車のリースと購入どっちがお得?

車は買うかリースするか、あなたはどちら派でしょうか。車を買うとなると頭金の用意やローン探しなどが思い浮かびますが、リースなら月々数百ドル程度で案外いい車に乗れそうだし、なんだか手軽そう・・・リースもいいかもしれませんね。購入とリース、そもそもどう違うのでしょう。いったいどちらがお得でしょうか。

車を購入する場合とリースする場合では、支払う総コストに大きな差があります。購入のほうは、車の代金をすべてを支払うのに対し、リースのほうは、車の価値のうちリース期間に費やされる部分、つまり期間内の減価償却分だけを支払います。ローンを組んで購入した場合とリースの場合の月々の支払額を比べると、必然的にリースのほうがずっと安くなります。

詳しく見てみましょう。2012年Prius IIを購入する場合とリースする場合を考えます。

まず、ローンなしで一時金で購入する場合(一番左のコラム)を考えましょう。MSRP(メーカー希望小売価格)は$25,020ですが、Kelly Blue Bookによると妥当なNegotiated Price(交渉後価格)は$23,600ほどだそうです。これに手数料の$295と消費税(8%を想定)$1,888がかかり、合計で$25,783を支払うことになります。現金買取なので、即時に自分の所有物(資産)となります。この後、何年乗ろうが(修理・維持を除いて)なんの支払いも必要ありません。ただし、売るのなら、その時点での車の価値分だけコスト回収することができます。上記ではたとえば36ヶ月後売る場合、おおよそ$13,200(Kelly Blue Bookで査定)で売れるとすると、それを差し引いた最終コストは$12,583となります。

次に、ローンありで購入する場合(真中のコラム)を考えましょう。同じくNegotiated Price(交渉後価格)は$23,600。手数料も同じく$295。消費税も同じく$1,888です。現在Toyotaは、36ヶ月0%ファイナンシングを提供しており、この場合月々のローン返済は$716となります。ここでは、ローン利子が0%ですので、$716すべてが元金の返済にまわります。普通であれば、ローンの利子が0%ということはあまりないので、$716に加え利子分が追加されます。通常、ローンなしで購入(左コラム)とローンありで購入(中コラム)とは、コスト合計の差がローンの利子分となりますが、ここでは36ヶ月0%ファイナンシングのため差が出ません。上記同様、36ヵ月後に売るとすると、最終コストは$12,583となります。

では、リースの場合はどうでしょう(一番右のコラム)。現在Toyotaは、36ヶ月2.9%ファイナンシングの頭金ゼロ・リースを提供しています。月々の支払いは$319。逆算するとこれは、Lease Residual(リース満了時の残存価値)が$14,300と設定されていることがわかります。つまり、当初の価値である$23,600から、満了時の残存価値である$14,300を差し引いた$9,300が、リース期間の36ヶ月の間に費やされる車の価値(減価償却分)であり、リースする場合はこの部分だけに対して支払いをします。消費税が購入時に比べて半分以下で$851であるのは、消費税が購入時のように車の値段全体にかかるのではなく、月々の支払いにのみかかるからです。リースは消費税を削減できるという利点があります。また、2.9%の利子がかかるので支払う利子合計は$1,635です。36ヶ月の減価償却分、消費税、利子のコスト合計は、$11,787となります。

 

ここからわかることは。。。

 

月々の支払いはリースのほうがずっと安い

同一の車の場合、ローンを組んで購入する場合とリースする場合を比べれば、月々の支払いはリースのほうがずっと安いのは確かです。購入の場合は、車の価値全体に対して支払っていくのに対し、リースの場合は、リース期間に費やされる価値部分だけに対して支払いを行うからです。

利子が安いなら現金購入よりローンのほうがいいかも

上では0%ローンが提供されているケースでしたね。0%ローンなら、コスト合計は現金購入でもローンを組んでの購入でも同じですが、支払いを延ばせるというだけローンのほうがお得です。支払いを延ばせた分だけ、手元の現金を投資や貯蓄に回せば利回りを稼ぐこともできます。利子が0%でなかったとしても、ローンの利子より見込める投資利益のほうが大きいのなら、あえてローンを選び、手持ちの現金を投資するのがよいでしょう。

3~5年の保持なら、購入とリースのコスト合計はほぼ同等

車の保持期間が3~5年程度なら、リースと購入(保持期間後は車を売るかトレード・インする)とでは、コスト合計はほぼ同程度といえます。上記の例では、購入のコスト合計は$12,583、リースのコスト合計は$11,787で、ほぼ差がないことがわかります。リースのほうが手数料がかさみがちですが、消費税が少なくてすむことと、月々の支払いが少なくてすむ分を投資などにまわす運用効果などもかんがみれば、ほぼトントンという結果になるようです。

長く乗るなら、だんぜん購入の勝ち

現金購入なら即時に自分の資産となり、ローンの場合は支払いが終わると同時に100%自分の資産となるわけですが、その後は何年乗ろうとも月々の支払いはなく、乗れば乗るだけお得ということになります。リースの場合は、どこまで行っても月々の支払いは続けねばなりません(途中、新規乗り換えなどして)。

このように支払うトータルのコストのことだけに焦点を当てれば、3~5年くらいまでの保持ならばリースでも購入でもほぼ同じ、それ以上乗るのなら購入のほうが有利であるといえます。

6 comments

  1. 長く乗るなら、購入ですね!リースをしたことがなかったので分かりませんでしたが、消費税の節約とはなるほどです。Suze Ormanが、新車買うなら1,2年落ちの”New Used Car”を買えとテレビで言っていました。そういう車はディーラーに行けばあるのでしょうか。ワランティーのことを考えると、新車でついてくるようなワランティーがつかないわけですから、心配になりますねぇ。

    1. New Used Carを買うというのは同感です。新車を買って、一番depreciationが激しい(価格が落ちるのが早い)のは最初の1,2年です。でも車の機能自体は最初の1,2年でそんなに落ちませんので、一番高いところは誰かが払ってくれた後の1,2年落ちはねらい目です。とくにdepreciationの激しい日本ではそうです。アメリカは中古車の値段が日本ほどは落ちようですし、そのうえ日本車は1,2年ではあんまり値段が下がらないようにも思います。うちは、バカみたいにToyota一点張りの家なのですが、Toyotaはあんまり下がりませんね。中古車だと、状態をチェックしたりする労力もかかるので、「えい、そんなら面倒だから新車でいいや」となってしまっていますが、それは私たち夫婦が車のことが全然わからないからでもあります。査定がちゃんとできる人ならやっぱり1,2年落ちが狙い目なんでしょうね。そういう車はディーラーに行っても、オンラインでサーチしても案外たくさんでてくるように思います。warrantyはメーカーによりますが、だいたいtransferable(オーナーが変わっても車と一緒にtransferされる)なことが多いようで、たとえばToyotaだったら中古車でも、the three-year/36,000-mile comprehensive coverage、the five-year/60,000-mile powertrain coverageなど、そのまま有効だそうですよ。。

      1. ありがとうございます。ためになる情報ありがとうございます。高い買い物ですので、後悔のないよう吟味したいと思います!

          1. adominさん、初めまして。突然のメールですみません。文彦と申します。埼玉県からの発信です。アメリカ暮らしのadominさんにご教授願いたくコメントを書かせて頂きました。突然の失礼をお許し願えれば幸いです。この度、日本の輸入代行業者を通じ、アメ車を本国より、日本に個人輸入したいと思っているのですが、業者二よって車の値段が様々なのです。質問なのですが、cars.com、auto.traderなどの価格は、信憑性は、あるのでしょうか又、各ディーラーにおいて、本当の価格は、教えてもらえるのでしょうか?お手数をおかけいたしますが、宜しくお願い致します。

          2. 文彦さん、こんにちは。残念ならが私はcars.comもauto.traderも存じ上げませんし、車のvaluationは私の専門ではないので、あまりお役にはたてそうもありません。車の価値はアメリカでは、Kelly Blue BookEdmundsなどを参考にするのが常です。

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