クレジットカードをキャンセルする・・・

Citi Double Cashの特典がずいぶんと削除されてしまって残念という記事をちょっと前に書きましたが、クレジットカードも特典の内容が変わったり、もっと自分に利点のある新しいカードが出てきたりで、これまで使ってきたカードをキャンセルするようなケースも出てきますね。クレジットカードをキャンセルするとクレジットスコアに影響があるのか、ずっと使ってきたカードをうまくキャンセルするにはどうしたらいいのか、そんな質問をいただきました。今回は、クレジットカードをキャンセルする際に考えることをまとめてみます。

 

クレジットスコアへの影響?

たしかにクレジットカードをキャンセルするとクレジットスコアが悪くなる可能性があります。

ひとつには、Credit Utilization Ratioといって、許容クレジット限度額(Credit Available)に対していくらのクレジットを使っているかの割合に影響するからです。Utilization Ratioは低いほうがクレジットに余裕があるということで良く、高いほうが限度近くまで借金があるということで悪いことになります。これは、FICOスコアの30%を決定する要素です。

たとえば、3枚クレジットカードを持っていて、$10,000ずつの限度額があり、そのうち合計で$10,000の残高があれば、Utilization Ratioは$10,000÷$30,000で34%ですが、一枚カードを解約すれば、$10,000÷$20,000で50%に上がります。

クレジットカードの残高は毎月支払い切ってしまうので、クレジット利用額はゼロのはず・・という方でも、クレジットレポート上では必ずしもそうではありません。、クレジット会社がクレジットビュローに報告するときの残高なので、報告のタイミングにもよりますが、残高はゼロではないことがほとんどです。よって、カードのキャンセルにより、分母であるクレジット限度額が下がると、Utilization Ratioが思いのほか上がってしまうこといなります。

もうひとつは、Credit Historyの長さに影響します。これはFICOスコアの15%を決める要素です。Credit Historyの長さは、最も古いクレジット口座から最も新しいものまで総合的に合わせて計算されます。長く履歴がある口座があるほど、スコアが上がるしくみです。解約するクレジットカードがまだ新しいものであれば影響は極小ですが、長く持っているカードであれば影響が大きくなります。

ただ、クレジットカードをキャンセルしたからといって、すぐにクレジットレポートから情報が抹消されるというわけではなく、キャンセル後の情報もポジティブなもの(支払い遅延がない)であれば10年間記録が残ります。ネガティブなもの(支払い遅延や問題あり)は7年間残ります。記録が残っている限りはCredit Historyにも反映されるようですので、この理由でキャンセルするのを躊躇する必要はあまりないように思います。

 

考慮すべきこと

クレジットスコアを下げたくないので、クレジットカードをキャンセルできない・・というのも変な話で、多くの場合はそこまで神経質にならずにキャンセルしても問題がないのがほとんどでしょう。とくに以下のような方は、ほとんどキャンセルしても問題がないでしょう。

 

ローンを組む予定が当分ない

クレジットスコアはいつもいつも気にしていなければならないものではなく、クレジットスコアが必要なときに特に注意を払うべきものです。モーゲージを組む、リファイナンスをする、車のローンを組むなど大きな買い物の予定がないのなら、クレジットカードをキャンセルして、一時的に数十ポイントスコアが下がったからといって何の問題もありません。

反対に、ローンを組んでの大きな買い物の予定がある時期には、クレジットカードのキャンセルだけでなく、新しいカードの申し込みなども含めて、あまりクレジットスコアに変更を与えるようなことはそもそも控えておいたほうが無難です。ローン手続きのフェーズが完了してからにしましょう。

車の保険や携帯電話サービスの申し込み、アパートを借りるための審査などにもクレジットスコアはチェックされます。ローンの申請ほど、クレジットスコアが大きく影響することはないかもしれませんが、何らかの申し込みをするときにはやはりキャンセルはしないほうがいいでしょう。

 

すでにクレジットスコアがいい

すでに十分クレジットスコアがいい場合には、クレジットカードのキャンセルによる影響は一時的で極小でしょう。クレジットスコアは高ければ高いに越したことがありませんが、どのような理由でクレジットスコアが使われるかにもよりますが、740を超えれば享受できるベネフィットに大きな差がなくなってきます。770が740に下がったからといって何の問題もない場合が多いですし、下がっても、今まで通りスコアを維持するような生活をしていればすぐ戻るので、長期的には影響なしのケースがほとんどです。

一方でまだクレジットスコアを構築中という場合には、年会費が高いなどでない限り、十分スコアが上がるまでキャンセルしないで持っておくというチョイスも考慮に足るでしょう。

 

キャンセルのしかた

キャンセルすると決めたらば、まずは貯まっているキャッシュリワードやポイントなどを使い切りましょう。もうすこし利用をすれば次の段階のリワードにリーチできるというような場合なら、その分だけ利用をしてリワードを最大化するのもよいと思います。なるべく無駄のないように特典を使い切ります。

さらに、そのカードですでに支払った旅行代やレンタカーがあって旅行保険やレンタカー保険がついているような場合、さらには電子機器などを購入してExtended Warrantyが生きているような場合は、それらの補償期間が過ぎるまでキャンセルを待つのも十分に考慮に足ります。

キャンセルする準備ができたら、キャンセルは簡単です。一昔前は書面でのキャンセルがほとんどでしたが、今はChatでもキャンセルできます(もちろんカード会社にもよりますが)。Chatがなければ電話でOKです。

その時点で残高がまだあったとしてもキャンセル(もう利用をしないという意味で)を受け付けてくれるケースがほとんどです。キャンセルしたい旨告げ、カードをキャンセルし、次に残高があればそれまでの支払い形式(Automatic Bank Transferなど)で支払いを続け、残高がゼロになった時点で正式に口座がクローズされます。

ここまできたら、確かにクローズされているかを確認することが肝要です。クローズしたはずなのに開いていた・・となると、不正利用などされても気づかないことにもなるかもしれません。クレジットスコアに悪影響が出る可能性もありますから確認をきちんとします。もっともオーソドックスな方法は、書面で口座クローズのリクエストを出し、それに対して確かにクローズした旨の文書をもらう方法ですが、最近では電子メールでもよいでしょう、また、オンラインで口座にログインしてみれば“Canceled”と出てきて確認できるケースも多いでしょう。最終的には、しばらくしてから(すぐには反映されないので数か月後)クレジットレポートをチェックして、口座がクローズになっているかを確認することになります。

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