Citiカードのあまりにも悲しい特典削除

娘がStat(統計) Calculatorを買わねばならないと言い出し、近くのStaplesへ。これまでにも何台かCalculatorは買っているので今度も数十ドルだろうと思いきや、$119の値札。「これ、すぐいるの~?オンラインのほうが安いんじゃない?」と言いながらGoogle Searchするも、Amazonでも案外似たような値段。でも2週間後には安くなるかも??そこで思い出したCitiのPrice Rewindというサービス。Citi Cardで購入したあとサービスに登録しておくと、60日以内にもっと低い値段が市場に登場した場合、差額を返金してくれるというもの(電気製品やブランド物を買うならば:CitiのPrice Rewindがすごい)。それなら安心、買ってしまおうと思いレジまで行くと、いつものごとく、”Do you need an extended warranty on this?”とキャッシャーのお兄さん。“No, We don’t need it.  It is protected under this card.”とお気に入りのCiti Double Cash Cardをスワイプしながら伝えると、”Really?  It does not make sense.”とお兄さん。”Yes.  This card provides extended warranty, purchase protection and price protection.”と答えてから、そろそろクレジットカードの使い方を教えなければならない年になった娘に、それらの特典の説明をしながら帰宅。それでさっそくPrice Rewindに登録してみようとオンラインサイトに行ってみたらば、びっくり!なんと「このサービスは2019年9月22日をもって終了しました」という警告が出るではありませんか。あらま~。全然知りませんでした。きっと、Noticeは来ていたのでしょうが、注意を払っていなかったのかもしれません。

 

Citi Card 天から地へ

それで初めて、Citi がその提供するほとんどのクレジットカードにおいて、9月22日付で、非常にドラスティックな特典削除を行ったことを知ったのでした。

以下、すべてのCiti カードから削除された特典:

  • Worldwide Car Rental Insurance
  • Trip Cancellation & Interruption Protection
  • Worldwide Travel Accident Insurance
  • Trip Delay Protection
  • Baggage Delay Protection
  • Lost Baggage Protection
  • Medical Evacuation
  • Citi® Price Rewind (Price Protection)
  • 90 Day Return Protection
  • Missed Event Ticket Protection
  • Roadside Assistance Dispatch Service
  • Travel & Emergency Assistance

上に加えて、 Citi Double Cash と Citi Dividend Card については、下も削除:

  • Extended Warranty
  • Purchase Protection

Costco Anywhere Visa® Card by Citi は、最も削除の影響の小さいカードだそうで、 Citi Price Rewind と Trip Interruption & Cancelation だけの削除だそうです。

Staplesのお兄さんに偉そうに、“We are covered!”と言ってみたのに、大嘘つきでした!!私は全く知らなかったこの特典の変化ですが、このブログの読者の中にはすでにちゃんと把握されていて、コメントをくださった方もいらっしゃいました(ちょうど今日!)。

とはいえ、このCiti Double Cashはこれまで私自身愛用してきただけでなく、このブログでも何度か取り上げてご紹介してきました。このあまりにも急激な特典の削減で、このカードはもはや「お財布の中の一枚」ではなくなりました。Double Cash(すべての消費で$100使うと$2がキャッシュバック)の特典はそのままではあります。この“消費カテゴリーを選ばないすべての利用での2%還元”は、まだ業界で誇れるレベルではあると思いますが、トップレベルのクレジットカードが当然提供すべきと思われるCar Rental Insurance、Purchase Protection、Extended Warrantyもろもろを備えないとなると、安心して使える基本の一枚ではなくなるように思います。

ちょっと調べてみると、クレジットカードの特典の削除はCitiだけの話ではなく、ChaseやDiscoverなども、軒並みPrice Protectionを廃止しています。Citiの場合でいうなら、このPrice Rewindという名のPrice Protection Serviceは年間$17.5ミリオンかかっていたということで、特典削除は少なくとも短期的には大きなコスト削減にはなるのでしょうね。アメリカは大統領が変わると税制や健康保険までガラッと変わりますが、Citiもマネージメントが変わったのでしょうか、あまりにも衝撃の変化です。

 

混乱のカスタマーサービス

ここまで来て、はたと思いだしました。この冬に行く旅行先で、10日間乗るレンタカーの予約をCiti Double Cashでしたのでした。たしか9月22日よりは前だったと思うけど・・と思いながらチェックしたら9月7日でした。カットオフの前に支払った予約は、Rental Car Insuranceの対象内とあったので一応は安心しながらも、きちんと対象内であることとその特典の詳細を文書で確保しておこうと思ってオンラインサイトで探すも、なんとすでに削除対象の特典情報はきれいさっぱり削除されていました。情報を確認したいとChatでリクエストしてみたら、Benefit Departmentの1-866-918-4670に電話してください・・といわれ、面倒だけど仕方がない、電話しました。

いつものAutomatic Voice Systemで機械と話したあとやっと人と話せて、“Car Rentalの特典情報をPDFかリンクで欲しい”というと、“You need to speak to Benefit Specialist.”と言われ回されて、またAutomatic Voice Systemで同じことを聞かれ、同じようにリクエストすると、”You need to speak to Benefit Specialist.”という答え。 “あら、あなたがBenefit Specialistじゃないの?”と聞くと違うと言う。“だってBenefit Specialistだと言われて回されたのがここですよ。少なくとも、このまままたトランスファーして機械と話すのはいやだから、人に直接回してください。”というとOKと言って、また違う人に。今度こそと思って同じ説明をすると、“その情報はオンラインにあるから見てください“という。”オンラインは見ましたよ。もう特典の情報はきれいさっぱりありませんよ“というとまたHold。戻ってきたかと思うと、“You need to speak to Benefit Specialist. Its phone number is 1-866-918-4670.”  …. それって最初にかけた電話番号!

てんやわんやで対応が追いついていない、トップが急に変更を発表したもののカスタマーサービスには情報がない(と言ってももう廃止後1か月だけどな・・)という感じでした。カスタマーサービスのRepも気の毒だけど、でもここで引き下がるわけにもいかない。とにかくもう回されても同じだから踏ん張って、“何も顧客に出せる情報がないの?”と聞くと、“Bookletを郵送します”とのこと。それって、昔にもらって、家にもどこかにあるのと同じかも・・と思いつつも、この時点でCitiから直接もらったということが大事かもと思って送ってもらうことにしました。

  • 追記)結局、郵送されてきたBookletはなんだか全く役に立たない宣伝用の類のものでした。しばらくたって11/7/2019現在、Citiのサイトには、9/22/2019までのBenefit Bookがpdfファイルで用意されており、変更以前のベネフィット情報が詳しく書かれています。レンタカーをするのが中米の国で、借りるときにLetter of Coverageがないと結局保険を買わされると聞いて電話してリクエストしたら、ものの30秒でeMailで送信されてきました。前とは大違いの対応。前回はとにかく混乱状態あったのでしょう。。。

 

じゃ、どのカードにしようか

長く使って行こうと思っていたカードだったので大変残念な思いです。クレジットとは、信用という意味。カード会社と顧客の間の信用の上に成り立っていると思うけど、このような手のひらを返したような仕打ちは遺憾です。

では今後どのカードを使って行こうか・・と思い、少し調べてみました。今まで重宝してきた特典たちをまだ提供しているカードはどこか・・。ざっと調べたのでものすごく正確ではないかもしれません。下表は雰囲気を掴むために使ってください。

 

Citiがこれらの特典をバッサリ切った今、業界のリーダーはChaseです。ただし、ここに出てくるChase Sapphire Reserve と Chase Sapphire Preferredは、それぞれ$450と$95という年会費があります。BarclaycardのWorld  Elite Plusは$89の年会費。こうやってみると、Citi Double Cashはこのほとんどの特典と高いキャッシュバックを年会費ゼロで提供していたわけで、採算がとれなくなっても不思議はないとも思います。

 

キャッシュバックよりポイント?

クレジットヒストリを管理し、クレジットスコアを高く維持することで、特典のなるべく良いクレジットカードを使い、毎月使った分は毎月支払い切る・・・これが賢いクレジットとの付き合い方だということを再三ご紹介してきました。また、クレジットカードはポイントが貯まるもの、キャッシュバックが貯まるものと大きく分けて二つありますが、一貫して年会費のないキャッシュバックカードをお薦めしてきました。

ところが最近はちょっと様子が変わってきているように思います。特典がよい年会費ゼロカードというのはだんだん姿を消しつつあるように思います。今まで通り特典を利用したいとなると、$100弱の年会費は払う心づもりが必要ということかもしれません。そうすると、それらの特典が自分にとってはいくらくらいの価値があるかを見極めることになります。自分の消費パターンではあまり特典は無用というのであれば、特典がないが年会費ゼロのカードがいいかもしれません。

またキャッシュバックカードのほうが換金率が高く有利である・・という前提もだんだんと崩れてきているように思います。トレンドとして、エアラインやホテルにポイントがトランスファーできるポイントカードというのが台頭してきました。以前は貯まったポイントは主に品物に換えるタイプが多く利用が限定的だったのが、最近は複数のエアラインやホテルのマイレージシステムとつながり、ポイントが使える範囲が劇的に広がってきたのです。

ポイントのトランスファー先の選び方によって、かなり条件のよい換算でポイントが使えるカードもあり、その場合は6%、7%、8%といった還元率を出せることもあります。飛行機代やホテル代、レストラン代などトラベル関連の消費が多い人であるなら、たとえ年会費を払ってもそのポイントの貯まり方とトランスファー機能で、十分元が取れるというケースも多いようです。ただしこの場合、キャッシュバックのように、貯まった額がそのままキャッシュバックされるという単純な話ではなく、どう消費して、どうポイントをため、どうトランスファーして、どうポイントを使うか・・と複雑な図になります。それを研究して極めるか、面倒なので簡単な年会費ゼロのキャッシュバックでいくかの選択になるようです。

・・ということで、うちのCiti Double Cashもおそらくもうすぐリタイヤ。Chaseに乗り換えることになるかもしれません。でも、そのうちまたChaseもCitiの二の舞になるのかもしれませんけれど。そういう意味では、ずっと使っているAmex Blue Cash(今はもう発行されていない年会費ゼロバージョン)は、いまだにガソリンと食品は5%還元で固いカード。これはきっと使い続けるのかな・・と思っています。

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6 comments

  1. 情報の共有ありがとうございました。

    私もずっとCiti Double Cash Cardを使っています。私はカテゴリーを考えずに2%のキャッシュバック、そしてRental Car Insuranceが目当てで使っていました。お財布に何枚もカードを入れて目的によって使い分けられる性格ではないので、このカード1枚でずっときていました。が、残念ながら今回の変更で私もCiti Double Cash Cardとはさよならしなければいけません。

    丁度FidelityからVisaクレジットカードの勧誘メールが来ていたのでちょっと見てみたところ、キャッシュバックが一律2%、そしてRental Car Insuranceも付いているとのこと。年会費無料でサインアップボーナスが$150とおまけもあるので、こちらに申し込むことにしました。

    こちらのサイトの記事は大変参考になります。いつもありがとうございます。

    1. 私もカテゴリーを考えないで2%を大変重宝していました!
      Fidelity VISAの情報、ありがとうございます!Double Cashは愛着のある一枚だったので本当に残念です。

  2. 私もCiti Double Cashを使ってきた一人です。Price Rewindにはかなりお世話になったのでまあいいかな…とは思うものの、次にメインで使うカードは何にすべきか迷っていて、とりあえず今はCostcoのカードをなんとなく使ってしまってます。

    「今は発行されていないAmex Blue Cash」も持っているのでそれを使うべきなのかなと思うのですが、cash backの詳細の情報がどこにも見つけられません。もしご存知でしたら教えていただけると助かります。

    1. 私も探し中です。
      私と同じblue cashでしたら、ガスとグローせりーが5%、その他は1%だと思います。。。

  3. いつも参考にさせて頂いてます!
    メイントピと違うかもしれないですが、質問させてください。今回カードのキャンセルを考え中との事ですが、“キャンセル”と仰っているのは、完全なキャンセルの事ですか?それともメインでの使用は辞めるけど、とりあえず保持はするってことですか? 在米 1x~年となり、色々カードが増えたので、賢いカードのキャンセルの仕方 (Secured cardなんかは使ってないのにヒストリーのためだけに持ってる..)など記事にして頂けるとありがたいです!!

    1. 完全にキャンセルするつもりでいます。すぐにキャンセルしないのは、まだこれから使うレンタカーや旅行の代金などをこのカードで払っているので、もしもレンタカーのCDWとかTrip Coverageなどでクレームがあったことを考えてのことです。カードをキャンセルすると、そのカードのCredit Lineがなくなり全体の許容学が減るののと、もし保持期間の長いカードだとそれがなくなるので多少クレジットスコアが落ちるかもしれませんが、近々家を買ったり車を買ったりする予定がないのなら、大きな問題にはならず、そのうちまた上がっていくと思います。すでにクレジットカードをお持ちなら、Secured Cardはいらないのでは?なくしてもおそらくクレジットスコアにはほとんど関与しないかと思います。賢いカードのキャンセルのしかた、おもしろいですね。ちょっと考えてみます。

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