2007年に新車で買ったうちの車も今年で早5歳になります。そんな折、一枚の手紙が来ました。「もうすぐあなたの車のワランティが切れます。ワランティが切れる前に必ずxxx-xxxxへご連絡ください」 なんかオフィシャルっぽい宣伝気のない文面ですが、これはエクステンデッド・ ワランティを売るサードパーティーの会社からのものでした。エクステンデッド・ ワランティを買うべきかどうかは今度とりあげるとして、今回はワランティが切れる前にやったほうがいいことについて考えてみたいと思います。
ワランティを把握しておくことの大切さ
実は、うちの車はもうすでに一度ワランティを使って大きな修理をしています。2009年にバージニア州からカリフォルニア州に引っ越したのですが、そのとき、「ぜひ家族で大陸横断ドライブしてみよう!」ということで、3000マイルの車の旅をしたのでした。そのせいかどうかは定かではありませんが、その直後から車の下部から妙な摩擦音がするようになり、それがどんどんひどくなって、ついにはあまりのうるささに頭痛がするほどになりました。
車のことはからっきしダメな私たち夫婦は、車に詳しい友人に相談した結果、「おそらくトランスミッションだろう」と察しをつけました。ワランティのことはまったく頭になく、とりあえず知り合いの紹介してくれたリペア・ショップにもって行き、トランスミッション・オイルを変えてもらいましたが、まったく効果なし。そこのメカニクスの方が、「これはワランティでカバーする内容だと思うから、ワランティをチェックしてディーラーにもっていきなさい」と教えてくれました。
ワランティの内容を確認したところ、トランスミッションなどのPower Trainは60ヶ月/60,000マイルまでWarrantがあります。さっそくDealerに持っていったところ、結局トランスミッションの総取替えとなり、$4,000~$5,000するところでしたが、すべてワランティでカバーされました。
そのときのことを、今回、エクステンデッド・ ワランティ会社から受け取った手紙で思い出したのでした。エクステンデッド・ ワランティのことを心配するのもいいけど、その前に現ワランティが有効なうちに、ワランティで修理できそうなことはないかちゃんとチェックするのって大切かもしれませんね。ワランティのコストも車の代金に含まれているわけですから、車のオーナーとしての権利として、使えるワランティは使いたいものですね。
確認すること
まずは何がワランティでカバーされるか、有効期限はいつまでかを確認することが第一ですね。ワランティの説明書に目を通します。
今、問題があるところ、気になっているところがワランティでカバーされるか確認します。また、リコールとTechnical Service Bulletin(TSB)をチェックします。Edmunds.comのこちらのサイトで、メーカーやモデル名などを入力すると、発行されているリコールとTSBを確認することができます。 リコールは大きな安全上の問題である場合もあれば、小さな部品の欠陥という場合もありますが、いずれにせよオーナーであればすべてのリコールについて通知を受け取るはずです。オーナーである限り、ワランティの有無に関わりなく、無料でリコールに対しての処置を受けることができます。
これに対し、TSBのほうは、メーカーが、修理を行うテクニシャンに対して発行するもので、その車種に特定の課題・問題にどう対応するべきかというガイダンスです。よく起こりがちな問題などに対しての対応の仕方の指南書というような位置づけで、リコールとは違います。TSBで扱われている問題の修理は、ワランティの範囲内でない限り有料となります。よって、ワランティが有効なうちに、その車種のTSBが発行されている課題を把握して、自分の車には同様な問題が起こっていないかを確認するのがよいようです。
念入りなチェック・アップをする
車に詳しい方なら自分でチェックできることも多いでしょうが、わたしのような車オンチな方は、チェック・アップにもって行きましょう。ワランティが切れる前に問題は洗い出しておき、ワランティで直せるものは直してしまうことです。
チェック・アップは、オイル・チェンジのときにいつもより少し詳しく診てもらうという程度のものから、念入りな総点検までいろいろですね。総点検に持っていくならば、ディーラーより独立系の修理ショップのほうが好ましいとする専門家もいます。独立系のショップで、バイアスのない中立的な意見をもらい、いざワランティを使うためにディーラーに持っていく時点では、客観的な情報を携えていくというのが、賢いやりかたであるということらしいです。
ディーラーへのもって行き方
実際ワランティを使って直したい問題が見つかったとき、どうやってディーラーにアプローチするかもポイントのようです。わたしのトランスミッションの問題のように、明らかな問題(どうみても不穏な音が出ていたので、ディーラーも否定のしようがありませんでした)ならば話は早いようですが、ちょっと微妙なものはちょっとした注意が必要のようです。
まずは、その問題がディーラーによって再現されて確認できなければなりません。なるべくその問題が再現されやすいような状態・状況で車をディーラーに持っていくということが大切です。ある一定の条件、たとえばACを30分以上使った場合に出る問題とか、エンジンが暖まっていないときに出る問題というのであれば、その状態をつくりだせるよう工夫が必要です。
Edmunds.comなどで無料でチェックできるTSB情報は、タイトルと概略しかありませんので、詳しい問題の描写は確認できません。どうしても必要であれば、有料で詳細を確認する方法はあるようですが、そうする前に、まずは自分の車の問題を細かに説明したレポートを用意するというのがいいようです。問題を描写し、どのような状況でそれが起こるか、またどのような頻度で起こったかについて事実を書きとめたものを携えていけば、ディーラー側も簡単に、「再現できないからお帰りください」とは言えないでしょう。
その上で、「こんなTSBがあるようですが、うちのケースには当てはまらないでしょうか」と指摘してみるのも効果的なようです。こちらがTSBの詳細を把握している必要はないかもしれません。TSBの詳細はディーラーならば確認できるはずですから、該当しそうなTSBを指摘するくらいで十分でしょう。要は、「信頼できそうな客」になること。たとえ車のことはよく知らなくても(知っていればなおさらよいですが)、客観的な情報提供と同時に、ディーラーの対処を助ける姿勢がポイントということでしょうか。「この客は、あることないことをワランティを使うためにごちゃごちゃ言っている」と思われるのではなくて、「この客は、問題を一緒に解決しようと努力している」と思われるよう努めるということです。
どうしてもTSBの詳細が確認したいというのであれば、National Highway Traffic Safety Administrationのサイト で有料で確認ができるようです。
・・・ということで、ワランティが切れる前に、ワランティを最大限に活用したいですね。・・といっても、わたしはやっぱり車はどうもニガ手です・・・面倒だな~。