前回は、災害にあったり、いつもファイナンシャル関連の処理をしている人に万が一のことがあった場合でも、滞りなく生活が続けていけるように、どのような情報を整理しておくべきかということをまとめてみました。今回は、整理した情報の保管についてです。
大切な書類の整理ができ、オンライン・アカウントの整理ができ、そしてデジタル・ファイルの整理ができたら、次のステップはそれらをどう安全に保存するかです。大きく分けて三つの方法があるようです。ひとつめは銀行などで借りるセーフ・デポジット・ボックス、もうひとつは家に置く金庫、三つ目はクラウドなどを利用したオンライン上のストレージです。
セーフ・デポジット・ボックス
銀行などで借りることができるセーフ・デポジット・ボックスは、もっとも安全と考えてよい場所のひとつでしょう。2インチx5インチの小さなものから10インチx10インチくらいまでが典型的な大きさ。長さは22インチだそうです。利用料は、一年につき$15から$150くらい。
何を入れる: オリジナル書類で、もし紛失してしまったら非常に困るもの。直筆のサインが必要のある書類。簡単に再発行できない書類。
利点: 家から離れたところにあるので、家が被害にあったとしても守られる可能性が多い。
欠点: すぐにアクセスできない(銀行などの営業時間内だけ)。よく使う書類(パスポートなど)の保管には不向き。本人が死亡した場合は、法律上一時的にアクセスが凍結される。死亡後すぐに確認が必要な書類(遺書など)のオリジナルは入れないこと。
注意: セーフ・デポジット・ボックスに入れる書類は、念のためジップロックなどの防水の保管袋に入れること。入れる書類は、必ずコピーをとって自宅など他の場所にも保管しておくこと。
自宅の金庫
CostcoやSam’s Clubなどでも自宅用の金庫を売っていますね。一度買ってしまえば、セーフ・デボジット・ボックスのように利用料はかからないし、なんてたって24時間いつでもすぐにアクセスできます。$50~60から購入できるようですが、防水・防火のものだと数百ドルはするようです。
何を入れる: パスポートや証明書など、頻繁に必要になる重要書類など。
利点: 24/7アクセスが可能。利用料がかからない。
欠点: 金庫ごと盗まれる、あるいは災害の場合、悪用する人の手にわたる可能性は免れ得ない。
注意: 防火、防水のものを購入したい。防火、防水の度合いは製品によって違うので確認すること。念のため、ジップロックなどの防水の保管袋に入れてから金庫に入れる。
オンライン上
オンラインでアカウント情報を一括管理することができるサイト(Legacy LockerやEstateLogicなど)があるそうです。オンライン上の各種アカウント、ログイン情報、ベネフィシャリーの情報を登録しておき、本人の死亡が確認されるとベネフィシャリーにe-mail通知がいくしくみだそうです。自分でつくったファイルをオンライン上のストレージの保存しておくことも有効です。
何を入れる:文書をスキャンしたコピーやビデオ・写真などのデジタル・ファイル
利点:自宅やセーフティ・デポジット・ボックスとは物理的に離れた場所での保管で、ストレージ会社のバックアップ体制がきちんとされている限り、かなり信頼性の高い保存箇所である。どこにいても、PCにさえアクセスできれば、すぐ必要な書類や情報を入手できる。
欠点:利用料金が発生するかもしれない。プライバシーが完全に守られる確約は難しい。
注意: 汎用されているファイル形態でセーブする。ストレージ会社の信頼性を見極める。
何をどうやって保存するかを表にするとこんなかんじになるようです。(他にも、こんなものも保管したほうがいいというものがあれば、コメントください。。