ご質問:私の質問は、さて、仕事を辞めてRetireする、というときの職場の401(k)や403(b)のことです。職場のアカウント(私はVOYA、主人はFidelity)にそのままお金を残し、そこから使用する時に取り出すのでしょうか。または、他の会社に全額移すという感じなのでしょうか。もしその場合は、前の仕事からの401(k)を違う場所にいれたのと同じようにただ、自分が気に入った会社(例えば、VOYAからVanguardに)でIRAという形で移し、運用するという感じなのでしょうか。
続行もあり
おっしゃるように、そのままそれらにお金を残し、リタイヤ後はそこから必要に応じお金を引き出して使うことができます。とくにそれらのリタイヤメント・プランが条件のよい場合には、残しておく方が良いと思います。条件が良いというのは、たとえば巷よりも手数料の低い良質なファンドが提供されているというような場合です。雇用主提供のリタイヤメント・プランでは、雇用主(特に規模の大きい企業)が金融機関と特別に交渉した超低手数料の優良ファンドを提供していることもあります。このような場合は、そのままの利用が賢明でしょう。
また、定期的に徴収される口座維持費(現在では多くのリタイヤメント・プランで召集されることが多くなっています)がないか、あるいはあってもそれほど高くないことも大切なポイントです。口座維持費があり、かつ上の低手数料・優良ファンドがあるなら、維持費を払ってでも優良ファンドが使えるという利点が上回るならそのまま利用がよいでしょう。そうでないなら、あえてそのまま利用する理由はないでしょう。以下の記事を参考になさってください。
転職したらどうする - 401(k)などのリタイヤメントアカウント
ロールオーバーもあり
そのまま利用する価値がないと判断した場合は、ロールオーバーします。ロールオーバーは必ずしも全額する必要はありませんが、ロールオーバーするなら全額なさるというのがケース的にはほとんどです。
前の会社の401(k)をすでにどこかにロールオーバーをされている旨が記されていますが、その同じ口座(Traditional IRA)にロールオーバーをされてもいいですし、他の会社に新たなIRAを開かれそこにロールオーバーしてもよいです。口座数を少なく保ち維持を簡単にするためには、同じ口座にまとめるのが良いかと思います。必要であれば、前の会社の401(k)をロールオーバーした口座を、新たに開けたIRAにロールオーバーすることもできます。
リタイヤしてからは、一定年齢以上でRMD(Required Minimum Distribution)が始まります。RMDの引き出しという意味でも、たんなる口座管理という意味でも、できるだけ口座数が少なくまとまっているとハンドリングが楽かと思います。まとめられるのなら、なるべくまとめるのがよいでしょう。口座をまとめられるか、まとめられないかは、その口座の税的な性質によります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
日本に帰られるなら
また、最後に日本に帰国をお考えの場合は、少し考慮が必要です。金融機関によってはアメリカ居住でなくなると口座維持を拒否するところもあります。この場合、日本帰国にあたって口座を閉じることを余儀なくされる可能性もあります。個人的に開いているIRA口座の場合はこの影響を受けることになります。
一方で、401(K)や403(b)の場合は、雇用主が提供しているリタイヤメント口座の場合は、非居住になってもそのまま口座を維持できることが多いです(ただし、このあたりは雇用主ごとに決めているルールによるので人事部に事前に確認要)。将来的に日本に帰国しての老後をお考えの場合は、あらかじめこのあたりのルールを確認し、長期的に考えることが必要です。