今日は収入と純資産のデータをシェアしたいと思ます。「よそはよそ、うちはうち」とよく母が言っていたのを思い出します。生活できるお金が与えられており家族の生活が成り立っているのなら、それだけで感謝するべきことで、他の家庭とあれこれ比べる必要はないし、そうしないほうがよい・・ということを言いたかったのだと思います。なので、「〇〇ちゃんはテストでいい点取ったら△△を買ってもらったから、うちもそうしてくれる?」的なネゴは両親には全く通用しませんでした。というわけで比較は全くもって不必要だとは思いますが、それでもやっぱりみんながどうなのかはちょっと気になるところでもあります。今日はそういうデータです。余興半分にご覧ください。
個人収入
個人の収入を、最も低い収入から最も高い収入に並べた場合、各パーセンタイルごとに2016年と2017年の収入の値を表した表です。
たとえば75%の収入レベルの値は、2016年は$64,490であり、2017年には$65,240でした。
また、たとえばあなたの2017年の個人収入が$100,000だとしたら、90パーセンタイルの収入値が$108,033となっていますので、ご自分は全体の90パーセンタイルよりちょっと低いレベルに位置すると理解することができます。
世帯収入
世帯収入バージョンです。
たとえば75%の世帯収入レベルの値は、2016年は$102,348であり、2017年には$105,580でした。
また、たとえばあなたの2017年の世帯収入が$150,000だとしたら、90パーセンタイルの収入値が$170,432、75パーセンタイルの値が$105,580となっていますので、ご自分は全体の90パーセンタイルより低く、75パーセンタイルよりは高い、おそらく85パーセンタイルくらいかなと推測することができます。
教育レベルごとの世帯収入
2017年の全米での世帯収入メジアン(中央値=一番低いほうから高いほうに並べたとき、真ん中にくる値。平均値とは違います)は$61,372でしたが、このメジアンは教育レベルで大きく異なり、高校を卒業していないレベルでは$28,511であった一方、大学卒業以上では$98,038でした。
人種別の世帯収入
世帯収入メジアンは人種でも大きく異なり、アジア人は年々トップレベルです。
世帯純資産
今度は世帯の純資産(資産から負債を差し引いた額)です。下表は2013年と2016年を比べたものになります。
たとえば75%の世帯純資産レベルの値は、2013年は$325,456であり、2016年には$369,513でした。
また、たとえばあなたの2016年の世帯純資産が$500,000だとしたら、75パーセンタイルの値が$369,513、90パーセンタイルの値が$1,182,390となっていますので、ご自分は全体の75パーセンタイルより高く、90パーセンタイルよりはかなり低い、おそらく80パーセンタイルくらいかなと推測することができます。
収入と純資産の関係
収入が高ければたくさん貯金できる可能性も高く、結果的に純資産も高くなるだろう・・というのは自然な推測です。実際そういうケースも多いでしょう。それを調べた結果が下記の表です。これは年齢ごとに、収入と純資産の相関関係の強さを調べたものです。R^2というのは統計用語ですが、簡単に説明すれば、相関の強さの指標で、最低値はゼロ(全く相関のない状態)、最高値は1.000(相関が100%ある状態)です。
35から39歳の年齢層では、R^2が0.7000となっていますので、純資産の大きさは収入によって70%くらい説明ができるという意味です。
これが、65歳まで年齢が上がるごとに相関が低くなっていき、60から64歳層では、0.3000以下になります。つまり、収入が高いことは純資産が大きいことにある程度は関与するが、それだけではなく、それ以外の多くの要素が収入以上に関係するということを示しています。収入が大きくても、生活パターンが浪費モードであれば純資産は貯まらないし、反対に収入が比較的低くても、工夫と努力があれば純資産が貯められるというような可能性があることを推測できる結果となっています。
下は、横軸を世帯収入、縦軸を世帯純資産、青の濃淡で世帯主の年齢、〇の大きさで集中度を表した表です。
上で見たように、収入と純資産はある程度の相関があるので、なんとなく右に上がっていく正相関が見えます。とくにこの相関は、収入や純資産がある程度高くなってくると強く表れて(右上のほう)いますが、世帯収入$100,00以下、純資産$1ミリオン以下の部分では、団子状態で相関がものすごくはっきりと表れている状態ではないように見えます。同時に興味深いのは、収入がゼロでも一番左の線にいろいろなレベルの純資産の世帯があることと、反対に収入はある程度あるのに純資産が$1,000以下というグループも多く存在する(しかも年齢が高くとも)ということです。