今週・来週の2週間で、2012年夏に掲載した3回シリーズ「お金と時間といのちのハナシ」を、再度お届けしています。
3月24日発売で「お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計」という本をダイヤモンド社から出版することになりました。「お金から自由になるためのお金の本」というのが根底のビジョンです。このブログ記事を読み返す機会があり、再掲載を思いつきました。
この本には、日本の確定拠出や個人年金の話が3割ほど出てきますが、残りのページは長期投資のしくみをどう家計の中につくるかというところに注がれています。しくみをつくって、あとは心配せず、もっと大切なことに時間をつかう!というのが狙うところです。よかったら手に取ってみてください(電子版もあり)。
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全3話でお届けしています「お金と時間といのちのハナシ」。第1話はこちら。第2話はこちら。時は金なりといえども、not exactly金にあらず。時は、このからだと引き離すことができず、つねに自分とともにあるもの、言い換えれば自分の人生(いのち)である。時間はいのちであり、いのちは時間。時間を人と共有する、人のために使うということは、自分の人生(いのち)の一部をその人のために差し出すということ。Love is spelled T-I-M-E. そう時間は愛とな。金≠時=いのち=愛となるわけですねぇ。。
いきなりですが、聖書にはこうあります。。。
友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。(ヨハネ15:13)
友というのは、夫でも息子でも、娘でも、あるいは母や父と読み替えてもいい。友とは、自分とかかわりのある周りの人間のことです。
ま、イエス・キリストは罪深き人間を救うために、自分のいのち(この世での時間)を捨てたわけですが、そんなに大仰に考えなくても、これをこう読み替えることもできますね。。。
夫のため、妻のため、父のため、母のため、こどものため、友人のために自分の人生(いのち)の一部である時間を差し出すこと、これは愛である。
ホントに賢い投資のしかた
わたしの時間をこどものために使うとき、その時間はこどもにとってとても尊く価値のあるものかもしれません。そして、その一時間はわたしが時給$10のアルバイトであっても、あるいは時給$500のCEOであっても、そんなことは関係ない。わたしとこどもだけにしか測れない、高価なものでありえるということなのかもしれません。
だけど、自分の人生(いのち)の一部をその人のために差し出す・・・これはつまり「自分」を脇においておいて、人の求めること人のしたいことをする・・・これはえらく難しいことだとも思います。とくに現代は、何でも一瞬のうちに自分の思うようにできるインスタント時代です。欲しいものは、瞬時にインターネットで見つけて購入し、翌日には手元に届いています。見たいと思った番組はすぐにいつでもオンデマンドで見ることができます。わたしたちは自分の欲求が瞬時のうちに満たされることに慣れすぎています。
テレビのある家が町に数件だった昔は、町中の人が時間になるとテレビのある家に集まり、老若男女が同じ番組をみんなで見たのでしょう?でも今はどうです?家族みんながひとつ屋根の下にいても、テレビや、PCや、iPadや、iPodで、好きな番組を部屋のあっちとこっちで見ているなんてことありますよね・・・(うちがそうです)。人と同じことをする、たとえそれが自分のしたいことでなくても、人と一緒に何かする・・・これ、現代人には本当に難しいような気がします。その難しいことを敢えてする、それが愛なのでしょうねえ。
モノを買ってあげるのでもなく、ゴージャスなバケーションに連れて行ってやるとか、お金をはらってすごいサマーキャンプにいれてあげるとかでなくて、ただ自分の人生の一部である時間を少し差し出す・・・これですよ。こどもが「ママ見て」といったら、ラップトップを閉じて見てやる(う~できない!)。ダンナが「今日はみんなで○○をしよう!」といったら、たとえそれがB級プランに思えても、家族みんなでそれをする(ぎゃ~むずかしい!)。そういうことですよ。
そしてそれが20年後に大きな利回りを生みますよ。「あの時、お母さんが忙しい手をとめてわたしの言うことを聞いてくれた。」 「あの時、両親が時間をかけてきびしく諭してくれた。」 「あの時、お父さんが休みをとって一緒に来てくれた。」 共有した時間、差し出した時間は、かならずその子、その人のなかで大きな財産になり、利を生むでしょう。そんな投資のしかたがしたいですね。
ファイナンシャル・プラニングではできないこと
ファイナンシャル・プラニングを提唱しているわたしが言うのも何ですが、お金のプラニングなんて結局そんな大したものではない気もします。。結局偉そうにプラニング・・・などと言っていますが、わたしたちがするプラニングはとても微な限られたものです。だいたい「いくら貯めたらリタイヤメントに十分か」という質問にさえ、ファイナンシャル・プラニングは正解を出せないのです。いつまで生きるかわかりませんからね。何歳で死ぬかという情報さえあれば、いくら貯めたらいいか、毎年どのくらい引き出せばちょうどいいか、ソーシャル・セキュリティーの受給をいつから開始すべきか・・などかなり正確に効率よくプランイングできるのですが、自分自身の死がわたしたちにはわかりませんし、ましてやプランすることもできないのです。
それに、お金で生命の維持はできるかもしれませんが、Money can’t buy me loveですよ。たしかに、お金はなければ生きていかれませんが、お金があれば必ず生きられるかというとそうではありませんね。マザー・テレサが言いました・・・
豊かな国では、パンのために人が死ぬことはないでしょうが、さびしさのために人が大勢死ぬことでしょう。
老後にちゃんと生活していけるようにリタイヤメント・プラニングをすることは大切ですが、自分の時間(いのち)を共有する人がいなかったら、それはしあわせな老後ですか?配偶者やこどもが困らないように遺書や税金対策などのエステート・プランをしておくことは大切ですが、お金以外にもわたしたちが残せるもの(あたたかい思い出、共有した時間=いのち)がありますか?こどもがちゃんと大学に行ってきちんと教育を得られるように529プランなどでお金をためておくことは大切ですが、どんなにいい教育を受けてどんなにいい職業についても、挫折するとき失敗するときはあります。そういう時に支えとなる愛(わたしたちが差し出したいのち)がこどものなかにたしかにたまっているでしょうか?
最後に、聖書のことばをふたつ・・・
人は、たとい全世界を得ても、自分のいのちを損じたら何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。(マルコ8:36)
なぜ、あなたがたは、食糧にもならない物のために金を払い、腹を満たさない物のために労するのか。わたしに聞き従い、良い物を食べよ。そうすれば、あなたがたは脂肪で元気づこう。(イザヤ55:1-2)
毎日がやらなくちゃいけないことで一杯で、なかなか人のために時間を割くって難しいですよね~。
そうなんですよ。うちもそれぞれが勝手にメディアをいじっています。子どもたちはもう最初から、オンデマンドに慣れちゃっていますでしょう?うちの2歳児でさえ、Youtubeで観たいのを選ぶようになってしまいました。
昔は、教育に悪いなんて言われたテレビでも、それで家族が盛り上がるなら悪くないのかもしれないですね。
あの震災、そして長男のことがあってから、いつもは慎重な私なのに、将来のことなんて考えられなくなりました。ファイナンシャルプラン、ほったらかしです。自分の仕事も二の次。
まだ心に余裕がありません。
人生ってそういう「とき」がありますよね。何にでも「とき」ってあるんでしょうね。いつもいつも走ってはいられないし、いつもいつも心配してもいられないし、かといっていつもいつも休んでもいられない。その「とき」に与えられたことを精一杯するのがいいんでしょうね。でもザツネンがじゃましてそれも難しかったりねえ。。。
ありがとうございます。全3話読めてスッキリしました。
とても興味深いお話でした。
結婚により自分の時間が減る事を「ペナルティ」というのは合点がいきませんが、そう思う事もありますね。
甥っ子などは「結婚なんかしたら自分の自由になるお金が減るからするもんじゃない」とかなりシビアに具体的に言います。
でももし時間が自分の為だけにあっても、何をしていいかわからなくなりそうです。
2話の「時間=いのち」という考え方はとても斬新に思えました。
そんな風に考えた事はありませんでした。
人間は食べるという行為だけでなく、たくさんの人の命を頂いて生きているんですね。
彼は良く「ライフをシェアする」という表現をします。夫婦だから人生を共にする、生活を分かち合うということであろうと思って聞いていましたが、ライフは「命」という意味ですね。「生活」だとばかり思っていました。
3話 寂しさで人が死ぬというのは本当ですね。日本の自殺者の多さをみたら納得します。
でも近い未来にはまた飢えて死ぬなんて時代に戻るのかもしれないと考えたりします。
みんながみんな大金持ちにはなれませんが、大袈裟に考えなければ命を分け合って生きる事は誰にでもできる事で、自分の意思に関わらず生きている以上誰もがしている事かもしれませんね。
でも正に子育ては「それ」ですね。。愛です。
あ~るさん、読んでくださってありがとう!ご主人のおっしゃる「ライフをシェアする」、これって夫婦のすべてかもしれませんね。いいことも、悪いことも、アタマにくることも、イライラすることも、すべてともに時間を過ごし、お互いに負担しあい(ケンカもシェアのうちかも!)、最期にこの世からいなくなるときは何も持っていくことはできませんが、共有した時間と思い出だけは持っていけるような気もします。
今回、再掲載して頂き有り難うございました。いろいろと勉強になりました。
私もSpending time for someone you love is “Love”だと思います。私の妻はNursing home (HospiceとDementia care)で働いているのですが、この世を去る時に求めているのは愛情だそうです。家族がそばに居るだけで充分だそうです。例えば手を握っているだけで愛情を感じるそうです。お金や物は天国に持っていけませんので。
私は16歳の娘がおり、会話は少ないですが同じ屋根の下に居るスペースを共有する事を心懸けております。二人が別な事をしていても父さんがいるんだなという安心感を与える事位しかできないなぁと思ってます。妻はいろいろと相談役になってますが。。。
でもGiving your timeで信頼も築けるかもしれませんね。
「お父さんがただそこに居てくれる」という安心感は目には見えないけど尊いもののように思います。娘さんだけでなく、奥さんにとっても「安心感」のはず。人間、安心感があればいろいろやれますが、安心感がないとなかなかものができません。お父さんは支える土台ですね!
お久しぶりです。しばらく、BLOGをチェックするのをご無沙汰してしまいましたが、Tax Seasonの時期になり、また、覗いてみたら、いろんな役立つそうな情報が盛りだくさん。「あ~あ、キャッチアップしなくては。。。」とちょっと焦っております。継続して読んでいなかった自分を、大変後悔しています。
ところで、本の出版、おめでとうございます!ちなみに、この本のメインのターゲットは、日本に住んでいる人向けなんでしょうか?そうであれば、日本の家族、友人に広めます。USに住んでいる日本人向けにも適用できる情報もあるのであれば、私自身も含め、こちらの友人に広めます。
お久しぶりです!キャッチアップなんで、大丈夫大丈夫!おそらくミスしていてたいへんなことになるような情報などあまりありません:)
この本は、日本の読者の方向けで、日本の確定拠出などの話が出てきますが、本の7~8割程度は国に関わらずあてはまる長期投資の話です。低コストのインデックスファンドでのパッシブ投資を腹で理解して、全世界分散投資をする・・というような内容です。
早速、電子版を予約注文しようとしたんですけど、Amazonのデジタルコンテンツは以下の地域制限があるようで、残念ながら、できませんでした。
“Amazon.co.jpで販売されているKindle本は、日本国内のお客様にのみ提供しております。居住国を日本に設定されている場合でも、お客様が日本国外にいらっしゃる場合は購入いただけません。”
今度、日本にいる家族に単行本を購入してもらって、他の荷物がある時に一緒に送ってもらうことにします。
あらあ、そうなんですね。それは知りませんでした!!
すっ、すごいですね~。
「お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計」の本、Amazon.co.jpの一般、投資読み物の売れ筋ランキングでベストセラー一位!!(在庫待ち状態) 楽天ブックスのビジネス・経済・就職部門では第三位。(こちらはまだ在庫あるみたいです。) 読むのが、ますます、楽しみです。:)
ほ、ほんとですね~。
びっくりしてます。。