もうすぐキャンセルするAmex Platinumの話(2)

去年の秋から使っているAmex Platinumカードを使った収支報告と感想をまとめています。Smart & Responsibleでは会員費のあるカードはお薦めしていませんでしたが、それにもかかわらず最も会員費が高い部類に属するPlatinumカードを使ってみました。使ってみたら何か見えていない特典があるのか・・とも思ったりして好奇心から作ってみました。前回は、ポイント利用、American Airlineのクレジットバック、Global Entryのクレジットバックについて書きましたが、今回は残りの特典についてです。

 

エアポート・ラウンジ利用

案外楽しみにしていた特典がこれでした。空港の食べ物ってあんまりおいしいものはない上に、空港プライスで大変高いですよね。毎回、何か家から安くておいしいものを持って行って待ち時間に食べよう・・と思うのに、そうできたためしはほぼゼロ。うちはどこに行くにもいつもラストミニットで、出発の朝パッキングしている家族だからです。というわけで、なんだか余裕を持って家を出て、優雅にラウンジでくつろぐ・・というのは私の夢でした(今も夢です)。

Platinumカードを持つと、Amex経営のCenturion Loungeと、AmexとパートナーシップのあるDelta Airのラウンジが使えるうえ、Priority Passという全世界で提携しているエアポートラウンジが使えるというパス(会費は払うとしたら$100程度相当)がもらえます。

1年弱たってみて、まともにラウンジが使えたのはたった1回。Priority Passの提携ラウンジとしてAlaskan Airラウンジが加入していて利用させてもらいましたが、まあふつうなかんじ。あとは、何度も利用を試みるも難しかったです。というのも、Centurion Loungeは、Amex経営でたいへん設備がよいという評判ではあるのですが、全米でも限られた空港にしかありません。我が家のホーム空港であるLAX(ロサンゼルス国際空港)には今建設中とかで、いつオープンするかと期待していましたが、どうやら私がPlatinumカードをキャンセルする前にはオープンしないでしょう。一度サンフランシスコ空港を経由することがあり、そこにはCenturion Loungeがあるので使ってみたいと思っていましたが、Loungeがあるターミナルと発着ゲートが遠かったので断念。

また、Delta ラウンジは、Deltaで飛ばないと使えないのでこれも利用が限られます。Priority Passが一番フレキシビリティが高いように思うものの、これもいまいちでした。私がよく行く空港にはPriority Passのラウンジがなかったり、あっても時間が合わなくて開いていないか、ターミナルが遠くて行きにくいか。そもそもラウンジというのは、ビジネスやファーストクラスで飛ぶひとが待つ時間をつぶす場所なわけで、本来はその飛行機会社の発着ゲートの近くにあるものです。Priority Passはいわばエコノミーで飛ぶひとが、会員制で提携ラウンジを使うというものなので、ちょっと無理があるように思います。

というわけでラウンジのベネフィットは限りなくゼロに近い結果です。

 

コンシアージュ・サービス

特典のうちのひとつの目玉として取り上げらることの多いコンシアージュ・サービス。電話一本、テキスト一本で、必要なタスクを仕上げてくれる執事サービスです。何かのスペシャルな機会に誰かに花を贈る手配とか、コンサートやショーのチケットの手配とか、人気レストランの予約などがよくあるパターンらしいです。オンラインで経験談を読んでいると、売り切れのコンサートチケットを手に入れてくれたとか、人気レストランで向こう3か月いっぱいのところ急な予約を入れてくれたとか、レストランに行ったら長い列なのですぐにコンシアージュに電話したらすぐに入れてもらえた・・などというHappyな声がある一方、旅行先の情報をまとめて集めてくれとお願いしたら、単にGoogle サーチで出てくる内容だったとか、発売前からお願いしたコンサートチケット入手だったが、結局取れず自分で買えばよかったとかのNot so happyな声もあります。

うちの体験談はというと・・・冬にカナダ・バンフに行く機会があり、出発3週間前に犬ぞりツアーを予約しようとしたら、ツアーを提供している会社はいくつかあるものの全部売り切れ。何とかなるかと思い、コンシアージュにお願いしたところ、私がやったのと同じように全部の会社のサイトを見て売り切れを確認した後、私たちの泊まるホテルのコンシアージュに電話をかけてくれて連携して探してくれたようですが、やはりいっぱいなものはいっぱいで予約はできませんでした。その後、旅行中に、夕食に行きたいと当日思い立ったレストランが予約でいっぱいだったので、もしかしてと思い再度コンシアージュにコンタクトしましたが、「そのレストランはパートナーシップがあるお店でないので無理がききません」ということでダメ。雑誌に載っているようなファンシーなレストランなら案外無理がきくのかもしれませんが、街のレストランではだめなのかな。

ま、あとはどれだけたくさんカードを使ってくれている重要顧客かというのも、データベース・マーケティングを始めた会社Amexですから、ものをいうのかもしれません。とうことで、コンシアージュ・サービスはうちにはどうも使いこなせず・・・。我が家は、なるべくあらかじめ自分で調べて手配をするのを頑張り、もしやりそびれてダメなものがあればダメはダメでその風を楽しむ・・みたいなノリなので、それで今後もいくようです。実際、予約でいっぱいだったレストランの代わりに、Yelpを見て行きついたレストランはすばらしくおいしくて、家族全員満足顔で帰ってきました(バンフにあるBlock Kitchenというタパス店。バンフに行かれる方、立ち寄ってみてください)。

 

ホテル・アップグレード

Platinumカードで、MarriottとHiltonの2大チェーンのメンバーシップがゴールドになります。アーリーチェックインやレイトチェックアウト、部屋のアップグレードなどが特典。何回か使いましたが、この2大チェーンに属さないホテルも案外使いました。結局、飛行機のターミナルと同じ原理で、“このあたり(物理的な地域)に泊まりたい”という機能性を重視すると、いくら大きなチェーンと言えどもそこにそのホテルがあるとは限らず案外むずかしいというのが感想。2種類に分かれるかと思ますが、ロイヤリティ重視でなるべく一つの会社で通すひとと、その時一番いい条件のところを選びたいひと・・我が家は後者なので、どうもロイヤリティプログラム自体が合わないようだというのが学んだことでした。

あと、Platinum特典には、Fine & Resortsといって、高級ホテルにディスカウトで泊まれるというプログラムもあり、アーリーチェックイン、レイトチェックアウト、$100とか$150とかまでのホテルでの利用(スパとかレストランとか)にクレジットありという内容で、うまく使うとお得ではあります。ただ、絶対お得ということもなく、かえってPricelineのほうが安いということもあります。比較が肝心。

 

Saks Fifth Ave.とUberのクレジットバック

あとこれはちょっとCheapな特典だと思うのですが、Saksの買い物に$100、Uberの利用に対して$200のクレジットバックがあります。ただし一度に全額じゃダメです。Saksは半年ごとに$50ずつ、Uberは月に$15ずつで12月だけ$35。この細切れベネフィットがCheapだと思うのです。頻繁にUberに乗るひとにはうれしいでしょうが、うちはあんまり乗らないので$30くらいクレジットバックをもらったくらいでしょうか。

それから、Saks!私はSaksタイプではないので、サイトに行っても別に欲しいものもないのだけど、クレジットバックが来るというから何か買うものはないかと探しますが、でもSaksですよ。$50以下で買えるものなんてない!ま、少しくらい自己負担してもいいかと思い、Tシャツとか、サマードレスとか、Le Creusetのソース入れなどを見つけ3回買いました(これも1月から12月で$100なので、年が明けると新たに$100がくるということで3回買えたわけ)。

使わせてもらってなんですが、この細切れにした小さな額でのクレジットバック、なんかAmexのPlatinumカードにしてはちょっとみみっちい特典だなあと思いました。

 

さいごの収支決算

他にも特典はなにやかんやあるのですが、私が主に使ったのはこのくらいでしょうか。収支をすると下のようになります。

払ったのは年会費の$550だけ。家族カード3人分まで$175となっていたけど、なぜかチャージされていません。この収支だけみると、$2,000以上のベネフィットがあったわけでびっくりもしますが、でもこのカードはやはりキャンセルします。

このうちオレンジの項目は、今後は減るかなくなります。ポイントはサインアップのボーナスポイントが大きいし、American Airは、今でこそ2年またがりで$400ですが、本当の1年間の額は$200です。Global Entryは5年毎の申請なので、これから4年はゼロ。

それでももしかしたら使いようによっては$550の会費の元は取れるかもわからないけれど、使ってみて思ったのは、やはり私にはあまり使っていてしっくりくるカードではありませんでした。会費のあるカードを使ってみて、それに見合う特典があるのかを知りたい・・というのが当初の好奇心でしたが、金額的な数字でいえば1年目は大変なプラスですが2年目以降はそれほどでもなく、このカードは細かい金銭的な損得ではなくPlatinumに関わるステイタスやサービスを重んじる人にはいいように思いました。

その人のホーム空港によってラウンジが使いやすいということもあるかもしれないし、コンシアージュ・サービスも使いようでもっとすごいサービスが受けられるかもしれません。要は、その人のライフスタイルに合っているかとういうことになるかと思います。

一年使ってみて、自分たちに合うかをチェックしていろいろ面白かったとも言えます。もうすぐキャンセルするPlatinumカードですが、トライしてみたことは良かったと思います。キャンセルした後はやはり年会費のないキャッシュバックカードで行きます。何に使っても使った分だけお金で返ってくるほうが、ストレートで簡単だし・・・。Platinumの話はおしまい。

 

 

 

2 comments

  1. いつも楽しく拝見させていただいております。
    当方も最近同じカードをキャンセルしたところなのですが、
    もう少し早くこちらの記事に出会えてたら、
    もっと有効にポイントをつかえたと思います。
    記事に載っている年会費については家族カード追加分の費用が漏れているように思います。
    また、UberについてはUber Eatsにも使えるので、
    Uberに乗る必要が無い場合は、食事に使うことも可能なようです。

    1. キャンセル仲間ですね!UberはUber Eatsにも使えるのですか!家族カード費はなぜかチャージがされていないのです。。

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