タダでもっと幸せになる方法

過ぎた2017年を振り返ると、政治の不安定、自然災害、争いや分裂、国際平和の問題などなどいろいろと心が騒ぐ問題もたくさんありましたが、何はともあれ今また新しい年2018年が始まりました。この一年も心軽く幸せに生きたいものですね。世界の平和、よりよいアメリカとよりよい日本のために何ができるかと大きなレベルで考えることも必要ですが、同時に私たち個人ができる範囲で、幸せな自分、幸せな家庭、幸せなコミュニティをつくるという草の根のとりくみも必要だと思います。今日は、社会の中の一番身近でもっとも基本的な存在、自分をいかに幸せにするかについて考えてみます。

ある程度を超えるとお金ではダメ

 

資本主義の競争社会に生きていると、幸せになるためにはお金をたくさん稼ぐことが不可欠のように感じがちです。お金があれば、大きな家に住め、よい車に乗り、趣味でも旅行でも好きなことができます。お金と幸せ度の相関関係を調べた興味深いリサーチがあります。ちょっと古く、プリンストン大学の研究者が2010年に発表した研究結果ですが、所得レベルが、感情の状態(幸せかどうか)と生活の満足度という側面にどうかかわるかを調べたところ、年収$75,000までは所得が上がるにつれて幸せの感情が増えた一方で、$75,000を超えると所得が増えることと幸せ感の向上との間に強い相関関係は見られなかったということです。しかしながら、生活の満足度、具体的には「自分の生活がどのくらいよいものであるか」は、所得と深い相関関係があったそうです。

つまり、所得が上がれば生活は確かによりよいものになり、ある一定の所得レベルまではそれが幸せ度とも強く関係しているが、ある一定以上を過ぎてしまえば、所得が上がると生活はよくなったと感じられる反面、だからといって幸せにになるとは限らないということです。

この傾向は、個人レベルだけではなく、国のレベルにもみられるそうです。国も、一人当たりの所得が増えれば国全体の幸福度は上がるのですが、ある一定の所得レベルまでこの傾向がみられるだけで、そのレベルを超えると幸福度とは直接関連が見られなくなるということです。また、この「ある一定の所得レベル」というのは、絶対的な値があるわけではなく国それぞれによって違うということです。

お金はある一定の生活レベルを実現するためには必要不可欠で、幸せ度もそれに左右されることになりますが、その範囲を超えたらお金では幸せは買うことができない、つまり幸せになるためには何かお金以外の要素が必要だということでしょうね。

お金以外に幸せになるための要因はいくつかあるのかもしれませんが、よく知られたもののひとつは感謝することです。感謝の心を持つ人は、長期的に安定して幸福感を感じている人であるということができるようです。

感謝のパワー

 

カリフォルニア大学デービス校の心理学の研究者のリサーチでは、対象を3つのグループに分け、第一グループはその週にあったことで感謝すべきことについて記録することを実行し、第二グループは日々あったことでいらいらしたりうんざりしたことについて記録し、第三グループはとくにポジティブとかネガティブとか限定せず起こったことについてなんでもいいから記録するということを10週間継続しました。10週間後、第一グループの人が自分の生活についてより楽観的でよりポジティブにとらえているという結果が出ました。同時に第一グループはいらいらやうんざりに焦点を当てた第二グループに比較すると、医者にかかった頻度も少ないという結果でした。

またペンシルバニア大学の心理学者のリサーチでは、過去に感謝すべきことをしてもらったのに今まできちんと感謝の意を表していなかった人に対して感謝の手紙を書くという実験をした場合、参加者の幸せ度が即時的に上がったと報告し、この幸せ度の向上度は、実験で使ったさまざまな他の幸せ度を上げるためのどの方法よりも最も効力があり、またこの向上した幸せ度は1か月近くも継続したとしています。

どうやら、感謝する心を持ち感謝を表すこと、これは幸せ度の向上に大きな役割を果たすようです。そしてこれは、特にお金がかかることでもなく、お金がなくてはできないことでもなく、誰でもやろうと思えばすぐにできることでもあります。最近、私が感謝について学んだことを3つシェアさせてください。

 

感謝は表現である

感謝は心に持つことができるが、それだけでなく感謝している相手に対して実際に表現することが大切です。日本語では「有難い」と言いますが、本当に「ある」ことが「難しい」ほどのことをしてもらったとき、どうしても一言でいいから「ありがとう」と伝えたい気持ちを、私たちは自然と覚えるものですね。人間の心はそのようにできているのでしょう。感謝を表現すれば、表現された相手もうれしいでしょうが、上のリサーチによると表現した自分も幸せになるということですから、一石二鳥。とにかく日常で感謝すべきことを見つけて表現する、心掛けたいですね。もちろんちょっと気の利いたギフトなどをともなえばそれもよいかもしれませんが、でも心のこもった手書きのカードや手紙や電話が何よりもの表現だと思います。Eメールやテキスト一本でもいいかもしれません。形ではなくこころですね。お金をまったくかけず幸せになれます!

 

感謝は完成である

表現と関係しましすが、感謝をすることは一連のサイクルの締めくくりです。何かを願うàそれがかなうà感謝で終わる、困っているà助けてもらうà感謝で終わる、期待もしていなかったが与えられるà感謝で終わる・・・などなどパターンはいろいろあるかもしれませんが、とにかく感謝で終わること、これが一連のできごとなりイベントを締めくくり、完成させる行為であるということです。私の祖母は、「ありがとう、ありがとう」と言いながら亡くなりましたが、最高の締めくくりだったと思います。感謝してはじめて締めくくることができる、サイクルを終えることができるのではないでしょうか。上のリサーチにもありますが、何かしてもらってまだきちんとありがとうを伝えていない人がいたなら、手紙を書いてみることで完成させると、一連のできごとが締めくくれて、そのうえ幸せをもう一度かみしめることができるかもしれませんよ。

 

感謝は選択である

そして最後のポイントは、感謝はどんな状況であっても必ずできることであるということです。幸せと感謝はこれまで見てきたように直接的に関連しているようで、感謝すれば幸せ度が向上するというのはどうやらホンモノですが、幸せでなければ感謝できないということはないのです。もちろんな何かうれしいこと、喜ぶべきことがあったら、感謝することを見つけるのは簡単かもしれませんが、悲しいことが起こったり、どうやっても喜べない状況にあったとしても、感謝することを見つけて感謝すること、これは幸せの秘訣のように思います。大きな病気に見舞われどう見ても大変な状況にある人が、今日一日命が伸ばされてありがとうと言い、一生懸命ケアをしてくれる医療スタッフに感謝し、あたたかく見守ってくれる家族を有難く思う・・・感謝は選択です。金銭的に困窮していても頭の上に屋根があるだけを感謝する。ひどい欠点がある配偶者でも、働いてお金を稼いでくれるだけで感謝する。こんなときに感謝できるか・・と思う時こそ、無理にでも感謝することを見つけて、そして心から感謝する。状況は変えられなくても、感謝は自分の心ひとつでどうにでもできます。敢えて「選択」して感謝するのです。

 

感謝というのは自分の外にあるものや人に対してするものですから、おのずと「自分はひとりではない」、「自分は助けられている」、「自分は大きなもの(世界なりコミュニティなり家族なり)の一部である」という考えを再確認することができるのだと思います。私も普段からなるべく感謝をしつつ感謝をあらわしつつ生きようと努めています。でも心が萎えて不満が持ち上がり感謝の言葉がでない日があります。そういう日はどんどんと心が暗く重くなっていくのがわかります。エネルギーが吸い取られます。そんなときは、「あ~神様、私に感謝の心を返してください。感謝できるように私を変えてください。」と祈ります。感謝は力です。物を買ったり、地位を手に入れたり、お金を稼いだり、そんなことではなかなか長続きしない幸せを、感謝はもたらすことできるように思います。2018年がみなさまにとって感謝あふれる幸せな一年となりますように!

4 comments

  1. いつも愛読させて頂いておりますが、今回は特に素晴らしい記事でした。
    現在ハワイ在住ですが、日々の生活に追われ、素晴らしい環境で生活していることへの感謝を忘れがちになります。
    ファイナンシャル系の記事も大変参考になりますが、たまにこのような癒し系の記事を頂けると嬉しくなりますね。

  2. いつも勉強になるブログ有り難うございます。
    ひどい欠点のある配偶者にも感謝すると言う箇所で笑ってしまいました。でも、本当に「笑う門には福来たる」ですね。私も感謝を忘れないよう努めます。

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