みんなどうやってカレッジ費用 払っているの?

アメリカ大学の学費、ファイナンシャルエイドだの何だのというけど、いったいみんないくら払っているんだろう・・ってたまに思いませんか?州立大学でも$30,000以上、私立だと$60,000などという表示価格だけど、実際みんなどうやって乗り切っているのだろう・・・と。SallieMaeがHow America Pays for College 2013というレポートを出しています。結果はこんなかんじでした。

まずは2007年から2013年までの、実際のカレッジ費用(学費、寮・食費、もろもろ経費などまとめたもので、実際に支払った費用)は全米平均でいくらだったかを所得ごとにまとめたものが下記です。

ave college expense paid over years

 

 

まず、年毎の変遷を見てみますと、2009-2010年あたりがカレッジ費用のピークのようで、その後、全体的に少しだけ費用が下がり気味という傾向があるようです。特にハインカム層(ここでは、年収$100,000以上の家庭)の負担するカレッジ費用が下がってきています。リセッションの影響だとする考え方が濃厚なようです。反対に、ミドルインカム層(ここでは年収$35,000~$100,000の家庭)では支払う費用が2009-2010年よりは下がったものの、その後また戻しています。

2012-2013年では、ローインカム層(ここでは年収$35,000以下の家庭)のカレッジ費用は$18,000強、ミドルインカム層は$22,000強、ハイインカム層は$24,000弱という結果でした。

 

では、そのカレッジ費用をみんなどうやってカバーしているのかというのが次のデータが下です。

how we pay for college

全体平均では、カレッジ費用の30%をグラントやスカラシップでカバー、 43%を家族で負担、27%をローンでカバーという内訳でした。43%の家庭負担のうち、27%は親が自分たちの収入や貯蓄から負担し、11%を学生自身、5%が親戚や友人からという内訳でした。ローンの27%は18%は学生自身が借り入れるローン、残りの9%は親が借りるローンでまかなっています。

 

次のグラフはローインカム(上段)、ミドルインカム(中段)、ハイインカム(下段)ごとに、年々のカレッジ費用に占めるローン(パープル系)、家庭負担(ブルー系)、親類・友人援助(グリーン)グラント&スカラシップ(オレンジ)の内訳です。色は上記円グラフの項目ラベルと同一です。

source of college fund1

source of college fund2

 

source of college fund3

2012-2013年では、ローインカムで家庭負担と親類・友人援助を含む「自己負担」額は$6,800ほど、ミドルインカムで$8,700強、ハイインカムで$13,600強という結果でした。全体カレッジ費用に対する「自己負担」額はローインカムとミドルインカムでは37~40%という割合ですが、ハイインカムになると57%に上昇します。ここではハイインカムを年収$100,000以上としていますが、$150,000以上、$200,000以上というレベルになると、ニードベースのグラントが急降下するためおそらくこの「自己負担」額はがくんと上がるでしょうね。

同様に2012-2013年では、ローンでカバーする額では、ローインカムは$4,500強、ミドルインカムでは$6,700、ハイインカムでは$5,400となり、ミドルインカム層がもっとも借入額が多いという状態になっています。

親のインカムが増えるにつれ、親が支払うことができる額が増えていくのがよくわかります。インカムの上昇はFAFSAのEFCが上がることを意味し、それにつれグラントやスカラシップでカバーする部分が低下します。またスチューデントローンでカバーする割合は、ローインカム家庭では20%前後、ミドルインカム家庭はこのところ増加傾向で20%に近づきつつあります。ハイインカム家庭では十数パーセントレベルでした。

 

下の表は、実際どのようなところからカレッジ資金を捻出するかをまとめています。

fund breakdown

 

2013年のデータに焦点を当ててみましょう。半数の家庭では、学生が働いて稼ぐお金や学生自身の蓄えを利用しています。同様に半数の家庭では、その時点での両親の収入からカレッジ費用を捻出しています。529プランの利用は17%の家庭でしています。それ以外の両親の貯蓄から捻出している家庭は11%でした。両親のリタイヤメントからお金を引き出しているのは5%でした。65%の家庭では、なんらかのスカラシップやグラントを利用することができています。

 

お金を借りてカレッジ費用をカバーした場合のデータは下記のようです。

debt breakdown

 

同様に2013年のデータに焦点を当てますと、条件のよいFederal の学生ローンを利用できているのは30%弱、Federalのペアレントローンを利用できているのは7%の家庭でした。クレジットカードローンやその他のローンをいたしかたなく利用している家庭もあり工面の苦しさが現れています。この表からは読み取れませんが、親の失業や病気など非常時が発生した場合でもカレッジ費用をカバーできるようなバックアッププランを持たない家庭は50%にも上り、ローンをまったく組まないで卒業までいたった家庭では、このバックアッププランを持つケースが多く、反対にローンを組んだ家庭ではバックアッププランがないケースが多いというデータもありました。

 

どうでしたでしょう。カレッジの選択や費用をどう捻出するかという問題は、「平均」では語れませんが、それでも「いったいみんなどうしているのか」といのはなんとなく知ってみたいものですものね。

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6 comments

  1. 表を使ったわかりやすい解説ありがたいです。
    私も、この貯金率の低いアメリカ、どうやっているのか不思議でした。
    大学は本当に高いし、頭が痛いですね。

  2. 親ばかの例を挙げます。ウチの息子は2008年卒業で親が全額払いました。日本のインターナショナル卒なので海外生扱いとなるため、州立も私学も学費はほぼ同じでした。3校受け、全部合格で、2校から大きな奨学金オファーがあったものの、本人はオファーがなかった1校が第1志望。行きたいと言えば行かせてやりたいのが親心。日本のインターは新幹線通学だったし、息子の学費を合計すると家がもう一軒軽く建ってます(ーー) 90年代マーケットで儲かったのと私が結構稼いでいた頃だったので、なんとか乗り切りました。

    でも息子にやる気がないとか学業が不得手だったら、行かせなかったでしょう。大学進学はお金の工面だけではなく、子供の見極めが大事だと思います。息子はきちんと勉強し、3年生からはAT、4年になる前の夏は研究所で少し仕事をしていました。新卒で就職したし、今のところ(あくまで今のところですが)まずまずの収入を得ています。

    私の超裕福な友達もウチと同い年の息子がいて、そこは代々男子はアンドーヴァー(ご存じでしょう?)からハーバードという一家。でもお祖母様が、大学は家から歩いていけるハーバードではなく、1人暮らしが必要だと中西部の大学へ行かせました(大学院からハーバード)。学費も一部はローンを組んで自覚させるということでしたが、結局卒業時に親が全額払ったそうです。

    1. そう、こども次第ですね。大学だけでなくて、子育てのしかた、encourageのしかた、しかりかた、全部こども次第だと思います。こどもの性格や興味をみて、カスマタイズして子育てするのって、本当に大変。親は大変な仕事です! 行きたいといえば行かせてやりたい・・で行かせられる親はいいですが、どうにも無理という家もあるでしょうね。私もお友達でお子さんが二人私立大学に通っている人がいますが、ふたりで年間$100,000以上の学費を払っています。できればいいが、できなきゃ、どうしようもない。。でも、できないならできないで、与えられた選択肢の中でこどもがうまく立ち回っていくのを覚えるかもしれないし、できる範囲のことをするしかないですね~、お互い。。

  3. はじめまして。

    我が家にもあと数年で大学、その後を追う娘がいます。
    そろそろカレッジの情報を集めようかと思っていたところ、
    英語では情報が多すぎてどこから手をつければいいの、あ~どうしよう。。と頭を痛めていたところ
    このサイトにたどり着きました。
    無料でこのようなすばらしい情報を日本語で提供してくださっていることに
    感謝します!
    ものすごい労力だと思います。

    これからも拝読させていただきます。
    ありがとうございます。

    1. コメントありがとうございます。こうやって励ましてくださる方がいらっしゃるので、うれしいです。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

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