今年のバレンタインデーに息子の高校の駐車場で事故を起こしました。後方不注意で完全に私のミスです。車をぶつけてしまった相手のおじさんに謝り、保険会社の情報を渡しました。保険会社に問い合わせたところ、$1,000以内の損失ならば保険料はあがらないとのことでした。おそらく、そんなに複雑な傷でもなかったし$1,000以内でなおるでしょ・・・とそのまま保険会社を使うことで進めました。
やっぱりあがる保険料
ところが、それから数ヵ月後、保険会社から「あなたの事故への補償額は$1,000以上でした」という通知。あらま、あんな傷でも$1,000かかるのね~。相手がどんな請求をしたのかオンラインのクレーム情報でも見てみようと、保険会社のオンラインサイトにログインしますが、相手のクレーム内容までは出てきません。こればっかりは目算違い。相手の車の修理など、私の関知できるところではありませんから、それがいくらだとか妥当なのかとかまったくコントロールの外です。ま、そもそも車のことなんてエンジン系もボディー系もぜんぜんわかりませんから、私が「$1,000で済む」などと見積もりできるはずもないのですが。ふーん、こういうことだから、やはり小さな事故は保険会社を巻き込まず、自分で支払うほうがいいのだななどと少しばかり納得もしました。
あがったのはいくらかというと・・・
補償額が$1,000以上であったので保険料があがるのはわっていたのですが、「いったいいくらあがるの~?」とエージェントに問い合わせてみましたが、「請求が来るまでちょっとわかりません」というお返事。そしてついに来ました請求書が・・・。結果は半年で$200あがりました。1年で$400。事故の記録が残るのは3年ですので、単純計算すると$1,200のコスト増。3年間のうちにまた事故をしたりすれば振り出しに戻りますが、事故なしでのりきれば3年後にはこの増加分はなくなるはずです。また、保険会社によっては3年間のうちに、事故がない限り徐々に上乗せ分が減少して3年後にはゼロになるというような対処をしてくれるところもあるそうです。なので、総合コストは$1,200よりもちょっとばかり少ないかもしれないということですね。
実際、トクなのソンなの?
そう考えると、私のケースでは、実際おじさんの修理代クレームはいくらだったのか($1,000以上ということ以外には)はわかりませんが、保険を使うのと使わないのでトントンくらいか、使ったほうがよかったくらいのようです。ということは必ずしも「小さな事故は保険会社に通知しないほうが得」とは言い切れないということですね。ケーズごとに見てみると・・・
- たとえば修理が$1,000以下なら、保険会社に通知して処理してもらうのがベスト。保険料はあがりません(あくまで私の保険会社の場合ですが・・・)
- 修理が$1,000を超えるなら、やはり保険会社に通知して処理してもらうのがいいように思います。被害額がある程度以上・・・たとえば$1,200を超えるのなら、たとえ保険料が3年で$1,200上がったとしても保険会社に処理してもらうほうが気が楽ですし安心です。たとえ被害額が$1,200以下だったとしても、百ドル二百ドルの差ならば、やはり保険会社に通知するほうが安全でしょう。
- 被害額がかなり大きく医療請求も発生するとなれば、もう選択の余地はなく保険会社に通知するのがベストです。
気に留めておきたいこと
保険会社に通知せず自分で支払い事後処理する場合、注意しておきたいのは、修理代を支払うのと同時に「これでこの事故に関するすべてのLiabilityから加害者(あなた)を免責します」という文書にサインをもらうことです。文書には簡単な事故の記述と、修理の内容と同意した金額もまとめておくほうがよいでしょう。こうすることで、$500の修理代を請求されたので支払いをして一件落着したはずだったのに、3ヵ月後に首が痛いと言って医療費を請求された・・・というようなことを防ぐことができます。保険会社がからめば、それが妥当な請求なのか不当な請求なのかを吟味するシステムやリソースがありますが、個人で請求を受けたとなるとなかなか面倒なことです。自動車保険は、単なる修理代やケガ代の補償というためだけでなく、このような問題から自分を守るという意味合いもありますから、単に金銭的なことだけで計算を進めないことも大切ですね。
最後に、ここで取り上げた$1,000という限度額は、保険会社によってまちまちですので、ご注意を。一番よいのは、車の小さな事故、保険を使うか使うまいか・・・でも書いたとおり、あらかじめ(事故をする前に)このポリシーを確認しておくと、事故のときに迷わずクレームするかしないかを決めることができます。
私個人の経験から考えますと、巷でよく言われている「小さな事故なら保険会社にはレポートしないほうがいい」というのは、一般的に考えられているほどいつも理にかなうものではなさそうだということです。おそらくこの私の保険会社の$1,000という限度額も過去のデータをもとに、よくよく計算されて設定されたものなのでしょう。小さくても大きくても、きちんと事故を報告することで、保険会社にも消費者にもうまくいくようにできていると感心したりしました。
なるほど・・・。興味深い内容です。ちなみに、補償額が$1000以上の場合と、$2000以上の場合、補償額の違いによって、次の保険料の値上げに違いがでるのでしょうか?もし、ご存知でしたら教えていただけますか?
私の保険会社のこのケースに限っては$1,000以上だと保険料に影響が出る・・と言われただけで、それ以上の補償額だとどうなるか質問しませんでした。でも、保険会社は統計の専門家ですから、おそらく違反の内容、事故の被害額など細かい情報などが考慮されるのではないかと想像します。