携帯キャリアへの大不満バクハツです

Last Updated on 2012年8月30日 by admin

iPhoneが欲しくてたまらない息子にのせられて、そろそろ家族でiPhoneにするかと思いつつ、各社のサービス・プランを吟味するも、そのエゲツなさにあんぐり・・・するのは私だけでしょうか?みんな涼しい顔でかっこいいスマートホンを使っているけど、料金が高すぎるとは思わないのかなあ。わたし的には、あの料金体系にあのカスタマーサービス、とにかく携帯キャリアはちょっと許せない存在なのですが・・・そこで今日は、携帯キャリアの「ちょっとヘンじゃない?」を6つまとめて叫ばせてください。耳センが必要かも・・・準備はいいですかぁ・・

 

叫び1:データはデータでないのかい?

Voiceでいくら、Textでいくら、Dataでいくらと、なぜ分けなくてはならないのでしょう。音声もテキストもインターネットも、つまるところは同じデータ、バイトにビット、ゼロとイチ・・・私たちがiPhoneを使うときには、「今通話している」とか「テキスト送った」とか「Webでサーチ」とか認識していますが、これらの情報がiPhoneから発信されててネットワークの上に乗っかれば、どれも「データ」でしょう。全部一緒にごちゃまぜになって送信されるわけですよ。

実際、家のインターネットでは、IP電話を使おうが、googleチャットを使おうが、スカイプでミーティングしようが、インターネット接続サービスをひとつ契約していればどれでもできますね。プロバイダが、「すいませんが、来月から用途別に個別契約になります~」といったら怒りませんか?

しかもVoiceは必要でなくても契約しなければならないというのも気に入りません。「家のインターネット接続が欲しいなら、電話サービスも買ってください」といわれたら、「ちょっと待ってよ!」と言うでしょう?Verizonの最低Voiceサービスは450minの$40。若いテキスト世代なら、誰が月に450分もお話しますか?だいたいiPhoneなどのスマートホンはphoneとして始まりましたが、今はphoneというよりは小型コンピュータとして使われるほうが多いわけで、Voiceサービスを買わねばならないこと、しかもそれが往々にして一番高いサービスであることは携帯キャリアの都合以外の何者でしょう!

       

叫び2:どうやって使うかは私の勝手でないのかい?

用途別にサービス契約が必要になるだけではありません。使うデバイスごとにサービスを買うことも必要です。iPhoneを3つ使うなら、データやテキストなどサービスは3つ契約せねばなりません。Tabletやラップトップでデータ・サービスを使いたい(Mobile Hot Spot)となれば、さらに別サービスを買わねばなりません。

家のインターネット接続で、「持っているパソコン数だけ別にサービスに契約してください。iPadやKindleがあるならそれも別ですよ。それからWiiやXboxも別料金です。そうそう、Tivoもね。」なんて言われたらたまりませんよね。

データはデータ。使うデバイスによって、データのかたちが変わってくることはあるかもしれませんが、その変換はデバイスがすること。携帯キャリアはデータを運ぶことが仕事なわけなのに、なぜデバイスごとに別契約を強要するのか・・・消費者からお金を搾り取るためだけじゃないかしら・・・

 

叫び3:どうして細切れ料金にしたのかい?

2010年半ばにAT&TがUnlimited Data Planを廃止しました。その後Verizonも追随し、Tired料金体系、つまり何Gまでいくらという細切れ体系に移行しました。私も携帯キャリアのようなビジネスがしたいものです。究極のお金搾り取りレシピ!データを運ぶというひとつのサービスを用意しま~す。まずは 1)用途ごとに料金を区切り(VoiceとTextingとData)、次に 2)デバイスごとに料金を区切り(携帯電話それぞれとその他デバイス)、最後に 3)使う量ごとに料金を区切りま~す。はい、できあがり!・・・消費者はあそこに20ドル、ここに10ドル、そこは30ドルと何層もの料金を払うことになります。

以下は、「なぜUnlimitedを廃止してTired料金体系に変えたのか」についてのVerizonの説明(VerizonのHPより抜粋)

どんなデバイスを使うにしても、お客様のデータの利用量に最適にマッチするプランをお選びいただけるよう、我が社のデータパッケージとプランを見直し、利用量ベースでの選択肢を提供するようにいたします。この新しい利用量ベースの価格設定は、以前に比べより多くの選択肢を提供することになります。

そりゃそうでしょうよ。Unlimited Data Planだけだったらたった一つの選択肢ですが、今はというと・・・すごいですよ~ 1) 使った分だけプラン($1.99/MB)、2) 75Mプラン、3) 2Gプラン、4) 5Gプラン、5) 10Gプランと5つも(!)ありますよ。でも誰が、「うわ~うれし~。昔はひとつしか選択肢がなかったけど、いまは5つから選べるわ!」と言いますか?新しく5つ選択肢をつくったのはいいけど、昔あったUnlimitedの選択肢はどこいっちゃったわけ?消費者をバカにするのもいいかげんにせよ・・と言いたくなりませんか?

そのうえ・・・「契約したリミット以上に使ってもOK。オーバーしたら1Gあたり$10ですぅ~」とのことです。「もし心配だったら、Usage Controlサービスはいかが?リミットに近づいたときやリミットに達したときにアラートを送ってくれるサービスです。ちなみにこのサービスは月々$4.99です。しかもアラート・メールは無料ですよ~」だそうです。うれしいですか?こんなアラート、数行のプログラムで簡単にできること。それに月々お金をとるわけですか?

 

叫び4:データ通信のコストは下がっているのでないのかい?

なぜここまでして消費者からお金を搾り取らねばならないのでしょう?データを送るのってそんなにお金がかかることでしょうか?そりゃ安定的にきちんとデータを送ることは大変な仕事だと思いますよ。設備の投資もメンテも大きな仕事です。だけど、テクノロジーの進歩によってデータ通信のコストは劇的に減少しているはずではないのでしょうか?

データ通信のコストの低下を物語るよい例を見つけました。今日、Netflixの映画1本分のデータを送るのにかかるコストは5セントだそうです。これをもし、1998年に同じクオリティーで実現しようとしたなら$270のコストがかかったそうです。この例は、有線/ランドラインのケースですから、そのまま無線/ワイヤレスのネットワークにはあてはまりません。しかし、無線・ワイヤレスのネットワークのデータ通信コストだって、ここまででないにしろ下がっているはずでしょ。少なくとも上がってはいませんよね。

あるノースウエスタン大学の教授が書いた記事によると、都市部の多くの市場では2社(VerizonとAT&T)の独占状態になっており、それが値段が下がらないことの理由であるとしています。つまりは競争がなく、値段を下げる必要がないということ。回線を確保するという設備投資にはお金ががかかりますが、その後のコストは値段に比べてはるかに低く、徴収したお金の大部分は「純粋な利益」となるとのこと。各社はサービスの維持やサポートに年間$100を費やすかもしれないが、消費者はその額を実に2ヶ月に一度の頻度で払うわけです。コストは下がるが、値段は下げなくて良い、なんと理想的な環境!

 

叫び5:なんであんなに税金をとられるのかい?

ワイヤレス・サービスの請求額のうち16%以上を税金と手数料が占めるとのこと。この数字は、他のモノやサービスに対する税金に比べると、2007年から2010年に3倍のスピードで上昇したそうです。税金には、連邦税、州税、それ以外のローカル税に分かれるようですが、最も高いのは州税のようです。ネブラスカが一番高く、23.69%、次にワシントンで23%、次いでニューヨク22.83%だそうです。反対に一番安いのは、オレゴンの6.86%、ネバダの7.13%、アイダホの7.25%。

リセッションで予算難になった州やローカル政府が、ワイヤレス・サービスの税金から穴埋めしようと考えるのも珍しくないとは専門家の話。しかも、「税金が高いから携帯持つのはやめよう」という人はあんまり聞かないですしね。消費者としてはなんとも世知辛いお話で・・・

 

叫び6:あんたたちはなんで税金を払わないのかい?

Institute for Policy Studiesの発表によると、2010年にVerizonが当時のCEOに払った報酬は、同社が支払った連邦税よりも多いのだそうです。同Instituteのレポートは、“Executive Excess 2011: The Massive CEO Rewards for Tax Dodging,”と題され、法外な報酬の裏には税金を軽減するという明確な意図が見え隠れしていることを示唆しています。

Verizonは同年$11.9ビリオンの税前利益があったのですが、当時のCEO、Ivan Seidenbergは$18.1ミリオン(1年分ですよ!)の報酬を得、 節税のかいあってVerizonは$705ミリオンの連邦税リファンドを受けることができたそうです。

額が大きすぎて私にはどうもピンと来ませんけども、CEOのお給料をちょこっと下げてもう少しサービス料金を安くし、ついでにVerizonがもうちょっと税金を払うようにして私たちの税金を下げてもらうわけにはいかないものでしょうか。

Verizonは現在提供しているTextのShared Family Planに加え、 2012年半ばには、Shared Family Data Planをスタートすると発表しています。これは一応うれしい発表ではありますが、Textだけをでshare、Dataだけをshareというのでなくて、もっとshareさせてちょうだいよ!LANにしろ、クラウドにしろ、ネットワークのキーワードは“share=共有”ではありませんか!「細切れブチブチ」はどう考えても、ネットワークの発展の流れに逆らっていると思いま~す!

私の願いは、VoiceもDataもTextもすべてが「データ」という同一のくくりで認識され、現在の家のインターネットのように、家族の誰が何のデバイスで何のためにどれだけ使ってもいい環境です。テクノロジーの発展にともない、便利で自由な世の中になるはずが、かえって規制されて不自由な世の中にならないよう、Verizonをはじめエライ会社のエライ人は、使命感を持ってリードしていただきたいものです。

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