自然災害にあっても、自分の銀行口座にすぐアクセスできますか?

スーパーストーム・サンディの影響はまだ続いています。自宅に住めなくなってしまい、ホームレス状態になっている方もたくさんいらっしゃいます。ガソリンがなくて困っている人も多いと聞きました。少しでも早く生活が落ち着きますように祈るばかりです。

最近、自然災害が多いですね。地震、津波、トルネード、ハリケーン、洪水、山火事・・・。私たちの住む南カリフォルニアはなんと言っても地震地帯です。学校でも、地震に備えて、ひとりひとりの子どもごとにEmergency Kitというのを用意しています。我が家でも、非常食や水、救急用品や緊急ブランケットくらいは備えているのですが、そのうちもう少しきちんとした用意をしたいと思っています。でも、どうもこういうことって伸ばし伸ばしにしがちでして・・・。

非常用品はもちろんですが、今日のトピックは非常時に備えての情報管理、とくにファイナンシャル情報の管理について書いてみたいと思います。たとえば、火事で家が燃えてしまったとしましょう。幸い、ちゃんと火災保険に入っていますから、補償金が出るはずです。一日も早く、普段の生活に戻りたいところですが、すぐに保険会社にクレーム処理ができますか?当面ホテルに泊まらねばなりませんが、クレジット・カードの再発行がすぐにできるでしょうか?銀行口座にアクセスして送金ができるでしょうか?

お恥ずかしながら我が家の場合、今のままでは困ることも多いと思います。ファイナンシャル関連の書類はファイリニグしていますが、それが焼けてしまったり流されてしまったりしたら、すぐに口座番号や顧客番号を確認できる方法は・・・なくはないですが定かでありません。お財布が手元になければ、クレジット・カード番号も免許書番号もわからないかもしれません。請求書の支払いや送金などはオンラインでやっていますが、ログイン名やパスワードなどすぐに思い出せないかもしれません。

これは自然災害に限ったことではなく、いつもファイナシャルなことを一手に引き受けている人が、病気や怪我のため一時的にふつうに機能しなくなったり、悲しいことに亡くなってしまったとなった場合にも同じことがいえます。たとえば私が事故にあってしばらくの間ふつうに機能できなくなったとすると、我が家のファイナンシャル機能はちょっとばかり混乱すると思われます。我が家のファイナンシャル処理は一手に私が引き受けているので、それを一時的にでも主人が引き継ぐことになるわけですが、引き継ぎをする本人は機能していないとなると、これは大変な話です。銀行のオンライン口座にログインすることさえできないかも。いやどこの銀行を使っているのかさえ知らないかも!!

本人が亡くなったとなれば、もっと大変。銀行口座、自動引き落とし、401(k)にIRA、529にその他のインベストメント口座、会社のベネフィット・ページ、モーゲージ口座、クレジット・カード・・・ログインとパスワードがなければ、何もできません。ログンもパスワードもわからないとなれば、自分たちのアカウントにアクサスするための唯一の方法は裁判所のコート・オーダーをもらうこと・・・なんてことにもなるかもしれないそうですよ。コート・オーダーを得るには、時間もお金もかかります。ううっ・・ログイン名とパスワードさえ分かれば・・・と悔しい思いをすることでしょう。

生きても死んでも、とにかく必要な情報がない、必要な書類が確認できないという状況をなるべく避ける・・・これが目指すところですね。では、ひとつひとつ確認してみましょう。

文書と書類の整理

まずは文書と書類の整理から。わたしはこれがとても苦手です。お恥ずかしながら、数十年前にもらったソーシャル・セキュリティ・カードなんて、もうとっくにどこかに行ってしまいました。車のTitle(権利書)なども、他の書類と一緒にファイル・キャビネットに入れっぱなし。銀行口座明細は来ると、ファイル・キャビネットにつっこんでいくので、もうかれこれ2年分くらいたまっています。いつまでとっておきましょう。いけませんねえ。こういうの。どういう書類をどのくらい保管しておくべきなんでしょう?こんな感じらしいですよ。

書類

何年

出生証明、養子縁組書類、結婚証明、離婚証明、、死亡証明、ミリタリー書類、ソーシャル・セキュリティ・カード 永久
パスポート 永久
卒業証書、成績証明、職業・技能サイセンス 永久
遺書、Advance Directives、Power of Attorney 有効な限り
ヘルス・ヒストリー(病歴・予防接種・テスト結果、処方箋など) 永久
契約書 有効な限り
保険書類 有効な限り
IRA入金明細 永久
不動産Deed、Title書類 売ってから7年
家の購入・リモデル関連の書類 売ってから7年
車Deed、タイトル書類 売るまで
その他所有物Deed、Title書類 売るまで(税金が関係すれば売ってから7年)
有価証券 売るまで
雇用契約 有効な限り
インベストメント書類 売ってから7年
タックス・リターン ファイリングから7年
クレジット・カード明細 支払うまで
給与明細 1年
銀行口座明細 1年(オンライン明細があれば短くてOK)
ローン書類 完済・抵当を売るまで
高額商品のレシート・ワランティ ものを所有している限り

 

最近は文書のデジタル化が進んでいますので、これらのうちの多くはオンラインで確認できるものも多いでしょう。銀行の口座明細はもとより、ローンの明細や保険の契約内容までオンライン・アカウントがあれば、どこにいてもすぐに確認ができます。ただし、これにはふたつの条件あり。ひとつは、どの銀行・どのローン会社・どの会社と取引があるかがわかっていることと、アカウントにアクセスができるということです。

オンライン・アクセスといっても、そもそもどこのサイトを見ればいいのかわからなければ話が始まりませんし、サイトに行きつけてもログイン名やパスワードがわからなければそれ以上進めません。・・・ということで、次の整理は・・・

 

アカウント・ログイン・パスワードの整理

ここで便利なのがバランス・シートです。バランス・シートには、家庭のすべての資産と負債がリストアップされているはずです。できれば数字だけでなく、どこの銀行にいくらある、どこのローン会社からいくら借りているというように、明記しておくと、いざとなったとき取引のある金融機関をすぐに確認することができます。

あるいは、その他のオンライン・アカウント情報と一緒に、アカウント一覧表をつくっておくとよいでしょう。URLとともに、ログイン名とパスワードを列記しておきます。これはMS Wordなどを使ってPCで作ってもいいですが、その場合はプリントしたらすぐにファイルを削除しておきましょう。PCへハッキングされたときに、情報が悪用されないようにするためです。ノートに手書きで書くというのが、一番安心できる方法かもしれません。

  • PCのユーザー・アカウント
  • インターネット・サービス/Webホスティング・サービス/携帯電話アカウント
  • E-mailアカウント
  • オンライン・バンキング・アカウント
  • オンライン・インベストメント・アカウント
  • モーゲージなどローンのアカウント
  • リタイヤメント/カレッジ・セービング・アカウント
  • 自動引き落としをしている会社のアカウント(ユーティリティ、電話、レントなど)
  • タックス・リターンやパーソナル・ファイナンス・サイトなどのオンライン・アカウント
  • ブログやフォト・ストーレジ・アカウント
  • ソーシャル・ネットワーキング・アカウント
  • ホーム・セキュリティ情報

デジタル情報の整理

また、このほかにも、デジタル情報として保管しておくべきもの、保管しておくとよいものもあります。デジタル情報は、CD-R、CD-RW、外付けハード・ディスク、USBフラッシュ・ドライブなどに保存したり、オンライン上のストーレッジに保存しておけます。下のような情報を保存しておくとよいようです。

  • 永久保存文書をスキャンしたもの: 出生証明や結婚証明、パスポートやヘルス・ヒストリーなど、バックアップとしてスキャンしたものをファイルで保存しておくといいでしょう。いつも持ち歩いている運転免許証などもスキャンしておくといいでしょう。
  • 所持品のインベントリ: 車や家財など、どんなものを持っているか、いくらで買ったかなどのリストです。火災や洪水で家財がなくなった、ダメージを受けた場合、保険クレームを出すことになりますが、その場合、どんなアイテムがあったか、どのような質のものでいくらでいつ買ったかなどの情報が必要になります。ビデオ・カメラで家中の家財を撮影し、デジタル・ファイルとして保存しておくのがいいでしょう。
  • 家族・親類や自分の医師、歯科医、会計士、弁護士、ファイナンシャル・アドバイザーなどの連絡先: 携帯電話に全部入れている場合など、電池が切れると番号がわからない・・・ということもありますね。オンライン・バック・アップが使えればそれも利用するといいでしょう。
  • その他、簡単にファイルとして保存できる大切なものもありますね。たとえば思い出の写真やビデオ、子どもの書いた絵など、定期的にバックアップしておくとよいでしょう。

次回はこれらを、どう保存するか・・についてです。

6 comments

  1. うちは数年前に一応リストを作ってはみたのですが、放置のままでした。アップデートしなくては!

    質問です。あまり高額でない商品のレシートはどれくらい保存するべきですか?たとえば、スーパーのレシートは、カードで支払いをした場合、すぐに捨ててもいいものなのでしょうか?

    1. Novemberさん、こんなブログをやっていてこういうのも恐縮ですが、わたしはレシート管理においてはぜんぜんダメです。とってもズボラで・・そこらへんのバスケットにバサッツといれておいて、1ヶ月に一度捨てる・・・みたいな。ただ、返品する可能性のあるものだけはしっかり別口でとっておきますけども。あとは、先方が間違える可能性のあるもの、たとえば返品したのに金額がちゃんと返ってくる可能性がないというような・・・はとっておきます。スーパーや大型小売店で、クレジット・カードで支払ったり、返品してもらったりしたものは、ほぼ100%請求の問題はないので、レシートが必要になることはあまりないとタカをくくっています。クレジット・カード明細を家計簿がわりにもしているもので、レシートをあとで確認したりする必要もありませんで。。。えらいズボラな返答ですいません。。

      1. adminさま、いえいえ、ありがとうございます。うちは全てのレシートをバスケットにぽいっと入れっぱなしで、タックスが終わると一年に一回処分していました。が・・・、そのバスケットを子供が荒らすので、不要なものは捨てちゃおうかと思った次第です。大事なのと要らないのは分けたほうがよさそうですね。

        Have a nice weekend!

  2. 大切なことですね。旦那がいつもネットで何でもアクセスしているので、まかせっぱなしでした・・・。これではだめですよね・・・ちゃんとお互いがそういう情報を知っていないと。大切なことをきずかせてくれたトピックに感謝です!!ハリケーン・サンディもそうですが、東日本大震災が起きたとき、私は東京にいて、すべてのライフラインが止まった時間をすごしてます。その怖さ、一瞬にしてすべてがなくなる映像をTVで見て、背筋が凍ったのを覚えています。ちゃんと自分のこととして、もっと身近に考えなければいけませんね。

    1. そうですか、turtleさん、東京にいらっしゃったんですね。「あたりまえ」のことが多すぎて、何か起こるまで気づきもしないんですね、わたしたち・・・。わたしが経験したので一番ひどいのは、やはりハリケーンですがせいぜい2,3日の停電でした。それでも、本当に不便でしたけれども。。なかなか「もしもの時に備える」というのは、難しいです。。のどもと過ぎればなんとやら・・で。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください