FAFSAって何でしょう?大学のファイナンシャル・エイドを受けるために必要だと聞きましたが、それはいったいどのようなものでしょう?大学によっては、CSS/Financial Aid PROFILEも申請せねばならないと聞きましたが、それは何ですか?EFCってどう関係があるのでしょう?申請は面倒そうですが、申請する価値はあるのでしょうか?いったいどちらを申請したらよいのでしょう?… このようなご質問にお答えすべく、今回はFAFSAとCSS/Financial Aid PROFILEの違いに焦点をあててつつ、ファイナンシャル・エイドの申請についてまとめてみました。
FAFSAって何?
FAFSAはFree Application for Federal Student Aidの略で、フェデラル・ファイナンシャル・エイドのための申請システムです。その名のとおり、フェデラル政府のファイナンシャル・エイド(グラント、学生ローン、ワーク・スタディー)の財源を、それを必要とする学生に適切に配分することを目的に、各家庭の財務情報を集めるものです。申請にあたっては、学生とその両親の収入や財産についての情報を入力します。入力された情報をもとに、EFC(Expected Family Contribution)が計算されます。EFCとは、カレッジ全費用のうち各家庭が負担することを求められる予想額です。たとえば、カレッジ費用が$30,000で、あなたのEFCが$14,000であれば、あなたは$14,000を負担することを求められると同時に、残りの$16,000はファイナンシャル・ニーズと認められ、グラント、学生ローン、ワーク・スタディー、その他のエイドの組み合わせで満たされるべきニーズであるということになります。
FAFSAはそもそもはフェデラル・ファイナンシャル・エイドのための申請書ではありますが、実は他の用途にも使われます。それぞれの州も、州がスポンーサーであるエイドを配分するためにFAFSAの申請情報を使うことがあります。また、それぞれの大学も、学校が管轄するエイドを配分するためにFAFSAの申請情報を使うことがよくあります。多くの場合、大学がファイナンシャル・エイドのパッケージ(大学がその学生に対しオファーするファイナンシャル・エイドの組み合わせ)を決定するのに、このFAFSAの情報を使います。つまり、FAFSAはすべてのファイナンシャル・エイドを受けるための一番の大元となる申請書であるということです。裏返せば、もし受けることができるエイドがどこかに存在したとしても、FAFSAを申請していないと考慮もされないということです。もしかしたら、みすみすチャンスを逃すことになるかもしれません。これが、「とにかくいかなる状況であれFAFSAは必ず申請すること」といわれる所以です。高所得ファミリーの中には、FAFSAを申請しても仕方がないと考えている人たちが多くいるようですが、多くの専門家が「エイドはまったく要りませんというのでないかぎり、FAFSAの申請はすべきだ」という意見です。
FAFSAはDepartment of Higher EducationのなかのOffice of Federal Student Aidが統括しており、その名のとおり、申請は無料です。FAFSAは、大学に在学する期間を対象に毎年申請するもので、次年度のための申請がその年の1/1から始まります。締め切りはそれぞれの大学によって異なりますので確認が必要ですが、締め切りまでに出せばよいというよりは、できる限り1/1以降すぐに申請することが望ましいようです。ファイナンシャル・エイドには限りがありますから、図らずしも「早い者勝ち」になることもしばしばだからです。申請サイトはこちら。
FAFSAの申請は、必要な情報が手元にありさえすれば一時間くらいで終わるというのが目安です。手元に情報がないと、申請は煩雑になり、また間違いのもとにもなりますから、必要な書類をすべて揃えてから申請を始めましょう。両親と学生のそれぞれについて下記の情報が必要です。
- 最新のタックス・リターン(FAFSAは1/1以降申請できますが、その年にする(つまり前年度分の)タックス・リターンがまだ済んでいない場合は、見積もり額を使ってFAFSAを申請しておいて、実際のタックス・リターンを済ませた時点で、正確な額に変更することができます)
- 銀行口座のステートメント
- 各種インベストメントのステートメント
- 非課税の収入(地方債の利子など)の記録
- 運転免許証
- ソーシャルセキュリティーナンバー
- アメリカ市民でない場合は、グリーンカード
CSS/Financial Aid PROFILEって何?
CSS/Financial Aid PROFILE は、College Board が提供するファイナンシャル・エイドの申請システムです。College Board は、5900の大学やその他の学校が加盟する非営利のメンバーシップ団体です。SATやAPテストなどもCollege Board が提供するサービスです。おおよそ250校の大学(ほとんどが私立大学)が、FAFSAの申請に加えて、このCSS/Financial Aid PROFILE の申請を必要としています。FAFSAはそもそもフェデラルのファイナンシャル・エイドの配分を目的としているのに対し、CSS/Financial Aid PROFILE は、それぞれの大学が持っているファイナンシャル・エイド(寄付基金などから出るエイド)の配分のために使われます。FAFSAと同様、CSS/Financial Aid PROFILEもEFCを計算し、それぞれの学生のファイナンシャル・ニーズを割り出します。
CSS/Financial Aid PROFILE の申請を必要する大学の一覧はこちらから確認できます。あるいは、それぞれの大学のWebサイトでも、ファイナンシャル・エイドの申請にはどのような手続きが必要かを確認することができます。
FAFSAは無料ですが、CSS/Financial Aid PROFILEは有料です。料金は年々更新されますが、現在は登録料が一律$9、情報を送付する学校一校につき$16です。収入が一定以下だと申請料金は免除されます。FAFSAの申請は1/1から受け付けられますが、CSS/Financial Aid PROFILEは10/1から提出することができます。申請サイトはこちら。Early Decision枠で受験した学生の場合は、12月末までに申請することが必要なことも多く、FAFSAよりずっと早くから申請がすすめられます。それぞれの大学で締め切りが大きく異なることもあるので、必ず各大学のWebサイトで確認することが必要です。
FAFSA と CSS/Financial Aid PROFILE – どこが違う?
ふたつともファイナンシャル・エイドの申請システムであることと、どちらもEFCを計算することで申請者のファイナンシャル・ニーズを把握するものであること、その一方で、使われ方や申請手続きには違いがあることを上記でご説明いたしました。ではこの二つは機能的にはどう違うのでしょう。
FAFSAは完全に標準化されたもので、どの学生がどの大学に申請しようとも、すべて同じ情報を同じように集め同じようにEFCを計算します。これに対し、CSS/Financial Aid PROFILEは、申請する大学やプログラム、学生の財務状況などによって、カスタマイズされた情報を集めます。申請者がまず基本的な質問に答えると、その答えと申請する先の大学とによってカスタマイズされた申請フォームがつくられ、それを使って申請をすすめます。このため、通常、CSS/Financial Aid PROFILEのほうがFAFSAより多くの詳細情報を集め、その学生の財務状況をより詳しく分析します。
FAFSAがEFCを計算する方法はFederal Methodology (FM)と呼ばれますが、CSS/Financial Aid PROFILEがEFCを計算する方法はInstitutional Methodology (IM)と呼ばれます。たとえば、FMによるFAFSAではホーム・エクイティ(家の市場価格からモーゲージ残高を差し引いたもの)、リタイヤメント・アカウント(401(k)やIRAなど)、申請者の(親だけでなく)兄弟姉妹名義の資産、その他の第三者の資産で受益者(Beneficiary)が申請者である資産((たとえば祖父母や親戚などが申請者のためにつくっている529アカウントなど)は計算に含まれませんが、IMによるCSS/Financial Aid PROFILEではそのどれも計算に含まれます。結果的に後者でのほうが、より多くの資産が考慮されることになり、EFCが高めに計算される、つまりファイナンシャル・ニーズが低めに計算される傾向があるようです。
またFAFSAでは、標準化された計算によりEFCがピンポイントで決まってきますが、CSS/Financial Aid PROFILEでは、ファイナンシャル・エイド・カウンセラーに、それぞれの申請者ごとにエイドの額を調整する自由度が与えられています。ニード・ベースのエイドだけではなく、メリット・ベースのスカラシップや学費ディスカウントなど、ファイナンシャル・ニーズがまったく関係ないエイドをもらうためにも、CSS/Financial Aid PROFILEの情報が使われることがあります。
CSS/Financial Aid PROFILEは申請する大学によって考慮される情報が異なってくることから、同じ申請者であっても大学によってEFCが異なる、つまり認められるファイナンシャル・ニーズも異なってくることがあります。CSS/Financial Aid PROFILEは、こういった理由で、特定の大学ではいったい自分のEFCがいくらで、ファイナンシャル・ニーズはどのくらい認められ、結果的にどのくらいエイドがもらえるのかを知るのは非常に煩雑で困難なことでしたが、最近ではネット・プライス・カリキュレータの登場により、各大学のネット・プライス(カレッジの費用からグラント、学費ディスカウントなどのギフト・エイドを引いたもの)を比較的簡単にチェックできるようになりました。ネット・プライスについて詳しくはこちら。
まとめ
- FAFSAはフェデラルから、CSS/Financial Aid PROFILEは大学から、それぞれのファイナンシャル・エイドを受けるための申請システムである。
- FAFSAはフェデラル以外の(州や大学の)エイドを受けるためにも使われることがある。
- 私立大学の多くはFAFSAとCSS/Financial Aid PROFILEの両方の申請を必要とする。
- CSS/Financial Aid PROFILEは、ニード・ベースのエイドのためだけではなく、メリット・ベースのエイドをもらうためにも必要となることがある。
- 申請はなるべく早くしたほうが、エイドを受けられる確率が高くなる。
以上のことから、どんな場合でもFAFSAと、受ける大学によってはCSS/Financial Aid PROFILEの申請を、なるべく早めにすること、これが賢い選択のようです。
はじめまして 高校生のいる母親です^^
何と素晴らしいサイトなのでしょう!
とても分かりやすい説明に感動しました!
ありがとうございます!
私の知識不足で
アメリカの大学の事がさっぱり分からず…
気が付けば娘はシニアになってしまいました。 ←まったりしすぎですね(^^;
時々進学説明会へ行って
まばたきせずに耳をダンボの様にして聞いていますが
CSS?
PROFILE?
他にも色々な単語が出てきて
英語が得意で無い私の頭の中はますます(?_?;)
???マークだらけになっていました。
こちらの方で勉強させて頂きますね。
ブックマークさせて頂きました。
どうぞよろしくお願いいたします。
aiaiさん、コメント、ありがとうございます。これからも内容を頑張って充実させていきたいと思っています。こちらこそよろしくお願いいたします。
現在家族でアメリカにE-1 visa で滞在しておららます。娘はパブリックスクールの11年生です。FASTA などはソーシャルセキュリティー、グリンカードを持っていないくても支給対象に該当するのでしょうか。早くていつからセニアの何月から応募出来るのでしょうか。入りたい大学にきいましたごが、E1 vusaでしたら、レジデントのレイトで行かれるときいたのでしが、本当でしょうか。インターナショナルレイトですと進学をあきらめなくてはなりません。あと学校のリーダーシップダイバーシティのリーダーをしてりやクワイヤーのコンサートでピアノ伴奏さしたりさしておりますが、スカーラーシップの対象になりますのでしょうか。
現在家族でアメリカにE-1 visa で滞在しておららます。娘はパブリックスクールの11年生です。FASTA などはソーシャルセキュリティー、グリンカードを持っていないくても支給対象に該当するのでしょうか。早くていつからセニアの何月から応募出来るのでしょうか。入りたい大学に聞いましたら、E1 visaでしたら、レジデントのレイトで行かれるときいたのでしが、本当でしょうか。インターナショナルレイトですと進学をあきらめなくてはなりません。あと学校のリーダーシップダイバーシティのリーダーをしてりやクワイヤーのコンサートでピアノ伴奏したりしておりますが、スカーラーシップの対象になりますのでしょうか。
FAFSAでもらえるFederal Aidや多くのState AidはCitizenかGreen Card Holderが対象だと思います。Federalの詳しいnon-citizenの資格については詳しくはこちら。ただFAFSAのデータを使うプライベートの奨学金(大学のものとか、他の団体のもの)などもあるかもしれません。レジテントレイトかインターナショナルレイトかはそれぞれの州や、大学でルールが違うので、直接大学に問い合わせていただく必要があります。いろいろ調べれば何らかの道が開けるかもしれませんからあきらめず調べてみてください。
401Kとかも申請するべきでしょうか?
401(k)などのリタイヤメント資産はFAFSAにはカウントされませんので申請しなくて大丈夫です。
大変役立つになるサイトをありがとうございます!なかなか細かく説明されているサイトがなくとても重宝しています。
アメリカ赴任家庭ですが、子供はアメリカ国籍がありアメリカで大学進学を希望しています。FAFSAやCSSの申請の際、アメリカだけでなく日本にある資産(預貯金、持ち家など)も全部申請する必要がありますか? その証明書なども英訳し提出する必要があるのでしょうか?
また子供が大学在学中に親が日本に帰任した後も、毎年行うFAFSAの申請はできるのでしょうか?
プラナーの身分なので、申請の事務的なことまでは細かく存じあげませんが、理論的には、”日本にある資産(預貯金、持ち家など)も全部申請する必要”はあると思います。申請時には、証明書などは提出する必要はないのかと思います。申請内容については、監査的な形でチェックが入ることがあり、その場合にはいろいろな証拠書類を提出することになるのかと理解しています。親が帰任した場合も、お子さんhがアメリカ人であれば、FAFSA申請は可能です。