前回は大学ごとの卒業後の初任給くらべをしてみましたが、今日は専攻(Major)ごとの給料くらべをしてみたいと思います。わたしが大学生だったころ、そう日本経済がまだバブリーだったころは、「何を専攻するか」というのはあまり大きな問題ではなかったように思います。もちろん就職のいい大学・学部が人気があったけれど、仕事を見つけること自体そんなに心配しなくてもよかった時代でしたし、そもそも今ほどいろいろな専攻の選択肢もなかったし、今日のように比較するデータもありませんでした。でも、今のアメリカ(日本もですね)は、ちょっと風向きが違います。
先日、“I am graduating with a wrong major.”というような表現を耳にしました。wrong major とright major、どうやって決まるとかといえば、つまるところはそれを専攻してハッピーだったかということなんだと思います。どんなに就職がよくてもキライな専攻だったら、やっぱりwrong majorですもんね。でも、勉強は楽しかったけどそのあと仕事につながらないというのはやっぱり苦しいですよね。とくに、今のようにカレッジ費用が嵩み、$20,000とか$30,000とかというStudent Loanを抱えて卒業するのであれば、やはり言い方は悪いけれど「モトのとれる専攻」を狙わざるをえないというところもあるでしょう。
以下の比較は、単に仕事につけそうか、給料はどうかという指標だけに焦点をあてます。精神的満足度はまったく考慮しませんのであしからず。。2010の国税調査のデータによるとこんなかんじだそうです。
まずは、失業率の低い専攻でソートしてみるとこんなふうでした。
失業率ゼロの専攻が6こもありますね。Actuarial Scienceというのは数学・統計の手法を使って、保険のリスク評価をしたり年金のための公式を決めたりというようなしごとですが、これは給料も飛びぬけて高いですね。Geological and Geophsical EnginerringとNaval Architecture and Marine Engineeringというのも給料が高いようです、これはよく知りませんが石油関係なのでしょうか。School Student CoucelingとかTeacher Educatinonというのも低失業率専攻としてはいっていますが、残念ながら給料が低いですね。こういうところが給料がよくないと、将来のこどもの教育は伸びないと思うのですが。。。
つぎは、失業率の高い順にソートしてみました。
Clinical Psychologyの19.5%はちょっと痛手ですね。興味があったとしても、仕事にありつけないとなるとちょっと考えますね。精神カウンセリングなどに関係したエリアで、この世の中、需要は高いのではないかと思うのですが、ちゃんとしたカウンセラーになろうとすると、Bachelorだけでは不足のようで、MasterなどのAdvanced Degreeが必要のようです。LawやMedicineだけでなく、最近ではこのようにMasterまでセットにして考えないとうまくキャリア形成ができない専攻も増えているように思います。その場合は学生生活が長期になりますから、学業面だけでなくお金のほうの計画もちゃんとしておかねばなりません。
Library ScienceやVisual and Performing Artsなどは給料も$40,000以下で比較的低めなのに対し、Military TechnologiesとEngineering and Industrial Managementなどは$70,000、$80,000という給料です。就職率はよくないけど、いったん仕事が見つかれば給料はいいということなのでしょうか。
今度は、給料(メジアン=中央値)でソートしてみました。まずは高い順。 Petroleum Engineering、Pharmaceutical Science and Administration、Mining and Mineral Engineeringは$100,000以上です。石油、エネルギー、医薬系ってことしょうか。その後はエンジニアリング系が$80,000、$90,000あたりでつながります。黄色マーカーは失業率も比較的低い(4%以下)の専攻です。理数・エンジニア系が主流ですね。
リストにあるのは一般にSoft Majorといわれる社会系・アート系の専攻が多いようです。黄色マーカーは失業率も高いものです。これらの専攻は、キャリア形成にはMaster以上のDegreeが必要なもの、専攻が直接仕事に生かせるスキルにつながらないというようなものが多いのでしょうか。きっとこれらの専攻を選択して「成功」している方もいるとは思いますが、75パーセンタイルの給料をみてもそんなに高いレベルでないことからすると、なかなか大きな給料に結びつけることが難しいのかもしれません。
私自身は、大学でドイツ語を専攻し、そのときは一生懸命勉強しましたが、その後ぜんぜん使わないので今となってはすっからかんに忘れました。在学中、何を思ったか工学部に転部しようと試みたことがありましたが、挫折。就職した後、留学しビジネスでMasterをとりました。自分の支離滅裂な道を省みると、どの専攻がいいか、Advanced Degreeを目指したいのかなどと、はっきりしたビジョンを18歳のこどもに持てと望むのは少々酷な気がします。でも、ふんわりとでも方向性が決まっていたほうがいいなとは思います。がんばれ若者!
今日のさらに詳しいデータはこちらで見られます。
私は日本で、土木出ているので、別にアメリカの大学なんて出ていなくても、仕事ありました。
最終的には、公共工事だけでなく、オイルもダイヤモンドも掘る会社に勤めてました。
工学の中じゃ比較的ローテクで、勉強もそんなに難しくないです。
ただ、この世界は、現地に関わる場合は、学歴だの資格だのよりも、なんでもやる、どこにでも行くって性格じゃないとダメですね。設計の方なら、そうでなくてもいいですけれど。
なんといういか、半分軍人みたいな人ばっかりです。
実際、そういうとこで勉強してきた人も多いです。 きっと学費はかかっていなくて稼げていますから、一番効率いいかも!
あと効率いいのは、特殊な機械の操作ができる人たち。大学出ていなくても、外国人でも、そういうトレーニングする教育を受けてきた人たちの需要も給料もすごいです。
そうかあ、土木ですね。わたしのねらい目はPlumberです。大学でていなくても、自分で勉強して切磋琢磨する気持ちさえあれば、場合によっては弁護士よりも稼げる仕事だそうです。子どもにも、もし大学にいかないならPlumberになったらどう?とすすめています。食べていけなくては困るので仕事はちゃんとして食い扶持は稼ぎ、あとはギターでも何でも趣味に生きるというのもひとつの行き方かもしれないと思います。(ギターリストとして生きていく夢を描いている息子にする話でした・・いや、彼はギターで食べて生きたいと思っているので、シュミといわれるのは不本意なのですけども・・)
実は、夫の父方の家族はplumber一家です。^^
夫の父の兄弟が会社を継いでいます。大金持ちではないですが、お金に困るような感じはないですね。でも、4兄弟のうち2兄弟は、向いていなかったと聞いています。
で、その向いていなかった2兄弟は大学出。
ユニオンの建設労働者の賃金もすごいですよ。ベネフィットや保険を入れると、うひょーっていう時給です。クレーンとか操縦できると、弁護士より時給高いかも。
まあ、Cheeさんそうですか!やっぱさ、大学出るだけが道じゃないですね!それに仕事だけが生きる道じゃないし。「大学さえ出れば何とかなる」というのは一番手っ取り早く信じられる「妄信」なのかもしれません。だって、もっともっぽいし・・・。数ヶ月前に、Law Schoolを出たばかりのお友達の息子さんが夕食にいらっしゃいましたが、彼は優秀なのでさっさとNYの弁護士事務所に仕事を見つけましたが、約半数の卒業生は就職難だと言っていました。
そうそうギターリストの夢、素敵じゃないですか!
うちの夫は、ギター大好きなんですよ。へったくそで、えらい音痴なんですけれど。笑
そんな彼はEnvironmental Science専攻だったんです。
もともとは、父のプレッシャーで、engineeringやれって言われていたらしいんですけれど、向いていなくてそっちにしたそうです。。そのままの仕事している人あんまりいないと聞いています。
彼も若いうちは仕事は転々としてしまいましたが、産油産業のリサーチからの金融に就職って結果に。
今でも、趣味はコメディ半分のアホな作曲です。爆
我が家が始めた、”副業”も実は、ギター売買です。
でも効率悪いので、もう挫折しかけています。
元値より売れるのはいくらでもあるのですが、仕事や家事がてらとなると、手間がかかりすぎ。
まだ実験段階で、高級なのには手が出せないので、安いので売買しているからってのがありますけれど。。。
もしかしたら、こういう感じで、趣味で稼ぎながら大学ってのもありじゃないですか?
たしかに18歳くらいの進路の決められない子に決めろと言うのはコクですよね。
実際ウチの上の子は決められなくて、私達もplumberや寿司職人を彼に強く勧めましたが、取りあえずカレッジに行くと言うので授業料を払いましたが、途中で中退して来ました。(笑)その時に知人から例の言葉を言われたんです。
そんな失敗例もあるので下の子には大学だけが道じゃないし、本当に大学に行く準備が出来るまで行く必要がない、授業料もあてにしてくれるなと言ったので、下の子は高校卒業から大学に入るまで2年程ギャップがあります。
上の子は小さい頃から手先の器用な子でアートのセンスもあったのですが、「アートでは食べて行けない」とかつて私が母に言われた同じ言葉を口にしてしました。今思えば彼に対しもっと柔軟な対応の仕方もあったのにと後悔しています。
「本当に大学に行く準備が出来るまで行く必要がない」・・これは親が言うべき言葉だけど、なかなか勇気を持って言えない言葉かもしれませんね。でも、大事な言葉!なんてたって、今はなんでも「早く、早く・・」の時代じゃないですか。だいたい、APクラスというのがわたしには解せません。このまえ息子の高校のオリエンテーションに行ったら、「なるべくAPはたくさんとると、大学が”この子はやる気がある”と判断するので大学に入りやすくなるし、それから単位がコンバートできて大学も3年で卒業できるから授業料節約にもなります」とカウンセラーが言っていました。だけどさあ、大学の勉強は大学ですればいいんじゃないですか?なんで大学に入るために大学のクラス(AP)を高校でとらなきゃいけないんでしょう?なんか変な社会・・・
そうそうギターリストの夢、素敵じゃないですか!
うちの夫は、ギター大好きなんですよ。へったくそで、えらい音痴なんですけれど。笑
そんな彼はEnvironmental Science専攻だったんです。
もともとは、父のプレッシャーで、engineeringやれって言われていたらしいんですけれど、向いていなくてそっちにしたそうです。。そのままの仕事している人あんまりいないと聞いています。
彼も若いうちは仕事は転々としてしまいましたが、産油産業のリサーチからの金融に就職って結果に。
今でも、趣味はコメディ半分のアホな作曲です。爆
我が家が始めた、”副業”も実は、ギター売買です。
でも効率悪いので、もう挫折しかけています。
元値より売れるのはいくらでもあるのですが、仕事や家事がてらとなると、手間がかかりすぎ。
まだ実験段階で、高級なのには手が出せないので、安いので売買しているからってのがありますけれど。。。
もしかしたら、こういう感じで、趣味で稼ぎながら大学ってのもありじゃないですか?
さっき、夫に聞いたら、plumber4兄弟、全部一応は大卒だそうです。
しかも、社長になった叔父さんは、家業継ぐために、ビジネススクール出で、しかも、ヘビーメタルバンド組んでいたそうです(ドラマーで、昔はロンゲ)。
そういえば、爺ちゃん、やっぱ商業不動産とか所有していたらしいです。
ホント難しい問題ですよね。
大学行かなくても、いろんな仕事あるとは思いますけれど、”証明”のために、なんらか出ていた方が有利ってのはあるんでしょうね。
以前、安い大学で基本的な単位を取って置いて、やりたいこと決まってから編入するっていう裏技をどこかで聞きましたけれど、そういうのはどうなんでしょう?
へえ、Cheeさん、そうなんだぁ。うちの息子もお金ためてはギター買ってます。わたしも昔はヘビメタ・バンド派だったので、母親の血かも。ギターではありませんが、わたしも大型アートを売る仕事をちょっとだけしたことがありますけど、パッキングだのシッピングだの案外手間がかかりますよね。
わたしの知り合いのそのまた知り合いの息子さんは、頭脳明晰でいい大学にも合格したのだけど、「大学なんて、時間とカネの無駄」と言い切り、バンカーのお父さんから大学資金の代わりに元手を借りてビジネスをはじめ、今では二十ウン才でFortuneの注目若手ビジネスマンかなんかにノミネートされているとか・・・そういう人もいるのかぁと思う反面、凡人にはなかなかそうきっぱりと割り切ることもできないなぁとも思います。。やっぱ、でもいい大学とかいい専攻とかいい会社とかいい仕事ありきでなくて、「それで幸せか!」ですよね。
高校卒業後に大学に行くことが一般の道ですが、実社会に出てちょっといろいろ体験してみないと、自分が何をしたいのか見極めるのは難しいのではないんでしょうか。日本でも最近、そう人が増えていると聞きましたが、こちらだと、年齢を経てから、大学へ行く人は結構いるようだし、その方が、18歳の世間知らずの子供に将来を決めさせるよりは、世間をちょっと知ってから自分が何をしたいか決めさせる方が理にかなっているようにも思えます。
私の知り合いでも、40歳までは高校の数学の先生をしていましたが、どうしても弁護士になりたくて、先生を辞めて、大学に戻り、Law Schoolに行って勉強し直し、念願の弁護士になりました。40代で教育ローンがまた増えてしまいましたが、本人は好きな仕事ができて満足しているようです。
うちの主人も音楽好きで、高校卒業後は好きな音楽活動に明け暮れてライブハウスやツアーなどのバンド活動で生計を立てていました。でも、音楽で生計を立てていくのって、やはり大変だったようで、30代に入る前にその生活から足を洗い、パートで働きながら大学へ行き、堅気の仕事につき、今に至っています。今は、趣味で音楽活動をしていて、パーティやイベントなどで演奏して、お小遣い程度、稼いでいます。その合間に作曲もして、一発ヒットでもよいので音楽で大儲けする夢もまだ捨ててはいませんが(笑)、本人はそれで十分満足しています。だって、生活に心配することなく、好きな音楽を続けることができるんですもんね。
基本的には、Adminさんも言っているように、その人なりに満足度が得られて幸せと感じられればよいのではないかと思います。
ほんとにね、Hannahさん。あとこの年になって思うのは、「できること」と「好きなこと」は違うということです。数学が得意だからといってエンジニアになっても、それが好きなこととは限らないといいますか・・世間が「それができるなら○○になれがばいい」というからなってみたものの、できるからといってやりたいこととは限らないといいますか・・・やっぱ、18歳じゃあ(わたしの場合では、28歳でも、いや38歳でもかもしれない)、自分が好きで幸せと思えることなんてわからなかったなあ。。
近頃は何でもスピードを競う様に最短で進める近道を学校も親も子供に煽りがちですが、こんなに寿命も伸びて長い人生なら、私はちょっとくらい道草食っても良いじゃないと考えています。
もちろん高校で沢山APを取ったり親や先生の期待に添う様な最短距離を余裕で走れる子は、それはそれでいいんでが、中には期待している親にキツイと言えなくてストレス溜め込んでいる子供もいると思うんです。
昔、私は某お菓子メーカーの「ゆっくり大人になりなさい」ってCMがありその言葉が好きで、なにもそんなに急いで大人にならなくてもいいよ〜たまには道草食ってもいいんだよね〜なんて勝手に解釈してました。
「道草のすすめ」ではありませんが、子供によってはそんな生き方もありで良いのではと考えています。
だって道草食ってると最短距離を争う様に走っている子には見えない物を目にしたり、ゆっくり色んな事考えたり経験出来たりすると思うんです。
息子さん、夢を持っていても食べて行けないからと冷めた考え方をする若い子が多い中で、夢があるって素晴らしいことだと思います。好きな事をして食べて行けたら本当に幸せですよね。
私もこの歳になって、好きな事をして食べて行けるかも?と思える様なちいさな夢を見つけたので、それに向け頑張っているところです。
「ゆっくり大人になりなさい」・・・これはとってもステキな言葉ですね。冷蔵庫のうえに貼っておこうっと。cranberryさん、どうもありがとう。わたしの大好きな小児精神医の佐々木正美先生が、著書の中で、「大人が何の価値もないと思うようなことこそが、子どもの成長にはとても大切なのです」ということを言っておられたのを思い出しました。それは何も子どもにとってだけではないかもしれませんね。大人にだって、世間の人が価値が置かないようなことこそが、とても大切だったりするように思います、この年になってみると。。cranberryさん、「ちいさな夢」応援しています!
adminさん、応援ありがとうございます!
今回の大型ハリケーンで数日間停電になり、ようやく解放されました。。。
大変でしたね。わたしのお友達も東海岸にたくさん住んでいますが、とても大変そうでした。まだ、大変な最中の方もいらっしゃるでしょう。お祈り申し上げます。
安いメジャーが多いですね。
英文学 社会学 心理学
確かにこれらは就職で役立つとは思えないので仕方ないのかも
逆に工学系は高いですね
就職で役立つとは思えなくても、本当は意味のあるメジャーもあるのでしょうが。。背に腹は変えられないところもあって、悩むところです。。