始めて一年経ちました - 「Responsible」なファイナンシャル・ライフ

このブログ・サイト、Smart&Responsibleが立ち上がって1年が経ちました。1年経った今、今一度原点に戻り、Smart&Responsibleという名前にこめた思いを振り返ると同時に、みなさんのお考えやご意見を伺えたらとも思います。前回はSmart & Responsibleのうちの 「Smart」にこめられた意味を振り返ってみました。

前回、ご意見・ご感想をくださったSayoさん、SAKURAさん、Cranberryさん、ひいろさん、それからコメントをくださったCheeさん、SWさん、turtleさん、どうもありがとうございました!

今回は、

Smart & Responsible の 「Responsible」に込められた思い

を考えてみたいと思います。

「Responsibility」というと「責任」と訳しますけど、なんか日本語にするとカタいですが、英語のresponsibleをオンライン辞書で調べると、“being the primary cause of something and so able to be blamed or credited for it.“と出てきます。「よい結果もわるい結果もその大もとの出どころであること」というような意味でしょうか・・・何をどう決めようと、どういう行動をとろうと、その決めたこと・やったことは自分から出たことであるとわきまえていること・・・というような意味合いですね。。

 

日々負わされている責任

わたしたちは日々さまざまな決断をしながら生きています。「決断」なんていうと大げさですけど、でも決断です。どのブランドのヨーグルトを買うかだって決断だし、携帯電話はどのキャリアにしようか、医療保険のタイプは何にしようかだって決断です。アメリカはサイン社会ですが、サインをするとき、「自分は決断をしているのだ」と感じますか?サインには、「わたしは決断しました。この決断に責任を持ちます」という意味がありますね。比較的簡単に撤回できる「決断」もあれば、変更が非常に高くつく「決断」もあります。

問題になるのは、わたしたちがよくわからないまま「決断」したり、全部を把握することなく「決断」せねばならないような場合です。たとえば、自動車保険を契約する際、「このくらいのカバレッジでいいですよ」とブローカーに言われて、おまかせにしてサインしたりしていないでしょうか。どんなときにどんな補償があるか、補償に穴がないかよく把握していますか?事故が起こったとき、保険会社は契約以上の責任はかぶってくれません。ブローカーの責任でもありません。最終責任は自分です。

また、病院で先生に診てもらうとき、「保険が払わない医療費は自分が責任を持ちます」というペーパーにサインさせられます。したくなくても、サインしないと診てもらえないのでサインしますが、それが大きな責任を負うことだという覚悟が必要だということですね。そのサインにどんな意味があるのか、医療保険やシステムはあまりに複雑で、窓口の人に聞いても納得のいく答えが返ってこないこともあります。それでも、自分の責任は自分のもの。わかっておかねばならないのです。

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日々測られている責任

わたしたちがどのくらい責任のある姿勢で生活しているかは、日々測られています。クレジット・スコアがその一番の例ですね。責任を持って借りて責任をもって返しているか、無理な判断はしていないか、責任がとれる余裕があるかなどの指標が、わたしたちの行動を通して測られています。測られたくても測られたくなくても、測られています。そう考えるとちょっとコワくもありますが、でも責任ある姿勢で生活していれば、自然と評価は上がってくるわけですから励みにもなります。よいクレジット・スコアは、「金銭的に信頼に足る人である」というお墨付きでもあり、さまざまな特典もついてきます。ローンが安く組めたり、リワードのよいクレジット・カードがつくれたりします。反対に、クレジット・スコアがよくないと、「高リスク」な顧客というレッテルを貼られ、ローンを組むのでもサービスを受けるのでも高くつくことになりかねません。

アメリカに暮らす限り、自分のクレジットとの付き合い方を学ぶとともに、クレジットを築き維持していくことはとても大切ですね。クレジット・カードで本一冊買うのでも、車のローンを組むのでも、請求書をちゃんと処理することも、責任を持った行動ができているかの成績がつけられているということです。

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シフトされる責任

以前は国や企業が請け負ってくれていた責任が、個人にシフトされてきているのを感じていらっしゃるでしょうか?ここ数十年のうちに、個人の追うべき責任はどんどん増えてきているように思います。たとえば、401(k)の登場。それまではDefined Benefit Plan(確定給付型)が主流で、リタイヤしたあとに受けられる給付額が確定していました。雇用者にとってはこれは非常に安心なことで、企業の掛けてくれる掛け金や自分が負担する掛け金さえ積み立てられておれば、将来もらえる年金がいくらかはっきりしていたわけです。リタイヤまでの間の資金運用は企業側の責任であり、個人の責任ではありませんでした。

今ではどうかというと、企業年金、Defined Benefit Planという言葉は死滅しつつあります。代わって、Defined Contribution Plan(確定拠出型)が台頭し、企業は決まった額を積み立ててくれるだけ(積み立ててくれるだけでもありがたいことですけど)。あとの資金運用はすべて個人の自己責任です。リタイヤした後、どのくらい老後資金が得られるかは、あなたの運用成績次第。考えてみれば、恐ろしい責任ですね。

シフトされた責任は、老後の生活だけではありません。医療もそうです。最近ではConsumer-directed Healthcare Planといって、HSA(Health Savings Account)や HRA(Health Reimbursement Arrangement)と抱き合わせでDeductibleを高く設定したプラン(多くの場合PPOプラン。High Deductibleプランと呼ばれる)が加入者を伸ばしています。加入者が伸びている理由は、企業や団体が「あまり病気にならなければ、大きく保険料を節約できます!」と強力にプロモートしているからです。これはあながちウソではありません。しかしながら、これらのプランはconsumer-directed、つまり患者である消費者がイニシアチブをとる保険プランです。消費者がイニシアチブをとるとは、まさに、消費者による医療の質と値段の吟味が必要であるということを意味します。企業や団体が強力にプロモートしているわけは、消費者へ責任を移すことで、自分たちのコスト削減につながるからです。病気をしないなら安くつくけど、病気をすると大変なプランかもしれません。よく吟味しないで医療サービスを受けるととても高くつくプランである可能性があるのです。聞こえはいいが、大きな責任を負わされるプラでもあるのです。

後悔しない健康保険の選択ー保険で「賭け」をしてしまわないように

FSA、HSA、HRAって? – 健康保険と消費者の責任

 

自分たちの責任をよく知って、責任ある生活がしたい・・・社会のため・人のためなんて大げさなことではなく、自分自身のため自分の家族のために、責任あるファイナンシャル・ライフを送りたいなどと思うのです。。

 

そこで、今日もお願いします。みなさんがどのような思いを持ってこのブログを読んでくださっているか、どんな問題・課題について知りたいか、ちょっとお聞かせいただけませんでしょうか?Message欄を用意しましたので、お気軽に書いていただければと思います。

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