税金を払う代わりにお金がもらえる - Earned Income Tax Credit

年収5万ドル弱、子ども3人の家族なら、最高で$6,000弱、フェデラル政府からお金がもらえるかもしれません。これはEarned Income Tax Creditというもので、所得が限られた世帯を援助するために設けられた制度です。ただし、このEarned Income Tax Credit、申請手続き(タックス・リターンで)をしなければもらえません。資格があるのにそれを知らずに申請しない家庭がたくさんあるのです。支払うべき税金がないからといって、タックス・リターンをすることを思いつかない場合もあるようです。ある調査によると、15~25%の世帯は手続きをしないため、この政府からの援助をみすみす見過ごしているのだそうです。これは全国で350万世帯から700万世帯相当だというので驚きです。

みなさんの周りで該当する可能性のある方がいらっしゃったら、どうか一声かけてあげてください。このようなタックス・クレジットは、お金をかけて大々的に宣伝されることもないので、知らない方は知らないことが多いのです。普段なら普通に収入がある家庭でも、年の途中で仕事を失って収入が激減し、一時的にこのタックス・クレジットがもらえるということもあるでしょう。経済的に困っている方などいらっしゃれば、政府からの援助としてのこのタックス・クレジットは家計の助けになることでしょう。

Earned Income Tax Creditは「リファンダブル」であり、それは「もらえる」タックス・クレジットであることを意味します。たとえば、支払うべきタックスが$500、Earned Income Tax Credit が$5,000であった場合、$5,000-$500=$4,500がフェデラル政府からもらえるということです。支払うべきタックスがなければ、まるまる$5,000がもらえます。

 

受給資格と条件

実際に受けら得るタックス・クレジットの額は、収入と子どもの数によって変わり、下のとおりです(2011年度用)。Earned Income(働いて稼いだお金)とは、子どもの養育費や失業保険、リタイヤメント年金や投資からの利益など以外の、労働によって得た収入です。AGI(Adjusted Gross Income)は、収入に必要な調整をした後の額のことで、タックス・リターンの書類を作ると明らかになります。

条件を満たす子どもの数 Earned Income(働いて稼いだお金)とAGI(Adjusted Gross Income)のそれぞれが・・・ Earned Income Tax Creditの最高額
3人以上 $43,998 ($49,078 married filing jointly)以下 $5,751
2人 $40,964 ($46,044 married filing jointly)以下 $5,112
1人 $36,052 ($41,132 married filing jointly)以下 $3,094
0人 $13,660 ($18,740 married filing jointly)以下 $464

 

このタックス・クレジットを受けるためには、上記の収入上の条件に加えて、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • ソーシャル・セキュリティー番号を持っていること(夫婦の場合はふたりとも。子どもも同じく。)。
  • 米国市民か、レジデント・エイリアン(グリーンカード保持者か、あるいは今年度31日以上/過去3年通算で183日以上アメリカにいたひと)であること。
  • 夫婦の場合はmarried filing separatelyで、タックス・リターンをしないこと。
  • 他の人のタックス・リターンで「条件を満たす子ども」として申請されないこと。
  • アメリカにテンポラリーで住んでいるということで、アメリカでの収入を除外申請していないこと。
  • 25歳から64歳(夫婦の場合はふたりとも)であること。
  • ·          子どもは、18歳以下であること(フルタイム学生の場合は23歳以下)。子どもは自分の子ども、結婚によって子どもとみなされるもの、養子縁組やフォスター・ケア による子どもを含む。米国内の、申請者と同じ居住場所に、半年以上住んでいること。

実際にはもう少し細かい規定があってここには書ききれません。もしかしたら、「資格があるかも」とお思いになれば、IRSのこちらのサイトでチェックできます。

 

申請にあたって無料ヘルプが受けられます

資格が確認できたら、申請をする必要がありますが、自分でタックス・フォームを記入するのが難しいという人のために、無料で申請を手伝ってくれるシステムがあります。Volunteer Income Tax Assistance(VITA)というプログラムがあり、あちこちでサービスを提供しています。最寄のサービス提供場所は、こちらで検索できます

VITAに行かれる場合に、持参しなければならない書類等はこちらで確認できます

 

さらに州からもタックス・クレジットが得られるかもしれません

上記はフェデラル政府からのタックス・クレジットについてでしたが、これに加えて州政府あるいは市や郡からも同様なクレジットがもらえる可能性もあります。全米22州とワシントンDC、ニューヨーク市とモンゴメリー郡が、このようなクレジットを発行しています。こちらで確認できますので、該当する場合は是非申請するとよいでしょう。

 

繰り返しになりますが、周りに該当しそうな方がいらっしゃれば、是非教えてあげてください。その他、不明点・ご質問等ありましたら、コメント欄にてコンタクトください。私にできる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います。

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8 comments

  1. 初めまして。こんにちは。
    今この記事を読ませて頂いて少し焦っています。
    先週郵送にてタックスリターンは申請したのですが、earned income creditなるものを知らなかったので、該当書類は作成しておりません。
    条件は合いそうなのですが、今から急いで不足書類を別送することは可能でしょうか?

    宜しくお願いします。

    1. 大丈夫ですよ。1040Xというフォームで変更できます。3年分さかのぼれますから、去年とかおととしとかもCreditをもらえそうならば、その分も変更できるはずです。Good Luck!

      1. 早速のお返事ありがとうございます。
        もう一つ失礼させて頂いて宜しいでしょうか?

        Form8862ではなく、1040xというフォームのみでいいのでしょうか?
        お恥ずかしい話タックスリターン自体まだ経験が浅く、主人に任せているため、無知でお恥ずかしい限りです。

        また去年の。。。ということですが、この必要フォームを二年分用意するといいということでしょうか?

        基本的な質問で申し訳ありません。

        宜しくお願いします。

        1. Form8862というのは、Eanred Income Creditがdisallowかreduceされたことがあるときに書くFormのようですがそういうケースがあてはまるのでしょうか?全体像がわからずにアドバイスを差し上げることは控えたいと思いますので、お近くの税理士さんか会計士さんに相談されるのが一番だと思います。

  2. 日本の住民票を抜かずにアメリカに住み、グリーンカードを持って20年間パートですが仕事をして来ました。
    今度高齢の両親が心配で日本に帰って住もうかと思っています。
    ちょうどグリーンカードの有効期限があと2ヶ月で切れてしまいます。
    このままグリーンカードの更新をしないで帰国した場合、私が今まで支払いをしてきたソーシャルセキュリティのお金は全て無駄になってしまうのでしょうか?
    主人がアメリカ人で、彼が亡くなったあとは彼の方のソーシャルセキュリティの金額の方が多いと思いますので、そちらを選択したいと思っていますが、グリーンカードがないとその受け取りの資格も亡くなるのでしょうか?

    1. ソーシャルセキュリティの受給資格とグリーンカードは関係がありません。ソーシャルセキュリティの受給資格を満たしていれば受給資格はあります。日本とアメリカは日米社会保障協定というのを交わしているので、それに基づき手続きをし受給をうけることになります。協定によりアメリカの年金の請求を日本の年金事務所及び年金相談センターの窓口で行うことができます。https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyoteiaite_chui/usa.html

      1. そうですか。安心しました。ソーシャルセキュリティオフィスでは住所の管理は一般的に行っていないと聞きました。ここから先もアメリカのほうもタックスをファイルし続ける必要があると言う事でしょうね。日本で年間幾ら以上収入があればアメリカの方にも税金を払わなければいけなくなるのでしょうか?

        1. アメリカ市民、グリーンカードホルダーは、世界のどこに住んでいても、全世界の収入についてタックスリターンをする義務があります(ただし、どこか他の国で治めた税金をダブルで納める必要はないように外国税控除クレジットがあります)。グリーンカードを返上されるのであれば、アメリカのタックスリターンは必要なくなります。

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