フリートライアルをキャンセルし忘れた!

フリートライアルって巷に溢れていますよね。無料でトライできるのはいいけれど、実は無料ほど高いものはなく、ついキャンセルするのを忘れてチャージされたというようなこと、おありではないでしょうか?私はそもそも忘れっぽい人間なので、本当に必要でない限り気軽にトライはしないようにしているのですが、今回やってしまいました。クレジットカードのステイトメントを見て、気が付いた次第で。しかも、このサービス、何か月後にはいくらいくらかかります・・という文句を読んだ覚えもない・・ま、ビジネス関係のサービスで、人の紹介で使ってみようということになったので、安心しすぎて気が緩んでいたのかもしれません。調べてみたらこういうケース案外増えているようですよ。

Subscriptionモデル

最近、このSubscriptionベースのビジネスモデルへのシフトがあるように思います。もともと、月々の会員制的なもの、たとえばスポーツジムとか習い事などはキャンセルするまで継続的に料金が発生するSubscriptionモデルでした。最近は、もともと会員制的なものではなかったものまでも、だんだんとこのモデルに変更されてきています。たとえば、Windowsなども以前ならCDで買ってずっと使えるというライセンスベースでのビジネスだったのが、最近は月々いくらというSubscriptionモデルが導入されました。Nortonなどのセキュリティサービスもそうですし、QuickBooksなどのアカウンティングソフトもそうです。ファイナンシャルプラニングサービスなども以前は、商品を売ってコミッションを得たり、固定料金でのプラニング(Smart & Responsibleはまだこれですが)だったのが、月々いくらいくら払えば継続的にサービスを提供しますというSubscriptionモデルが台頭してきています。

Subscriptionモデルは、いったん開始されると(あたりまえのことですが)止めるまでずっと売り上げが入ってくるというおいしさがあります。一方で裏返すと、顧客にとっては、いったん開始されると止めるまでお金を払い続けることになることを意味しています。

このおいしいサイクルにいかに顧客をのっけるか・・はビジネス側も工夫するところで、フリートライアルはまさにその入り口です。Bankrateの調べによれば、米国成人の10人に6人はフリートライアルの後、意に反して課金をされた経験があるというデータがあるそうです。Better Business Bureauによれば、2017年の数字ですが、36,986件のフリートライアルに関する苦情があり、平均被害額は$186でした。

良心的な会社であれば、フリートライアルするときにも、クレジットカードの情報を入力することを強要しないところもあります。氏名とメールアドレスくらいの基本的な情報を入力すればフリーでトライでき、気に入ったのならトライアルの後に改めて購入手続きをするという型です。最初からクレジットカードを入力しなければならないサイトであっても、きちんと条件をわかりやすく開示しているのならよいですが、条件がFine Printで隠れていたり、会社側に都合がよいようにチェックボックスがあらかじめチェックされており、意図的にチェックを外さない限りそのままSubscriptionが開始されてしまうようになっているものもあります。情報開示がされていたとしても、キャンセルへのハードルが大変に高く設定されていて、どう転んでもお金がたくさんとられるようにしくまれている悪質なものまであるそうです。以下が消費者側でできる被害予防/対処法です。

ほんとうに必要か

まずは、本当にそのサービスが必要かを見極めることでしょう。ちょっと面白そう、少しトライしてみたいくらいなら、とりあえず止めておいて、あとあとまた“トライしたい”と思いだすことがあるかどうか期間を置いてみましょう。もしお金がかからなかったとしても、トライするのには入力する“個人情報”という大切なコストがかかっているわけで、決してフリーのトライアルではありません。

会社をリサーチする

本当にトライする価値があると思った場合は、次にその会社をリサーチしましょう。会社名とReviewという言葉でのサーチもいいですが、それだとPaid Reviewも出てきますから、会社名とComplaint、Scamなど悪いキーワードでのサーチも必須です。会社名とCancelというキーワードでサーチすると、実際キャンセルするときに人が苦労したのか、簡単だったのかも学ぶことができるかもしれません。

Terms and Conditionを読む

フリートライアルの条件がしっかりわかりやすく開示されていることを確認し、課金やキャンセルに関するところはとくにしっかりと理解します。開示がない、わかりにくい場合は危険度が高いです。同じようなサービスを提供している会社もあるでしょうから、代替サービスを調べましょう。

条件を記録しておく

私たちはその時は覚えていても、3か月後には多くを忘れてしまいますから、そのときにキャンセルの条件や返金などスクリーンショットなどでセーブしておくのが賢明かと思います。

Pre-checked boxに気を付ける

すでにチェックマークのついて提示されている選択肢に注意します。できれば、チェックマークがついているものは、すべて外してから、自分で必要に応じチェックするほうが安全かもしれません。また、会社側に都合がよいようにチェックマークがすでについているようなサイトは、それがその会社の姿勢を表しますから、とくに“はめられる”ことがないか注意するほうがよいでしょう。

クレジットカードを使う

デビットカードは銀行に直結しているので、会社側に口座の現金にアクセスを与えることになります。クレジットカードはクレジットカード会社が中に入りますので、銀行の現金へのアクセスはなく、また何かも問題があってもDispute(抗議)することができます。

カレンダーにキャンセルする日をいれておく

3か月フリートライアルなら、2カ月半くらいのところにキャンセルする日とキャンセルするリンク先などを入力しておくのがいいですね。一回だと見逃したり忘れたりするので、2回か3回くらいリマインドする形にしておくとよいかもしれません。

クレジットカードのステイトメントをチェックする

毎月、月々の利用をチェックするのは、もしもキャンセルし忘れた場合にもできるだけ早く発見することにつながります。他の問題あるチャージも見つけることもできますし、さらには、最初は必要だと思ってSubscribeしたものの、あとあとだんだんと不要になったのに、ついつい毎月そのままになっている料金などにも気が付くことができます。

問題のあるチャージが見つかったらすぐ連絡

フリートライアルのあとキャンセルし忘れてチャージがあった場合も、すぐに電話すれば返金してくれることがかなりの確率であるようです。とくに、お金はチャージされているものの、そのサービスは一度も使っていないことが明らかな場合などは、そのことをベースに“たんなるキャンセルし忘れだけど、返金してもらえませんか”と頼めば、返金されることも多いようです。会社側も、Webで変な苦情になってはビジネスにマイナスですから、正直な顧客の訴えは聞いてくれるところも多いでしょう。

クレジットカード会社に抗議(Dispute)

それでもだめなら、クレジットカード会社に抗議します。自分は、“フリートライアルだけだと理解しており、チャージはAuthorizeした覚えがない”ということを、上でセーブしておいたスクリーンショットなどでバックアップできればとくに強力です。

FTCやBetter Business Bureauに苦情をファイル

それでも解決しない場合は、FTC(https://www.ftccomplaintassistant.gov/#crnt&panel1-1)やBetter Business Bureau(https://www.bbb.org/)などに、苦情をファイルします。

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