
- このまま進めば、2020年第二四半期の終わりまでには、かなりの経済活動が戻っているのではないかと予想する(Vanguard分析)。
- 時期尚早の経済再開や、あるいはウイルスのミューテーションなどが起これば、第二の感染の波がくる可能性もあり、その場合はWの字のように、昇降を繰り返す可能性もある。
- 各社の予想利益は低レベルなのに比して、株価はある程度のレベルをキープしており、これは回復への予想を内在したものである。
Vanguard、Fidelity、Charles Schwabともに、ファンド投資会社ということももちろんあるでしょうが、回復を疑わないという点では大きく一致、時期についてはさまざまな条件によるが、第一段階、第二段階を経て回復をしていくはずだとしています。
「このような時期でも株式投資をすべきなのか?」というご質問をよくお受けします。
Dollar-cost-averagingをしている場合:
401(k)などに代表されるように、月々一定額(あるいは給料の一定比率)をコンスタントに積み立てる方法をDollar-cost-averagingと言いますが、この方法をとっている場合は、なんら変更をすることなく積み立てるべきです。
現在、株価が落ち、今までと同じファンドでも安く投資ができるときです。いつもと同じ積立額でも、いままでよりたくさんのシェア数(ユニット数)が買えるときです。安く買うは利回りを上げる近道。それが実現できるおいしいときに、投資をやめるのは残念なことです。
家計が苦しくてどうしても401(K)投資をやめなければならないのなら致し方ありませんが、そうでないのならそのまま継続します。
他に手持ち現金があって投資しようかと迷っている場合:
今から何か状況の変化があって(たとえば第二の感染の波がきてしまったとか)さらに株価が落ちることは大いにありえます。ただ、歴史的に見て、また投資理論的にも、インデックスファンドによる長期投資に徹するなら、株価低迷の今、まとまった額を投資に回すことは理に適います。これからくるであろうリカバリーの時は、株価が落ちる前に投資していた人には根戻しの回復期ですが、落ちてからの今投資した人には力強い値上がりを短期で経験できるおいしい上昇期です(ただし何事にも100%はありませんので確約するものではありません。ご了承ください)。
ただし、以下のような場合には、まとまったお金を投資することに慎重になるべきです。
短期的にお金が必要になる可能性がある : 数年以内に家の修理、車の買い替え、子どもの学校など、まとまったお金が必要になる場合には、今からさらに値下がりする可能性のある投資にお金を回すことはキケンです。少なくとも10年はほおっておけるお金であることを確認します。
レイオフされる可能性がある : 月々の収入が途絶える、あるいは激減する可能性があるのなら、とりあえずまとまったお金を手元に置いておく方が安心です。最低3~6か月の生活必需費は現金で貯めておきましょう。さらに今回の特別事態のような場合には、業種にもよりますが、さらに上乗せの現金クッションがあると安心です。
株価の値動きがあまりに気になってしまう : これからも急騰落が繰り返される可能性は大ですから、株価の値動きが気になってしまい精神的に悪影響を受けやすい方には向かないと思います。いったん投資したら、あとは“そのうち上がるだろう”と気長に忘れて待っていられることが、かなり大切な条件です。
他に高い利子を払っている負債がある : 数パーセントの利子のモーゲージや自動車ローンはそのまま持ち続け低く借りつつ、より高い利回りを狙って投資するのは理に適っています。しかしながら、それ以上のカードローンなど高利子のものがあるのなら、余剰金はまずは借金返済に回すのが鉄則です。
全くの素人で質問もおかしいかと思うのですが、質問させてください。
まとまったお金があり、ヴァンガードを利用してみようと思っていますが、PAS(パーソナルアドバイザーサービス)を受けるべきなのか、20年は動かす気がないので、セルフにするべきなのか迷っています。
自分でするにしてもどのようにしたらいいのかわからないのですが、PASを使い、手数料を支払う事に意味はあるのでしょうか?
わかる長期投資:これだけ押さえてしっかり運用(4) などでファンドまで決められれば、自分でやるので十分だと思います。何かアドバイスが欲しい場合にはPASもいいかもしれないですが。。